BLEACH二次創作 作:豊田
地の文を変えたりしている部分があります。今度こそ完結目指して頑張ります。
空座町《カラクラチョウ》午前二時二十三分 金曜日
「この辺りか…――成程…強い魄動を感じる…」
黒い和服に身を包み、腰には一本の刀を差した女性が電柱や住宅の屋根を次から次へと飛び移っている。
その女性の後ろ姿を遠くから見詰める一人の男。その男は帽子を深く被り、顔の口元を隠すほどの襟があるコートを身に纏っていた。
「死神か…――ハァ、面倒に巻き込まれなけゃいいんだけどねェ……ハァ」
男は呟くとその場を反転し、夜の闇にその姿を消した。……その背には男の身長と同じ長さの一本の刀を背負って……
空座町 午後六時三十五分 金曜日
空座町の人通りが少ないとある一角に浦原商店という名の店がある。その店の中で長いコートを着た男が壁に肩をあずけるように凭れながら眠っている。その男の背後には竹箒を振りかぶり、おもいっきり降り下ろそうとしている目付きの悪い少年と、少年を止めようと服の裾を引っ張っている少女がいた………………涙目になりながら………………
「ジン太君、やめなよ……」
「ウッセー、ウルル!!黙ってろ!!」
「黙るのはオマエのほうじゃないのか?…………ジン太?」
ビクッ
全身から滝のような汗をダラダラと流しながらジン太はゆっくりと顔だけを振り向かせると、そこには黒いオーラを纏いながら仁王立ちしている………鬼がいた。ジン太は身の危険を感じたのか振りかぶっていた竹箒を焦ったように背中に隠したが、ジン太の身長より少しだけ高い竹箒は彼の頭から少しはみ出しており、完全には隠しきれていないようだか、焦っているジン太はその事に気付いていなようだ。
「ゆ、悠哉……こ、これはその!」
「覚悟は…………出来てるよな?ジ〜ン〜太〜」
「ぎ、ギャアアァァアアアアァァアアァァアアアアァァァアアァァアアアアァアアァァアアアア!!!!!!!!!!!」
空座町の夜空にジン太の悲鳴がこだました。
「あ、あの悠哉さん……ジン太君をゆ、許してあげて下さい……」
頭に巨大なタンコブを作り突っ伏しているジン太とそのそばに座っている悠哉に話しかけてくるウルルに、悠哉は視線を移し片手を頭に向かって伸ばした。
「ウルルはいい子だな」
優しく頭を撫でる悠哉を見て顔を赤くするウルル……すると後ろの襖を開け、帽子を被った男が入ってきた。
「アッレー、中村サンここにいたんですか?」
「……浦原さん」
悠哉は見上げながら男の名を呼んだ。――――浦原喜助……浦原商店の店主であり、中村悠哉の雇い主である。
「……何の用ですか…」
「イヤァー、一緒に散歩でもどうかなぁと思いまして♪」
ニヤケ面を扇子で隠しながら笑っていたが……その目は真剣そのものだった。
悠哉はウルルにジン太を連れて行くように言い、二人が出ていくのを確認したあと、浦原に視線を移した。
「……何かありましたか?」
「……虚《ホロウ》が出たみたいでしてね」
「……なら大丈夫でしょ?夜中に死神が来ているのを見ましたし」
「ええ、そうなんですけどねぇ…ホロウの反応が二つありまして……一つが巨大虚《ヒュージ・ホロウ》なんです」
「ッ!?……一介の死神には荷が重すぎましね…」
「でしょー!だから中村サンにお願いしたいなーなんて!」
悠哉は短く溜め息をつくと立ち上がり、壁にかけてあった帽子を目深に被ると浦原の方に視線を向けた。
「……面倒は嫌いなんですけどねェ…しゃあないか…」
「では、ホロウ退治にレッツゴー♪「五月蝿い」イタ!!ナニするんですか中村サン〜」
「気分ですよ……さっさといきましょ」
悠哉に小突かれた頭をさすりながら浦原と悠哉は、ホロウの下へ向かった。
――黒崎邸――
「――馬鹿な――」
白い和服に身を包んだ女…朽木ルキアは、気を失って倒れている黒い和服に身を包んだオレンジ髪の男…黒崎一護を抱き抱えて、異常事態に驚きを隠せず狼狽していた。
つい先程、ホロウを倒すため黒崎一護に死神の譲渡し、死神となった一護がホロウを倒しのだが……先程の戦闘で力を使いきったのか、その場で気を失い倒れた一護の側に駆け寄り、治療を行おうとしたその時、ソイツは突然と現れたのだ。
「――馬鹿な、ヒュージ・ホロウだと!!」
ルキアの目の前には先程のホロウよりも巨大なホロウが奇声をあげ、今まさに襲いかかろうとチャンスを窺っている。
「(くっ!!こんな時に!!)」
ルキアは一護を庇うように胸に抱き寄せると……ヒュージ・ホロウは二人に向かって飛びかかった!
ルキアは一護を一度みると「スマン」と呟いたその時、二人の前に長いコートを着た男が降り立ち、右手に持った刀をヒュージ・ホロウ目掛けて降り下ろすと、ヒュージ・ホロウは真っ二つに両断され、断末魔の悲鳴をあげることすらなく消滅した。
「よお〜無事かーお嬢ちゃ……ん?」
コートの男…中村悠哉は刀を鞘に戻しながら振り返りルキアの顔を見た時、悠哉は目を見開いたが……その様子はコートと帽子によってルキアに気付かれることはなかったようだが……悠哉は頭のなかで思考を巡らせていた。
(……緋真………いや、そんなはずはアイツが現世〈ココ〉にいるわけが……)
「あ、ああ……」
「ッ!?……そ、そうか…じゃあ俺の仕事は終わりだな……浦原さん〜後はヨロシク〜」
ルキアの後ろに向かって呼び掛ける悠哉の声により、ルキアは後ろを振り向いた。
「おやァ?お困りみたいっスねェ」
ルキアが振り向いたそこには、帽子と下駄をはいた男…浦原喜助がいた。
「義骸でもお貸ししましょうか?」
―――斯くて刃は降り下ろされた―――
TO BE CONTINUED