『ネクスト、ホワイト・グリントの撃破を確認。まったく・・・・私の想像以上かもしれんなお前は』
ラインアークの海上を滞空する一つの黒い機体。漆黒のアリーヤの複眼カメラ、そのライトは動きだし、まるで人間のように一点を見つめる。見つめる先にあったのは、海上で仰向けになり、揺蕩っている白い閃光。動かずに波に身を任せている。
「ステイシスも沈んで、ホワイト・グリントも落として、残ったのは僕だけか。No.1は大したことなかったな」
ホワイト・グリントと戦っていた時、首輪付きは異常なプレッシャーと相手の『戦闘慣れ』を感じていた。これがアナトリアの傭兵。これがリンクス戦争の英雄。レイレナードに引導を渡した張本人。
「…ん?」
ステイシスが水没した方向をみる。一瞬だが何かがレーダーに映った。オッツダルヴァ。
『おい、何をしている。早く戻ってこい馬鹿者』
愛する人の急かす声が聞こえ、自分の意識は海上から離れる。頭に泥のようにまとわりつく違和感を振り払い、返答をする。
「今戻ります、セレンさん」
背部のブースターを全開にし、美しい毒を撒き散らしながら目にも止まらぬ速さで空域を離れる。
隣に座るセレンがパソコンを叩く。その音が鼓膜を小さく叩き、眠気を誘う。少し目を閉じて、また開けて、また閉じる。繰り返していくうちに、目を閉じる時間が増えていく。
「寝ていろ。疲れているだろう」
セレンさんがパソコンに目を向け、キーボードを叩きながら言う。その言葉を合図に、自分の意識は完全に落ちた。
記憶、汚染された大地、死の光、空を漂う揺籠。
____『答え』
白い空間。3つの鏡。映される世界。どこからともなく声が聞こえてくる。聞き慣れた気がする、でもまだ聞いたことがない言葉達が自分を突き刺し、突き抜け、脳を掻き回し、世界を動かす。
『そして人は、揺かごで空を飛び続ける…か。お前の『答え』だ、私はそれでいいさ…迷惑でなければ、これからも一緒にやっていこう…』
青い空に黒い揺かごが悠々と漂う。
『一つの生命を思う…それを愚かと呼ぶか…歪んでるよ、貴様も、この世界も…』
天に向けた剣から、光が溢れる。
『当然か…私が見込んだのだからな…お前にやられるのも悪く無い…』
揺かごは墜ち、無垢な大罪人達はその数を大きく減らす。
4つ目。僕は人も、人類も、世界も選ばない。僕は_
ゆっくりと目を開く。どうやら寝ている間にソファに運ばれていたようだ。無論運んでくれたのは、
「起きたようだな」
セレンさんだった。と言うか、何気なくこうして話しているが、自分が寝ている間ずっといたんだろうかこの人。だとしたら少し怖い。
「ずっといたわけ無いだろうがこの馬鹿め。さっさとシャワーを浴びてこい」
「幾ら表情に出ててもそこまではわかりませんよね…」
突然の超能力に増大した恐怖を感じつつ、シャワーを浴びるために浴室へ歩を進める。
_____この戦いの先に、『答え』はあるのか
全ては『答え』の為に。
for Answer
世界は周り、やがて4つ目の『答え』を迎える。