ニケ転生ものは見たことあるけど、指揮官物はあんまりないなーって軽いノリで始めた物語です。
背中で魅せるガンガールアクションのゲームの世界に転生してしまった…そう気がついてしまった私は最初は頭を抱えた。
この世界は突如出現した"ラプチャー"と呼ばれる兵器群に侵略され、人類が敗北し、生活圏を地下都市"アーク"に追いやられてから物語は始まった。
ラプチャーは強力で、通常の火器では損傷せず、ニケと呼ばれる女性の脳を使った機械の乙女でなければ破壊することができず、ラプチャーとの能力差も開く一方であった。ラプチャーはとにかく数が多く、多勢に無勢で戦況は疲弊して、人類は地下に敗走。
そういう歴史があることもあり、周りに可愛い女の子がいっぱいではあるが、その女の子達はアーク市民からは兵器として扱われているが故に、人間らしい扱いを受けられない上に、アーク市民から人類がラプチャーに勝てない鬱憤の吐口のように扱われている。
守るべき市民から疎まれているのに、ニケという存在は戦わなければいけない…勝利の女神は勝利しないと女神として扱ってくれないらしい、なんともままならない世界だな。
そんな私でも一応は士官学校を卒業して十年ほどキャリアを積んでいる、いわばベテラン指揮官とも言える。
この十年は激動の日々だったな…上はとにかく戦っているというアピールをしたいらしく、任務の難易度は初任務だろうとお構いなしに高かった。最初の任務が語弊抜きの初見殺しだとフロムゲーの洗礼を思い出す。
『指揮官、ポイントα、到着しました』
昔を懐かしむ現実逃避…ではない、回想をしていたところに目の前を走る私の部隊の一人、側近として重宝している一番の古株でもある、三大企業のエリシオン製造量産型ニケ"ソルジャーO.W."個人名オズからインカムに通信が入る。
「確認した、目標はタイラント級ラプチャー、ブラックスミスの破壊だ。パターン10クロネウィングフォーメーションを展開、配置完了後、即座に射撃開始とする…"ピースメーカー"隊_行動開始。」
◆◆◆
ピースメーカー隊。受領した任務の成功率は98.6%と極めて高く、隊の損耗率は年間8%と低く、死亡率は脅威の0%とされ、平和の象徴であるとメディア露出も高い。ニケからも「彼の隊にいれば死なずに済む」と言われるほどで、ピースメーカー隊は特例的に分隊を持ち合わせ、隊の規模は54名からなるが、依然として他の隊からピースメーカー隊への異動希望は年々増加の傾向にある。
…なんだこれは、持ち上げられすぎだろ…自分可愛さ極まった保身大好き腐ったみかんのバーゲンセールでお馴染み、中央政府のお偉いさんが、よくこんな新聞記事を許したものだな。
「褒められているのに嬉しくなさそうですね、指揮官」
ソファに座りながら新聞を眺めていたところに、後ろから新聞の内容を見ていたらしいオズが声をかけた。
「中央政府が、クーデターの兆しになりそうな我々を見逃しているのが気がかりなだけさ」
「クーデターとは、また大袈裟ですね」
「中央政府は民衆から自分たちに地上奪還未達成の矛先が向かないように、それでいて、自分たちの地位を追いやられないために一個人に大きな力を持たせず、のらりくらりと現状維持を継続している伏魔殿のような場所だからな、どんな理由をつけられて処分されるか分からない、警戒しない方がどうかしているさ」
やれやれとオーバーなジェスチャーで肩をすくめる。この世界に来てからどうにも芝居がかった動きが多くなった気もする。
「それでも、中央政府から直々に支給品が届く現状、警戒しても意味がないのでは?」
「まぁ、我々の宿舎がアーク内の中心であるから、警戒したところで…という話ではあるのだが」
我々の宿舎は一つの高層ビルを丸々一棟使っているような作りで、各個人の部屋から、広大なシミュレーションルーム、会議室や娯楽室、貴賓室まで取り揃えている。
しまいには目と鼻の先にアークの高級ショッピング街ロイヤルロードがあるのは最早やりすぎと言わんばかりの高待遇だ。
"新星"と名高いヨハンがアークにいないところから、失敗を学んだのか、首輪をつけようと画策しているのか…中央政府のお偉いさんの考えだ、どうせロクなことではないだろう。
「それよりも指揮官、副司令より入電です。ヘレティック、個体名"インディビリア"の所在を突き止めたとの報告です」
やっぱりその時期か、全くもって損な立ち回りだな。
「了解した。こちらの会議室にて、
インディビリア討伐の総指揮を私が行うとはな…頭が痛くなる。
◆◆◆
広い会議室に錚々たるメンツが顔を合わせる。会議室の左列の椅子に座ってるのはエリシオン所属最強部隊アブソルート三名、エマ、ウンファ、ベスティー。
「この度はお招き感謝するMr.ピースメーカー」
アブソルート部隊の一人ウンファが立ち上がりこちらに敬礼して、続く形でエマ、ベスティが立ち上がり敬礼する。
ゲームをやっていた自分からは考えられない素直なウンファが見られて少々眼福なのだが、"Mr.ピースメーカー"平和の象徴ねぇ…平和の象徴なんて言われ始めてから名前で呼ばれることなんてほとんど無くなってしまった、自分としては少し寂しさを覚える。
「我々も会えて嬉しいぞ!ピースメーカー!久方ぶりだが、共に正義の味方であるのだ!ヒーローらしく悪党を倒そうではないか!」
「ハッハッハ!私よりもヴィランらしい奴が気に食わない!早く戦場に行きたいぞ!会議はまだ終わらないのか?」
「こらこら2人とも、こういう場では静かにしようねー」
ミシリス所属最強部隊メティス三名、ラプラス、ドレイク、マクスウェルが順に騒がしく…最初の二人が騒がしくなるが、見かけによらず最強部隊として納得の強さを誇る。
特にこの中でもラプラスの"戦場での"性能は別格だろう。現在アークに存在する例外*1を除けば最強のニケである。
「私も君らに会えて光栄だ。さて、本日集まってもらったのは他でもない、我々の最優先排除対象ヘレティック、インディビリアの所在の情報が中央政府から入ったからだ。当初より予定されていたアークの最高戦力をぶつける総力戦をするために召集させてもらった。我々ピースメーカー隊が所定のポイントに誘導させ、他のラプチャーの相手をする」
「我々アブソルートはメティス部隊と共に、ヘレティックと交戦する。基本的にこちらがメティスの動きに合わせる形を取るが、何か異論はあるか?」
「うん大丈夫、こっちのバカ二人は自由にやらせた方が強いし」
こういう場に強いウンファとマクスウェルが主となって話し合い、ラプラスとドレイクはほとんど別のことで言い争っている。小学生並みの感想だが、マクスウェルの負担すごそうだな…。
「情報ではエブラ粒子を散布する機能が備わっている。各員エブラ粒子の濃度を抑える装備の携行を怠らないように、作戦の日時は二日後の
ウンファとマクスウェルからの返事はないな。
「なければ、これから会食の場を用意してあるので、良ければそちらに移動して、これからの英気を養って_」
「ちょっと待った!」
終わりかけのムードになっていたところで、待ったをかけた人物が一人いた…ラプラスだ。
「作戦名…この作戦の作戦名はなんだ!」
確かにこういう大きな作戦では何かと作戦名を言うものだが…待て待て、何故かみんながこちらに注目している。
私がいうのか?すぐに思いつくものではないぞ?
「そうだな、作戦名は_"オペレーション・フォールンエンド"だ」
考えていなかったにしては、なかなか良い作戦名ではないだろうか?…おお、ラプラスとドレイクは目を輝かせている。気に入ってもらえたようだな…他のメンバーが口を閉じているのは気がかりだが…。
「見た目に反してこういうところは男の子ですよね…指揮官」
何か後ろでオズが呟いたようだが、気にしないことにした。
お疲れ様でした。
一般指揮官?だけど、肩書きがオールマイトみたいな人、まだ地上奪還は達成できていない。本名は多分でない
ゲーム主人公の指揮官は後々出るけど、先輩みたいなポジションにいる。ヨハンとキャラ被り、でもこっちの方がノリが良い
多分ゲーム主人公の指揮官も名前は出ない、"カウンターズの指揮官"とか"カウンターズの"とか"青年"呼びとかしそう