バーが…赤く…なった…続きます…ウレシイ…。
「さて、目的はアンリミテッド部隊の救援だ。作戦内容は各員、目を通してた通りとなる。第一目標は、アンリミテッド部隊の救出、第二目標は各施設の保守。施設そのものがラプチャーに侵食されたら流石の我々でも手厳しい、抜かるなよ」
まさかアンリミテッド部隊がラプチャーの軍団に包囲されるとは…ヘンゼルとグレーテルが修理完了間近というところで、この攻撃ということは、ヘレティックかクイーンに気取られたか…もしや、トーカティブの介入か?
しかしシンデレラの研究所の焼き直しのようで、気が気でないな。
「カーレンは初の部隊単位での実戦になるかな。無理はしなくていい、戦場の雰囲気を感じるだけで構わないよ」
「いえ、ご期待にはお応えいたします。指揮官様」
「オズは三個小隊を率いてアンリミテッド部隊の保護を頼む。グリム、ゴーテル、カーレンは私と共に外のラプチャーを叩く、掃討作戦だ…それと二人はカーレンのカバーも忘れずにな」
「「「「イエス、サー」」」」
"誰"が率いているかまでは分からないが、味な真似をしてくれる…私の目指す、ハッピーエンドの邪魔をさせはしないさ。
◆◆◆
「二時の方向、弾幕集中、自爆型は近寄らせるなよ」
『こちらチャーリー、ラプチャーの数が多すぎます!負傷者多数、指揮官指示を!』
「チャーリー聞こえるか、防衛線を下げ態勢を立て直せ、こちらは余裕があるため、ゴーテルを向かわせる。もう少しだけ持ち堪えてくれ…ゴーテル、場合によっては任意で偽装解除をしても構わない、二個小隊を連れてカバー頼むよ」
「りょーかいマスター!」
外だけで三面、アンリミテッド部隊の保護が遅れるなら四面の目まぐるしく変化する戦場の部隊操作は流石に骨が折れる。
「さて、雰囲気だけのつもりだったが、予定変更だ。やってくれるかなカーレン?」
「ふふ…ええ、是非…私にお任せください、私の神___ああ、いえ、指揮官様。アルブレヒト&デューラー_レディー」
左脚のアルブレヒトは、チャージ式のビーム兵器であり、シンデレラのガラスの靴ほどの精度と精密性は持ち合わせていないが、片膝を突く前提の設計であるため、威力はそれに見合うだけの物を持っている。
「11時の方向だ、掃射開始」
「掃射、開始します」
第二世代フェアリーテイルモデルという人類の___エイブの生み出した叡智の結晶が、百年の時を経て…ここに蘇った。
純然たる破壊のエネルギーが、縦に置かれたビームの柱のような暴力を持ってラプチャー達を塵芥へと変える。この威力のビーム兵器を扱えるのは、絶好調のラプラスだったとしても無理だろうな。ひとえにフェアリーテイルモデルというのもあるが、エイブの基礎設計の賜物だろう。
「冷却開始、リチャージまで
しかし、素体は良くとも失われた専用武装レベルの兵器を作成できるほど我々の技術力は高くなく、エネルギーの変換効率も悪い。
一度の威力に機能を集中させていることもあるが、それでも冷却装置の性能は百年前より明らかに劣化しているだろう。エイブの頭脳が失われたのは大きすぎる損失だな。
しかし今エイブを見つけたところで、頭部の裂傷と思考転換が起こっている現状は変わらない、ままならない物だね…。
「デューラーによる対空戦闘、地上のラプチャーは後回しに、優先すべきは飛行型だ」
カーレンの右足の武装、デューラーは四つのソード型自立ビット兵器を相手に叩き込み、切り付ける仕様となっており、アルブレヒトのチャージ時間の隙を埋めてくれる武装となっている。
遠隔で操作しなくとも、脚に収納された状態で対象に蹴りつける近接格闘もこなせるため、アルブレヒトと合わせて遠中近全ての距離をカバー可能となっている優れものだ。
カーレンの性質と
「さて…そろそろこちら側はケリが付くだろう…グリムヒルト、コードウィッチ起動、30秒だけでいい、地上のラプチャーを殲滅しろ」
「魔女の林檎、レディー!」
虎の子の切り札を少し使わせてもらおう…おや、そういえばカーレンには伝えていなかったな、目を見開いてちょっと興奮気味にグリムヒルトを眺めている。
「グリムヒルト以外は空中のラプチャーに射線合わせ、ソードビットは撃ち落とすなよ」
「あのコア出力はどこから?専用武装らしき名称は聞こえましたが武装はどこに?徒手空拳での戦闘を前提にしているのですか?ラプチャーを引き裂くにはどれほどのエネルギーを?専用武装の効果は?フェアリーテイルモデル級の出力を?稼働時間は?まさかリリーバイス級なのですか?私の神はどこでリリーバイスのことを?はっ、もしやオズやゴーテルも同じように?」
狂信者のような…いや、そのままの
あまりないがこういう性質を発揮してしまうのが玉に瑕だが、仲間に侵食コードとか打ち込むようなそぶりも見せずに、神に至る研究に没頭しているので特に気にしていない。むしろ神について研究が進めば、私がここに来た意味も間接的に分かってくるかもしれない。
「はは、あとで答えるから、今は戦闘に集中してもらうよレッドシューズ」
『人間もどきをある程度分断できたようだな、これでオマエとの話し合いのテーブルに付ける』
この戦場にノイズがかかったような声が響く、敵の接近を許したか、私も迂闊だったか?…いや、違うな、今まで監視や警戒は怠っていなかったはず…私の監視や警戒を掻い潜ってきたのか…やるな。
「私も一度君とは話をしてみたいと思っていたところだ。
両腕が大きく、ゴリラのような印象を受けるラプチャー___と言っていいか分からない、謎に包まれた敵が、目の前に姿を現した。
「"グリムヒルト"、コードウィッチ解除、各員待機…様子を見る」
『警戒しなくてもいい、攻撃は止めよう。私はオマエに聞きたいことがある』
冗談のように聞こえるが、トーカティブは理性的に話している。しかしこちらの警戒は最大限高めたままだがね、まぁそれは向こうも同じだろう。
「私も聞きたいことがあってね…今回の戦闘の目的は何かな?」
『オマエが先に聞くのか…まぁ良い、簡単な話だ。オマエがあの研究所に入り浸っていたからだ、叩けば救援に向かうと思って網を張った』
あくまでも私が目的か…。おや、
『次はこちらだ。オマエは何者だ?』
「はは、随分とアバウトな質問だな。ただの一般的な指揮官だが、それ以外の何があるというのかな?」
『ハハハハ、一般的だと?冗談の練習をした方がいい。オマエのような指揮官が一般化してもらってはこっちが困る。それともはぐらかしているのか?』
「次はこっちの番だ。トーカティブ、君は普通のラプチャーではないだろう、君こそ何者だ?」
『そこいらにいるラプチャーの一体だ』
なんだ、本当のことを話す気はサラサラないじゃないか…まぁ、これもお互い様だね。
「同じような考え方だとわかっただけで収穫だね…そろそろ頃合いだろう、
トーカティブとのやりとりの最中に、オズからモールス信号によって、アンリミテッド部隊の保護が完了して、こちらに向かってきていると連絡があり、すぐ出て来れるように待機してもらっていた。
しかもオズはありがたいことに援軍を連れてきてくれたのだから、心強い。
「対象は目の前のタイラント級ラプチャーです!
「ヘンゼルは寝起きで動かされて憂鬱だと思うの、グレーテルは寝起きで動かされてとても憂鬱だと思ってるわ」
二人で一人のフェアリーテイルモデルが、この戦場に降り立った。
お疲れ様でした。
もしかしたら私…レッドシューズのエミュ上手かもしれない…。
援軍(そこまでピンチというほどではない)にヘンゼルとグレーテルが来るの結構熱いな