さて、これにてアビドス編第一章は終章となります!
次回からはアビドス編第二章が始まります!
思えばここまで意外と早かったように思えますね。
まだまだ駄作の段階ですが、最終章の感動のラストまで描き切ろうとおもいます。
それまで、飽きずに読んでいただけたら幸いです。
_______鏑林 羅衣
「社長!ムツキ!ハルカ!早く隠れよう!奴らが来た!」
「奴らって?」
「うちの風紀の連中だよ!ここまで追ってくるなんて!それもこのタイミングで……!」
「いや、こんなタイミングだからこそ……!?」
(グシャァ!!)
遠くで何かが潰れたような音がした
戦車の主砲でも、迫撃砲の爆発でもない
「ああもう!!何が起こって……!」
(バシュウ!)
「っ!?」
突如、カヨコ達の周りに、ガスが噴出される
「これ……睡眠……だん……」
カヨコはそのまま眠りに落ちてしまう
「ターゲット、沈黙しました」
「よし、歩兵。第二小隊まで突入」
「イオリ、あの方はどうします?」
「ん?ああ、向こうの…….なんだっけ……?シャーレ?」
「そんなのは当然、公務の執行を妨害する輩は全員敵だ。それに、あいつ策もなしに突っ込んでいったからな。もうやられてる頃じゃないか?」
「ならば、大人しくしてもらいたいところだったんですがね……しかしこちらの事情を説明するのが先かと」
「説明?それ、必要か?」
「……」
「うちの厄介者達をとっ捕まえるための労力が惜しい。もし邪魔するなら、部外者とはいえ問答無用で叩きのめす」
「ですが____」
チナツがイオリに先生のことを説明しようとした瞬間だった
『だ、第一小隊壊滅!繰り返す!第一小隊壊滅!』
「……は?」
『シャーレの先生は危険だ!総員直ちに撤退せよ!すでに第二小隊に向かっている!!』
「一体何が……」
「あれ?チナツさんじゃないですか」
「せ、先生……」
「へぇ……お前が私らの部隊を壊滅させた先生…….か。風紀委員会規定第4条に則り、執行妨害で逮捕する」
イオリはクルンと銃を手に取り、羅衣に向ける
「あんた、答えて欲しいんですけど、」
「は?」
「なんでわざわざ柴関ラーメンを破壊した」
「……邪魔だったからな。うちの厄介者がそこに入って行ったと言う通報があったからな」
「へー。りょーかい。理解できました」
「まぁ」
「不正解だ」
羅衣は鉄血で拳を強化し、イオリの横っ腹に最大威力で叩き込む
「あぐっ!!」
「へぇ、気絶しないんだ」
頑丈だな
(今何をされた?ヘイローもない人間に速さで上回られた!?)
「んじゃ、もう何発か叩き込んで「動かないでください」」
「流石にここでの戦闘は先生にとっても不毛だと思います。そのまま動かないでください。動けば先生の頭を撃ち抜きます。」
「……俺用底殺傷弾って奴っすか。まぁ随分」
「お気楽なことで」
術式解放
赤鱗躍動
俺はチナツさんの肩を外し、無力化する
「ッ!!あ……うあ……」
「大人しくしててください」
俺はゆっくりと蹲っている銀髪の人に近づく
「俺ね、怒ってるんですよ。」
「ッ!喰らえ!」
弾丸が羅衣に当たる、だが羅衣はびくともしない
「ッ!!来るなっ!」
「別に攻撃されたことに怒ってるわけじゃないんです。」
何発も銃弾を喰らうが、歩く速度を緩めることはない
「俺が怒ってるのは」
イオリの銃はついに弾切れを迎える
カチカチと空撃ちの音が響く
(リロード!)
イオリは腰の弾倉に手をかける
だが
「みんなの思い出の場所をぶっ壊したことだ」
(バギン!)
羅衣がイオリの銃の銃身を掴み、そのまま真っ二つに折る
「覚悟は、できてるだろうな」
「…….ひっ……」
イオリはあまりの呪力濃度に耐えられず、気絶した
「……さて、」
俺は装甲車や戦車の並ぶ道路の真ん中に瞬時に移動する
そして
「領域展開」
『血華領獄』
バキバキと戦車の装甲が羅衣の血によって錆び、崩れていく
すでにイオリがやられたことによって、ここら一帯の風紀委員は腰を抜かしていた
「おい、見てんだろ。さっさと姿を見せろ。」
静かな空間に羅衣の声だけが響く。
「出てこねぇなら、こっちから出向いてやろうか?」
羅衣は再度呪力出力を上げる
『それは私のことでしょうか』
「お前以外に誰がいる。」
こんな大人数をまとめるには優秀な指揮官が不可欠だろう。
「てか、通信じゃなくてちゃんと出向けよ」
『今からでは、ゲヘナとアビドスは遠すぎるので、』
両者、睨みを効かせる
『こんにちはシャーレの先生。私はゲヘナ学園所属の行政官、アコと申します』
「シャーレ担当顧問。鏑林羅衣だ」
『では、今の状況について少し説明させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか?』
「逆に説明が遅い」
『それは申し訳ありません。話を戻しますが_____』
ん?
あれって伊草さんじゃん。
なんか目があった
なんか会釈してきたから俺もとりあえず目配せはしておく
なんだったんだろ
_______
「ていうか、バレバレだぞ。後ろ」
俺は隠れながら銃をこちらに向けている風紀委員に対し、親指で指を刺す
『それはすみませんでした。全員、銃を下ろしなさい』
アコとやらがそう言うと、本当に風紀委員は全員銃を下ろした
随分素直だな
『先ほどまでの愚行は、私たちの方から謝罪させていただきます。』
「なっ、私は命令通りにやったんだけど!アコちゃん!?」
なんだ、もう起きたのか
「命令に、「まずは無差別に発砲せよ」なんて言葉が含まれていましたか?」
「い、いや……状況を鑑みてひつような範囲で火力支援、その後に歩兵を投入……戦術の基本通りにって……」
「そこまでわかってんのにああ言う戦法をとったのか?バカじゃないの?」
『ましてや他の学園自治区の付近なのだから、きちんとその辺りは注意するのが当然でしょう?』
アコと羅衣がイオリを捲し立てる
『失礼しました、先生』
『私達ゲヘナ学園風紀委員会はあくまで、私たちの学校の校則違反をした方々を逮捕するためにきました」
『あまり望ましくない出来事もありましたが、まだ違法行為とは言い切れないでしょうし……やむを得なかったと言うことでご理解いただけますと幸いです」
『風紀委員会の活動に、ご協力お願いできませんか?先生』
確かに、アコの主張をはもっともだ
これだけでは領域審判にはならない
だが
「あ“?」
それを鵜呑みにできるほど、羅衣は大人ではない
『あらっ……?』
さらに怒りを増した羅衣に、アコは困惑する
「お前状況わかってんのか?」
羅衣が突然アコの視界から消える
「一体どこに……」
(ゴバァァァアン!)
「えっ……?」
なんと羅衣はこの一瞬でゲヘナ学園に移動し、そのままアコの首根っこを掴んだ。
「ほらな。さっさと行くぞ」
「ええ!?」
アコはこの状況をまるで理解できない
そのまま羅衣はさっきいたところまで跳んだ
一回の跳躍だけで、アビドスとゲヘナを横断したのだ
「言っとくけど、そっちが挑戦者だから」
「っ……」
ついにアコもアビドスに到着したことになる。
「これは立派な領域審判じゃないか?」
「それ以前に誘拐です」
できるだけ気丈に振る舞う
「まさかゲヘナともあろうお方々がこんな暴挙に出るとは思いもしなかったけど……」
「なら、覚悟はできてるだろ?」
「……この兵力を前にして怯まないなんて…….」
アコは驚き半分。恐怖半分で言う
その間も、アコはハンドサインでイオリに指示を出そうとする
「ちょっとエッセンスを加えよう」
“大人のカードを使う“
「領域展開」
『誅伏賜死』
「これで、対等だ」
これより、裁判が執り行われる
羅衣くん小話 『釣り合い』
「いつか旅行とかしたいね〜」
「へいへい、特級殿のお悩みは私には分かりませーん」
「お兄ちゃんだってそろそろ特級じゃん」
「俺は特級にはならんて」
「どーして?」
「めんどくさい」
「直球だね〜……ま、お兄ちゃんが特級にならないなら、私が一生養って上げる」
「え〜……なんかいや〜」
「私と結婚したら……毎日……その、えっちなことも、いっぱいしてあげるよ?」
「なんで結婚する前提なんですかねぇ」
「えー……結婚しないの?」
「できないしないするわけない」
「否定の三段活用だなぁ」
「結婚できる間柄だとしても結婚しねぇ」
「どーして?」
「俺とお前じゃ釣り合わない。俺はオシャレにも気を遣えないし、家事もあんまりできん」
「料理とか洗濯とか掃除はできるじゃん」
「お前だったらもっとスマートにこなす」
「それは人それぞれなんじゃない?」
「それでも、お前は可愛い、けど俺は容姿も整ってない」
「私はすっごくかっこいいと思うんだけどな〜……てか、私のことめっちゃ褒めるじゃん」
「普通のことは普通に言う。嘘はつかん。」
「日車さんとの契約?」
「そう言う術式なだけ」
「けどさ、お兄ちゃんは強いし、私に十分釣り合ってると思うんだけどな〜」
「……そうか?」
「うん。」
「即答だな」
「だって、普通のことだもん」
「……ふはっ」
「あは」
「ま、仲良い兄妹ってことで。」
「あー、誤魔化した!じゃあ今から既成事実作りま〜す」
「俺のそばに近寄るなぁァァァァ!」
「スティッキーフィンガーズ!」
「逃げ!」
「待て!アケロイド市警だ!」
____________
「えっ!?先生!それって……」
「え?……ああ、指輪のことですか?」
「け、結婚指輪なんかじゃ、ない、ですよね?」
「……結婚指輪ですよ。」
「え……」
「もう、死んじゃいましたけど」
それでも、指輪<コレ>があれば、あいつに、会える気がして、
とても捨てられないな。
見てるか?妹
お前の兄は未練たらたらだぞ〜