赤と青が交わる場所   作:カブライニキ

22 / 95

UAいくら行ったかな……


ふえー四千かぁ……


ヨンセン!?


ドゥワァァァ!

(UA数四千記念です)


番外編 五月蝿い

 

 

『彼が噂の......!』

 

『あれが才能と努力の天才......』

 

『これで呪術界は安泰だな!』

 

 

五月蝿い

 

 

『なんだ、あの出来損ないか。』

 

『なんで神童なんて呼ばれてたんだ?あいつ』

 

『全て私たちを騙していたのか......』

 

 

 

五月蝿い

 

 

 

 

「お前はお前でできることを見つけろ。」

 

あんたは妹失ってんだろ。自分のこと考えろよ

 

「僕は、羅衣くんが出来損ないなんて呼ばれて、すごく悔しかった。だから、ぶん殴ってきちゃった」

 

俺のためならやめてくれ。先輩の役にも立たないだろ

 

「......一応、君の先生であり、私は友達でもありたい。だから、話してくれないか?」

 

「そーそー。傑の言う通り、羅衣はなんでも自分で背負いすぎるからね」

 

「悟は流石にフランクすぎるよ」

 

あんたらはあんたらで地獄経験してんだろ。先生がもっと背負ってどうする

 

「羅衣羅衣!今度あそこのバッセン行こうぜ!あとスポッチャも!」

 

悠二。お前は優しいな

 

「ん?わかんねぇけど、友達と遊びに行くのは普通じゃねぇの?」

 

 

「羅衣......無理してんならいつでも相談しろ。......その......妹さんのことも」

 

ありがとな、恵。

 

「いや......辛くなったらいつでも言え。」

 

 

「ほらアホども!ショッピングの時間だァ!」

 

「うっしゃ!荷物持ちは任せろ!」

 

 

俺のことなんか気にしないで、3人で遊べよ

 

「荷物持ちが1人増えるだけで楽になんのよ。黙ってこき使われなさい」

 

......おう

 

 

 

 

「お兄ちゃん」

 

 

五月蝿い

 

 

お前は妹じゃないだろ

 

 

 

その声で喋るな

 

 

 

五月蝿い

 

 

俺の頭に話しかけるのはやめろ

 

 

 

五月蝿い

 

 

 

「お兄ちゃん。」

 

 

 

触るな

 

 

 

「ぎゅー」

 

 

 

 

触るな

 

 

 

「ねぇ、私のこと、好き?」

 

 

 

 

 

「喋るなァァァァァァァ!」

 

 

 

 

 

俺は夢から覚めたように会議室の灰皿を壁に投げつける

 

 

 

「ど、どうしたんだい?」

 

「羅衣、ほんと大丈夫?」

 

 

 

俺の視界には、セーター姿の夏油先生と、いつもの目隠しとは打って変わって、軽装にサングラスのバカ目隠し先生が目に入る

 

 

 

「あ......大丈夫です......大丈夫......はぁっ.......はっ......だい......うっ......お“ぇ”ぇ“ぇ”......」

 

 

あまりの気分の悪さに、俺は胃の内容物を机にぶちまける

 

 

 

「羅衣!?どうした!」

 

「すぐに医療班を呼んでくれ!」

 

「は、はい!!」

 

 

五条先生は俺の背中を摩り、声をかけてくれる。

 

 

「羅衣、可能ならゆっくり深呼吸をするんだ。今は吐いていい。」

 

 

夏油先生も、嫌な顔一つせず大事な物のはずのハンカチで俺の手と口元を拭う

 

 

 

「うぇっ......あ“あ”!やだ!ヤダヤダヤダやだやだ!いやだ......いやだよぉ......」

 

 

 

小さな子供のように、泣きじゃくる。

 

 

「なんでぇ......えり......どこにいるの......見えない......みえないよ......どこ......かぁさん......どこ......こわい......」

 

 

「っ......ほら、羅衣、ここだぞ」

 

 

悟はわざと無下限呪術を羅衣に触れさせる。

 

 

「......ぁ......せんせ......あれ......?えりは?どこ?」

 

 

「......羅衣、ごめんな」

 

「しゃけ」

 

 

「棘、急に来てもらってすまない。いつものやつを頼む」

 

 

 

医療班として会議室に入ってきた棘が口元のマフラーを取る。

 

 

「こんぶ」

 

 

「あ、え......棘......どこ......ごめん......みえない......」

 

 

 

『«眠れ»』

 

 

 

「あ......」

 

 

 

 

棘の呪言によって、羅衣の意識は再び闇の中に落ちた

 

 

 

「......眠ったか」

 

 

「すまないね、棘」

 

「高菜」

 

 

「.........宿儺との決戦から、随分経つけど、治らないかい?」

 

 

「ああ......むしろどんどんひどくなってる。ひどい時は自傷もしてる」

 

 

2人の先生は、あの戦いを生き延び、宿儺を屠った。

 

だが、その代わりとも言うように、彼の妹が犠牲になった。

 

 

その心が、15歳の心が持つはずもなく、酷くズタズタになった心は、その時間から動くことはなかった。

 

 

「......今度、どこかに遊びに連れて行くかい?」

 

「それはもう試したけどな......一応、沖縄にでも誘うか?」

 

 

「......いや、やめておこう。焼け石に水だろう」

 

 

2人はどうにかして羅衣に再起の機会を作れればいいと思い、いろいろな場所に遊びに誘ったり、様々な事を学ばさせようよは試みているが、一向に彼の心的外傷が治るわけがなかった。

 

 

「......落ち着くんだ悟。別に彼が死ぬわけじゃない。今はゆっくりと再起を「羅衣を再起させる必要って、あんのかな」......」

 

 

「......もう、このまま、どうにか羅衣のことを『普通の』高校生に、戻せねぇのかな......」

 

 

悟自身もわかってる。

 

もう、羅衣の心が限界のことも。

 

仇を討とうとも、治らなかった怒り、想い人であり、妹であった唯一の理解者との離別。

 

 

「......今は、自決しないようにだけ、見守らないとな」

 

 

ただ、悟は、自分にできることなんてないと痛感する。

 

生徒を、羅衣を、救えないことだけを実感しながら。






おっと!そこのあなた、羅衣くんは宿儺に殺されて死んだんじゃないかって思ったでしょ!


俺もそう思います
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。