赤と青が交わる場所   作:カブライニキ

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いやね、俺約束破る人って嫌いなんですよ。

なのでほんとすんませんでした。

こっからまた再開させていただきます


第十六話 砂漠へGO!俺GO GO!

 

「暑い!!熱いぞい!」

 

アビドス高校を発ってからかれこれ車で2時間。車の中は良かったものの外は流石の砂漠といえよう。

 

舞う砂埃、照りつける太陽、そして廃棄された鉄道路線。

言わずもがな、ものすごくあつい

 

「ここまでは先生の車で来れましたが......ここらかは道が続いていないので徒歩しかありません」

 

「ん、もう少し進めばアビドス砂漠。」

 

いつもならオペレーターをしているアヤネさんも現地に赴いていた。

みんな長袖だけど暑くないのかなあれ

 

「......このアビドスにおける砂漠化が進む前から、もともと砂漠だった場所です」

 

アヤネは少し神妙に、そして適切な表現で羅衣に情報を伝える。

 

「もともと砂漠だったんだ......」

 

「昔はもっと砂漠の開発も活発だったんだけどねぇ〜」

 

いつもなら丸まっている背中をピンと張るホシノ。

 

「廃棄された防衛ドローンやオートマタが徘徊しているのでかなり危険です。」

 

「けど、今回は強行突破と。」

 

「はい。この調査で是が非でもカイザーコーポレーションが何を企んでいるのか、確かめなきゃいけませんから」

 

少しズレたメガネを中指で直しながら、アヤネさんはみんなを統率する。

本当だったら俺がやらなきゃないんだけどね

 

「......けどさ、先生。よく考えると、その情報をくれたのってゲヘナの風紀委員長でしょ。それって何だかおかしくない?」

 

「まぁ......確かに」

 

 

怪しくないと言えば嘘になる。

 

何か裏があるかもしれないし、利用されてる可能性だって十二分にある。

 

「ま、行かないことには何があって何がないのかもわかんないですから。」

「......それもそうね」

 

セリカさんも愛銃の「シンシアリティ」を背中に担ぐ。

 

「あ〜......帰ったらまた点検しないと......」

 

「?この前も点検してませんでしたっけ」

 

「砂漠みたいな細かいデブリがあると銃が詰まり(ジャム)を起こして暴発する恐れがあるから、帰ったら隅々点検しないといけない」

 

羅衣の純粋な疑問にシロコが答える。

 

「おお......!シロコさんが輝いて見える......!」

 

「ん、これくらい常識」

 

「なんかカッケェ」

 

羅衣に褒められてシロコもご満悦そうだ。

 

「こらこら皆さん、ここだって安全なわけじゃないんですから。油断しないで先に進みますよ〜」

 

身の丈ほどのマシンガンを持ったノノミが浮かれ気味の2人を注意する

 

「シロコちゃんはそれこそ先輩なんですから、先生のことを守ってあげてくださいね⭐︎」

 

「お安いご用。先生、疲れたら私がおんぶする」

 

「ふふふ、逆に俺がシロコさんをおぶりますよ」

 

 

「じゃ、引き続き進むとしよっか〜?」

 

 

先頭に立ったホシノが愛銃のショットガン『Eye of Horus』を手に、皆を先導する

 

『了解!!』

 

 

 

 

 

___________

 

 

「ぎゃァァァァァァ!」

 

「何でこんなにいんのよーーーーー!!」

 

砂漠を彷徨いながら歩くこと20分。

6人は早々にロボットの大群に追いかけ回されていた。

 

「ノノミさァァァン!!助けてェェェェェェ!!」

 

 

「はい⭐︎待ってましたよ〜!」

 

羅衣とセリカが敵を撹乱・誘導し、ノノミの下まで後退。

それをガトリングの掃射で一網打尽というシンプルながらに地盤がしっかりとしている作戦を決行

 

ちなみに羅衣は「生徒が見てるんでね。カッコつけさせてもらうよ」といい、真っ先に敵陣に突っ込んでいった。哀れだね

 

「全弾発射〜⭐︎」

 

「うおっあっぶね!!」

 

まさに弾丸の雨とも言える弾幕がオートマタやドローンに降り注ぐ。

弾幕の内に入った機械兵達はまさに粉微塵になって倒れていく。

 

「はぁ......はぁ......ふはははは!!粉砕⭐︎玉砕⭐︎大喝采⭐︎!!」

 

「この作戦バカでしょ!!」

 

「バカとは何ですかバカとは!!頭のいい作戦と言ってください!」

 

「バカでしょ!何で私まで......」

「俺のこと心配になって来てくれたくせに」

「〜〜〜〜〜〜っ!!」

 

まさかの図星だったようでセリカの顔がみるみる内に赤くなっていく

あ〜あ、羅衣くんは乙女心をそんなふうに利用するんだ。

そうか、つまり君はそういう奴だったのか

 

「ホシノさん、俺の耳元で変なナレーションをつけないでください」

 

「ありゃバレてた」

 

 

「うぅ......ころげ回ったから砂だらけだし......」

 

「ンも〜......んじゃセリカさんには俺のクソデカジャケットを着てもらいます。熱いのは我慢してください」

 

制服の上着を脱がせ、自分の着ていた大きなジャケットをセリカさんに着させる。

 

「わっ!きゅ、急に脱がせないでよ変態!!」

 

「変態とは何ですか変態とは!俺はセリカさんのことを想っての行動をしただけなのに!」

 

「ん、制服はどうするつもりだったの?」

 

「俺の家に厳重保管ですね」

 

「ど変態!!死ねっ!!」

 

みんなとは出会ってから結構な日にちが経ち、これぐらいの冗談を言い合えるような中になっている。

セリカさんも心なしか俺に対しても遠慮がなくなってきているように感じる。

 

「ほら、もうついたよ〜」

 

先頭を歩いていたホシノさんが大きい砂丘のてっぺんでみんなを呼ぶ

 

「......ここから先が、捨てられた砂漠......」

 

「砂だらけの市街地に行ったことはありましたが、ここから先は私も初めてです......」

 

ノノミさんは少し不安そうだが、この中の火力的にはほぼ最強である。

 

「いや〜久しぶりだね、この景色も」

 

どこか苛立ちを抑えるような笑みを、ホシノさんは浮かべる。

その笑顔はどこかぎこちなく見える。

 

「ホシノさんはここにきたことあるんです?」

 

「うん、前の生徒会の仕事で何度かね〜」

 

アビドス生徒会。

アロナに頼んで書類を作ってもらったはいいものの、ほとんどの情報が文字通り砂に埋まっているせいでほとんどなにもわからなかった。

一体ホシノさんはなにをやっていたのだろう。

 

犯罪絡みじゃないことだけを祈るばかりだ

 

「もう少し進めばそのにはなんと、かつてアビドスの砂祭りが開かれていたオアシスが!」

 

「砂祭り?」

 

「て言うか、オアシスがこんなところにあるの!?」

 

セリカさんもこんな砂地に祭を開けるほどのオアシスがあることに驚愕している。

 

俺が気になったのはそのオアシスだ。

辺りを見回してはみるが、そんなものはどこにも見つからない

 

「......砂漠しか見えないんですが」

 

「うん、羅衣くんの言う通り今はもう全部干あがっちゃったんだけどね〜。元々はそんじょそこらの湖より広くって、舟を浮かべられるくらいだったとか」

 

「琵琶湖かな?」

 

「ビワコ?」

 

おっと、俺の中で大きい湖と言えば今でも琵琶湖を思い浮かべてしまう。

 

......ダメだな。今ここはキヴォトスだ。

気持ちを切り替えろ

 

 

「すんません、こっちの話です。」

 

無理矢理にでも会話を切り上げる。

己のことながらぎこちない。

 

「......ま、私も実際オアシスは見たことないんだけど〜」

 

それはそうである。

ホシノが入学する十数年前にはオアシスの干ばつが始まり、それから一年もしないうちにオアシスは干あがってしまったのだから。

 

「砂祭り......私も聞いたことある。アビドスでは有名なお祭りで、すごい数の人が集まったって。」

 

「そそ、別の学校からもそのお祭り見たさに人が来るくらいだったらしいからね」

 

ま、それもずっと昔のことだけど。とホシノさんは付け加える。

 

何だかこの話題を口にしてからホシノさんの語気が少し強い気がする。

気のせいかもしれないが......

 

「へぇ、今となってはこんな光景になっちゃってるけど、ここでそんなすごいお祭りが......?」

 

「まさに、諸行無常って奴ですね。最近それに近い言葉で、Vanitas vanitatum et omnia vanitas ってのを聞いて。」

 

最近アビドス周辺を散歩していたら橋の上から落ちようとしていた人を助けたらなんかちょっと仲良くなれた人が教えてくれた言葉だ。

なんかカッコよかったから覚えたよね

 

「な、なに?ば、ばに?」

 

「Vanitas. 意味は『全てはただ虚しいものである』って言うらしいです。」

 

「ふ〜ん......随分悲観的なことを言うんだね。教えてくれた人は。」

 

シロコさんの意見も尤もだろう。実際この言葉を教えてくれた『ミサキ』さんも

 

『努力も、失敗も、成功も。全部虚しいだけ。私たちの人生に意味なんてない。』

 

なんてことを言っていた。

逆に意味のある人生なんてないのにね。って言ったらなんか

 

『......ふふっ......面白いね君。私の話を否定しないんだ』

 

結構ポーカーフェイスかな〜って思ったらちょっと笑ってくれたらか嬉しかったのを覚えている。

 

『ここにはもう来ないほうがいいよ。きっと私もいないから』

 

そうは言っていたけど、また同じ場所に行ったら

 

『来ないほうがいいって言ったのに......まぁ、私もそういいながら来てるんだけどさ......』

 

また次の日も

 

『今日も来たの?え?お菓子?......私にこんなものを渡してもただ虚しいだけでしょ。私みたいに愛想のない女にプレゼントなんて意味ない。』

 

そんなことないしプレゼントなんて言ってない。

ちょっと意地悪でいじってみる。

 

『え......あ、ご、ごめん。嬉しくないわけじゃなくて......本当にごめん。』

 

結構マジな感じでひっついてきた。

かわいいね(ゲス)

 

そんなふうに毎日散歩がてらミサキさんのところに遊びに行っていた。

 

ある日を境にミサキさんは来なくなった。

 

最後の日は特になにもなかったはずだ。

 

喧嘩なんてしてないし、喧嘩をするほど親密な関係でもない。

 

ミサキさんが橋やらどっかから飛び降りようとする場所を探したがどこにもいなかった。

 

その時だけは、一抹の『虚しさ』を感じたのも鮮明に覚えている。

 

そういえば最後の日、ミサキさんは何て言ってたんだっけ

 

 

「ま、虚しいからって考える事や動くことを諦めたらそこで試合終了なんですけどね。」

 

「ん、先生はポジティブだね。」

 

「楽観思考なだけなんですけどね〜」

 

......またどっかで会えればいいけどさ

 

「ほらほらみんな〜雑談はそこまでにして〜。敵さんが来たよ!」

 

ホシノさんの号令でようやく敵の接近に気がついた。

周りに気を配る感覚を最近忘れがちになっている気がする。

 

「先生!今回も先鋒をお願いします!」

 

アヤネさんも滅多に出さない愛拳銃『コモンセンス』を腋のホルダーから抜き、オートマタに向ける。

 

「まかしてください!『百斂』」

 

俺も再び気合を入れ、強化した身体でオートマタ達の大群に突貫する。

 

 

 

今は、この問題だけに目を向けよう。




羅衣くん小話『お兄ちゃん』

「俺は悠二のお兄ちゃんだ。」

「俺は英梨のお兄ちゃんだ。」

「「英梨ィィィィィィィィィィ/悠二ィィィィィィィィィィィィィ!!」」


「あれなにしてんの?」

「なんか兄どうしで呪力を強化すればもっと強くなれる。らしい」

「わけわからん」

「そもそもあの人はどこまで強くなるつもりなんだ……」

「珍しいね。恵君が人のこと『強い』って言うの。」

「珍しいわけじゃないです。表に出さないだけで。」

「でも脹相も羅衣も何で俺たちの名前呼んでんの?」

「言霊の力ってのは馬鹿にできねぇ。棘がいい見本だ。」

「しゃけ」

「何で俺の名前が言霊になんだよ……」

「私は嬉しいけどね〜」

「うわでた。英梨さんの惚気」

「えへ。実際お兄ちゃんは私に関する縛りと能力上昇があるからね。」

「その指輪のこと?」

「そ。」

「それできんの乙骨先輩だけじゃないんだ」

「愛だよ。愛。」


「「九相図兄弟ィィィィィィィィ!/鏑林兄妹ィィィィィィィィィィ!」」


「流石にうるさいな」
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