赤と青が交わる場所   作:カブライニキ

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前回のミサキさんの解像度が低いのは許してくださいなんでもしますから


第十七話 向かい風

 

「ふぅ......これで全部かな。」

 

襲いかかってきたオートマタや、ドローンを掃討する。

かなり数は多かったが、やっぱりみんなとの連携はやりやすいし俺も好きに動ける。

 

「ドローンにオートマタか。この辺り、何でかこう言うのがよく集まるんだよね」

 

展開した盾をしまいながらホシノは訝しむ。

 

昔来た時にはここまでの有様ではなかったはずだ。

 

「......っ!?みなさん、前方に何かあります!」

 

そんな時、後方支援を行っていたアヤネさんが叫ぶ。

 

「砂埃で、まだはっきりと姿が見えないのですが......!」

 

「新手か?」

 

いや、そうは考えられない。

俺の呪力感知に引っかからないし、ここまで近づいてこられたら発砲もしてくるだろう。

 

「巨大な街......いえ、工場......あるいは駐屯所?と、とにかく、ものすごい大きな施設のようなものが......?」

 

「こんなところに施設?何かの見間違いじゃなくて?」

 

実際砂漠のど真ん中に巨大な施設があるはずもない。

だからこそホシノの疑念はより強く像を増していく。

 

「......見間違いでもなんでもない感じですけどね、こりゃ」

 

 

_____フッ、と砂を運んでいた風がぴたりと止んだ。

 

 

「......」

 

「なにこれ......」

 

 

眼前に現れたのはアヤネさんの言った通りの巨大な施設だった。

 

「この張り巡らされてる有刺鉄線、夕に数キロメートルまでありそう。」

 

「......こんな砂漠のど真ん中で一体なにを守ってるのやら。」

 

異常とも言える厳重さ。

必然的に緊張が俺たちに走る。

 

「工場......?石油ボーリング施設、ではなさそうな......一体何なのでしょう、この建物は?」

 

「てか、本当に人いんのかな......」

 

人の気配は全くしない。

アビドスの範囲内はかなり回ったとは思ったけど、意外と見てないもんもあるんだな。

 

 

「......こんなの、昔はなかった」

 

 

「......ホシノさん?」

 

 

ホシノさんの気配が、刺々しいものに変わる。

それも、あの馬鹿目隠しくらいしか知覚できないくらい小さく。

 

急に心配になって俺はホシノさんに声をかけようとするが______

 

 

 

(ババババババババッ!)

 

 

その思いを切り裂くように、静寂を貫いていた施設に銃声が轟く。

 

「うわっ!?なになに!?」

 

「悠長に話し込んでる暇は無いってことですね!」

 

 

ホシノさんに事情を聞くのは後だ!

今はみんなを守ることが先決だ。

 

 

『侵入者だ!』

 

百斂

 

 

『捕らえ____「穿血!!」___......」

 

 

「走って!さっきまでの生半可な量じゃないです!」

 

先制攻撃を仕掛け、みんなを安全な場所まで誘導する。

射撃精度がこれまでにないくらいには高い。

 

戦闘を長引かせれば敗北に直結する。それが肌でわかる。

 

 

「いつの間にかあいつらの本拠地に誘い込まれてた見たいですね!」

 

 

さて、こっからどうするかがイマイチ浮かばない。

 

一応択は三つある。

 

 

⓵領域を展開する。

これは言わずもがな却下。

みんなにも被害が及ぶ上に敵勢力が二百や三百に止まらない可能性も見えてくる

 

⓶逃げる。

これも却下。

ここまで来て何の成果も得られませんでしたは流石に無しだ。

みんなの頑張りを無駄にするつもりもない。

 

 

ではどうする?

みんなに被害が及ばない且つ十分に戦闘行為が行えて、こっから勝つ手は_____

 

 

 

あるだろ。

 

⓷みんなで協力して乗り切る!

 

 

 

3番一択に決まってんだろ!

 

 

 

「シロコさん」

 

「ん」

 

「ホシノさん」

 

「うん」

 

「ノノミさん」

 

「はい⭐︎」

 

「セリカさん」

 

「ええ!」

 

「アヤネさん」

 

「はい!」

 

 

俺は一人一人の名前を今一度言葉にする。

こんな行動に意味はないし、時間のロスにもなりかねない。

 

だけど_______

 

 

「今回もまた力貸してください!」

 

「「「「「当たり前/だよ!/です!」」」」」」

 

 

みんなが俺を信用してくれて、力を貸してくれてる。

その事実を、ただただ噛み締めたい。

 

俺の自己満足でしかないけどさ

 

 

 

_____________________

 

 

「どりゃしゃい!!」

 

『ガフッ!』

 

「WRYYYYYYYYYYYYYYY!最強⭐︎無敵⭐︎」

 

最後の1人は俺の鉄拳制裁で終わった。

勝利後の叫びはやっぱりこうでなくちゃ

 

「うへ〜、結局何なのこいつら?」

 

「そんなに強くないけど邪魔っていうか、めんどくさいっていうか......なんか今まで戦ってきた奴らの中でも一際「厄介」っていう感じが......」

 

「そんくらい統率されてる部隊なんでしょうね。」

 

「でも、先生がいてくれるとやっぱり楽。」

 

「シロコさんに安心して背中任せられるんで。俺もシロコさんがいてくれるのが楽ですね」

 

「先生......」

 

「シロコさん......」

 

 

こんな感じで小ボケも挟みつつ「ん、本気だと思ってた」......だそうです

 

「......PMC?」

 

こいつらの外装に塗装で書かれていた『PMC』の文字。

 

PMC......PMC......パーソナルマインドコントロール?(錯乱)

 

「何なのでしょう、この方達は......それにこんなところで一体なにを......」

 

多分間違ってもダイヤモンド採掘とかではないのだろうね。

 

「施設に何らかのマークを発見しました!」

 

さっきからドローンを飛ばして辺りを調査していたアヤネさんが施設の外壁を指差す。

 

 

「これって......」

 

 

そこに描かれていたのは、ちょうど俺たちが探っている会社の名が、デカデカと描かれていた。

 

「『カイザーPMC』......」

 

 

「っ!?......はい。ホシノ先輩のおっしゃる通り、カイザーPMCです」

 

「......ホシノさん。本当にどうかしました?」

 

「......今は話す時じゃないから。あとでね」

 

またはぐらかされた。

 

だが、ここでの話はカイザーであることもまた事実。

 

ホシノさんの話は、一度アビドスに帰ってからにしよう。

 

「カイザー......?こいつらもカイザーコーポレーションってこと!?」

 

セリカさんは足元にあるPMC兵の外装に刻印された『KAISER』の文字に気づき、それを凝視する。

 

「はい、カイザーコーポレーションの系列会社で......」

 

「おいおいおいおい......どこ行ってもカイザーだらけじゃんか......」

 

「本当に何なのよ!もうどこに行ってもカイザー、カイザー、カイザー!一体何なのよ!」

 

ここまでくると何らかの意思の介入が見えてくる。

 

 

 

それも、ドス黒い悪意に染まった何かの意思が。

 

 

「それに、「PMC」ということは......」

 

「え、何かまずい言葉なの?」

 

「パーソナルマインドコントロールじゃないんですか!?」

 

「一言一句全部違いますね〜」

 

 

何てこったい俺の渾身の推理が......これには花京院くんには魂を抜いてもらうしかなくなっちゃったよ

 

 

「PMCとは、民間軍事会社(Private Military Company )......つまり、民間の軍事企業のことを指す言葉です。」

 

「何だそれは、すごく名前がかっこいい」

 

「言ってる場合なのそれ?」

 

にっくきカイザーだというのにかっこいい名前を使われて心を惹かれてしまった。

許すまじカイザー

 

「てか、軍事企業ってことは......」

 

背筋に嫌な汗が伝う。

 

「すでに奴らの術中の中ってコト!?」

 

「......!」

 

シロコさんは無言で銃を構える。

危機察知能力が異常に高いシロコさんがそういうことするとすっごく怖い!

 

まぁ、さっきから近づいてきている気配には気づいてるけどさ。

 

「もう!そういうことは先に言ってよ!!」

 

「昔から退学した生徒や不良の生徒たちを集めて、企業が私設兵として雇っているという噂がありましたが......まさか......」

 

 

「クッソが!逃げますよ!このままじゃ多分警報が________

 

 

 

(ヴイイイイイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィン!!!)

 

 

俺の言葉を遮るように、けたましい警報が施設内を包む。

 

「一手......!遅れた......っ!」

 

 

「警報音......!?」

 

「これ、何だか大ごとになりそうな予感なんだけど......」

 

「察しがいいですねセリカさん!勘が当たりましたよ......!」

 

「こんなの当たったって嬉しくないわよ!!」

 

「ん、これはもう仕方ない。総員、戦闘準備」

 

 

そう言ってシロコさん達が銃を構える。

 

「いや、ちょっと待ってください!」

 

「何よこんな時に!」

 

「今は敵勢力を観察する余裕はないよ、先生」

 

いや、ここで戦ってこれ以上問題を変に弄られるのも相当悪手だ。

 

敗走も視野に入れ、策を講じようとしたその時。

 

 

 

「これは......ヘリの音......?」

 

「それに、この地面の揺れ、おそらく戦車。」

 

 

「......これは......ごちゃごちゃ考えてる暇はなさそうですね!!」

 

 

もう考えるのやめた!そんな思考は呪力に変換してしまえ

 

 

「やめだやめ!!四の五の考えるよりとりあえずぶっ倒しましょう!!」

 

 

「そうだね。そっちの方が先生らしいや〜」

 

もうみんなもやる気なんだ。

こっちに手ェ出したこと後悔させてやらんと俺も気がすまん!

 

 

「本当に大丈夫ですか!?大規模な兵力が接近中!こちらを包囲しにきて......ああもう!この兵力差は......」

 

 

......あれ、やるか......

 

 

「あれれ〜?みなさん。俺にはこいつがあることをお忘れで?」

 

 

“大人のカードを取り出す“

 

 

「......それは最後の手段に取っておこう。今は_____

 

 

「この包囲を抜けないと、ですね」

 

 

俺のキヴォトス生で最低の戦いが、ここから始まったのだ。

 

 





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「ん、今何でもっていった」

「言ったけどやるとは言ってないんだな。これが」

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