アビドス対策委員会のみんなへ
まずは、こうやって手紙でのお別れの挨拶をすることになったこと、許してほしい。おじさんはこう言う、古いやり方が性に合っててさ。
みんなにはずっと話してなかったことがあって。
実は私、昔からずっとスカウトを受けてたんだ。
キヴォトスの外の会社で傭兵として働く。その代わりにアビドスが背負っている借金の大半を肩代わりする......そう言う約束でね
あ!今羅衣くんが借金を帳消しにしてくれてるからいいんじゃないかって思ったでしょ〜。
でもさ、私もキヴォトスの外を見てみたくなってさ、おじさんこう見えて実は結構能力を買われててさ〜。
.........だから、私はアビドスを去るよ。
みんなと卒業式できなくて、ごめんなさい
成人式の日には必ず来るからさ
ブラックマーケットでは急に生意気なことを言っちゃったけど、あの言葉を私が守れなくてごめんね。
_________
(スッ)
ホシノは書いた書類を目の前に男に渡す。
「......これでいい?」
「......はい、確かに」
目の前の男_____黒服はホシノが書いた書類に目を通す。
「契約書にサインもいただいたことですし......これで、ホシノさんがお持ちの生徒としての全権限は、私の元に移譲されました。」
「これで正式に、彼.........鏑林羅衣に私が手を出すことはありません。」
_________________
たまにはこうやって手紙も出すから。
裏切り者だって思われてもいい。それは仕方のないことだから。
勝手なことをしてごめん
でも、これは全部私が選択したこと。
私は、アビドスの最後の生徒会だから。
だから、ここでお別れ。じゃあね。
小鳥遊 ホシノ
羅衣くんへ
実はわたし、大人が大嫌いだった。
それは、同じ子供の羅衣くんも同じ。
大人なのに子供なんて、なんだかおかしいね。
大人を、信じてなかった。
シロコちゃんと先生が来たあの時、羅衣くんは絶対に死地を経験してきた人だって、すぐわかったから、怖かった。
でも、先生みたいな大人の......羅衣くんみたいな友達と最後に出会えて、私は......いや、照れくさい言葉はもういいよね。
先生。
最後にわがままを言って悪いんだけど、お願い。シロコちゃんはいい子だけど、横で誰かが支えてないと、どうなっちゃうかわからない子で。
悪い道にそれちゃったりしないように、支えてあげてほしい。
銀行強盗したあの日で、羅衣くんにはそれができるってわかってるから。
___________
「さぁ、乗れ。」
「......どこに行くの?」
「アビドス砂漠だ。」
ホシノは促されるままに、車に乗った。
_______
シロコちゃん、ノノミちゃん、セリカちゃん、アヤネちゃん
お願い、私たちの学校を守ってほしい。
砂だらけのこんな場所だけど......私に残された、唯一意味のある場所だから。
それから、もしもこの先でどこか、万が一、敵として相対することになったら.........
その時は、私のヘイローを『壊して』。
これは、先生にお願いしたいです。
よろしくお願いします。
追伸____
羅衣くんのこと、私はずっと好きです。
_______________
「............」
どこかで、借金をどうにかしたら、ホシノさんはいなくならないって甘い考えを持っていた。
「............これ.........どう言うこと?」
「.........ごめんセリカちゃん.........私にもわかんない.........」
曇天の空が発する鈍色の光が、教室を薄暗く照らす中、セリカさんはただ呆然と立ち尽くし、アヤネさんは机で頭を抱えている。
「こんなの........こんなのッ!!受け入れられるわけないでしょ!?」
セリカさんが俺につかみかかる。
「そうでしょ!?先生!!ホシノ先輩は.........ッ!」
「無論、助けに行きます」
「.........え?」
「当たり前」
シロコさんも愛銃である『WHITE FANG 465』の肩紐を持つ。
「でも、行くなら俺とシロコさんだけで行きます。」
「ん、対策委員会に迷惑がかかる。」
俺も同じくして壁に立てかけておいた
「......俺の落ち度でこうなったんです。俺がもっとホシノさんを引き留めておけばよかったです.........退学届のことだって、知ってました。」
「っ......!?だったらなんでっ......!」
アヤネさんが机から立ち上がる。
「.........ホシノ先輩が、このことを本当に選択したなのなら.........私たちが何かを言う権利は、ないんじゃないんでしょうか。」
全くもってその通りだろう。
俺だって疑惑があるだけで、確信を持ってるわけじゃない。
今は、もしもの話をしているに過ぎない。
「.........それでも」
「俺は行きます。」
「............」
アヤネさんは俺の瞳をじっと見つめる。
金色の瞳が、刺すように。
「.........私も行きます。」
「...............危険ですよ?」
「それでも、です。」
「もしかしたら全部俺の勘違いかもしれない」
「先生が勘違いしてるところを私は見たことがありません。」
「.........もしかしたら、死ぬかも」
「ホシノ先輩には死んでも言わなきゃいけないことがあります。」
片手にはタブレット、もう片方には拳銃を持っている。
きっと止めたってついてくるだろう。
「私もッ!私も行く!」
「私だって行きます。ホシノ先輩がこんな風に私たちから手を引こうなんて許せませんからね⭐︎」
セリカさんは元から、ノノミさんは笑顔だが目の奥が笑っていない上にミニガン型のマシンガンを握る手に血管が浮かんでいる。
あはれホシノさん。帰ってきたら俺とノノミさんの説教確定演出だ。
「.........じゃ、行きますかァ!こんなとこでうだうだ悩んでたって仕方ないんでしたわ!あ“〜俺らしくない俺らしくない」
照れ隠し的に気分を持ち上げる。
普通にみんながいい子すぎて先生泣きそう
「はい!行きましょう!」
「無理矢理にでも連れて帰るんだから!」
「そうですね⭐︎帰ってきたらお説教です!」
「ん。じゃあ先生、号令お願い」
「おっしゃ!任してください!」
俺はみんなに向き直り、大きく息を吸う。
「アビドス対策委員会ィィィィ!!ファイァァァァァァ!!!」
これより、奪還戦を始めよう。
すんません短くて。