感想が本当に嬉しいでございます。
毎回本当ニヤニヤしながら見させてもらってますはい。
「市場は結構賑やかだな」
俺は珍しく子ウサギ公園から離れ、市場まで買い物に来ていた。
最近になるまでRabbit小隊のみんなの自立活動でクソ忙しかったからちょっとクールタイムかな。
「串カツうめぇ」
さっき売店で買った串カツ片手に市場を歩いていると、後ろから声をかけられる。
「あっ、先生......!?」
白い制服を身に纏った白髪の元気のいい生徒が現れる。
「このようなところでお会いするとは、奇遇ですね!」
「お、その元気な声は中務さん」
彼女は中務キリノ。
俺が公安局でお手伝いをしていた時によく手伝いに来てくれた優しい人だ。
「今日もパトロール?」
「はい、その通りです!今日も市民の安全のために!それにこの辺りには美味しい屋台がたくさんありまして......」
「あそこの肉屋さんで串カツ買ってきましたけど食います?」
俺はそう言って中務さんに串カツを一本差し出す。
もちろん食ってない方を。
「えっ!?いいんですか!」
「どーぞー」
「あ、ありがとうございます!」
俺から串カツを受け取ると中務さんは年相応の可愛らしい反応を見せてくれる。
言うて俺より一個上だけどさ。
「先生はこんなところで何を?この辺りは不良達がうろついていると言う声もありまして......」
「俺だってスケバンくらいなら1人で倒せますって。」
「まぁ......確かに先生ならどうにかできますね......」
自惚れかもしれないがこっちに来てから武装やできることもかなり増えて俺も『最強』の一角になれたんじゃないかと思ってはいる。
「ところで、先日公園で騒ぎを起こしたSRTの生徒達について、「後のことは全てシャーレに任せた」とおっしゃっていたのですが......」
「ああ〜......防衛室長のカヤ上ですね。」
「あれから大丈夫でしたか?何かトラブルなどが起きていなければいいのですが。」
「そこんとこはあんまり心配しなくても大丈夫ですよ。あの人たちも段々俺がいない生活にもなれてきてそうですし。」
すでにRabbit小隊と合流してから数ヶ月が経過し、みんなが食材を調理して料理を作り上げるくらいの段階になったおかげで俺もだんだんと別の仕事に着手できるようになってきた。
「そういえば、そろそろでしたね。『エデン条約』......」
「ETO?でしたっけ。端的に言えばゲヘナとトリニティの和平条約。」
今の俺に舞い込んできたのは最初から気になってはいた政権問題。
基本的にそう言うことの介入は避けたいのだが、一組織の長として、顛末を見届けるくらいはしておかなければいけない。
正直手紙をくれたティーパーティーの『ナギサ』さんのことは信用できていない。
あの手紙の文面は人を信用していなかった。
大方俺の権力目当ての歓迎だろう。
あまり乗り気はしない。
「ま、とりあえずの問題はほぼ片付いたんで大丈夫っす。中務さんは中務さんのやりたいことをやれる分頑張ればいいんです。」
「.........そうですね。流石先生!私も先生のような立派な『大人』になるため、今日もまた精進します!」
「言うて中務さんより歳低いけどね。」
「同年代なのでセーフです!」
「セーフかぁ」
そうして一言二言交わすと、中務さんは俺があげた串カツを大事そうに持って手を振りながら歩いて行った。
「......善......」
善という言葉を凝縮して煮詰めた人だぁ......
「俺も頑張ろ。」
そう呟きながら今日は公安局の方へ散歩しに行く。
「.........」コソコソ
_________
散歩を終え、シャーレに戻ろうと歩いていた時だった。
「......そこの君。羅衣先生かね?」
「ん?」
持て余して口に咥えていた串カツの串を一度離し、声の主に目を向ける。
「そっすけど......」
「君に用事があるんだ」
「すんませんっすけど俺知らん人についていくなって生徒から言われてるんで、じゃ」
なんか気持ち悪かったからガラクタを集めたような体の男に背を向ける。
「そうか......では」
羅衣の背中に男が注射針を_____
(バキィィ!)
「グアファ!」
刺す寸前で羅衣が回し蹴りを叩き込んだ。
「針は怖いからやめて!」
普通に俺注射嫌い
「ぐっ......あっ......」
軽く回し蹴り入れただけなのにのたうち回っている......
「ウリウリ、お前がなんのやつなのか素性を明かさない限り俺は攻撃し続けるぞ〜質問はすでに拷問へ変わっているんだッ!」
足でゲシゲシとそいつを蹴りながら軽くいじめてみる。
「うぐ!や、やめてください!話します!話しますから!」
「わかればよし。」
とりあえずこいつを近くの公園に連れて行き、水を(無理矢理)飲ませて話を聞くことにした。
________
「コホン、ご挨拶が遅れました、私の名前は“デカルト“。「所有せずとも確かな幸せを探す集い」......通称「所確幸」と言う組織を率いるリーダーです。本来なら我々の組織まで来ていただく予定でしたが、ずれてしまいましたね」
「つまり宗教組織の長ね。OK」
「全然違います!我々はあんな悪しき神を信仰するような下賎な輩ではありませんから!」
「おいお前今シスターフットのことバカにしただろ殺す」
「なぜに!!」
とりあえずムカついたから拳を一発叩き込んでおく。
「んで?お前の目的は?俺一応連邦生徒会の庇護下にあるからさ。俺を攫って連邦生徒会を敵に回す覚悟があったってことだろ?話してみろ。」
できるだけ高圧的に、そして落ち着いて。
デカルトを言葉で詰めていく。
「......はぁ、清貧な人生を追い求める姿とは、まるでかけ離れている人間ですね」
「あ“?」
「まぁ、そうかもしれないとは思っていました。」
「勝手に話を進めるな混乱する」
こいつがなんか話をどんどん進めていく。
もうこれ人と話すってレベルじゃねーぞ!
「何せあなたは、公園でわざわざ料理をし、所確幸のメンバー達を次々に惑わせて行ったのですから!」
「ハァ?」
もうわっかんねぇぞこいつ。
「惚けるのも大概にしなさい!私の仲間が一体どれほど犠牲となったか......さらに近辺のコンビニ弁当まで全てあのウサ耳生徒達が奪っていくのを仲間が見ていたのですよ!」
「ウサ耳?ああ、Rabbit小隊のことか。」
「あの生徒達の呼称については、特に興味ありません」
(ガァン!)
デカルトは今、羅衣の琴線に一度触れた。
よってデカルトの頬をアビ・ノワールの弾丸が掠めた。
「Rabbit小隊。復唱」
「Rabbit小隊です!」
うんうん。素直なのはいことだ。
こう言う呼称は俺大事にしたいからね。
かっこいいから。
「こ、コホン!そう!大事なのはただ、あなた方が我々の求道を邪魔する、貪欲なもの達であると言うこと。」
「なんかの邪魔したっけ。」
「......私たちは時にこう呼ばれます......「穀潰し」、あるいは「社会の膿み」、と......」
「話聞けーや。あとんなことないだろ」
流石にそれは言い過ぎだ。
意図せずとも働けない人だっているんだから。
「しかし、それはどちらも的を得ていません。私たちは何もしていないのではなく......」
「何もしていないのではなく?」
「ただ、「無所有」を実践しているだけなんです!」
デカルトは強く、そして堂々と言い放つ。
「無所有、ね。ジャイナ教の修行のこと?」
「ジャイナ教がなんなのかは分かりかねますが、簡単に言えば何も持たないこと、と言う意味です。」
てかいつの話の流れが一向に見えてこない。
「つまりお前は俺に何をして欲しいの?」
「ええ、私たちの要求は一つ!弁当の独占とあの公園での料理をやめていただきたい!」
「却下、あと弁当はもうもらってないと思う。最近ずっとキャンプで一緒にいたけど一緒に料理してただけだし。」
「だから!その料理をやめろと言っているんです!あの料理の香りが我々の仲間を狂わせ!惑わす!これはどう見てもあなた方の責任!」
......こいつだめだ。今もずっとごちゃごちゃ言ってるけど正直全く聞く気がないからか話が全然入ってこない。
「料理しないと人は飯を食えない。そして飯を食えないと人は死ぬ。理解できる?」
もう子供に話すみたいな感じで語りかけてみる。
多分こいつに俺が何を言ってもこいつには響かんと思うけどさ。
「てか弁当くらいでなんだよ。贅沢は要求しないんじゃなかったっけ?」
「そ、それはそうですが......」
理詰めすると簡単に崩れる代わりに立ち直るまでが早すぎるせいで倒せない。
「とにかく!ラビット小隊なのかウサギ小隊なのか知りませんが、あの暴挙を許すわけには行きません!そして、あなたが彼女達のリーダーと見ました......さぁ、約束してください。」
「何を?」
「今後「焼肉弁当」が廃棄されていれば、それは私たち「所確幸」にゆずると!」
「どーぞご勝手に」
「へ?ってこらァァァ!帰るなぁぁ!」
もうめんどくさくなって帰ろうとしたが無理矢理に戻されてしまう。
「だって実際もう弁当もらってないんだから勝手に持ってけよ。ただ新入りが充実した生活送ってんのが気に食わないだけだろ?ホームレス」
こいつと話すのかなり疲れたから全部ぶちまけてやろう。
「は、はぁ!?勘違いも甚だしいことを「勘違いしているようだから一つだけ言ってやろう」
「貴様が望んでいるのは物を有さない生活ではない。物を有さない生活を送っている自分だ。物を有さないという理由づけが欲しいだけのそれこそ社会の穀潰しだ。貴様が今身に纏っているそのクッソ臭い布のボロ切れだって誰かが編んだ品物だ。所確幸を望むのならまずはそれを脱げ。そもそもそれを俺に言ってなんになる?まずは鏡見て物を語れ。その薄汚い本性がはっきり見えて便利だぞ。」
「あ......あ......う......」
デカルトがショートした。
めんどくさいのでその場に放置して持ってたサバ缶やら唐揚げ缶などを掻っ払ってみんなで小パーティを開きました。
楽しかったです
デカルト君をずっと言葉で押しつぶせばどうなるかなって気になってたんですよね。
ぜひ羅衣君のマシンガントークのシーンはジョジョ第5部の処刑用BGMを聴きながらご覧ください。