「まさか先生が会社の社長だったとは......」
「意外です」
「ふふん。これでも一国一城の主ですから。」
「それ意味違くない?」
ミサイルやら爆弾やらを俺が買い取り、『LAIZA』の社長権限で少し多めに対価を渡す。
......これって法に触れないのかな......
「ほい、お約束のものですよ〜」
そう言いながら俺は厳重に閉じていたアタッシュケースを開く。
もちろん現生入りの。
「......こ、こんな量のお金、初めて見た......」
「お、おいこんなにいいのか?」
サキさんは少し疑いの目を俺に向ける。
「全部加算した上での対価ですから。正当な取引ですよ」
実際保存状態が良かったからか、少し整備するだけで問題なく使用できるものばかりだったから逆に助かった。
細かい部品や雷管系はかなり使うからねぇ
「って言うかサキ、なんで最初に注文するのが固形燃料とガソリンな訳?こんなにお金があるんだから、プラスチック爆弾でも買えば良いのに。」
「お前は爆弾で飯を炊く気か?それにそもそも、ヘリを動かすのに必要だろうが」
またこの人はもう......
前回見直したと思えば突飛な発言をするんだから。
「そもそも火力は適度に使うから強力なのでは......」
「先生の言う通りだ。」
「何言ってんのさ!戦場で1番大事なのは火力でしょ!サキはともかく、先生はわかってくれると思ったんだけどな〜」
「いやいや、わかりますよ。最大火力はロマンですよ。初心は忘れてません。」
「先生だってやばい威力の武器たくさん持ってんじゃん!」
モエさんは俺のホルダーに入ったトリガーマグナムを指差して騒ぐ。
...実際これは本当にイカれてる火力だと思うけどさ。
「まあ、とにかく良かったです。これで戦力もより強固なものとなりました。しばらくは誰がきても撃退はできそう____
「た、助けてください......」
そんなことを話していると、どっかで見たことのあるようなやつが公園内に侵入してきた。
「言ってるそばから侵入者じゃん。」
「くひひ、ナイスタイミング。早速こいつの火力を____
「カズヤミシマァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」
モエさんが銃火器を構えるより前に侵入者もとい所確幸のデカルトくんに思い切り肘打ちを叩きつける。
そしてそのままこいつを地面に組み伏せる。
「い、今て助けてと言っただろう!?」
「何も......聞こえねぇ......!」
くそ、1番生徒とエンカウントさせたくないやつが来ちまった。
「先生、その方は?」
「うん、気にしなくていいですよ。こいつは」
ギリギリと4の字固めでデカルトを拘束し、ちょっとムカついたから肩も限界ギリギリまで引っ張る。
「イダダダダダダダだダダダッ!?や、やめてください!!?!?」
その後、流石に可哀想とのことで俺はしぶしぶデカルトを解放したのであった。
________
「なるほど、つまりホームレスってやつか。」
「なんだつまんないの」
サキさんとモエさんは一瞬で興味をなくして自分の作業に戻ってしまった。
うん、それでいい。
こいつとあんまり生徒を喋らせたくない。
「すみませんデカルトさん。私たちは原則的に、市民館の私的な紛争には介入できないのです。」
「そうよそうよ!私の生徒たちはあんたなんかに時間を取られるほど暇じゃないの!わかったらとっとと帰れ帰れ!!!」
俺は手を払うようにシッシと追い払うポーズをとる。
「ぐっ......今はあなたにしか助けを求められいのですよ......」
「お前のお仲間に助けて貰えば良いじゃん。なんだっけ背格好だっけ。」
「所確幸!!「所有せずとも確かな幸せを探す集い」!」
「うん、諸葛孔明の仲間はどうした?」
もうめんどくさいからわざと間違える。
「......悲しいことに、所確幸の仲間たちはみんなバラバラになってしまったのです......」
「そうか。良かったな」
「何もよくありません!!ただでさえ数が少なくなっていたところを、ヴァルキューレの公安局が押し入ってきて......!」
......は?
「おい、今なんて言った。」
「いや、だからヴァルキューレが押し入って「どこの部署っつった」......公安局ですよ!」
いや、分からん。
公安局って......カンナさんの、でも、カンナさんは基本的にこう言うやつは注意だけで本介入はしないはず。
「警備局と間違えたわけではなく?」
ミヤコさんも違和感を感じたのか、デカルトに質問する。
「ええ!私ははっきりとこの目で見ましたよ!見慣れない武器を持ち、我々の聖所で暴れるあの「狂犬」の姿を!」
おかしい。
何かがおかしい。
カンナさんがそんなことを......いや、先入観を持つな、確証を持て。
「......!その弾痕を見せろ。」
デカルトの体に妙に大きい弾痕残されている。
「......強化型のストリーマー弾?いや、それこそ、トリガーマグナムに近いような......」
通常の弾丸からはあり得ない形の痕跡。
カンナさんが住民の追い出しに武力を行使した?
......信じたくはないが、今はその線が最有力候補だ。
「違う。これはHEIAP......つまり、徹甲炸裂焼夷弾ってやつだ。」
「本当ですね。煤も付いてる。」
もう一つおかしい。
今ヴァルキューレは資金難に陥ってるはずだ。
そんな高価な弾丸を大量に用意できるのか?
「......この口径のHEIAP弾、初めて見ました。」
「うちの会社でも数弾あるかどうかのレベルですよこれ。」
「そもそもあまり生産されるものじゃないしな。」
一応おじいちゃんズがリツに一発持たせてはいるが、逆に言えば
「強いてあるとすれば......」
その時、俺の脳内でぴたりとピースがハマる感覚があった。
「カイザーインダストリー......」
なるほど、ようやくわかった。
頭がいい人だったらもっと早く気づいてもおかしくなかった。
「カイザーが最近やたらと武器の生産を行っていた記録が多かったのは、そう言うことだったんですね。」
「なぜそれを先生が?」
「一応俺の会社......『LAIZA』もカイザーと連携してる部分がありますから。」
悔しいが、理事が残した記録も全て総動員しているからこそ俺の会社は経営破綻しない。
......もっとカイザーの根幹に関わるべきだったか?
「そもそも、今ヴァルキューレは弾丸の補充すらままならない状況にあるって、友人から聞きました。」
そして、そこから導き出される答えは
(ダァン!!!!)
「グハッ!」
デカルトが撃たれた。
「ッ!アロナ!」
『シールド展開』
アロナが展開したシールドで、何とか追撃を逃れられた。
「......真相に触れたと思えば......お出ましですね」
公園内を取り囲むようにヴァルキューレの生徒達が陣を組む。
「......野生動物は危機に瀕すると、最も強力な群れにすり寄るもの。」
「カンナさん」
「......お久しぶりです。先生」
簡素で、冷たい挨拶だった。
「ここにいたのか。歩き回る手間が省けた。」
そしてカンナさんはそのまま俺を無視するようにミヤコさん達に話しかける。
「待ってください。今は俺がここの顧問です。」
俺はシャーレの執行部長として、公安局局長の『尾刃カンナ』を見据える。
「まずはこっちに話を通してください。」
「......ええ。差し支えなければ」
じっくり話し合おうじゃないか。
狂犬殿。
名前
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知ってた。
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知らんかった
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そんなことより曇らせまだ?
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捥ぐのは足がいいよね。
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腕に決まってんだろ
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五感に決まってんだろふざけんな