赤と青が交わる場所   作:カブライニキ

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少し短かったですが、そろそろカルバノグ第一章もクライマックスとなりました。

ちょっと軸がわからなくてグダッたところも多々ありましたが、やりたいことたくさんできて嬉しかったです(小並感)


第十六話 開けろ!SRT市警だ!

 

「......ここでバックドリフト!」

 

 

「壁にぶつかりますよ」

 

「フタエノキワミアーーーーーーー!」

 

 

俺が操縦していた走行型ドローンが派手に壁にぶつかる。

 

 

「......思った百倍はむずい......」

 

「これを使うのにもかなり訓練が必要ですからね。」

 

軽はずみにミヤコさんのドローンを操縦したいとか言わなきゃよかった。

 

 

「......もっかいやっていいですか?」

 

「はい、では今度も私が手伝いますので。」

 

そう言ってミヤコさんは再び俺の手に手を重ねる。

 

 

「.....あの〜......手を重ねる必要性は......」

 

「こうしないと手元が見づらいんですよ。」

 

 

うん、近い。

 

だって耳元でミヤコさんの息遣いが聞こえるんだもの。

 

「そうです。そこで車輪を逆に回転させれば回ります。」

 

 

だが教え方がうまい。

 

ものの1時間でかなり操れるようにはなってきた。

 

 

「実戦では大体二秒で組み立て、全速力で対象に向かって特攻させると言う戦術を取ります。」

 

 

「......何回か見たことはありますけど、結構えげつないですね......」

 

 

「ふふっ......犯罪者にはこれくらいがちょうどいいんです。」

 

「まぁ確かに。」

 

 

ほんとに正義感が強い人なんだな。

 

そういえばあの時も正義について語ってたけど、その考えは今変わってるのだろうか。

 

......変わって欲しいと思うのはあまりの傲慢だ。

 

ミヤコさんはミヤコさんの信念を突き通せばいい。

 

俺はそれを見届けるだけだ。

 

 

 

「はい。よくできました。」

 

 

......褒めて伸びるタイプだから助かる......

 

 

 

「ミヤコ、先生。イチャついてないで早く来い」

 

 

「へあっ!?えっ、い、いちゃついてなんか......」

 

 

サキさんが来た途端ミヤコさんは顔を真っ赤にして慌て出す。

 

流石にくっついてるのを見られるのは嫌だろうなぁ......

 

 

「......作戦会議、ってやつですか?」

 

 

「ああ、これからヴァルキューレにかち込むためのな。」

 

 

 

 

 

_______________

 

 

 

 

「では、第3回これからどうしよう会議を始めます」

 

 

「「「「はじめまーす」」」」

 

 

俺たちはシャーレの会議室で絶賛会議中だ。

 

ちなみに第一回と第二回はみんなでUNOやって終わった。

 

 

「まず、これからヴァルキューレにかち込むという方針で話を進めますが、全員宜しいか!」

 

「異議ナーシ」

 

「意義なしです」

 

 

とりあえずヤクザ式特攻をかますのは全会一致だ。

 

 

「あの狂犬に一髪食らわせてやりたいと思ってたところだ。」

 

 

「先生がいなきゃ勝てない相手に負ける道理がないよね」

 

 

サキ、モエ共にすでに戦意マシマシだ。

ちなみにすでに2回羅衣に止められている。

 

 

「そうと決まれば、どうやってヴァルキューレに勝利するか、と言うのが問題っすね。」

 

 

そう言って羅衣はホワイトボードに『ヴァルキューレ』と書き、それを円で囲う。

 

「相手の銃火器はかなりの威力だ。それを勘定に入れて作戦を練らなければ......」

 

 

「せめて相手の武器の出所がわかればどうにかなりそうではあるんだけど......」

 

 

カンナさんは確実にしっかりとした装備で俺たちを迎え撃つだろう。

 

多分だが俺たちが来ることをすでに想定している可能性が高い。

 

 

「あ、武器はカイザーからのものですね。銃にインダストリーのロゴが入ってました。」

 

 

そういえば言おう言おうとは思ってたけど忘れてたわ。

 

 

「「はぁ!?」」

 

 

「先生、そう言うことは先に言っておいてください......」

 

 

「す、すんません......」

 

 

やっぱ報連相は大事よな。

 

 

「......よくよく考えたらさ、あのケチなヴァルキューレがどうしてカイザーなんかの武器を変えたんだか。理解できないね。」

 

 

「そういえばこの前、スポンサーって先生が......」

 

 

「大型のスポンサーがいなきゃ、あんな質のいい武器を大量に手に入れられませんから。」

 

 

あの人数プラスカンナさんの持っていた特異な形状のライフルで一体いくらになるのだろうか......

 

 

 

「俺(アロナ)はこれをリベートだと思っています。」

 

 

 

「......『リベート』?」

 

 

「「割り戻し」、ってことだよね?支払った分の一部が返ってくるやつ?」

 

 

概ね正解。

俺もこの前アロナに教えてもらった。

 

 

「......簡単に言えばそうなりますね。」

 

 

「だとしてもおかしいじゃん。なんの利があってカイザーはヴァルキューレのスポンサーになってるわけ?」

 

 

理由はわからなくて当然だろう。

 

これについては俺に心当たりがある。

 

 

「まず、子ウサギタウンは今再開発を受け、住民の追い出しが始まっています。」

 

 

再びホワイトボードに文字を書き込む。

 

今度は大きく『子ウサギタウン』と。

 

「そして、その構図を手がけているのが、俺たちの会社である有限会社『LAIZA』と同系列の企業である、「カイザーコンストラクション」」

 

 

その隣に『LAIZA』と『カイザーコンストラクション』そして『カイザーインダストリー』と書く。

 

 

「同じく「カイザーインダストリー」もカイザー系列の子会社。」

 

 

「......なるほど。つまり会社間での資金の移動が容易、と言う利点がある......」

 

 

ミヤコさんも気づいたようだ。

 

ほんとにこの人は頭が回る人だなぁ......

 

 

「まずは、「カイザーコンストラクション」が子ウサギタウンの開発によって得られるであろう利益を、「カイザーインダストリー」に事前に武器として還元することで公安局に流す.......」

 

 

ミヤコさんは俺が書いたものに『公安局』を追加して線で結ぶ。

 

 

「そうすると、こんなふうに綺麗な三角形ができるんです。」

 

 

「exact lee!(その通りでございます)」

 

 

うん。これからの説明とかはミヤコさんに手伝ってもらおう。

 

俺1人だと陽が落ちる。

 

 

「公安局はその武器を対価として、浮浪者たちを追い出せばいい、と。」

 

「まるで地上げ屋だな。それって違法じゃないのか?」

 

 

確かに一見すれば15世紀ごろに流行った三角貿易のような形にはなるが、そもそも警察がそれをやっていれば誰に気づかれるもないだろう。

 

そもそもこれに気がついたのも俺たちが初めてだろうから。

 

 

「実際違法ですけどね。それを突き止めるだけの資料も証拠もない。」

 

 

「市民に奉仕すべき警察学校が、私企業のために働いてるわけですから。」

 

 

「ま、そういう形の契約体制から、リベート(癒着)って意味で呼ばれてるんですけどね」

 

 

「警察と企業が結託して市民を攻撃とか......」

 

 

「意味わかんないっすよね」

 

 

本当に意味がわからない。

 

なぜカンナさんはそんなことをしている?

 

彼女ほどに市民を愛している警官もいないだろう。

 

 

つまり.......いや、今は黒幕探しの時間ではない。

 

 

「わ、私たちもなんとも言えない立場だけど......」

 

 

「今それを言うな結構ダメージ来る。」

 

 

うん、言うて君たちも結構暴れ倒してたけどね。

 

そんな正論をグッと堪える。

 

正論は時として人を傷つけるのだ。

 

五条先生も正論嫌いだもん。

 

 

「もちろんまだまだ推測の域を得ないことですし、これをどうにかできるほどの動力源も俺にはありませんから。」

 

 

特段今はこの問題をどうにかしたいと言う心持ちはない。

 

だが、みんなが俺のせいでお尋ね者になるのはもっと御免だ。

 

 

「そうですね、公安局が本当にカイザーインダストリーと取引をしたのかどうかもわかりません。」

 

 

「ヴァルキューレのサーバってローカルサーバーだから外からのハッキングは無理っぽいな......」

 

 

モエさんはノートパソコンを取り出す。

 

一体どこから取り出したんだ......

 

 

「......やはり当初の予定通り、俺たちにはカチコミの択しかないみたいですね。」

 

 

「実際それが1番手っ取り早いですからね。」

 

 

やはりヤクザ、全てはヤクザに帰結する。

 

だが考えなしに突っ込む訳ではない。

 

だってそんなことしたらステルスミッションじゃないもん。

 

 

「俺個人のコネでヴァルキューレの資料保管室の位置は大体覚えてます。」

 

 

「あとは、装備をどうするかだよね。」

 

 

そう、今は本当に装備がない。

 

 

弾薬ならいくらでも用意できるが、それだけではあの要塞を突破できるとも思えん。

 

 

「......先生、一つ、案を思い浮かびました。」

 

 

「お、ミヤコさんどうぞ」

 

 

そう言ってミヤコは立ち上がる。

 

 

思い浮かんだと言ったが、考えも心もすでに決まっていた。

 

 

 

「ヴァルキューレの公安局に潜入する以上、必ず公安局長である『尾刃カンナ』が出てきます。そこで、先生に一つ、お願いがあります」

 

 

 

 

 

 

その決断は、私にとってこれ以上ないあなたへの信頼。

 

 

今更虫がいいと私も思いますが、どうか私を信じて欲しい。

 

 

 

「先生の執行官としての権限を最大利用し、本隊の足止めをお願いしたいです。」

 

 

 

 

私はあなたを、これ以上ないほどに信頼していますから。

 

 

 

 

 

 

 

______________

 

 

 

 

 

「さて、問題。警察が罪を犯し、その警察の根幹すら腐っていた場合、誰がそれを止める?」

 

 

 

夜の闇に紛れ、彼らはビルの縁に足を掛ける。

 

 

 

「はい。それこそがSRT(私達)です。」

 

 

その言葉を聞き、羅衣はフッと少しだけ微笑む。

 

 

「大正解。」

 

 

そして、ビルの屋上から一斉に跳ぶ。

 

Rabbit小隊は、自分達の正義のため。

 

 

 

 

 

 

そして羅衣は、1人の人間の真意を確かめるため、夜の街を駆ける。

 

 

 

 

ちなみに夜景は綺麗でした。

 

 




Rabbit小話。『UNO』


「ドローフォー”“”“!」


「ドロフォー返しィィィ!」

「さらに返しィィ!」


「フギャァァァァァァ!!!」


「あ、あがりです……」


「「「はいUNOって言ってないィィィィィィ!!!」」」


「ふぇ……」



「一体何をしているんですか……」
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