カンナさんが放った弾丸が俺の頬を掠める。
「痛っ!」
掠めた弾丸は頬を切り裂き、焼けるような痛みが走る。
なるほど、これがHEIAP弾ってやつか
あれをまともに食らったらやばそうだな。
それがわかればよし。
「っ......ハッ!」
カンナさんの両手に持ったハンドガンとショットガンが暗い室内をマズルフラッシュで満たす。
これは早めに切り上げるのが吉か!
「アロナ!大人のカード!」
『わかりました!大人のカードの制限の一部を掌握。一時リミッターを解除します』
アロナがそう宣言すると、俺の体に呪力が更に湧き出る。
さすがアロナ。昔の感覚を思い出すよ。
「じゃあちょっとだけ見せてやりますよ!カンナさん!」
術式展開 赤血操術
「『紅蓮』『玄成』『暁と黎明』」
「『赤鱗躍動・載』」
その状態でさらに自身の身体のリミッターも解除する。
赤鱗躍動・載
羅衣の基礎術式である赤鱗躍動を一時的に最大強化したドーピング技。
限定的ではあるが、羅衣の身体能力を限界まで引き上げることが可能。
「『百斂』」
両手を強く打ち付け、掌で血液をより強固に、より洗練された形に圧縮する。
「『穿血』!」
そしてそれを音速すら超えたスピードで撃ち出す。
「クッ......!」
カンナさんはそれを避けた。
よし、それでいい。
俺が狙っているのは
(ガァン!!)
銃の方だ。
確かに穿血は音速を越えさせたが、それも初速だけだ。
その後減速していく技を身体能力が高いキヴォトス人が、ましてや長年の勘を培ってきたカンナさんが避けないはずがない。
穿血はショットガンを砕き、そのまま凝固化して壁に突き刺さった。
「『流鏑馬』」
そしてそのまま血液の糸でカンナさんを拘束する。
「はぁっ......はぁ.........終わりですよ、カンナさん」
一応ハンドガンも向こうに蹴っ飛ばしておく。これでもうカンナさんは何もできないはずだ。
「......ははっ、そうですね.........」
そう言ってカンナさんは首をグイッと動かし、天を仰いだ。
「
「.........外も今日は曇りですよ」
急に明るい声でそんなことを言い出した。
「すみません羅衣。」
「謝るのは俺じゃないです。」
カンナさんに俺は一歩づつ近づき、肩にそっと手を置く。
「謝りにいきましょう。いろんな人に。俺もちゃんとついていきますから。」
きっと何か事情があるはずだ。
それもきっと、俺に関するような何かが。
「......すみません、『先生』。やっぱり私は、これしか、ないんです」
その瞬間、俺たちの足元が、爆ぜた。
______________
「この部屋に、ヴァルキューレの文書が全部......」
「頑丈な扉ですね。犯罪に関わる証拠なども全てあるでしょうし、当然ではありますが。」
私たちは無事に文書庫まで到着し、モエの解析を待っていた。
「.........ん?」
「......これは、爆発音?」
一瞬遠くの方で爆発のような音が聞こえたが、あまりに小さすぎてわからなかった。
「まぁ、多分気のせいだろう。気のせいじゃなくてもキヴォトスじゃ当たり前だ。」
「......そうですね」
一瞬気になりはしたが、今は作戦が最優先だ。
『よし、解析行けたよ。あとはそっちでパスを打ち込んで解錠するだけ。』
「はい、ありがとうございます」
そうしてモエから送信されたパスコードを金庫に打ち込んでいく。
「......やっぱり、警備が全然少ないな。ま、楽なのはいいことだけど」
そしてようやく金庫扉が開いた。
「もうあまり時間もないので、急ぎましょう」
銃にフラッシュライトを取り付け、点灯させる。
「私は正面の棚を探します」
「じゃあ、私は右の本棚から。」
そうしてサキと共に金庫室に入る。
「うぅ......暗い......」
ミユも遅れながら入ってきた。
「えーっと...公安局公安局〜......」
「サキ、こっちです」
サキは懐中電灯を口に咥えながらこっちにやってきた。
「ろーかひたか?(どうかしたか?)」
「この書類を」
そう言って私はサキに書類を渡す。
「「カイザーインダストリー」、記録は一週間前......これか。」
その書面にはカイザーと公安局の間における違法なリベートの証拠がバッチリ写っていた。
「こちらRabbit1&2。「クローバ」を確保。先生が言っていた通りですが、やはり「子ウサギタウンの再開発」の件が間に挟まっていたようです」
通信機を軽く抑え、文書をファイルにしまいながら移動する。
「モエは先生に連絡をお願いします。これより帰投を_____
『ザザッ........れて!......本......ザッ......に......』
「......?通信が......」
『とにかく.........早く先生.........合.........ブツッ』
そのままモエからの通信は切れた。
「......ッ!ジャミング回線?!」
今ようやくわかった。なぜ馬鹿正直にこの書類がここに置いているのか、そしてなぜこの場所までこんなにスムーズに行けたのか。
「サキ、ミユ!急いで撤退を________
(ガシャン!)
「......ぁ」
勢いよく金庫の扉が閉じた。
やっぱり私には、何も出来ないの?
さぁ、闇のゲームの始まりだぜ⭐︎
金庫室で文書を手に入れたRabbit小隊の3人は愚かにもその金庫に閉じ込められてしまったゼ⭐︎
そして羅衣もまたカンナの策略にかかり、なんと自爆に巻き込まれてしまうゼ⭐︎
がんばれ鏑林羅衣!お前がやらなきゃ誰がやる!どれだけボロボロになっても生徒だけは守る男だぜあいつは⭐︎
次回、城之内死す!