赤と青が交わる場所   作:カブライニキ

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エデン条約編 第一章 罅割れ
第一話 エピローグ


 

 

.........こんにちは、先生。

 

 

まずはお近づきの印にコーヒーでもいかがですか?

 

ああ、苦いのはお嫌いでしたよね。

 

 

あなた方も物好きですね。こんな絶望に塗れた物語を読みに来るんだから。

 

 

知っていますよ。今この現状をご覧になった上でここまでご足労いただいたことも、ここまでの地獄を掻い潜られたのも。

 

だから、あなた方が欲している事象も把握済みです。こう見えて目はいいので。

 

 

今から12日前に起こった『悲劇』とこれから起こりうるであろう『絶望』その顛末をあなた方は求めている。

 

 

鏑林羅衣(先生)』と言う存在に縋るしかなかった『生徒』達が生み出した悲劇を、知りたがっている。

 

 

 

......私も、こんな結末を望んでいたわけではありません。

 

ただ、諦めていたんです。

 

ああ、此れはもうどうしようもない。

 

諦めよう、って。

 

 

『条約』が火種(げきてつ)になるとわかった上で私は此処を彼に託したのですから。

 

 

自分勝手にも程がありますよね。

 

 

本来なら私自身が彼をサポートするべきだったのに。

 

アフターケアまで含めて私がするべきことだったのに。

 

なのに、なんの罪もない子供()に全て押し付けて、投げ捨てた。

 

 

心底こんな自分が嫌になりますよ。

 

 

勝手だ。

 

 

......あなた達は幸運です。

 

 

だって、『正解』を見つけ出して『最善』を経験しているのだから。

 

 

彼らには、そんな能力も、思考も、経験も。

 

足りていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

.........最善と最高を経験している私たちの『テクスト』では何を喋っても泣き言にしかなりませんね。

 

 

 

 

 

......でも、一縷でも、雀の涙ほどでも

 

 

 

希望があるとするなら

 

 

 

 

 

 

 

彼に、願いと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幸運を_________

 

 

 

 

 

 

 

________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......詰まるところ。エデン条約というのは、「憎み合うのはもうやめよう」という約束。」

 

 

「トリニティとゲヘナ間で長きに渡って存在してきた確執にも近い敵対関係。そのに終止符を打つ......まるで絵空事ですね」

 

 

「やめてくれ先生。私も薄々思っていたことを堂々と口にするのは」

 

 

「だってあんまりにもじゃないですかこれ。結果だけ見れば両校の戦力をどっちが持つか問題に発展して最後は戦争ですよ」

 

 

俺は長机に置かれた書類をパサっと置く。

 

ついでに置いてあるケーキを取り、口に運ぶ。

 

こんな政治くさい議論より甘いもんの方が好きだ。

 

 

 

「そもそも連邦生徒会長がいなくなってるせいでそんな条約機能を果たしてないですよね?」

 

 

「ああ。連邦生徒会長が失踪していなかったとしても機能を果たしていたかは正直わからないがね。」

 

 

長机の奥に座った狐耳の少女は片手に留らせているシマエナガを撫でながらそう言う。

 

 

 

「しっかし連邦生徒会長も悪趣味ですね。『エデン』だなんて御大層なお名前をこんな条約につけるだなんて......」

 

 

「彼女の感性は未だ理解できないよ。」

 

 

だとしたらめっちゃくちゃ不謹慎なことしとるわ連邦生徒会長。

 

それで超人名乗ってるのはちょっと高羽さんに失礼だと思う。

もう一生余計なお世Wi-Fiしてろよ

 

 

「......時に先生、君はキヴォトスの、「七つの古則」はご存知かい?」

 

 

「......?コソク?」

 

 

確かそんな言葉がシッテムの箱の起動パスになっている。

 

 

俺の間違いでなければ『我々は覚えている、七つの古則を』だった。

 

なぜその言葉が今出てくるんだ?

 

 

 

「このキヴォトスに伝わる伝承のようなものだよ。物事を破局(アレフ)へと運ばないための文言とも言われているがね」

 

 

「おまじないみたいな?」

 

 

「短略的に言えばそうだね。そしてその五つ目にまさに「楽園」に関する質問がある」

 

 

2人は一度ティーカップを机に置き、双方の目を見据える。

 

 

「『楽園にたどり着きしものの真実を、証明することはできるのか』......他の古則もまたそうであるように、少々理解に困る言葉の羅列だ。ただ、一つの解釈としては、これを『楽園の存在証明に対するパラドックス』であると見ることができる」

 

 

 

「シュレーディンガーの猫箱みたいな?箱を開けるまで猫が死んでいるか生きているかは不明って感じの...」

 

 

「いや、少し違う。楽園というのは至上の満足と喜びに満たされた場所なのだろう。そんな場所を見つけ、たどり着いたものはその喜びと歓喜の故に永遠に楽園の外に出ることはない」

 

 

するって〜とめちゃくちゃいい感じのカフェを見つけてそっから出たくないし穴場だから誰にも教えたくねぇ〜みたいな感じか......

 

 

 

「その通り。もしその楽園(カフェ)から出たのであれば、つまりそこは真の悦楽を得られるような「本当の楽園」ではなかったということだ。」

 

 

「平気で心読んでくるのやめてぇ......」

 

 

心の壁はどうした。俺のATフィールドもう液状化しちゃってんじゃねーか

 

 

「ここは現実と夢の狭間だからね。基本的に思ったことは全て口に出ていると思った方がいい。」

 

 

「パーテーション作って」

 

 

俺のそんな嘆きも『セイア』さんは笑って流す。

 

 

だが、その笑みも次第に涙を流す子供のような表情へと変わってゆく。

 

 

 

「......先生.........此れは、言わないつもりだったのだけれど......」

 

 

そう言ってセイアさんは席を立ち、俺の側に座る。

 

 

 

「君の征く末は......君が思うよりもずっと、汚らしく、虚像で、無意味な終わりが待っている。」

 

 

.......知ってる

 

 

「君のようなものには適さない......いや違うな......君だからこそなのか......」

 

 

うん、そのために俺はここにきたんだと思います

 

 

 

「相手を疑い、前提を疑い、果ては自分さえも疑う.......そんな、悲して、苦くて、憂鬱になるような......それでいて、ただただ後味だけが苦い.......そんな物語だ。」

 

 

 

それでも

 

 

 

「それでも、どうか背を向けず、目を背けず......この先を、見ていてほしい」

 

 

 

はい、きっと約束します

 

 

まぁ俺もまだガキなんで逃げ出したくなる時はあると思いますけど......

 

 

「......そうだね。先を見据え、時には休み休みに_____________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

君の義務を、果たしてくれ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_______________

 

 

 

 

 

 

Blue archive

 

 

 

 

⬛︎と青が交わる場所

 

 

 

 

この先の物語は、きっと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全てのターニングポイントとなるだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エデン条約編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嗚呼、今一度......どうか今一度

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

閼堰ン『規制済み』約編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

喝采の準備を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第『痧ヱ』章 『生徒達を』

 

 

 

 





お久しぶりです。鏑丸です。


ほんとまた期間が空いてしまったことプラスTTT編を書いたというのにこっちに飛んできたとことを深くお詫びいたします。

まず期間が再度開いてしまったことは、えー……資格試験が挟まってしまったことと、現在進行形でコロナウイルスに感染していることです。

TTT編を書ききらなかったのは俺がエデン条約をかく欲を抑えられなかったせいですね。

本当に申し訳ない
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