赤と青が交わる場所   作:カブライニキ

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こっから巻き返します。


第三話 話し合いなんてそんな野蛮な……ここは穏便に暴力で……

 

 

「あのねリツ、今度から来るときはできれば空から落ちて来ないで欲しいな。」

 

「?なぜですか。こっちの方が断然に早いです。」

 

「うん、そう言う問題じゃ無いねぇ、ほら、他のみんなびっくりしちゃうからさ。」

 

もう来てしまったのは仕方ないので俺はリツと一緒に名簿に書かれていた生徒を探して歩いていた。

 

まさか落雷みたいに来るとは思っても見なかった。こんなこと出来んだ......

 

 

「......次から気をつけます。」

 

「ありがとね」

 

本人はこう言っているが頬は膨れたままだ。

 

こう見ると可愛いが、こうやってやって良いことと悪いことを区別させるのって大変だよな......

世のお母さんお父さん方、お疲れ様です......

 

 

「そう言えば今日からの仕事って何ですか?」

 

 

「『補習授業部』って部活の臨時顧問。人数は少ないけど、退学の危機が迫ってるらしい。」

 

 

軽くリツに説明しながら俺は名簿表を手渡す。

 

 

「んで、そん中で面識がある人が居るからそっから行こうって感じ。」

 

 

「......どの女ですか?」

 

 

「言い方ェ......」

 

 

あからさまに敵意マシマシのリツを横目に、目の前の建物に目を向ける。

 

「着いたよ。ここに居るはず。」

 

 

俺は扉を『大人のカード』を通して開く。

 

 

そして指定された教室まで行き、その人物と相対する。

 

 

「こんちゃ阿慈谷さん」

 

 

「へっ!?せ、先生!?」

 

まず1人目、『阿慈谷ヒフミ』さん。

言わずもがなみなさんご存知の覆面水着団団長殿である。

 

 

「な、何でトリニティに?と、というかその腕って!?」

 

「あ“〜細かい話は後で話します。今はコレを」

 

俺は腕のことを一旦誤魔化し、名簿を眼前に広め、現実と向き合わせる。

 

阿慈谷さんは一瞬驚いたような声をあげていたが、俺が前の調子と変わらないのをみて少し落ち着いた。

 

少なくとも話を後で聞いてもらえるくらいには

 

 

「まさか優等生っぽい阿慈谷さんが補修メンバーになるとは思ってもみませんでしたよ」

 

 

「へっ、あ、えっと......これにはやむを得ない事情が.........」

 

 

「?どしたんすか」

 

 

名簿表には『テスト未修の為』とあった。

テストをどうしても休まなければいけない理由があったのだろうか

 

 

 

「ペロロ様のゲリラ公演に参加するために、テストをサボってしまって......それで......」

 

 

「「は?」」

 

 

「うぅ......」

 

 

おっと思わず声が出てしまった。

いや、おかしくはない。だってこの人前もグッズのためにブラックマーケットまで単独出撃してた人だもん。

 

さ、流石にテスト休むか?

 

 

「普通テストを休みますか......?そんな理由で......」

 

リツよ、正論は時として人を傷つけるぞ。

 

「そ、そんな冷たい目で見ないでくださいぃ......!って、先生そちらの方は......」

 

「ああ、紹介が遅れましたね。リツ、ご挨拶して」

 

 

毎回俺が紹介するのも違うなと思い、リツに自己紹介を促す。

 

 

「......鏑林リツです。」

 

 

「あ、私は阿慈谷ヒフミです!よろしくお願いします!」

 

 

おお、阿慈谷さんすげぇな。リツの高身長に怯えずガンガン行ってる。

 

これが陽キャってやつか......

 

 

「あ、そうだ。先生、実は私ナギサ様から先生のサポートを任されていまして......」

 

 

「桐藤さんが?」

 

 

「はい。お手伝いと、補修授業部の部長を......」

 

 

...なるほど、阿慈谷さんは前々からティーパーティーに参加しているようだとは思っていたが、なるほどなるほど。

 

「桐藤さんって意外とそっちの気でもあるのか......?」

 

 

「へ?」

 

「すんませんこっちの話です。てか部長っすか、責任重大ですね」

 

 

「ぷ、プレッシャーをかけないでくださいぃ......」

 

俺は少し茶化したように言うと、後ろの方にぐいっとひっぱられる感覚が突然来る。

 

 

「......どしたリツ」

 

 

「......無駄話はそこまでにしてそろそろ残りの部員を探しに行きましょう。」

 

 

「確かにそうですね。行きましょうか」

 

 

「......そっすね」

 

 

どうしたんだリツ......ちょっと涙目だったし、怒ってんのかな

 

 

 

_____________

 

 

 

ところ変わって此処は正義実現委員会の本部へ訪れていた。

 

 

「ここだ。失礼します〜......誰かいますか?」

 

 

俺はコンコンと扉をノックしながら声をかける。

 

正義実現か......俺があんまり好きな表現じゃないな......

 

 

「.........」

 

 

「あ、こんにちは。此処の副委員長さんって今いますか?」

 

 

何度か声をかけているとピンクの髪と黒い翼が頭に罹った生徒が扉を開けてくれた。

 

 

「......」

 

 

「......?副委員長さんじゃ通じないのか......じゃあ、ハスミさんって人居ないですか?」

 

 

一回問いかけてみても無言だったので俺は言い方を変えてもう一度質問してみる。

 

 

「......あっち」

 

 

「お、ありがとうございます。」

 

 

静かに指を奥の部屋に指してくれた。

 

 

「......何ですか今の人。感じの悪い」

 

 

「そう言うこと言わないの。人見知りさんなんでしょ」

 

 

リツが無表情に少し皺を刻みながら悪態を吐く。

あんまり感じが悪いとか言っちゃいかんよ。その人にも事情があるかもしれないんだからさ。

 

 

「......だ、誰が人見知りよ!?た、ただ単純に知らない相手だったから、警戒してるだけなんだけど?!」

 

 

あら、聞こえてたみたいやわ。

 

「すんませんうちの子が。てか、それは人見知りと言うのでは......」

 

 

「うっ......」

 

 

「あと、初対面の人には敬語を使った方が好印象です。短い言葉やタメ口では言葉の真意が伝わらない時もあるので。」

 

 

 

「......は、はい......」

 

 

うん、素直でよろしい。

うちのリツもこんな感じで素直だったら楽なんだけどさ......

 

 

「こら、リツも睨まない」

 

 

「......睨んでません」

 

 

ほら、結構の子誤魔化すの。

 

 

「んじゃ、ありがとうございました。」

 

 

俺は少し挨拶して奥の部屋へ向かった。

 

リツは終始睨んだままだった。

 

ヒフミさんが止めてくれなかったらもっと大変だったかもしれん。

 

 

 

_________________

 

 

 

「こんにちは先生。この度は正義実現委員会へご足労頂き有難うございます。」

 

 

「はいこんにちは。そんなに堅苦しくしないでくださいよー」

 

 

俺が委員室へ入ると、ハスミさんが出てきて丁重に出迎えてくれた。

 

 

「っ!?先生!その腕は......!」

 

 

「あー......この前ちょっと取れちゃって......」

 

 

さすがに今日何度も聞かれると少し疲れるものがある。

 

 

「......今は、聞かないでおきますね......」

 

「助かります」

 

 

うん、やはり大人だなハスミさん。

 

リツおんなじくらいの身長と年齢なのにまじギャン泣きだったぞ。

 

 

「してハスミさん。今日はこちらで捕まったって言う生徒の方を......」

 

 

「はい。すでに準備を______

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんにちは。もしかして、私のことをお探しでしたか?」

 

 

 

 

 

 

 

「......ん?」

 

 

 

 

 

いや、確かにあなたを探してましたよ?

 

 

「......こんにちは」

 

 

「はい♡こんにちは先生♩私『浦和 ハナコ』と申します♡」

 

 

......うん、そうなんだけどさ.........何で

 

 

 

「何で水着......?」

 

脳の情報がいつまでも完結しない。

 

なぜスク水なのか。

なぜこの時期にスク水なのか。

 

脳内がその情報だけでいっぱいになってゆく感覚がじんわりと広がってゆく。

 

 

「あ、あんたどうやって牢獄から出たのよ!?ちゃんと鍵閉めたのに!?」

 

 

「いえ、空いていましたよ?私のことを話されている様な声が聞こえていたので、こちらにきてみました。何かご用でしたか?」

 

 

エントランスにいたはずのさっきの人も来てもうめちゃくちゃだよ

 

 

「『大人』の方、と言うことは......先生、ですね。改めましてこんにちは。なるほど、もしかして補修授業部の?」

 

 

「あ、はい。水着で校内を徘徊したとかで......」

 

 

実際に資料には書いてあったがマジで水着で出てくるとは思わないじゃん。拘束されてるってあったし。

 

......浦和 ハナコ.......トリニティ総合学校2年生であり、今回の補習授業部の生徒。先述の通り水着姿で口内を徘徊し、正義実現委員会にて捕縛。

逮捕前は優等生であり、こんな問題を起こすような生徒ではなかったという。

 

 

「......?何か問題でもありましたか?」

 

 

「風邪ひいちゃうでしょ。もう冬だし。」

 

 

普通にコートとかないと生活できない。オフトゥンもこの前電気毛布出した。

何なら長い仕事になると思って持ってきたし

 

 

「そんな格好で出歩かないでよ!バカなの!?」

 

 

「そんな格好とは心外ですね。学校の敷地内であるプールでは、みなさん普通に水着になられますよね?此処もあくまで学校の敷地内でして......あ、もしかして下江さんはプールでは水着を着ないタイプですか?」

 

 

「そんなわけないでしょ!!」

 

 

「あーあーあーあ」

 

 

だめだ、もう収拾つかなくなってきた

 

 

そもそも水着はプールで着るだけのものでもない。

普通に就寝時に肌が擦れづらいと言う理由から着用する方もいる。

 

実際就寝用の水着なんてものもある。

 

 

そんな思考の裏でも下江さんと浦和さんの会話はヒートアップしていく。

 

 

 

「あーもう!うるさいうるさい!この公共破廉恥罪!!早く戻れ!」

 

 

「すみません、どうやら色々と混乱している状況なので、また後ほどお会いしましょうね?」

 

 

 

「アッハイちゃんと服着てくださいね。最近変なウイルス流行ってますから」

 

 

「......ふふっ、ご心配ありがとうございます」

 

 

俺の言葉に一瞬惚けた方の表情をし、その後さっきまでと同じ表情になった浦和さん達を見送る。

 

 

 

 

「はぁ、はぁ......」

 

 

「あ、戻ってきた」

 

 

一瞬で浦和さんを牢に返却してから下江さんが戻ってきた。

 

「え、えっと......この状況は一体......ハナコさんは、いったいこの後どうなるんですか?」

 

「そんなの当然死刑よ!エッチなのはダメ!死罪!」

 

 

まじか(驚愕)

 

この世界ではえっちなことは犯罪にすら抵触するのか......怖いなぁ

 

 

「どっからのラインが死刑なんですか?」

 

 

「えっ!?え、えっと......そ、それは......」

 

一応ライン探りはしておこう。

油断して死ぬ様なことだけは避けたい(大真面目)

 

だがさっきから下江さんがあたふたしながら顔を真っ赤にするだけで教えてくれない。

 

風邪でもひいてるんだろうか

 

 

「せ、先生......下江さんが困ってますから。今日はこの辺で......」

 

 

.....まぁ確かに。六法全書を暗記しているわけではないのだろう。

そんな人に無理に聞くのは大変だろう。

 

 

「今は浦和ハナコと会うのは難しそうですね。次に行きましょう。」

 

「結構ドライだなぁ......」

 

結構ドライなことを言うリツだが、確かに今此処で居座っても不毛なだけだろう。

とりあえず浦和さんの拘束が解けるまで残りの2人を......

 

 

「えっと......もう1人は、『白洲 アズサ』さんですね。」

 

 

「あ、その生徒ならもう此処にいますよ。」

 

 

ん?此処にいる?

ハスミさんがそんなことを言い出した。

 

此処にいると言うことは......

 

 

「白洲アズサさんはすでに正実で身柄を拘束させてもらっています」

 

 

「だろーな。そう思いましたよ今」

 

何だなんだ。問題児の集まりとは聞いていたが問題児中の問題児ばっか集まってんじゃねーか

 

 

と、言うことで呼んできてもらいました。

 

 

「(シューッ......シューッ......)」

 

 

「......こりゃまた、個性的な方で......」

 

 

現れたのは白い翼を携えたガスマスクの少女。

 

おいおいダースベイダーみてーな音出てるよこの子ー

 

 

「......惜しかった。弾丸さえ足りていれば、もう少し道連れにできたのに......もういい、好きにして。ただ、拷問に耐える訓練は受けてるから、私の口を破るのはそう簡単じゃないよ。」

 

 

「お、少女よ拷問は得意か。」

 

「......嫌いではある」

 

 

「だよね。痛いの嫌い」

 

「痛みになれる訓練は積んでいるが、どうしてもあの痛みというのは克服できないらしい。」

 

「訓練でどうにかできるもんじゃないもんあれ。」

 

 

体の保護信号を失ってしまったらロボット同然だもんそれ。

 

 

 

白洲アズサ

 

同じく2年生の学生。校内での暴力行為の疑いで正実に追われていたところ、教材用催涙弾の弾薬倉庫を占拠。約一トンの催涙弾を爆破させ、約3時間にわたる抵抗の末に逮捕。

 

資料を見た瞬間にやべーやつだとは思ったが、意外と話が通じそうな人でよかった。

 

感覚的にアロナとかとおんなじ感じがする

 

 

 

うん、個性的だ。個性的すぎるメンツだ。

 

 

こっから、どーすんだろ......

 

 

 

 

......あ、リツが眠そうにしてる......早く寝床も探さないと......

 




またまた小説に興が乗ってきました。

うまトマ食ったせいかな……
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