今は筆が乗る感じだから1日に二話も書いちゃうぜ……
「おはよう!」
「はいはいおはよーさん。今日も随分お目覚めが良いようで......」
日光を浴びて目をしぱしぱさせている羅衣のもとにアズサがやって来た
「おはようございますアズサちゃん。朝から元気ですね♡」
「その元気をわしにも分けてほしいわ」
「お父さんのほうが年下なのでは......」
今日も随分と元気そうなアズサさん。
いつも冷徹そうなアズサさんは朝だとこんな感じだ。誰よりも早く起きるし誰よりも早く朝の準備をしている
「さあ、早く起きて歯磨き、シャワー、それから着替え。順番に遂行していこう」
「あうぅ......後十分だけ......」
ハナコさんの提案で『男子と女子で部屋割りを分けると心にも壁ができてしまう』とのことで俺たちは基本雑魚寝だ。
信頼されているようでえがったえがった
「んぅ......もう朝......?」
「ヒフミ、コハル、起きて。そろそろ起きないとダメだ」
「んんぅ.........」
毎朝こんな感じ......ってわけでもないが、アズサさんがみんなを起こすのはテンプレートが出来上がっている。
「ん、起きてるってばぁ......」
「ヒフミちゃんの方はもう少し時間がかかりそうですね。昨日はどうやら遅くまで起きていたみたいですし」
「......補習授業部の部長だから、心理的なプレッシャーがあるのかもしれない。もう少しだけ休ませておこう」
確かに最近ヒフミさんが夜遅くまで自習している姿が見られる。
たまに俺と情報共有で寝不足になってる時もあるが......
「ふあ.........んじゃ俺は朝飯作りますんで......」
「先生も随分眠そうだけど大丈夫?」
「んにゃ、大丈夫大丈夫。」
最近古語の勉強で忙しいだけだから......
「夜遅くまで色々勉強なさるのは良いことですが、限度はつけなきゃダメですよ?」
「ただでさえお父さんは怪我人なんですから」
「......そうだった......俺腕ねーんだった......」
足はもうほとんど治り、普通に歩けるが、大きく欠損した腕が全く治る気配がない。
いや、一日数ミリは伸びているんだけど......
この治り方だとマジで年単位かかる
しかも足が治ったのはいいが、その分バランスが取りづらくなってるせいで杖つきながらじゃないと普通に歩けん......
「......朝食作りも手伝います」
「ありがとね」
リツは俺の残ってる方の手をにぎにぎする。
......いの一番に泣いてくれたのは、リツだったな
「コハル、起きて。」
「起きてる起きてる......」
「シャワールームはこっち、来て。」
「......え、何、なんで......?」
そのままアズサさんがコハルさんのことを持って行った。
「あらあら、2人で仲良く洗いっこですか?」
シャワールームからはコハルさんの悶絶が聞こえるが、気にしないでおこう。
うん、今日も仲良いね君たち
_________________
「お待たせしました、ではそろそろ始めましょうか?」
「は〜い♡」
「うん」
「うぅ......全部見られた......もうだめ......」
「コハルも私の裸を見たんだから、何も問題無いはず」
「そう言う問題じゃない!あんな強引に脱がすなんて!無理矢理とかそう言うのはダメなの!」
「え、えーと......一体何が......?」
「みんな仲良しだねーってことです」
俺たちは朝飯を軽く食し、本題である教室へと向かった。
「えー、では注もーく」
軽く金八先生のイントネーションを挟みつつ黒板に貼ったプリントをみんなに見せる。
「皆さんだんだん勉強のやり方というのがわかってきた頃合いだと思うので、今日は模擬試験とします」
「えっ、急に!?」
「抜き打ちテストに対応できたらかっこいいぞ〜エリートだぞ〜」
そう、俺とヒフミさんで考えた抜き打ちの模擬試験。
前回の対策を踏まえつつ俺が用意したテキストをみんなに解いてもらう。
それだけ
「一週間後には再び試験も控えてるこの状況、かなり苦しいと思いますが皆さんはぶっちゃけ出来ます。」
みんな基礎ははっきりと覚えているし、応用まできっちり教えた。
「一週間後に全員合格して、勝利をもぎ取ってやりましょう!」
「そうだね」
「はい♡」
「う、うん」
「大丈夫です!私たちならきっと出来ます!」
......ナギサさん
俺はやっぱり、スパイ共々補習授業部なんだ
今、裏切りたくない
「では、試験開始!」
俺がその号令を出すと、全員一気に配られた用紙を開く。
前回と同じく、アズサさんとは表情を崩さず
ヒフミさんはみんなを心配しながら
コハルさんは必死に
ハナコさんはどこか余裕のある表情で
それぞれ答案に自身の答えを加筆してゆく
........何か、全員でハッピーエンドを迎えられる
答えがあるはずだ
俺は、それを見つけ出す
それだけだ
________________
「結果発表ォォォォォォォォォ!」
浜ちゃんボイスで高らかに宣言し、採点した答案を整える
「浦和ハナコ 4点!」
「あらあら♡」
「白洲アズサ 33点!」
「......そうか」
「阿慈谷ヒフミ 68点!」
「ま、またありきたりな点数......」
再び2人は不合格
そしてその中でヒフミさんだけが合格という結果だ
だが、俺には目を見張る結果があった
「そして、下江コハル 58点!」
「えっ......えっ!?」
「す、すごいじゃないですかコハルちゃん!!」
「頑張りましたね」
まさかまさかの1番点数が危うかったコハルさんが合格目前の高得点を叩き出した
「やっぱりだな、コハルさんは応用から攻めていってしまったせいで基礎が揺らいでしまった。ならその基礎を盤石とすればこうはなると思ってましたよ」
まさか飛び級を狙った奇怪な勉強法がここでこんな反応を出すとは思いもしていなかったが
「や、やっ........とっ、当然じゃない!私は正義実現委員会のエリートなんだから!」
「あ、でもここで油断するとあっちゅう間に転げ落ちて行くんで基礎勉強はしっかりね」
目に見えて嬉しそうなコハルさんに忠告しつつ、みんなにもう一枚ずつプリントを配ってゆく
「アズサさんとコハルさんは引き続き俺が基礎と抜け道を教えます。ヒフミさんはもう合格レベルなんで油断がないように応用をきっちりやること」
「うっ......苦手なところ......」
「ふむ......」
ひょこひょこと再び教卓に戻り、杖を取る。
やっぱこれがあるのとないのとじゃ違うな。
「先生、私には無いのですか?」
「......なんかハナコさんは大丈夫かな〜って......」
2点、4点とふざけた点数を出し続けているハナコさんは確かに要指導対象なのだが、俺は多分大丈夫だと踏んでいる
「これからも模擬試験はちまちま挟んでいくんで、皆さん怠けずしっかり勉強しといてくださいね!」
「「「「はい!」」」」
うん、素直でよろしい
「もちろん、ご褒美も用意しておりますよ!」
そう言って俺はさっきから用意していたものの上にかかった暗幕をテーブルクロス引の要領で引き抜く
そこから出てきたのは_____________
長い胴体の猫のようなぬいぐるみ
大きな黒いポテっとしたぬいぐるみ
極め付けにはどこか逝ってしまってる目をしたトリのぬいぐるみ
「こっ......これはっ.......!」
「ふはは......俺の権力で取り寄せた『モモフレンズ』グッズをプレゼントォォ!」
そう、取り出したるはヒフミさんも大好きなモモフレンズグッズ達
俺がキヴォトスに来てからゾッコンのぬいぐるみシリーズである
「モモフレンズ......?」
「何それ?」
「......っ.....!!」
「もしや......ご存知ない......?」
「初めて見ましたね......いや、どこかでちらっと見た気も......?」
なん......だと?
現在人気爆発中の『モモフレ』を......知らない......?
「な、何これ変なの......豚?それともカバ......?」
「そいつぁペロロ様と言いまして、トリなんですよ」
コハルさんが興味を持ったのか、ペロロ様のぬいを手に取る
「......目が怖い。それに、なんか名前も卑猥だし......」
「ひ、卑猥!?」
ペロロって卑猥な言葉だったのか......(無知)
「あ、思い出しました。そういえばヒフミちゃんのカバンや先生のハンカチがそのキャラクターでしたね」
その通り。
俺はスカルマン様のハンカチで、ヒフミさんは基本ペロロ様一色だが
「確か、舌を出して涎を垂らしながら、もう許して......っ!と泣き叫ぶキャラクターだったとか......?」
「それなんかと勘違いしてません?」
確かにガンギマリで涎を垂らしているが、拷問されているわけではない
「わ......私いらない......」
「あうぅ......」
まぁそれはしゃーない。
人には向き不向きがあるのだ、俺たちの趣味がたまたまコハルさんに当てはまらなかっただけである
そう、偶々。
偶然なのだ
泣いてないよ、ほんとだよ。
「.........か..........」
「あ、キモいというのだけは勘弁.......」
「か、かわいい......!!!」
その瞬間、アズサさんの顔面に見たこともないほどの笑顔が広がる
「こ、こいつらの良さがわかるのですか......?」
「う、うん!可愛すぎる......!なんだこれは、丸くてふわふわしている......!!この目、表情が読めない......全く何を考えてるのかわからない......!」
だ、そうだ。
(ᓀ‸ᓂ)こんな感じな顔で次々にぬいぐるみを抱いてゆく
「流石アズサさんわかってるゥー!そう、この全く読めない表情が此奴らの魅力なんですよ......!」
「うそぉ.........」
「リツさんもお好きなんですか?」
「......お父さんが好きなものは全部好きだと思っていたのですが、あれだけはどうしても......」
そんなこんなで、アズサさんのやる気は十二分に満たされ、他のみんなには俺特製のレモンクッキー(模倣)をプレゼントすることにした。
......モモフレ可愛いよな?
「いいモチベーション管理だ先生。約束しよう。必ずや任務を果たして、不思議でふわふわした動物を手にして見せる!」
「うむ、アズサ2等兵の活躍を期待する」
.......まさかこんなに効果覿面だとは思わんかった
________________
......浦和ハナコ
トリニティ総合学園2年生
年齢16歳
学園内組織への参加はなく、現在補習授業部での活動が見られる
一年生前期期末試験
全教科満点
二学期期末試験及び中間試験
全教科満点
三学期期末試験
全教科満点
特別科目
飛び級により3年生試験を早期に実施
12教科中 11教科満点
「......どうみてもっ......おかしい点ばっかだな」
俺はソファに寝転がった姿勢を正し、再び書類に目を落とす
「さまざまな学園組織と交流が深く......学校内での素行は模範生そのもの......」
それがなぜ水着姿で徘徊なんてことに?
「.........優秀そのものって感じだな」
そこについても引っかかる
なぜそれだけの能力を有して学内の組織に入らない?
この成績と単体能力ならどんなところに行っても大体成功できるだろうに
「先生......失礼しても大丈夫ですか?」
「あ、どーぞ」
ドアがノックされ、ヒフミさんが部屋の中に入る。
一応俺の『アレ』が来たとき用に部屋を用意してもらった。
......怖い姿を、みんなには見せたくない
「......あの、今日はハナコちゃんのことで相談に来たのですが......」
「......まぁ、大体わかってますよ。俺も今それを調べてたんですから」
俺はシッテムの箱をヒフミさんに向ける。
プラナがトリニティのネットワークに侵入して情報を抜き出してきてくれたおかげで情報収集については何ら問題はない
......実際アズサさんが黒で間違いなさそうだしな
だからと言って油断もできない
裏切り者が1人だなんて一言も言ってないのだから
「......模範解答を集めてる時に、なぜか束になって保管されてたんです。珍しいことだから保管されていたのか、その理由はわかりませんが......」
「大方、優秀な生徒は大体の組織が目星を付けてたってところでしょうね」
理由は、何だろうな......
周りの期待によるストレス?
それとも空崎さんみたいに優秀であるが故のめんどくさがり?
或いは......
「昨年の試験、ハナコさんだけが飛び級で全科目を終了させてるんです」
書面上を見れば、これからの学園生活で犯罪行為以外何をしようが補習授業部にくることなんてそうそうないだろう
完膚なきまでに天才。
今年になって急に点数が落ちるなんてことはそもそも有り得ないだろう
「わざと試験に落ちてる......ってことか」
......なるほど、わからん
「......今日はもう寝といてください。明日も早いですし」
今わからんことを考え続けていても意味のない問答が続くだけだ。
「......はい......すみませんお役に立てなくて......」
「いえいえ、ヒフミさんが皆さんをまとめてくれてるおかげで俺が自由に動けてるんです。逆に感謝しないと」
全くその通りだ。
俺1人では到底みんなをまとめ上げるのは無理だっただろう
「では......おやすみなさい」
「はい、おやすみです」
そう言ってヒフミさんは部屋から退出した
「......プラナ」
『はい、どうしました?』
「うん実は________________
ちょっと朝まで作業する予定だから、話し相手になってよ」
なんでこういう強い人たちってほんと重要な時寝ないんでしょうね。
ふざけてんのか(憤怒)