赤と青が交わる場所   作:カブライニキ

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みなさま、謹賀新年ッ……!

これをみていると言うことは俺の小説がうまく皆さんに届けられたと言うことだ

………いや、そんな時間はきっと皆さんブルーアーカイブanimationの一気見をしているだろう

来年は完結目指して頑張るぞい

みていただければ幸いです


番外編 もこもこ年明け誕生日

 

 

「ふぅ......」

 

 

ここはゲヘナ学園。

 

自由と混沌を校風としたキヴォトス三大高の一角である

 

 

今日は年末年始である12月31日八時四十六分

普通の学生達なら学期休みを利用して旅行したり、家で年末番組を視聴している頃だろう

 

 

だが、その治安を守る風紀委員会の執務室には、未だ明かりがついていた

 

 

「.........もう九時.........」

 

 

『空崎ヒナ』

ゲヘナ風紀委員会を根底から支える風紀委員長。

 

キヴォトス内でも指折りの実力であり、その戦闘能力は羅衣と同等かそれ以上を誇っている

 

 

 

「......明日に回そうかな」

 

視界を埋めているのは万魔殿から押し付けられた書類の山。

年末年始すら家でゆっくりすることすら許されない

 

「.........いや.........ちゃんと......やらないと.........」

 

 

長時間労働による眼精疲労、それに加えて連日の疲労

 

すでにヒナの肉体は限界を迎えていた

 

 

 

「......三十分.........三十分だけ.........」

 

 

 

掠れた声で呟き、ヒナは机で眠りにつく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「空崎さ.........ありゃ.......案の定仕事してら......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

執務室に入ってきた羅衣に気付かずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_______________________

 

 

トントン.........コトコト.........

 

 

「.........ん.........ふわぁ......」

 

 

ヒナは暖かい空気を感じながら目を覚ます

 

 

「......いま......なんじ.........」

 

 

そう呟いてヒナは自身のコートに手を伸ばす。

 

いつもスマホはそこに入れているはずだ

 

 

「......ん......どこ......」

 

 

いつも羽織っているコートを手探りに探しても全く見つからない

 

それに、いま自分は寝る前と違ってどこかに横になっているようだ

 

 

「.........まぁ.........いいか.........」

 

 

体を包む暖かさが私の意識を再び溶かしてゆく

 

 

......いい匂い......

 

 

甘いようで、暖かい。

 

なんの匂い.........

 

 

 

というか、これは......

 

 

「......誰のコート.......?」

 

 

私に掛けられていたのは黒色の厚手のコート。

 

確かこれって......

 

 

「先生の........」

 

 

「おはよーございます」

 

 

まだ光に慣れていない目を少し擦りながら声の方向に意識を向ける

 

 

「......先生......?」

 

 

「はい、先生ですよ〜」

 

 

だんだんと意識がはっきりしてゆく。

 

どうやら私が寝かせられていたのは執務室では無いようだ

 

 

「ここは......」

 

「あの執務室寒すぎたんでちょこっと移動しました。ちなみに給湯室ですよ」

 

 

「なんで先生が......」

 

 

「チナツさんから相談されましてね。また徹夜してるだろうから様子見を。」

 

 

確かにここは給湯室で、私が寝かせられていたのは備え付けのソファだった。

 

よく見れば先生はエプロンを着ている

 

......なるほど、さっきの音は料理の......

 

 

「さては晩飯食ってないでしょ〜......キツくなったら雑用でもなんでも呼んでくれていいんですよ?」

 

「......このぐらい大丈夫......だから......」

 

 

口ではそう言っているが、明らかに辛そうだ。

なんなら体調も悪そうだ

 

 

「......やっぱ随分薄着ですね......」

 

「これぐらいは普通だと思うのだけれど......」

 

 

ヒナが今日コートの内に着ていたのはいつものスーツではなく、半私服に近いフリルのついたシャツ。

 

脇と肩が少々露出し、さらには少しタイトなもの。

それがヒナの小さいながらも不思議な色気があるスタイルを見事に強調している。

 

並の男性なら二度見しない訳がないだろう

 

(......スーツ着ておけばよかった......)

 

 

ヒナ自身もいつもは気にしないのだが、なぜか目の前に羅衣が居ると知覚すると急に小恥ずかしくなってしまう

 

 

「ほら、寝てなくてもいいんで横になってて下さい。そろそろ飯できるんで」

 

 

だが、羅衣自身はそれを意識すらしない。

彼はそもそも生徒に対して欲情するような男ではない

 

だって既婚者なんだもの

 

「......っ!先生、いま何時!?」

 

「十時二十三分ですよ」

 

 

「早く書類を......!」

 

 

思った以上に寝続けてしまったことに驚きつつも、仕事に戻るため立ちあがろうとするが_____

 

 

「こら、無理に立ち上がらない。気づいてないと思いますけど熱ありますからね」

 

その行動を先生に止められる

 

「いっ......!」

 

 

「あっ!すいませんごめんなさい!まだ調整がむずくて......」

 

肩を抑えられ、痛みが走る。

 

特に、()()から

 

 

「......先生、メガネなんて何時から.........」

 

 

「......トリニティに行った頃......から?」

 

 

良く見れば先生に見慣れないメガネが掛けられている

しかも先生の右手には普段付け用の薄い手袋まで

 

 

「なんか最近目ぇ悪くなっちゃったみたいで......たまーにボヤけるんですよね......」

 

ぱっと見で分かるぐらいには度がキツイ。

 

「......指輪はどうしたの?」

 

 

先生は前も肌荒れとかでこの手袋をしていたが、その薬指には指輪が付けられていた

 

確かに左手にはいつも通り付けられているが、右手にはそれが無い

 

 

「ああ、そっちはネックレスにしてて......」

 

そう言って先生が首からかけている細いチェーンを服の内から取り出す。

 

その下には何時も先生が身につけている指輪が付けられていた。

 

 

「いいでしょ〜」

 

 

そう言って羅衣は嬉しそうにチェーンを見せる。

 

「誕生日プレゼントで貰ったんですよ。『ポケットに指輪を直で入れるのは紛失のリスクを高めます』って」

 

......確かにプレゼントと言われてみれば確かにチェーンにはクローバーの装飾が施されている。

 

確か、四葉のクローバーの花言葉は、『私のものになって』.........

 

 

そんな激重感情を向けるウサギは、一体誰なんだろうねぇ。

 

当の本人である羅衣はそんなことはつゆも知らず、リングネックレスとして使用している。

 

 

「実際眼鏡も重いですし、ネックレスとかも付ける文化ないんですけどね〜」

 

 

「......でも、似合ってると、思う

 

 

お察しの方もいると思うが、すでにヒナは羅衣に堕ちている。(事後報告)

 

きっかけは些細な物だった。

ある日、万魔殿に押し付けられた業務を淡々とこなしていると、ヒナは思いがけず体調を崩したことで業務を行えなくなってしまった。

 

だが、そんなヒナを見兼ねた羅衣はスパイダーマッ!モードで美食研究会と温泉開発部を粉砕⭐︎

 

さらには万魔殿に仕事を送り返した上でヒナを看病。

ただでさえ弱っていたヒナの心には羅衣の味噌入りお粥はダイレクトアタックが過ぎた。

 

 

その時点ではまだヒナが好意に気づくことは無かったのだが、その後も羅衣がヒナの業務を手伝い続けたのも悪い。

 

なぜなら今回だってヒナが眠れたのは、もしかすれば羅衣が来てくれるのではないかと期待していたことが理由だ

 

 

「......えへ、ありがとうございます」

 

 

年相応に少年の笑顔をヒナに向ける羅衣

 

本当に嬉しそうな。

 

 

「ーーっ......///」

 

こんな表情を向けられて仕舞えば、ヒナの母性や恋情を唆るには十分過ぎるのだ。

 

 

「あ、あと仕事は全部済ませときましたから。」

 

 

「えっ......?でも、あの中には私が判を押さなきゃいけないやつも......」

 

 

「そこんところは俺の権力で強制的に、国家権力は使ってナンボですから」

 

 

ムフーっとドヤ顔をかまし、眼鏡をクイっと上げる羅衣。

 

最近書類仕事のコツを覚えた羅衣は事務仕事では無敵なのだ

 

 

「......ごめんなさい、先生......また先生に負担を......」

 

この前も仕事に忙殺され、オーバーワーク気味になった時も先生はゲヘナまで文字通り飛んできてくれた。

 

たかが、私のために

 

 

「にゃはは、別に取ってことないですよ。俺はヒナさんが安眠できる姿を見れるだけで大分ストレスの緩和になりますから、逆にこき使ってくれても大丈夫なんですよ?」

 

 

確かに先生は私が仕事終わりの時や眠れない時に手を握ってくれた時もなんだか安心したような顔をしていた。

 

......こんな私でも先生の役に立ててるんだな、って思う

 

 

「......ありがとう。」

 

ただただに素直なお礼の言葉が出る。

 

 

「はい!どういたしまして。夕飯できる前にシャワーでも浴びてきちゃって下さい」

 

 

先生は私の頭を軽く撫でながら立ち上がり、左腕の袖を捲る。

 

 

なぜか、左腕だけ

 

 

 

 

 

 

________________________

 

 

 

 

 

 

「あの、先生......」

 

 

「お、ヒナさ______ほう、パジャマ姿ですか。良き。かわいいですね」

 

 

「きゅ、急にどうしたのよ......」

 

 

私がシャワーを浴び、いつものブランケットのようなふわふわのカーディガンとスリッパ、そして水玉模様のピンク色が特徴なパジャマ。

 

「飯できましたけど......食べれますかね?」

 

 

給湯室のテーブルにはカセットコンロがあり、その上にはコトコトと音を鳴らす____

 

 

「すき焼き......!」

 

 

「食べれそうですね」

 

 

キラキラと表情を輝かせるヒナを横目に飲み物や箸、とんすいを用意する羅衣。

 

「ではお嬢様、お席へ」

 

 

「なんのキャラなの......」

 

 

そう言いつつ引かれた椅子に腰掛けるヒナ。

 

そして羅衣は____

 

 

 

「......バーテンダー?」

 

 

「正っ解!」

 

 

用意した飲み物を机に並べ、一個レモンを切る。

 

ヒナの言う通り羅衣が用意したのはバーテンダーがよく使用する道具ばかり。

 

ジュースを混ぜるための『シェーカー』

計量のための『メジャーカップ』

 

どれもオシャレなバーで使うような道具ばかり。

 

 

「お好みのカクテルは?」

 

 

「まだ未成年なのだけど......」

 

 

「まぁまぁそんなことは気にせず」

 

 

「えっと......じゃあ、おすすめで......」

 

 

「ではモクテルにしましょーか」

 

 

そう言って羅衣はオレンジジュースをメジャーカップに適量注ぎ、シェーカーに注ぐ

 

 

そしてさっき切ったレモンの果汁を搾り入れる。

 

 

モクテルというのは、オレンジジュースを中心としたノンアルコールカクテル。

 

ちなみにバーテンダーは羅衣の趣味である。

 

 

 

「......すごい......」

 

 

シェーカーに氷とシロップを入れ、ジャカジャカと特有の音を鳴らす。

 

 

その姿にヒナは一瞬見惚れ、その事実に赤面する。

 

 

 

「......うし。どーぞ」

 

 

「......綺麗ね......」

 

 

「すき焼きにカクテルなんて場違い感がすごいですけど、ほとんどオレンジジュースと変わらないんで楽しんでってくだせぇ」

 

 

そのまま道具を片付け、羅衣はそのままのオレンジジュースをコップに注ぐ。

 

基本的に自分のためになんかするのは気が乗らないので普通に飲む。

 

 

「んじゃ、乾杯!」

 

 

「......乾杯」

 

 

ガラスとガラスがぶつかり、軽い音が出る。

 

 

 

すき焼きは、あったくて美味しかったそうです

 

 

 

 

 

_________________

 

 

 

「__明日はちゃんと作り置きを食べること、仕事は片付けたんでちゃんと寝ること。日頃から皆さんを心配させるような仕事形態にしないこと」

 

 

そう言いながら先生は帰り支度をする。

 

だが、私は先生のコートを掴む。

 

 

 

「えっと、その......きょ、今日も......」

 

 

恥ずかしそうにもじもじとしながら今日もあの()()()をする。

 

 

たまに不安になる時は何時もこれをお願いしている

 

 

 

「いつもの.........あ、アレですね。りょーかいです」

 

 

そう言うと先生は両脇を広げた私を抱っこする。

 

 

「やっぱ軽過ぎますね......今度食べたいもののリクエストとかってあります?」

 

 

「えっと......じゃあ、生姜焼きとか......」

 

 

羅衣はヒナを優しく抱き抱えながら学生寮へと向かう。

 

行き先はもちろんヒナの部屋だ。

 

 

 

「よっと......えーと......合鍵合鍵......」

 

 

説明しよう。

 

羅衣はめんどくさがり屋であるヒナに時たま料理を提供するため、すでに合鍵を作ってもらっている。

 

 

「お、あったあった」

 

 

空崎さんを落とさないよう細心の注意を払いつつ、合鍵で扉を開ける

 

 

生徒の部屋の合鍵を持ってる時点で犯罪臭がものすごいするが、それは気にしちゃあいけない。

 

 

 

「お邪魔しまーす」

 

 

「少し散らかってるけど......」

 

 

今更部屋の散らかっている有無で恥が表情に出ることはないが、それでも少し恥ずかしい。

 

 

 

「......よいしょと......」

 

 

空崎さんのあまり装飾の少ない部屋のなかにある水玉模様のベッド。

 

そこに空崎さんを寝かせる

 

 

「......ありがとう先生。今日も......今日は特に......」

 

 

「いえいえ、生徒の健康を守るのも先生の役目ですから」

 

 

優しげな表情を浮かべながらヒナの白く、ふわふわとした頭髪を撫でる。

 

 

「.........ふふっ.........んぅ.........」

 

 

幸せそうな笑みを浮かべ、ヒナは撫でてくれた羅衣の左手にそっと触れる。

 

 

 

「............」

 

 

くっきりと目の下に刻まれた隈。

 

 

高校三年生が仕事に忙殺されて良いわけがない。

 

 

ただでさえ空崎さんは碌に青春を送れていないのだ

 

 

.........許さんぞ万魔殿

 

イブキさんは許すが

 

 

「......お疲れ様です。空崎さんは本当に頑張り屋さんですね」

 

 

 

甘くて、優しい声と匂い。

 

 

普段キヴォトスを走り回っているはずの羅衣からはなぜか今みたいな甘い匂いしかしない

 

 

シャーレでアロマを炊いてるのもあるだろうが

 

 

 

「.........っぁ......もっと.........」

 

 

「......もっと褒めればいいですか?」

 

 

 

「うん......」

 

 

ほとんど眠りに落ちかけているヒナはすっかり羅衣に甘え切っている。

 

 

「毎日頑張ってて偉いです。後輩や仲間にも誠実で.........ほんとに凄いな......」

 

 

 

「......えらい?」

 

 

「とっても。」

 

 

 

「......ふふっ......えへへ.........」

 

 

 

それから三十分くらい空崎さんを褒め倒していると、眠気が限界となったのか俺の手を握りながら眠ってしまった。

 

 

その後は特に何もなく、空崎さんを見守りながらシャーレへと帰った。

 

 

 

 

 

「.........いい誕生日......だな」

 

 

すでに時計は0時を回り、元旦である1月1日を迎えていた。

 

 

つまり、羅衣の誕生日であること

 

 

 

「......今度は、俺が祝わないとな」

 

 

 

 

俺は空崎さんが眠りに落ちた瞬間の寝言を反芻する。

 

 

 

 

 

 

『せんせぇ.........たんじょうび.........おめでとう.........』

 

 

 

 

 

 

幸せそうな表情を浮かべながら眠りに落ちた空崎さんが、そう祝ってくれた。

 

 

 

 

「......俺より元旦の方が楽しいでしょうに」

 

 

 

あけまして、ではなくおめでとう。と

 

 

 

 

 

「......ハッピバースデ〜おーれー♩」

 

 

今までは誕生日なんて考える暇もなかった。

 

......そもそも、嫌いだった

 

 

 

 

......でも、今日は________

 

 

 

 

 

 

「ハッピバースデイ!!!!!素晴らしいッ!」

 

 

 

どこぞの社長になるくらいには、嬉しい




ヒナと一緒に仕事して年明けしたい人生だった


ヒナちゃんはドロンドロンに甘やかしてから目の前で腑ぶち撒くのが綺麗。

羅衣くん、お前がやったんだゾ♡

てか俺も神木さんボイスで褒められてぇ!
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