赤と青が交わる場所   作:カブライニキ

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ごめんなさいみなさん。今から謝ります

多分第二章クソつまんないと思います

原作とかなり似ちゃうかもしれない……


第十一話 死滅回遊魚

 

「んじゃ、俺は出かけてくるんで。みなさんはもうすぐテストですけど、夜更かしせずに寝ること。晩飯は作り置きを食べること。」

 

 

「わかってるって!先生しつこい!」

 

「心配してくれるのはわかるのですが、流石に念を押しすぎでは......」

 

 

コハルさんはともかくリツにすら言われるってことはだいぶしつこかったんだろうな......

 

 

時刻は7時ジャスト。

 

すでに空は暗くなり、夜景が見える時間だが、俺はこれから出かける。

 

「あれ?先生お出かけですか?」

 

「こんな時間からお出かけなんて珍しいですね」

 

 

普段は七時ぐらいになれば飯を作って食ってる時間だが、わざわざ作り置きまでしている

 

 

「......随分おめかしされていますが.........もしやデートでしょうか♡」

 

 

「え“っ!?で、デート!?」

 

コハルさんは花子さんの言葉に釣られて顔を真っ赤にしながら猫のような目になる。

 

 

「まぁ、そんなところです」

 

 

「......聞いて無いです」

 

 

「言ってないもーん」

 

 

リツの小言も今回は聞き流し、扉を開ける。

 

昼間は暖かいとはいえ、夜は少し肌寒い。

 

 

「じゃ、行ってきます。」

 

 

それだけ言って俺は合宿所から出た。

 

 

ちなみに今日は杖無しである。

 

 

 

「......歩きやすぅ......」

 

 

()()()()の調子はどうですか?』

 

 

「だいぶ良い。普段使いも全然大丈夫だと思う」

 

 

プラス、羅衣に見慣れないメガネと右手が付いている。

 

 

これらは全て羅衣の欠損した部位を補うためのものである。

 

足はすでに完治。

 

だが、腕の欠損によりバランスの消失や日常生活の不便化。

そして生徒に要らぬ心配をかけないためにプラナがクラフトチェンバーにより製作。

 

メガネはスマートグラスとなっており、自動で度を変更してくれる。

 

 

「右手もラグ無しで滑らか〜」

 

 

にぎにぎと右手を動かす

機械のような駆動音はなく、動きもとっても滑らか。

でもやっぱり機械的な見た目は拭えないから薄手の手袋を付ける。

 

 

『そう言えば今日はどこに行くんですか?』

 

 

「ナギサさんとお忍びで遊びに」

 

 

世はそれをデートと言うのだが、当の羅衣は鼻歌を歌いながら約束の場所へと向かう。

 

『......ナギサさんは大丈夫ですかね』

 

 

プラナの心配の理由は、この前の会合(エデン条約編第一章 第七話参照)で羅衣とナギサの意見が合致せず、半喧嘩別れのようになってしまったからである。

 

今回のデートは、その仲直り的な感じで羅衣が企画したものである。

 

「......大丈夫じゃ無いだろうから全力で謝って全力で楽しませます」

 

 

すでに羅衣は土下座をする準備をしており、なんなら今からルパンダイブ土下座でもなんでもできる

 

 

「.........怒ってないといいなぁ.........」

 

 

一抹の不安を覚えつつも、羅衣は約束の場所へ足を進めるのであった。

 

 

 

 

________________

 

 

 

「.........早く着きすぎましたね......」

 

 

時刻は午後7時10分

 

 

今日は先生とメールでやり取りしていた時に約束したお忍びでの......で、デート......の日......///

 

先生との約束の時間は7時30分

 

 

まさか20分も早く来てしまうとは......

 

 

「......少し忙しないですかね......」

 

 

ただでさえこの前は先生と喧嘩(?)のようなことをしてしまって、気まずいままの顔合わせとなってしまった。

 

 

今日のナギサのコーデはミルクホワイトのコートにチェックのロングスカート、少し深めのベレー帽とマフラー

 

 

と、完全に自身の顔を隠すセットである。

 

 

だが、メイクはいつもより気合が入っており、コートやスカートは羅衣の好みである『落ち着いた雰囲気』に合わせたものである。

 

 

尚、本人は無意識にこの行為に及んでいたそうな

 

 

「............」

 

 

先生を待っているだけなのに妙にソワソワとしてしまう。

 

今までお忍びで先生と出かけたことはあったが、夜に出かけるのは初めてで、緊張と共に私の体に軽い高揚が走る。

 

 

 

『えwwこの子めっちゃ美人じゃね?』

 

 

『マジじゃんw一緒に飯食いに行かね?』

 

 

そんなナギサの前に現れたのは、見るからにチャラそうな機械の若者であった。

 

 

「え、えっと.........ひ、人を待っていまして......」

 

 

『こんな寒いトコで待つ必要ないじゃ〜ん、その人が来たら切り上げればいいしさ!』

 

 

『そ〜そー!』

 

 

 

(こっ......これは俗に言う“ナンパ“という物でしょうか......!?)

 

ナギサは今自分がナンパされていると言う非日常的な現場に混乱しながらも、多少の恐怖が湧いていた。

 

そりゃそうである。

戦闘経験が豊富な生徒であれば『失せろ』の一言なのだが、ナギサは超お嬢様学校であるトリニティの、それも生徒会長。

 

俗世を知らないわけではないが、逆に言えば知っている訳でもない。

 

 

「ご、ご遠慮させていただきますね......」

 

 

そう言ってナギサはその場から立ち去ろうとする。

 

すでにスマホに手を掛け、羅衣に連絡を______

 

 

 

『そう言わずにさ〜一瞬だけでいいから!』

 

 

 

ついにナギサの手首を掴もうと背の高い若者が手を伸ばす。

 

 

 

 

 

 

だが、

 

 

 

 

 

「.............」

 

 

その間にタイミングよく羅衣が割って入る

 

 

 

「先......せ......」

 

 

『あ?なんだコイツ』

 

 

『何邪魔してんだよ』

 

 

羅衣が現れた瞬間に若者2人は態度を急変させる。

 

 

 

だが______

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっとぉ!!やめなさいよ男スィーー!!」

 

 

 

急に羅衣はオカマボイスでそう叫ぶ。

 

その姿はまるでどこぞの腕が伸びる男のようだ

 

 

『うおっ!?』

 

『急に大声で叫ぶなよ!!』

 

 

 

「やめなさいよ!この子嫌がってるじゃない!」

 

 

羅衣の大声に気圧された若者は思わず後ろに下がるが、それでも羅衣は追撃を辞めない

 

 

「ナンパするなら、アタシにしなさいよ。」

 

 

『......は?』

 

 

 

「アタシのほうが.........おっぱいおっきいわ......」

 

 

『えぇ......?』

 

 

「アタシのほうが.........おっぱいおっきいわァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」

 

 

 

『ウワァァァァァァァァァァ!!?!?!』

 

 

『ごめんなさァァァあァァァァァァァァァァイィィィ!!!!』

 

 

そのイケメンフェイスから放たれるとは絶対に想像できないようなデスボイスと物凄い勢いで迫ってくる羅衣に恐怖し、若者はところどころ転びながら去っていった。

 

やはりこの戦法は最強。

 

 

「......すんませんお待たせしました.........」

 

 

「い、いえっ......」

 

 

ナギサ自身もその行動には驚かされたが、それと同時に自分を庇ってくれたことに対して好感を抱いていた。

 

 

「マジでごめんなさい汚い言葉を使いました.........」

 

 

羅衣はそれよりも、生徒の前で『おっぱい』などと教育に悪いことを堂々と叫んでしまったことに消沈している。

 

 

「ふふっ.........予定より早いですが.........行きましょうか?」

 

 

「......行きましょっか」

 

 

さっきの出来事で少し笑い合いながら、2人は目的地へと歩いて行った。

 

 

「あ、あの......メガネ、似合っていますね......」

 

 

「ふっふっふ......オーダーメイドなんすよこれ」

 

 

これで付き合ってないだぜあいつら

 

 

________________

 

 

 

 

「アレがクマノミで、そっちがネコザメ」

 

 

「......猫なのですか?」

 

「背中にかけて隆起してるヒレが猫の耳に見えたことからそう呼ばれてるそうですよ」

 

 

2人が遊びに来た場所、そう。それは_____

 

 

 

アクアリウム!

 

 

しかも夜の水族館となればカップルがよく来る場所ランキング堂々の一位を記録すること間違いなしの場所だろう。

 

 

え?遊園地?ちょっと何言ってるかわからない

 

 

「しかし驚きました......まさかこんなに大きな水槽が......」

 

「俺もこのサイズは初めてですね。」

 

 

 

水槽は縦にも横にも広く、中ではイワシの大群が流麗な回遊を見せていた。

 

 

(ホシノさんと魚の話とかいっぱいしといて良かったな)

 

 

子供のように......というか子供なのだが、ナギサはキラキラと目を輝かせる。

 

 

そんな年相応な姿を見られて、鏑林満足の極みでございます

 

 

「つ、次も見てみましょう!」

 

 

「あはは、はいはい。ゆっくり歩いてくださいね」

 

 

入り口付近の水槽だけでこれなのだから、とナギサは足早に次の水槽を目指す。

床がカーペット式にはなっているのだが、あのはしゃぎ様を見ると転ばないか心配になる

 

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

・軟体生物コーナー

 

「タコってこんなに大きくなるんですね......」

 

「水蛸はもっと大きくなりますよ。確かに二メートルとか......」

 

 

「そんなに!?」

 

 

 

〜〜〜〜〜

 

・海獣コーナー

 

「ほーらペンギンですよ〜」

 

 

「ひゃぁぁ!?」

 

「すげぇ集られてる......」

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

・イルカショー

 

「イルカは半分寝たまま半分起きれるって言う能力を持ってるそうですよ」

 

 

「......半分も、寝られるんですね......」

 

 

「.........安眠の民め.........」

 

 

 

 

________________

 

 

 

 

「えーと......順路はここで終わりですね」

 

「もう終わってしまったんですね.........」

 

 

俺たちは細かく順路を巡り、2時間たっぷり遊んだし、お土産も買えた。

 

だが、ナギサさんは少し名残惜しそうにしている。

 

 

 

「ひっさしぶりに水族館とか来れて大満足ですね」

 

 

「......そうですね......」

 

 

順路をめぐると自動的に最初の大水槽に戻ってきた。

 

 

「.........やはり私は、この大きな水槽が1番好きですね......」

 

 

そう言ってナギサさんは水槽を鑑賞するためのベンチに腰を掛ける。

 

俺もその隣に座り、再び水槽を見る。

 

 

「......あの白黒の群れは......」

 

 

「あれはハタタテダイですね。死滅回遊魚の」

 

 

「死滅回遊?」

 

 

確かに水槽の中の群れは、イワシからハタタテダイに変わっていた。

 

 

「死滅回遊魚、回遊魚であるにも関わらず普通なら生息できないはずの海流に乗り、そのまま越冬出来ずに文字通り死滅してしまう........」

 

水族館入り口でもらったパンフレットをパラパラとめくりながら説明する。

 

 

「......そうなんですね......なんだか、悲しい魚ですね」

 

 

ナギサさんはハタタテダイの群れを見据える。

 

 

「でも、水族館(ここ)なら死んでしまうもないのでしょうね」

 

 

「......まぁ、人間の鑑賞に使われてはいますけど......」

 

 

.........死滅回遊

 

 

この言葉を聞くだけで、少し嫌なことを思い出して、気分が悪くなる

 

 

でも、確かにナギサさんの言うとおり、俺もキヴォトス(ここ)なら________

 

 

 

「あ、先生見てください!私もアレなら知っていますよ」

 

 

「お、なんか随分とでかい_______

 

 

 

 

 

ナギサさんと共に水槽を見上げる。

 

だが、そこにいたのまるで俺が知っているものではなかった

 

 

 

「.........ナニアレ.........」

 

「希少種の『ゴールドマグロ』ですね。最近見つかってここで展示されてるとは聞いていましたが......」

 

 

俺の眼前に映ったのは金色に輝くマグロであった。

 

 

何度でも言おう。金色に輝くマグロだ

 

 

 

「こ、この都市の生態系はどうなって.........」

 

自然界では金色や自ら発光するような目立つ体色をする魚は万にひとつもない。

 

 

「すごく珍しくて、100年に一度見られるかどうかと言う話も.........!」

 

 

......ま、まぁ、ナギサさんが楽しそうでよかっ___________

 

 

 

 

 

(ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!)

 

 

 

「危ないっ!」

 

 

良かったと思いきや急に水槽が爆発した。

 

 

分厚いガラス片が飛んでくるのを簡易領域で弾きながらナギサさんを抱き寄せる。

 

 

「えっ..........ええぇ!?!?」

 

ナギサさんは俺の腕の中で叫ぶが、それも無理はない。

だって目の前の水槽が急に爆発すれば驚くなと言うほうが酷だろう

 

 

「とりあえず外に出ましょう。ほら、水槽の方は見ないで。前進です」

 

 

ナギサさんを前に着かせ、そのまま前進させる。

 

......あの水槽をナギサさんに見せたくはない

 

 

 

___________

 

 

「うわぁ.........また派手にやられたっすね.........」

 

 

「イチカさん!」

 

 

「あれ、先生じゃないすか!」

 

 

一度ナギサさんを安全な場所に置き、シャーレの権限を使って正実の捜査に参加する

 

そこで顔見知りであるイチカさんと出会った。

 

「被害は?」

 

「見ての通りひどいもんっすよ。水槽内の魚は全滅、それにプラスで怪我人多数っすよ」

 

さっきまで見ていた水槽は無惨に破壊され、床にはバラバラの魚の破片が散らばっていた。

 

......やっぱナギサさんに見せなくて良かった。

 

 

「私たちもゲヘナからトリニティに無断侵入したって言う通報があって、急ぎで駆けつけたんですけど.........間に合わなかったっすね」

 

 

イチカさんは糸目を少し開く。

 

あからさまに罪悪感を抱いている上に、先の言葉にも自嘲が入っていたように思える

 

 

「敵の数と狙いは?」

 

 

「数は4人。狙いは未だ.........」

 

 

4人......か......

 

一応心当たりはあるが、断定するのはまだ早い。

 

 

「あ、捜査と関係あるかどうかわからないっすけど...........

 

 

 

 

 

展示水槽からは、まだゴールドマグロだけが見つかってないらしいっす」

 

 

 

 

 

 

.........殺すぞ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!

 

 

 

 

________________

 

 

 

 

「ねぇぇぇぇぇ!!なんであの人ずっと追ってくるの!?て言うかトリニティのど真ん中だし!!」

 

 

「仕方ありませんね。あの『ゴールドマグロ』と聞いて黙ってみているわけにはいきませんし」

 

 

羅衣はビルとビルの間を飛び、美食研究会が乗っている車を補足。

 

現在は攻撃しながら接近中

 

 

「ふふっ。あの伝説のマグロをただの観賞用として扱うだなんて......そんなこと、美食に対する礼儀が.........」

 

 

 

美食研究会会長

『黒舘 ハルナ』は自身の愛銃である『アイディール』に弾丸を装填し、飛来する羅衣に向ける

 

 

「なっていませんわッ!!」

 

 

 

大口径のスナイパーライフルから放たれる音速を超えた弾丸。

 

普通の人間ならば認識の前に撃ち抜かれる

 

 

よって、この勝負は黒舘ハルナの勝利だろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相手が羅衣でなければだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おら」

 

羅衣は自由になった右手でトリガーマグナムを取り出し、ハルナが放った弾丸を相殺する。

 

 

(ガッ!)

 

 

そのまま車のパイプを掴み、搭乗する。

 

 

「っ!」

 

 

ハルナは再び羅衣に銃口を向けるが、羅衣は銃身を掴みそのまま_____

 

 

 

(バギャッ!)

 

 

 

捻じ切る

 

 

 

「スゥ.........コラーーーーーーーーーーーーー!!!」

 

 

 

「ぅあっ.........」ビクッ

 

 

羅衣が目の前でハルナの軽いトラウマを叫ぶとハルナの動きは一瞬止まり、無防備となる

 

 

その隙を的確に狙い、トリガーマグナムの銃弾を浴びせると、ハルナはそのまま気絶した。

 

この間約2.5秒

 

 

「かいちょ______」

 

 

 

隣に座っていた赤司ジュンコが気絶したハルナを助けようとし、隙を晒す。

 

 

『strike!』

 

 

羅衣は中折れの銃身を起こし、容赦なくストライクモードの弾丸を脳天に叩き込む。

 

 

 

「マグロとフウカさんは貰ってくぞ」

 

 

羅衣は運転手の鰐淵アカリと恐怖のまま動けない獅子堂イズミを他所に、またまた捕まっていたフウカとマグロを回収し、驚異的な脚力で車から離脱。

 

 

 

アカリもこのまま戦闘を続行するのは不可能と断定し、そのまま車を走らせた。

 

 

 

「......ふぅ......大丈夫っすか?フウカさん」

 

 

「ふん〜〜〜!......ぷえ......ありがとうございます......いつもすみません先生.......」

 

 

俺は口枷をされ、縛られていたフウカさんを解放する。

 

「本当......フウカさんも大変ですね......」

 

 

「まさか展示されてるマグロを料理しろって言われるとは思いませんでしたよ......」

 

 

この人はゲヘナ給食部部長『愛清 フウカ』さん。

いつも美食研に誘拐されては無理矢理料理を作らされるという不憫な人だ。

 

 

「今正実が保護に来てくれるんで、このまま此処に。」

 

 

「えっ......先生はどこに......」

 

 

 

 

 

 

 

 

「......ちょっと、不良生徒の指導に」

 

 

 

 

 

 




許さんぞ美食研究会……殺してやるぞ陸八魔アル……



ちなみに羅衣くんのボイスはクソほどテンションが高い大人シンジくんか、メアリと魔女の花のピーターを思い浮かべていただければ……
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