赤と青が交わる場所   作:カブライニキ

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俺、今月末東京行ってきます。
プラナの傘買う。


エデン条約編第三章 いつか、ここにあるはずの奇跡
第二十四話 終わりの始まり


 

「こんちゃ、空崎さん」

 

 

「先生?」

 

 

エデン条約調印当日、俺はミカさんの事件以来のトリニティを訪れていた。

 

そこでゲヘナの代表の1人として空崎さんとばったり会ってしまった

 

 

「......バッチバチですね」

 

 

「......ごめんなさい先生、見苦しくて」

 

ゲヘナの生徒さんとトリニティの生徒さんがそれぞれの校旗を持ちながら睨みを効かせあっている

 

 

「そりゃ、ここまでこんがらがっちまえば何にもなくても敵対するか......」

 

 

そんな生徒たちを見ながら俺は調印式の会場に目を向ける

 

どうやら昔から存在する古聖堂のようで、なぜかこの調印場所を選んだのはゲヘナ側らしい

 

 

「......ところで先生、その装備はどうしたの?ずいぶん重装備だけど......」

 

 

「あー......友達が着てくれって......」

 

 

俺がコートの内側に着ているのは、ホシノさんが貸し出してくれたフルアーマープレート

いわゆる防弾チョッキってやつだ

 

プラス、ホシノさんからもらった盾は肩から掛け、胸には自動拳銃が備わっている。

 

首からは大人のカードとシャーレの自己証明書

背中には格納された『アビ・ノワール』が背負われている

 

 

「それに、隈がひどいわ。ちゃんと寝てる?」

 

「......そういえば今日っていい天気ですね」

 

「寝てないのね......」

 

 

 

だってさぁ......最近バカみたいに忙しかったんだよ......

 

事件の概要について話し合ったり事件について話し合ったり、それまた事件について聞かれたりでクソ忙しかった

 

そのせいにするのはアレだが、眠れていないのは事実。

 

 

「少し座って休もう。そろそろアコも戻ってくると思うから」

 

 

「......そっすね。たまには光合成しましょ」

 

 

俺と空崎さんは来賓用の長椅子に座り、日光を浴びる。

 

 

あ“〜徹夜明けに染みるんじゃぁ〜

 

 

「......ユスティナ聖徒会......」

 

 

「......?」

 

 

「......すんません独り言言ってました?」

 

 

「結構はっきり」

 

最近多いんだよね、謎独り言

 

いや、意味のない言葉を羅列してるわけじゃないんだけど、記憶の中にあることをつい呟いちゃうんだよね

 

 

「確か、ちょうどこの古聖堂で定められた戒律を守っていた守護者たち......よね」

 

 

「そんな感じですね。確かシスターフッドの前身みたいな立ち位置だったような......」

 

 

空崎さんと軽く会話しながら再び日光浴に戻る。

 

 

「あ“〜......帰りたい......」

 

 

「先生はこういう行事は苦手?」

 

「苦手も苦手ですね。人がいっぱいいるんで」

 

 

「......意外」

 

 

ヒナにとっての羅衣のイメージは、生徒たちに好かれるいい先生というイメージが強い。

だからこそ人がいる場所が苦手というのは少し意外だった

 

 

「委員長、ただいま戻り____先生.......?」

 

 

「お久しぶりです天雨さん」

 

 

どれ、めんどくさい人が来たところで俺は一旦退散かな

 

「ちゃんと、空崎さんのこと補助してくださいね」

 

 

「......え?」

 

 

「ん?」

 

 

俺自身、今発した言葉に驚く。

 

なんで俺は今こんなことを言ったのだろう

 

 

「......留めておきます」

 

 

「.........あざす」

 

 

 

俺はそう短く言い、早々に場を立ち去る。

 

羅衣は会場からは少し離れた場所に向かって、歩き始めた。

 

 

 

 

「......委員長」

 

 

「わかってる」

 

 

 

なんだか今日の先生は

 

 

 

「随分攻撃的だった」

 

 

言葉や態度ではない。

 

羅衣から漏れ出る呪力がいつもより多く、乱れていた。

 

 

まるで、調律されていないピアノを弾いているような

 

 

「......何もないといいけれど」

 

 

 

ヒナも席を立ち、調印会場へ歩き出した

 

 

 

________________

 

 

 

「そういえば今日は調印式でしたね」

 

 

「はい!学校も休校になっちゃいました」

 

「なんだかお祭りって感じがしますね」

 

 

カフェで集まる五人。

ヒフミ、コハル、ハナコ、アズサ

 

そして

 

リツ

 

 

「そういえば先生は......?」

 

 

「お父さんはあっちの会場の方で忙しいそうです。先生という特殊な立場ですから」

 

 

リツはクリームパフェを嗜みながら雑談にふける。

 

 

「で、どうして私はここに呼ばれてるわけ?」

 

「実質的に補習授業部の卒業パーティーも兼ねているんですから、もう少し付き合ってくれません?」

 

 

「べ、別に嫌とは言ってないじゃん!み、みんなで頑張って、みんなで乗り越えたわけだし......」

 

 

コハルは恥ずかしそうに言葉を紡ぐ。

 

 

「それに、これで全部終わりってわけじゃないし、私はずっと正義実現委員会にいるから、押収品の管理室にでも来てくれれば大抵......」

 

 

「うん、すぐにでも遊びに行くよ、コハル」

 

 

アズサがそういうと、ハナコも押収室に行くだとか

 

 

何やら楽しそうに話しているが、私にはちょこっともわかりません

 

 

「あれ、アズサちゃん。もしかしてそのぬいぐるみ、ずっと持ち歩いてるんですか?」

 

 

ヒフミが指差すのは以前羅衣とヒフミがプレゼントしたペロロ様とスカルマンのぬいぐるみ。

 

 

「せっかくなら他にも色々集めませんか?それに、そろそろペロロ様の冒険アニメも公開されることですし!」

 

 

あのグロテスクな見た目の鳥が主人公のアニメ......お父さんが喜びそうですね

 

 

「仲間たちと力を合わせて悪を打ち砕き、共に苦難をのりこ、最後にはみんなで笑顔を迎えるエンディングがすごい感動的だそうで......!」

 

 

語り出して熱が入ったのか、ネタバレ部分まで話してしまうヒフミさん。

 

 

......何かに対して熱くなれるのは、人間のいいところだとお父さんは言っていました

 

 

「...ヒフミさんは、ハッピーエンドが好きなんですか?」

 

 

「は、はい......やっぱり普通すぎますかね......?」

 

「いえ、とてもいいことだと思いますよ。現実ではあり得ないんですから」

 

 

結局は全部フィクションに過ぎないからこそ創作物は楽しいものなのだと思う。

 

「......お父さんは、いつも怪我して帰って来ますから」

 

 

 

そう、現実では全部が丸く収まってのハッピーエンドなんてあり得ない。

 

その証拠に、いつもお父さんが1人傷ついている。

 

生徒の、他人のために

 

 

 

「でも、ヒフミが好きなものなら、悪いものだと思わない。それはいい物なのだろう?」

 

アズサがヒフミさんの言葉を肯定する。

確かに、それでもお父さんはいつも笑顔で一緒にいてくれる。

 

「あ、アズサちゃーーーーーん!!!」

 

 

ヒフミさんは感極まったのかアズサに飛びつく。

 

 

そう、ハッピーエンドでいいんだ

 

 

今日はお父さんと一緒にゆっくり話そう。

これからも、この先もきっと________________

 

 

 

 

その思考を遮るように、リツ達に大きな影が被る

 

 

 

 

あれ、な、に?

 

 

 

 

 




地獄が♩地獄が♩地獄が始まるぞ♩

もう調印式から始めちゃうのが鏑丸クオリティ
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