記憶を失ったティグルはウルスとしてレグニーツァのどこかの村で生活をしていたが、ひょんな事からルヴーシュの戦姫で鞭の竜具だが雷を纏うし、棒状の武器にもなる『ヴァリツァイフ』の所有者であるエリザヴェータ=フォミナに出会い、彼女がウルスを引き取ると言い、こうして、ウルスはエリザヴェータに仕える事となった。
しかしてウルスはルヴーシュの者にとっては素性も知れぬよそ者なので幾ら弓の扱いが優れていようと良い役職につける訳も無い。
とりあえずはナウムの従者のような形で働く事になる。
「拾われた恩をしっかりと返させてもらいますのでよろしくお願いします。ナウム様」
「ああ、よろしく頼むぞウルス。ひとまずは何が出来るか、色々試してみよう」
まずはウルスが何を出来るのか、試してみる事にする。その中で失った記憶を取り戻せるなら儲けものでもあるのだ。
そうして、まずは馬に乗れるかどうかを試し始める。
「ふっ!!」
ウルスはものの見事に馬を乗り回してみせ、その技量は達人の如くである。
「しっ!!」
そうして、まずはエリザヴェータとナウムを驚愕させた弓術から詳しく探る事になる。
三百アルシンの距離から矢筒から複数の矢を一度に引き抜くと継ぎ矢をしてみせたり、一度に複数の矢を射抜いたり、城壁の上に矢を届かせたり、そして馬に乗った状態で見事に弓術の冴えを見せた。
次に剣と槍、戦斧に
無論、一人でやるのではなく王宮で働く兵と模擬戦をしたり、競ったりという形でだ。王宮でやっていくためにも人との交流は必須である。
「す、すげぇ……」
「やるな、お前……」
ウルスの技量に観戦するルヴーシュ兵は驚愕したり、敬意を送ったりする。
「本当にこれは掘り出し物だな」
ウルスの武人としての技量を見て、驚きながらもナウムは頼もしさを感じたのであった。
「知恵はどうか……」
ナウムはまず、読み書きが出来るかどうか見てみるとウルスはものの見事にほとんどの言語が読み書きできた。
そして、ウルスはチェス盤と駒を持ってきた。ウルスにチェスを教えようとしたがこれは知っており、その腕も良かった。
ルヴーシュにて記録されている戦の記録の分析をさせてみれば、良く理解したし更には当時よりも良い戦略を思い浮かべる事も出来たのだ。
「ふふ、それは良い事ですわ……しっかり、ウルスの世話をし、育てなさい。ナウム」
「喜んで」
ウルスの能力にエリザヴェータもナウムもルヴーシュにおける主力になる事が期待できるとあって、良く育てる事を決めたのであった……。