魔弾の王は戦姫と英雄譚を紡ぐ   作:自堕落無力

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二十二話

 

 リュドミラはエレオノーラとの戦いにおいて、タトラ山の山道に幾つもの防壁を設置して城砦での籠城戦にて戦うつもりであった。

 

 その防御陣地はエレオノーラの竜具であるアリファールによる強烈な風の攻撃であり、竜技(ヴェーダ)の対策をばっちり施したものである。

 

 これにより、テナルディエ公爵と敵対しているが故に日数がかかればかかるほどティグルとエレオノーラ両軍は追い詰められていく筈だったのだが……。

 

 

 

「防御陣地が破壊されましたっ!!」

 

「そんなっ!?」

 

 部下からの報告にリュドミラは流石に驚愕する。そうして城砦の壁の上へと向かえば確かにティグルとエレオノーラ両軍が向かってきている。

 

「くっ、来た以上は仕方ない。徹底抗戦よ」

 

『はっ!!』

 

 リュドミラはそうして、徹底抗戦を始めるのであった……。

 

 

 

 

 

 

 竜具と力を合わせられる特性を有していた黒弓により、ティグルは防御陣地を破壊しそうして城砦に向かってエレオノーラ達と共に攻め込んでいく。

 

「ふしっ!!」

 

 ティグルは長弓に比べれば、400アルシンと射程距離は落ちるが弦の張力は手軽になる事で超速の超連射であり、複数の矢の同時射出も行って敵を射抜いていく。

 

「む……」

 

 ティグルはふと敵意を感じたのでその方へと矢を放つ。

 

 

 

「(がっ!?)」

 

 前にロドニークから帰ろうとしていたティグルを待ち伏せていたテナルディエ公爵の子飼いの暗殺者が『七鎖』の最後の生き残りが潜んでいたのだが、見事にティグルに額を射抜かれてしまった。

 

「(馬鹿な……)」

 

 七鎖の生き残りは自らの存在に気づき、射抜いたティグルに恐怖しながら息絶えたのであった。

 

こうした状況の中でティグル達は城砦の中へと侵入を果たし……。

 

「リュドミ……「待った、一騎打ちは俺がやる。構わないよな?」」

 

 

 

 一騎打ちをしようとしたエレオノーラに声をかけつつ、剣を抜きながらティグルはリュドミラへと告げる。

 

「ええ、良いわよ……貴方こそ総大将だものね」

 

 リュドミラは自分の竜具である短槍を軽く振るいながら、ティグルの挑戦を受けた。

 

 そうして周囲をエレオノーラにリムアリーシャ、兵士たちが囲む中でティグルとリュドミラはそれぞれの武器を構えて対峙する。

 

 

 

 

「いくぞっ!!」

 

「はあっ!!」

 

 そうして、互いに相手へと二人は向かって行き……。

 

「しああああっ!!」

 

「っ!?」

 

 ティグルは跳躍しながら身を捻っての旋回の勢いを利用しながらの斬撃や蹴撃と獣を思わせる獰猛な勢いと動き、そして暴威の如き攻撃にリュドミラは段々と対応しきれなくなっていく。

 

 そうして……。

 

 

 

 

「ふしっ!!」

 

「っあ!?」

 

 押し切っていく事で生まれたリュドミラの間隙を見抜いたティグルは繊細にして超絶なる技巧の斬撃を繰り出し、リュドミラの槍を弾き飛ばし、すぐさま剣の刃を首先に突き付けた。

 

「俺の勝ちだ……戦姫、リュドミラ様」

 

「……まさか、弓じゃ無くて剣もこれほどだったなんてね。ええ、私の負けよ」

 

 リュドミラはティグルの言葉に頷き、降伏したのであった……。

 

 

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