魔弾の王は戦姫と英雄譚を紡ぐ   作:自堕落無力

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四十二話

 

 ティグルは銀の流星軍と援軍の騎士団に諸侯の軍勢合わせて一万六千程の軍でオルメア平原にてムオジネルの王弟であるクレイシュが率いる三万数千のムオジネル軍と交戦した。

 

 ティグルは騎兵による一撃離脱戦法で翻弄しつつ、小規模の伏兵による奇襲でムオジネル軍を揺さぶり続け、最後にほぼ全戦力を差し向けてきたムオジネル軍に対し、丘の城砦化で意識を惹きつけながら隠していた大規模の伏兵による奇襲で大きく攪乱するとそれによって生じた間隙を縫ってティグルはムオジネル軍の本陣へと強襲をかけて本陣を陥落させるとクレイシュを捕らえつつ、降伏させたのである。

 

「まさか、ブリューヌに貴殿のような英傑がいるとは思わなかったぞ。ヴォルン伯爵」

 

「賞賛ありがとうございます、クレイシュ殿……」

 

 

 そう捕えたクレイシュに言いながら二人は今後についての話し合いを交わす。

 

 本来ならばこのまま、クレイシュを捕虜にしたりというのはあるが今回、ティグル達にその余裕はない。ムオジネル軍の武器や馬、食糧など物資を没収しつつ、ムオジネルへの撤退をするなら身の安全は保障するという事で取引は成り立ち、クレイシュは速やかにムオジネルへ撤退していったのであった。

 

「ひとまず、こっちは終わったな。海の方はテナルディエ公爵が何とかするだろう。そうしなければ、自分の領土が危うくなるしな」

 

「お疲れ様、ティグル……とても素晴らしい戦術だったわ」

 

「ああ、お前の本気には驚かされた。良く隠し通していたな」

 

「ふふ、ウルスも誇らしかろう」

 

「ティグルヴルムド卿の武勇に知略、胆力……どれも素晴らしかったです」

 

「共に戦えた事、大変誇らしいです」

 

「ティグル様、良くぞここまで成長されました」

 

 ティグルはクレイシュの同行を伺いつつ、リュドミラにマスハスにオージェ、援軍として駆け付けたペルシュ騎士団のエミール、リュテス騎士団のシャイエ、カルヴァドス騎士団のオーギュストから讃えられた。

 

少し休憩したのち、勝利の宴をする事を伝えた後では……。

 

「ティグルヴルムド卿……ブリューヌの王族としてムオジネルの侵略をくい止めるために戦い、見事撃退してみせた事、感謝します」

 

「本当にお見事でした」

 

 密かに表向きではブリューヌ王国の王子レグナスであるが、真の正体はブリューヌ王国の王女であるレギンから感謝された。

 

「お言葉ありがとうございます。ですが、俺はブリューヌ王国の者として当然の事をしただけですよ殿下」

 

「何の打算も無く、してくれたからですよ……ティグルヴルムド卿、どうか力を貸してください。テナルディエとガヌロンを討ち、王都に帰還して陛下をお助けするために……」

 

「頼まれずともそうするつもりですよ、殿下。どのみち、テナルディエとガヌロンを討たねば俺と俺に協力してくれている諸侯も先が無いので……ともかく、詳しい話は後にして今は勝利を祝いましょう」

 

 そうして、ティグルはムオジネルの侵略に対する勝利を讃える宴をするため、皆を集め……。

 

 

 

 

「今日の勝利に乾杯」

 

『乾杯っ!!』

 

 

 宴の開始をするための言葉をかけ、そうして宴を開始したのであった……。

 

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