魔弾の王は戦姫と英雄譚を紡ぐ   作:自堕落無力

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四十四話

 

 ティグルはムオジネル軍三万と数千の軍との戦に見事な勝利を収めた。

 

 そうして、勝利の宴をしつつリュドミラと愛を交わしたのだが翌朝、姿こそ人間の若者だがリュドミラによると死霊や怪物、化け物の類の姿を発見し、追ってみると戦う事にあなった。

 

 ティグルは怪物だろう存在を黒弓の力を使って排除、あるいは退けたのであった。

 

 その後、リュドミラと共に身を清めた後……。

 

 黒龍旗を翻らせながら『銀の流星軍』の幕営へと駆け寄ってくる騎兵集団がいた。そして、その中から二つの騎影が向かってきている。

 

 

 

「向こうもやるべき事を終わらせたようだな」

 

「もうちょっと、早ければ良かったのだけれどね」

 

 ティグルとリュドミラは戦姫の親友であるというアレクサンドラへの助力へと向かったエレオノーラとリムアリーシャが近づいてくるのを見て、それぞれ笑みと苦笑を浮かべる。

 

 

 

 

「ティグル、今戻ったぞ」

 

「ムオジネルとの話は聞きました。お疲れ様です、ティグルヴルムド卿」

 

 それぞれ、笑みに微笑を浮かべてティグルへと声をかける。

 

 

「ああ、お帰りエレンにリム、そしてアリファールもな」

 

 ティグルはエレオノーラにリムアリーシャ、そしてエレオノーラが腰に納める竜具のアリファールにもそれぞれ、声をかけた。

 

 エレオノーラもリムアリーシャも頷き、アリファールは風でティグルの頬を撫でるようにして反応する。

 

 

 

「戦姫アレクサンドラは救えたのか?」

 

「ああ、妙な感じだったがな……それとサーシャの容体は床には伏せているが今のところ、平常だったぞリュドミラ」

 

「そう、良かったわ」

 

 ティグルの問いにエレオノーラは微妙な表情を浮かべて答えながら、リュドミラに対してアレクサンドラの容体を教えた。

 

 アレクサンドラはリュドミラにとっても友人との事だった。

 

「そっちはムオジネルの大群を退けたそうだな、流石だ」

 

「いや、向こうが数の大きさに油断してくれていたのが大きいよ。ともかく、お互い無事に再会できて良かった」

 

「ああ」

 

 そう話し合うとエレオノーラにリムアリーシャとティグルは抱擁をし合う。

 

 

 

「おお、戦姫殿は戻られたか……無事に再会できてなにより。なぁ、ティグルよ……王子殿下に良く似た者を見かけたという報告があったのだが……」

 

 幕営の中に入るとマスハスが姿を現し、エレオノーラ達に声をかけつつ、ティグルへ問いかけた。

 

「それについてそろそろ話しをしようと思っていたところです」

 

 そうして、ティグルは長年ブリューヌ王国の王子、レグナスとして姿を偽っていたレギンと護衛の女性騎士であるジャンヌを呼んで話し合いを始めた。

 

「……」

 

 マスハスは衝撃的すぎる事実に口を開けたり、閉じたりしてパニック状態だったが……。

 

 

 

「状況が妙で厄介な事になって来たな」

 

「でしょう……」

 

 エレオノーラは軽く頭を抱えつつ、リュドミラも悩む顔をした。

 

 どのみちブリューヌではレグナスは死んだ事になっている。それが生きていて実はレグナスはレギンという王女でしたなど……あまりにも滅茶苦茶過ぎてそのままでは信じられないだろう。

 

 それに下手にレギンの事を知らせれば『銀の流星軍』は王族を騙る者を用意し、王家を乗っ取ろうとしているなど一気にブリューヌ王国の皆から排除すべき悪に認定されかねない。

 

 レギンが王女である事を宰相であるボードワンは知っているが、だからと言って王都に行こうとすればテナルディエやガヌロンにボードワンが殺される可能性もあるので王都に行くのも無理だ。

 

 そして、レギンに自分がブリューヌの王であるファーロンの御子である事を証明する方法がないか聞くと、ガヌロンの領地であるルテティア、その中心都市であるアルテシウムの地下に王家の者だけが開ける事の出来る扉があるとの事だった。

 

 

 

「行くしかないな、ルテティアに……どのみちガヌロンとも戦うつもりだったんだ」

 

「ありがとうございます、ティグルヴルムド卿」

 

 ティグルは総指揮官としてレギンが王族である事を証明する物を手に入れるため、ルテティアに行く事を決めた。

 

 

 

 その後……。

 

「ティグル様っ!!」

 

「ティッタ……」

 

 オルメア平原で野営をしている『銀の流星軍』の幕営へティッタとバートラン達が訪れ、そうしてティッタは涙を流しつつ、駆け寄り、ティグルは自分の妻である彼女を抱き締めた。

 

 

 

「心配かけたな……」

 

「いえ、ティグル様が無事なら私はそれだけで……」

 

「そうか……」

 

 二人は少しの間、抱き締め合いながら口づけを交わす事で互いの愛を感じ合うのであった……。

 

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