魔弾の王は戦姫と英雄譚を紡ぐ   作:自堕落無力

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五十話

 

 

 ビルクレーヌ平原で始まったティグル達、『銀の流星軍』一万九千とテナルディエ軍一万七千による戦。

 

 エレンとミラのジスタート軍による猛奇襲によって、テナルディエ軍の左翼が崩れていく中、エレンとミラが猛奇襲をかけられるようにテナルディエ軍を誘導しながら戦場を移動していた事、相手の動きを掴むために敢えて力を抑えて戦わせていたその過程で敢えて押され気味になっている中央の戦況を一気に変えるべく指揮を行った。

 

 

 

『総指揮官より伝令、敵左軍の脇の中間を狙えと』

 

『わ、脇の中間!?』

 

『百の兵で分断できると』

 

 それはあまりにも細かい指示でありつつ、戸惑わざるをえない指示である。

 

 

 

『総指揮官より伝令、今より、――軍は乱戦を解き、敵軍の中を駆け抜け、追ってくる敵を――軍で討てと』

 

『なにっ!?』

 

『今、やるのか!?』

 

『早くしろと仰せだ』

 

 そうして次々に伝令はティグルによる指示を伝え、部下達は戸惑いながらも了承する。

 

『――軍は敵右軍の突撃に逆らわず、押し込まれるようにと、第一軍が戻って敵の中間を討つように』

 

『お、おお……』

 

 

 

『――軍は――軍と挟撃せよと』

 

『挟撃っ!?』

 

『そういう形になるとの事だ』

 

 とにかく珍しい程に伝令が次々、『銀の流星軍』へティグルの指揮を飛ばしていく。

 

 

 

『総指揮官より伝令、――軍は反転し、入って来る敵軍の腹を討て』

 

『は?』

 

 戸惑いながらもティグルの指示通りに動いていくと……。

 

 

 

『うぐあああっ!!』

 

 次々に銀の流星軍の部隊は勝利を重ねていき始める。

 

 

 

 

「ば、馬鹿な……なんだこれは……こんな」

 

 中央軍を率いるテナルディエ軍の将は自分たちを翻弄しながら押し返してくる銀の流星軍に衝撃を受けていた。

 

「くっ、今すぐ援軍に向かえ、食い止めるのだ」

 

 指示を何とか飛ばしてはいくが、結局は無駄に終わってしまう。

 

「ま、まるで読まれているみたいに……くそ」

 

 自分の手を事前に読まれた動きをされているようでどうにもならなかった。

 

 

 

 実際、ティグルはこの将の指揮の癖やら部隊の動き方などを掴んでおり、機先を制した返し技をしているのだ。

 

 

 

 

「面倒だ……纏めて片付けよう」

 

 そう指示をしながら、ティグルは戦場の中へと本陣にて控えている部隊と共に入って息ながら、細かい指示を飛ばしていき……。

 

 

 

 

「あ、ありえないっ、こんな戦闘中に布陣をするなどっ!?」

 

 ティグルは一定の部隊に乱戦をさせつつ、超攻撃型の陣形を組んでみせる。

 

 

 

 

「全軍、総突撃だっ!!」

 

『おおおおおっ!!』

 

 そうして布陣を作る過程で銀の流星軍の動きによって翻弄され、軍としての配置もバラバラになってしまっているテナルディエ軍へと容赦なく突撃を仕掛けたのであった……。

 

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