魔弾の王は戦姫と英雄譚を紡ぐ   作:自堕落無力

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五十一話

 

 ビルクレーヌ平原での『銀の流星軍』と『テナルディエ軍』の戦況は激変している。

 

 中央軍どうしでの戦においてティグルは中央軍を率いるテナルディエ軍の動きを読み取ると機先を制した返し技が如き、用兵にて相手を追い詰めていき、十分に敵軍の陣形すらも崩したところで戦闘をさせながら超絶的な用兵により、超攻撃的な陣形に組み替えると一気に攻め込んでいった。

 

 

 

「くそ、なにがなんでも持ちこたえるのだっ!!」

 

 テナルディエ軍の中央軍を率いる将は銀の流星軍によって追い詰められている兵たちになんとか持ち応えるように指揮をしていたが……。

 

 

「じゃあな」

 

 交戦している兵たちの意識の間隙を縫うようにして移動していたティグルの標的になってしまっていた。

 

 そうして、ティグルは容赦なく弓を構えて矢を番え、弦を引き絞って矢を放つ。

 

「あぐっ!?」

 

 ティグルの矢は交戦する両軍の兵たちの隙間を通り過ぎていき、テナルディエ軍の中央軍を率いる将の額を射抜くのであった。

 

 

 

「後は押し込んでいけ」

 

『はっ!!』

 

 そうして敵軍は指揮系統を乱された事で混乱に陥っていく。それを容赦なく銀の流星軍は攻めていく。

 

 そんな中、ティグルは数百の騎馬隊を率いて膠着状態となっている左翼の戦場へと移動を開始した。

 

 

 

「(どうやら、竜にてこずっているようだな)」

 

 本当はテナルディエ軍の左翼へ猛奇襲を仕掛けているエレオノーラとリュドミラの二人はテナルディエが連れてきた竜をも蹴散らし、中央軍の脇腹を攻めて壊滅させる手筈であった。

 

 それが出来てないという事はテナルディエの竜に竜具の対策がされていたという事なのだろう。とはいえ、二人に関してはリムアリーシャを援軍として送っているので大概はなんとか出来るだろう。

 

 自分が今、やるのは中央軍が大きく乱れたという報告を聞いて大きく乱れ始めるテナルディエ軍の右翼に壊滅的な一撃を与える事だ。

 

 そうして……。

 

「悪いが、狩らせてもらうぞ」

 

 自軍の左翼と戦いながら、中央軍が崩れた事で殿をしながら持ちこたえている将を姿を隠して眺めながら、ティグルは弓を構え、そうして矢を放つ。

 

 

 

「っ!?」

 

「敵将、このティグルヴルムドが射抜いたぞー」

 

 そう、ティグルが宣言すれば指揮を上げながら左翼はテナルディエ軍の右翼を押し込みながら、壊滅させていったのだ。

 

 こうして、大きく追い詰められたテナルディエ軍は大きく退却を始めた。

 

 

 

「こちらも退くぞ」

 

 そしてティグルも必要以上の追撃は許さず、兵の再編などをするために退却を指示する。

 

「すまん、地竜しか仕留められなかった」

 

「貴方の言う通り、対策をしていたわ」

 

 エレオノーラとミラはテナルディエが連れて来た複数の竜と戦い、竜種の中で炎を吹く竜種、火竜(ブラーニ)と最大の大きさの身体を有し、独立した双頭を有し、ジスタートでは凶兆を運ぶとして嫌われている双頭竜(ガラ・ドヴァ)は妙な鎖を巻き付けているからか竜具の力が通じなかったと言った。

 

「やれるか?」

 

『手はある』

 

 ティグルの問いにエレオノーラもミラのどっちもしっかりと答えた。

 

「なら、任せる……こっちは詰めの手を用意するとしよう」

 

 そうして、ティグルはとある場所で待機させている人物に対し、動くよう、伝令を送ったのであった……。

 

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