魔弾の王は戦姫と英雄譚を紡ぐ   作:自堕落無力

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五十六話

 

 ブリューヌ王国の王都ニースでファーロン王との話を済んだ後、ファーロン王はレギンを正式に王女として認めた。レギンが王子として育てられた理由は『神託が降りたため』としたが、後において始祖シャルルの魂が王の夢に現れてそのように命じたという噂が人々の間で語り継がれる事になった。

 

 そうしてティグルに対してファーロン王は凱旋式を行うように言い、諸々の準備をする間にティグルは一旦、ガヌロンが焼き払ったアルテシウムへと行き、救助活動に復興作業に務めた。

 

 

 その間にジスタート王国のルヴーシュ公国の戦姫エリザヴェータ=フォミナから友好を結びたいと油漬けの魚を五百樽、同じく油漬けの豚を五百樽、更に火酒(ウォトカ)を三百樽送ってきた。

 

 

 

 エリザヴェータはエレオノーラの親友である戦姫アレクサンドラの治めるレグニーツァを攻め、その救出のために一時、銀の流星軍からエレオノーラとリムアリーシャが離れる切っ掛けとなっている。

 

 なのでエレオノーラとしては機嫌が悪かったが、向こうがただでくれるというのなら貰っておけと物騒な笑みを浮かべていたが……。

 

 実際、エリザヴェータからの贈り物は火災に困り果てているアルテシウムへの者達にとって良い支援になる。

 

 エリザヴェータへの返礼の手紙を送りながら、物資を受け取り、アルテシウムの者達に振る舞ったのであった。

 

 そして王都ニースの方ではジスタートからの使者として戦姫であるソフィーヤ=オベルタスが贈られ、ティグルが述べていた通りの条約を結ぶ。

 

 

 

 因みに領地の割譲についてはファーロンが決定し、王位継承者たるレギンが承認すると付け加える事でジスタート王がレギンを次のブリューヌの支配者として認めない限り、領地の割譲は無効になるようにして、ジスタート王国がレギンの後ろ盾になるようにもした。

 

 少しすると凱旋式の準備が出来たとレギンから連絡があったので再び、王都ニースへと向かう。

 

 凱旋式は外敵に勝利した場合のみ、許されるものなので形式上はムオジネル軍を撃退した功績を立てての凱旋式となった。

 

 

 

 凱旋式なのでティグルの服装もちゃんとした正装である。

 

「ティグルブルムド卿……本当に、本当にありがとうございます。何もかもあなたのお陰です」

 

「何もかもって訳では無いと思いますけどね。貴女もテナルディエやガヌロン達から上手く逃げ延び、耐え忍んで身を隠していたんですから」

 

 四頭立ての豪奢な馬車に乗ったティグルの隣に胸元や袖口に真珠をあしらった純白のドレスに身を包んだレギンがいて笑みを浮かべた。

 

 ティグルは苦笑する。

 

 その後、凱旋式の儀礼としてリュベロン山の神殿で神々と建国王シャルルの霊に勝利を報告し、加護を感謝した。王宮の大広間でボードワンがティグル達の功績を賞賛し、一人一人に後の賞与を報告する。

 

 

 

 それが終わると華やかな宴へと移行した。

 

「ティグルヴルムド卿、お疲れ様」

 

「ソフィー、ありがとうな」

 

 その中でソフィーヤとも再会し、笑みを浮かべ合ったりする。

 

 そうして凱旋式が終わるとレギンとエレオノーラの間でアルサスを共同管理とする契約が結ばれた。またヴォージュ山脈の山道の開発と整備はブリューヌ王国がする事にもなった。

 

 更にブリューヌとジスタートによる友好条約の一環として、エレオノーラが三年間、ライトメリッツでティグルを預かる事となった。

 

 テナルディエとガヌロンがいなくなり、二人の侯爵と繋がった者達からの報復やら何やらの混乱などからティグルを逃がすためとそうする事でブリューヌ王国の混乱を納めやすくするためでもある。

 

 こうして銀の流星軍を解散したティグルとティッタはライトメリッツへと行くための準備もあるが、少し故郷でゆっくりしたいとアルサスに帰還する。

 

「ようやく、帰ってこれたな。本当に疲れた」

 

「お疲れ様でした、ティグル様」

 

 そうして、アルサスでティグルはティッタと屋敷の部屋で深く互いを愛し合ったのであった……。

 

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