魔弾の王は戦姫と英雄譚を紡ぐ   作:自堕落無力

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六十話

 

 ティグルはブリューヌの王女であるレギンとライトメリッツの戦姫であるエレオノーラの話し合いで決まった事により、三年間、ライトメリッツの客将として滞在する事になったので妻であるティッタとライトメリッツに向かった。

 

 そうしてティグルはエレオノーラとリムアリーシャと共に事務仕事を行ったり、ライトメリッツの兵に弓を教えつつ一緒に鍛錬し、無論、エレオノーラとリムアリーシャと手合わせをしたりした。

 

 ライトメリッツの公宮に務める文官や軍人、従者たちは勿論、ライトメリッツで生活している市民などともかく、友好的な関係を築けるように交流していく。

 

 また、エレオノーラとリムアリーシャとはティッタも含めて愛し合ったりもしていた。

 

 内戦状態だったため、中々緊張や剣呑な雰囲気が続いていたブリューヌとは違い、このライトメリッツでは穏やかとも言える時間を過ごしていたのだが、ライトメリッツに来て数日後の時……。

 

 

「すまないティグル、陛下からお前に会いたいと文が来た。共に王都シレジアに来てくれないか?」

 

 王都シレジアから六十代の老人となっている国王ヴィクトール=アルトゥール=ヴォルク=エステス=ツァー=ジスタートからエレオノーラへとティグルを連れて自分の元へ来るよう文が来たとエレオノーラは言った。

 

 元よりエレオノーラを傭兵として雇い、リュドミラを下し、味方にして共にブリューヌにてガヌロンとテナルディエの両公爵と内戦を繰り広げ、途中においてはムオジネルを追い払い、そして最終的には両公爵との内戦の中で勝利しながらブリューヌの英雄となった男なので注目されるのは当たり前であった。

 

 

 

「勿論だ、お前やミラの協力を許してもらった礼も言わなければならないしな」

 

 こうしてティグルとエレオノーラはジスタートの中央にある王都シレジアへと向かう。

 

「王都だけあって、凄い賑やかで活気に溢れているな」

 

「だろう、この都自体は私も好きだ」

 

 シレジアは海に通じるヴァルタ大河を北に望む王都だ。百万を超える人々が暮らしている都であり、無数に伸びた街道からは様々な国の産物が入って来ている。

 

 東からくる馬車にはヤーファの竹細工や武具、遊牧民族の毛皮や獣脂などが積まれ、南からやって来る商人たちはムオジネルの香辛料や陶磁器、紅茶、金銀をふんだんにあしらった装飾品を奴隷に運ばせている。

 

 西から現れた隊商はブリューヌやザクスタンの小麦や葡萄酒、鉱物などを市場に並べていく。ヴァルタ大河を渡って来た船団はアスヴァール近海でとれた魚や珊瑚、真珠を港に降ろしていた。

 

 

 

 国外ばかりでなく、七つの公国からの物資、近隣の村々からの農作物などとにかくあらゆる場所から人や物資が入り、とにかく賑やかで栄えている王都を見てティグルは感想を言い、エレオノーラも笑みを浮かべて同意するのであった……。

 

 

 

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