魔弾の王は戦姫と英雄譚を紡ぐ   作:自堕落無力

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六十三話

 

 三年という数年の期間、ライトメリッツの客将となっているティグルはジスタート王国の王都シレジアにてジスタートの七人の戦姫を束ねる存在でもある国王、ヴィクトール=アルトゥール=ヴォルク=エステス=ツァー=ジスタートと謁見を果たした。

 

 そしてやはりというか、国の特徴として弓を忌避しているブリューヌ人でありながら、超人級の弓の腕を持つティグルの評判はブリューヌ国内におけるテナルディエ公爵、ガヌロン公爵との内戦やらでジスタートにも伝わっており、興味を持たれたので披露した。

 

 実際に王宮の弓上手との対戦形式で弓の腕を披露したティグルはヴィクトール王から賞賛の言葉を贈られ、対戦した弓上手、観戦していた貴族など、様々な者からも讃えられた。

 

 

 

 ブリューヌの王都では絶対に弓で評価される事は無いのでティグルは心地良くなったのであった。

 

 そうして王宮からライトメリッツへとエレオノーラと共に戻り、再び客将として力を尽くした。

 

 その日々の中ではティグルに興味を抱いて会いに来る諸侯や要人への対応もあり……。

 

 

 

「久しぶりね、ティグル」

 

「ああ、久しぶりだなミラ」

 

 ライトメリッツに近い公国、オルミュッツを治める戦姫でブリューヌでのテナルディエ達との内戦などでは『銀の流星軍』として戦ってくれたリュドミラもやって来た。

 

 エレオノーラとしてはリュドミラの事は未だに気に入らない相手ではあるが、好きな男が同じ相手ではある。

 

 更にはオルミュッツと国境が近いムオジネルの動きに定期的に話を聞いておく必要もあった。

 

 

 なんせティグルはムオジネルと確執がある。

 

 それはティグルがガヌロンとテナルディエを攪乱するために敢えてブリューヌ最強の騎士であり、最強の騎士団である『ナヴァール騎士団』を率いているロランの死を偽った際に好機としてムオジネルは現在はジスタートの領土となっているアニエスからの侵略を開始したのだ。

 

 それとは別に海路からも攻めており、こちらはテナルディエ公爵の領地を狙うものだったのでテナルディエは防衛に動いたのだ。

 

 そしてアニエスからの侵略についてはティグルが対応した。そうしてその時、ムオジネル軍を率いていた『赤髭』という異名で有名であるムオジネルの王弟のクレイシュを捕らえ、食糧やら物資やらを貰うなど取引を交わし、そうしてムオジネルへとクレイシュ達を解放した。

 

 

 

 これによって当然、ティグルはムオジネルと確執が出来たのだ。

 

 いずれ、何らかの形で報復に出る可能性もあるのでティグルは注意をしていたりもするのだ。

 

 ともかく、リュドミラはティグルとの再会を果たす。

 

「聞いたわ、王に弓の技を讃えられたようね」

 

「ああ、ありがたい事にな」

 

「なによりね……んちゅ」

 

 そうしてミラはティグルを抱き締め、ティグルも抱き締め返し愛し合う男女として口づけを交わすのであった……。

 

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