アスヴァール王国の第一王子ジャーメインに会うため、王都に向かっていた。その際に村を見つけたので立ち寄り、宿泊する事にしたのだがそこに粗暴な集団で賊としか思えない者達が現れ、村を荒しながら略奪を始めた。
なんと村を襲い始めた集団はジャーメインの兵で村を襲うのは日常の事であるという。
ティグルは宿を借りた村長の家族である女性が妙な事をしないようにと懇願されたが放っておけないのでマトヴェイに頼んで家の者達を縛り上げさせて戦姫の一人と確信しているオルガに協力を頼んだ。
そうして自分は村長の家の屋根から周囲を見回しながら、ジャーメインの兵たちに対し斧を振るうオルガの支援をしながら、兵を指揮する指揮官に副指揮官、兵士たちを射抜いていった。
こうして、ジャーメインの兵の大半は討たれ、残りの者達は村から逃げ始め、更に少人数の者達は逃げ遅れた事で降伏した。
「帰って伝えろ。異国の者がジャーメイン王子に会いたがっているってな」
そう命令してティグルは捕虜にした者達を解放する。とはいえ、仲間を引き連れて報復する可能性もあるのでティグルは街道に面した村の出入り口で待機する事とした。
少しして馬を連れたマトヴェイとオルガが歩いて来た。
「村の様子はどうだ?」
「名主の一人があの家にやって来たので、中を見てもらいながら事情を説明しました」
ティグルの質問にマトヴェイはそう答える。
狐や猪などの対策に村は背の高い木の柵で囲まれているので其処に馬を繋いだ。
「辛い役目を押し付けて悪かったな」
「いえいえ、ああでもしなければあの兵たちを対処する事は無理でしたからな。それに実に的確な判断でしたティグルヴルムド卿」
「ありがとう……そして、オルガ、実に頼りになったぞお前の武勇は。流石は戦姫だな」
「っ、知っていたのか!!」
ティグルがオルガが戦姫である事を知っていたと告げればオルガは驚愕する。
「色々と戦姫には縁があるから、なんとなくオルガが持っているそれは竜具だと察しがついていた」
「そうか……では改めて名乗らせてもらおう。私はジスタートの戦姫の一人でこの竜具ムマとブレスト公国を賜った『
ティグルが理由を説明すればオルガは自分の身分を明かしてみせた。
「ティグル、お前の弓も本当に凄く頼りになった。海でのあれは一端でしかなかったんだな」
「賞賛をありがとう……物は相談だが、俺とマトヴェイはジャーメイン王子に会う目的があるんだが、このままついてきてくれないか? 不穏になってきたからな」
「私のほうこそ、従者として同行させてもらおうとしていた。どうか、よろしく頼む」
「ありがたい……マトヴェイも改めてよろしく頼む」
「ええ、よろしくお願いします」
こうして、ティグル達は絆を深め合いつつ、マトヴェイが対応した名主がティグルの元にもやって来たので事情を説明した。その後、ジャーメインの兵たちの報復を警戒しながら、待機を始めたのであった……。