EITOエンジェルズ総子の憂鬱(仮)   作:クライングフリーマン

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「EITOの皆さん、助けてください。お願いします。」
いきなり、向こうの門田が頭を下げた。



113.カツアゲ警察官

 

========= この物語はあくまでもフィクションです =========

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= EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す =

== EITOガーディアンズとは、EITOの後方支援部隊のことである ==

 

午後1時。EITO大阪支部。指令室。

「吸盤ガン?まんまですやん。」

「ネーミングは任せるって、本郷君は言ってましたよ。」

 

この銃は、本物の拳銃が使えない為に、大前がひねりだした銃のアイディアの1つで、改修を本部に依頼していた。

マルチディスプレイに門田が映った。

「EITOの皆さん、助けてください。お願いします。」

いきなり、向こうの門田が頭を下げた。

小柳警視正なら、あり得ないことだ。

「頭を上げてください、副本部長。何があったんです?」と、大前は応じた。

「先日、南部興信所の応援で、偽警察官を捕まえたの。東京や他の都市でも既に多発しているから、大阪も気をつけよう、って拠点を絞って張り込んでいたら、簡単に出て来た。ゴキブリみたいに。ゴキブリは1匹見付けたら10匹はいるって言うでしょう?大阪は他の都市と違って奴らにとって都合がいい。大前さんなら判るわね?」

「一方通行が多い。詰まり、進入禁止のポイントが多い、ですか。」

「そう。知っての通り、自転車交通ルールはあまり浸透していない。未だに『右側通行』が当たり前だと思っている人もいる。お父さんに教えて貰ったから、って指導した子供が言い返す始末。親が間違っているのよ。新・交通ルールはね、罰金罰金って騒ぐ輩がいるけど、本来の目的はルールの徹底で事故を減らすこと。抑止力よ。前の総理の時代に無茶苦茶な政策やってたから、警察に対する不信感も大きい。電動スケーターや外国人の無謀運転も確かに、大きな問題だけど、盆暗議員達が邪魔して、なかなか議論が進まないから、ちゃんとした法制化が遅れているのも事実よ。そっちは、政治家に任せるしかない。悔しいけどね。で、真壁に事故多発ポイントで、学校から近いポイントに集中的に偽警察官を『捕獲』する、手伝いをお願いしたいの。」と、門田はまた頭を下げた。

「ゴキブリ退治ですね。任してください。なあ、みんな。」

「チーフ、確認要ります?」と、ぎんが言い、「ウチらは『偽警察官ホイホイ』やな。」と、ジュンが言った。

「ほな、ポイントのマップ、送ってください。総子、マップ来たら割り振ってくれ。」

「了解。」

 

府警からマップが送られて来て、ヘレンはプリントアウトした。

総子の提案で、私服で歩行者または自転車ドライバーで待機し、EITO専用デジカメで撮影、長波ホイッスルで、待機している所轄警察官に引き渡すことにした。

通常はバトル終了後に警察に連絡するのだが、ホイッスルは『持ち回り』または総子の指示で1人が吹く。だが、ホイッスル自体は、全員が携帯しているのだ。

 

午後3時半。A地点。

警察官っぽい服装の男が『進入禁止』マークの近くを通った、自転車に乗った高校生を呼び止めた。

「ストップ、ストップ。交通ルール変わったから。5000円。」

「はい、逮捕。」と言って、真知子がホイッスルを吹いた。

走ってきた警察官に、真美は報告した。

「今、警察官の振りして恐喝しました。」

「ど、どこに証拠が?」

「本物の警察官は、狼狽えへんで。証拠は撮影したから、現行犯やな。」と、真知子は言った。

「なんや、お前らは?」

「本物の警察官は、お前らとか俺とか言わないよ、下品!!君たちは行って。」真美は、高校生を通した。

「ねずみ取りか?」

「「ゴキブリ捕りやな。」」

 

午後3時半。B地点。

警察官っぽい服装の男が『進入禁止』マークの近くを通った、自転車に乗った中学生を呼び止めた。

「ストップ、ストップ。交通ルール変わったから。逆走やから、5000円。」

男は手を出した。

「はい、逮捕。」と言って、美智子がホイッスルを吹いた。

走ってきた警察官に、その女性、祐子は報告した。

「今、警察官の振りして恐喝しました。」

「ど、どこに証拠が?」

「本物の警察官は、狼狽えへんで。逆走が違反なのは自転車じゃなく自動車。進入禁止のマークの下、読んで。」と、美智子は、言った。

「自転車、って書いてるたんけ。」

「自転車を除く(のぞく)、や。自転車は例外。自転車は通ってええていう意味や。交通ルール、知らん警察官?ありえへん。」と、祐子は笑った。

「証拠は、あんのか?」

「証拠は撮影したから、現行犯やな。」と、美智子は、からかった。

「なんや、お前らは?」

「本物の警察官は、お前らとか俺とか言わないよ、下品!!君たちは行って。」と、美智子は中学生に指示した。

「ねずみ取りか?」

「「ゴキブリ捕りやな。」」

 

午後3時半。C地点。

警察官っぽい服装の男が『進入禁止』マークの近くを通った自転車に乗った小学生を呼び止めた。

「ちょ、待って、待って。交通ルール変わったから。知らんやろうけど。はい、5000円。」

「はい、逮捕。」と言って、真子がホイッスルを吹いた。

走ってきた警察官に、今日子は報告した。

「今、警察官の振りして恐喝しました。」

「ど、どこに証拠が?」

「本物の警察官やったら、警察官同士の挨拶するんちゃうん?この人、警察手帳、見せませんでした。」と。真子は言った。

報告を受けた警察官は、「君は、どこの署の?」と、尋ねた。

「・・・。」

「証拠は撮影したから、現行犯やな。」と、今日子が言った。

「ねずみ取りか?汚いな。」

「「汚い、ゴキブリ捕りやな。」」

 

午後3時半。D地点。

警察官っぽい服装の男が『進入禁止』マークの近くを通った、自転車に乗った高校生を呼び止めた。

「ちょ、待って、待って。交通ルール変わったから。はい、5000円。」

男は手を出した。

「はい、逮捕。」と言って、側に来た女性がホイッスルを吹いた。

走ってきた警察官に、その女性、弥生は言った。

「今、警察官の振りして恐喝しました。」と、弥生は報告した。

「ど、どこに証拠が?」

「私服で張り込んでたんや。俺は刑事や。」

「ははっはっはは。」ぎんは、指をさして笑った。

「刑事は、交通取り締まり?聞いたことないなあ。」

「証拠は撮影したから、言い逃れ出来ないわ。」と、弥生は言った。

「ねずみ取りか?汚いな。東京モンが偉そうに。」

「まだ撮影してますけど。差別発言も問題やな。」と、ぎんは男を睨んだ。

「・・・。」

 

午後3時半。E地点。

警察官っぽい服装の男が『進入禁止』マークの近くを通った、自転車に乗った高校生を呼び止めた。

「ちょ、待って、待って。交通ルール変わったから。はい、5000円。」

男は手を出した。

「はい、逮捕。」と言って、稽古はホイッスルを吹いた。

走ってきた警察官に、あゆみは報告した。

「今、警察官の振りして恐喝しました。」

「ど、どこに証拠が?私服で張り込んでたんや。俺は刑事や。」

「刑事が、交通取り締まり?聞いたことないなあ。」と、稽古はアカンベエをした。

「証拠は撮影したから、心配せんでええで。後で見せてくれるわ、『刑事さん』が。」と、稽古は言った。

「ねずみ取りか?汚いな。」

「こちらは、本物、の警察官ですけど、何か?」と、あゆみは言った。

「・・・・・。」

 

午後3時半。F地点。

警察官っぽい服装の男が『進入禁止』マークの近くを通った、自転車に乗った中学生を呼び止めた。

「アカンでえ。交通ルール変わったから。はい、5000円。」

男は手を出した。

「アカンのは、この手えやな。」と、男の手をはたいて、立ちはだかったのは、ジュンだった。

いずみは、ホイッスルを吹いた。

走ってきた警察官に、いずみは報告した。

「今、警察官の振りして恐喝しました。」

「じょ、冗談やないか。冗談も判らんのか、お前ら。」

「どこのオッチャンか知らんけど、それ、裁判の時も言う?」と、ジュンはからかった。

「・・・。」

 

午後3時半。G地点。

警察官っぽい服装の男が『進入禁止』マークの近くを通った、自転車に乗った高校生を呼び止めた。

無言で、交通標識と高校生を指さし、男は手を出した。

男の手の上に、冷たいものが被さった。

見ると、制服の女性警察官だ、リンである。

横に来た、みゆきが録音を流した。

"You will be arrested immediately on suspicion of fraud."

男は、青ざめた。

 

午後5時半。大阪府警。記者会見場。

「という訳で、『交通ルール改正』に便乗した『偽警察官』7名を逮捕しました。」

てを挙げ、「囮捜査ですか?ねずみ取りですか?」と言う記者がいた。

その手に冷たいモノが填まった。

「緊急逮捕します。黒幕を教えてくださいね。皆さん、今だいたい5時半です。7時までに決着をつけます。お楽しみに。」と、門田がウインクして言った。

記者達は、自分の腕時計を見た。

 

午後5時半。住之江区。南港公園近く。有限会社「未来ど大阪」ビル。

大音量の声が響いた。

「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。悪を倒せと我らを呼ぶ。参上!EITOエンジェルズ。満を持して。」

いきなり、ビルは放水された。

慌てて出て来た社員達は、拳銃を撃つ暇が無かった。吸盤ガンでEITOエンジェルズが無数の吸盤を顔目がけて撃ったからだ。

びしょびしょになり、吸盤を取ろうと必死になった彼らは、あっと言う間に『突っ張り棒』で倒された。

リンが長波ホイッスルを吹いた。

 

午後7時。大阪府警。記者会見場。

「黒幕である、有限会社「未来ど大阪」幹部を逮捕しました。同社には今、大阪地検特捜部が入りました。ここで、皆様に嬉しいお知らせです。『進入禁止』の『規制標識』のある箇所に『自転車を除く』または『軽車両を除く』という、『補助標識』がある場合、自転車は『例外』です。勿論、左側通行です。今回「科料による抑止力」を急ぐあまり、府民、国民の方に混乱を招きましたが、詳しいリーフレットを作成、各家庭に配布することが決まりました。元々、交通標識は、自動車の為の標識だけではありません。交通安全教室だけでは衆知が不充分だったと思います。SNSでも専用投稿を致します。正しい知識で交通ルールを守りましょう。」

 

午後7時。総子のマンション。

赤飯を食べながら、「やるなあ、副本部長。入れ知恵したんは、南部総子さんでっか?」と、南部は言った。

「今夜もがんばろな、とらちゃん。」

「とらちゃん?」南部は目を丸くした。

 

―完―

 

============== ただ今の出演 ================

南部[江角]総子(ふさこ)・・・大文字伝子の従妹。南部興信所所長の妻。EITOエンジェルのチーフ。

南部寅次郎・・・総子の夫。南部興信所所長。

大前英雄管理官・・・EITO大阪支部の管理官。コマンダー。総子からは『兄ちゃん』と呼ばれている。

 

足立祐子・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

石動悦子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

宇野真知子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

丘今日子・・・EITO大阪支部メンバー。看護担当。元レディース・ホワイトのメンバー。

河合真美・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。走るのが速い。

北美智子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

久留米ぎん ・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトの総長。EITOエンジェルス班長。

 

小峠稽古 ・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

和光あゆみ・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。

中込みゆき・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。

海老名真子・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。

来栖ジュン・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7の総長。EITOエンジェルス班長。

 

愛川いずみ・・・EITO大阪支部メンバー。EITOエンジェルスの後方支援担当になった(EITOガーディアンズ)。

本郷弥生・・・EITO大阪支部、後方支援メンバー(EITOガーディアンズ)。

 

大前[白井]紀子・・・EITO大阪支部メンバー。事務担当。ある事件で総子と再会、EITOに就職した。

 

芦屋一美(ひとみ)警部・・・大阪府警テロ対策室勤務の警部。総子からは『ひとみネエ』と呼ばれている。アパートに住んでいる。

用賀[芦屋]二美(ふたみ)二曹・・・。三つ子の芦屋三姉妹の次女。陸自からの出向。総子からは『ふたみネエ』と呼ばれている。オスプレイやホバーバイクを運転することもある。後方支援メンバー(EITOガーディアンズ)。総子の上の階に住んでいたが、用賀と結婚して転居した。

芦屋三美(みつみ)・・・芦屋グループ総帥。EITO大株主。芦屋三姉妹の長女で、総子からは『みつみネエ』と呼ばれている。芦屋三姉妹と総子は昔。ご近所さんだった。

 

門田奈穂美(もんでんなおみ)警視・・・大阪府警副本部長。小柳警視正の姉。

小柳圭祐警視正・・・警視庁から転勤。大阪府警テロ対策室室長

指原ヘレン・・・元EITO大阪支部メンバー。愛川いずみに変わって通信担当のEITO隊員になった。

用賀哲夫空自二曹・・・空自のパイロット。EITO大阪支部への出向が決まった。二美の元カレだったが、二美と結婚した。EITOガーディアンズ。

 

今奈良リン・・・大阪府警巡査。EITO大阪支部に出向になった。

 

==================

※交通ルールの詳細については、作中の門田警視の言う通りです。

但し、パンフレット云々は、筆者のオリジナルアイディアです(フィクション)です。

「偽警察官」特殊詐欺には気をつけましょう。

「私服で『取り締まり』はしません。」

「科料は、その場で徴収したりしません。」

「青切符、不携帯はあり得ません。」

 

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