宇宙帝国の令嬢は日本に興味があるようです 作:性転換大好き
今日は大公国として日本へ行くための布石となる、外務省での打ち合わせだ。
ここで賛同を得られれば後はすんなりと終わるだろう。
(さて、あの曲者たちは私のプレゼンをどう評価するのかしら。)
外務省は大臣が空席でも問題無く回る組織づくりをしている。
そのため、大臣と次官の権限は同等なのだ。
他国から見ると外務大臣の席が2つあるように見えるだろう。
トップが2人なので派閥が分かれやすく、外相の席があまり人気ない要因だったりする。
(明日は休日か。楽しみだなあ。)
明日は休日で、ティファと会う約束をしているのだ。
ティファとの仲はずっと続いており、最も仲の良い親友といっていいだろう。
(明日のために今日も頑張ろう)
「おはようございます大臣。」
「おはようウィルズ。」
秘書のウィルズとする朝の挨拶。
ここから仕事が始まるというルーティンになった。
「本日は外務省内での仕事のみとなっております。」
「そうね。」
「打ち合わせでプレゼンをなされるという事で、心より楽しみにしております。」
「そう、ありがとう。」
そうして打ち合わせ会場へ向かう。
私のプレゼンは打ち合わせの終盤で行う予定だ。
成果として、最高で地球との外交の全権委任、最低でも大使館設置を求めている。
「ただいまより、独立歴251年度、第47回、外務省会議を始めます。」
司会進行の言葉により打ち合わせが始まった。
仰々しく外務省会議と銘打ってるが、外務省の主要メンバーである大臣、次官、官房長、外局長官の4人しか発言しない。
もちろん司会進行は例外だ。
「最初の議題は再来年度、教皇国で開催される万国博覧会ヘ来賓として招かれている件です。」
そして、打ち合わせは進行して終わりを迎えた。
ここからは私の番だ。
「ここからは私の提案を聞いて欲しいわ。」
「どうされました大臣?」
私の言葉に反応したのは次官である。この場ではナンバー2の人だ。
「第1,542,657超銀河団、第25,498銀河、第105,979,396,043恒星の第3惑星にある国家、通称「地球」との国交を結びたいの。」
「では理由をお聞かせ願います。」
この場で私と対等に話せるのは次官だけだ。
官房長は大臣級の外遊に関する助言、外局長官は外務省の下部組織の動きに関する助言を主な発言としている。
「まず、地球には宇宙へと飛び立つ初歩的な技術があり、天文学によって我が銀河を認識する能力が備わってるわ。」
「そこで、技術支援をして地球が初めて接触する宇宙文明として友好を築きたいと思っているの。」
「さらに、地球には単一惑星と思えないほどの文化多様性があるわ。」
「この点を知れば、我が国の富裕層はこぞって観光したがるはずよ。」
「そして1番重要な点として、地球の人類は私たちと全く同じ外見をしているわ。」
「もしかしたら過去に分派した末裔かも知れない。」
「それだけでも外交してみる価値があると思わない?」
私が1番の決め手として暖めていたのは、地球人と我が銀河「スーオリム」人は全く同じ外見をしていることだ。
これは完全に偶然で、最初に気づいた時には天の思し召しかと感じた。
「それは興味深いですね。地球人の事は全く知りませんが、遺伝子レベルで同一なら過去に分派した一族という可能性は否定できません。」
「そうよね?これがもし本当に同族なら歴史が変わると思わない?」
「思います。そうなると、技術力が備わってるのも生きてきますね。」
「そうなのよ。たとえ同族でもあまりにも対話に支障があると交流ができないもの。」
これで地球に対する外交の意義は納得させられた。
後は私が地球へと赴く事を認めさせるだけだ。
「それで、この件は誰が管轄するのですか?」
「私よ。」
「あなたは大臣ですよね?その件は下に投げたら良いのではないでしょうか。」
「これは国家事業として新たに部署を設立するわ。後日、大公陛下にも了承を得るつもりよ。そこの最高責任者に私が就く間は、慣例通り次官に大臣職を担ってもらうわ。」
「承知致しました。そこまで地球に関心があるのなら止める理由はございません。」
「そう。認めてもらえて嬉しいわ。官房長と外局長官もいいわね?」
「「承知致しました」」
大臣職を担ってもらうと言っても、私の肩書きから外相が消える事はない。
言うなれば慣例を悪用したことになるが、それで怒る人は次官だけだ。
その次官を納得させた今、私を止めたい人はいない。
「私の提案は以上よ。」
「では、これにて外務省会議を終了致します。お疲れ様でした。」
司会進行の言葉でこの打ち合わせは終わった。
お父様の説得はここでの話し合いを踏まえて、確実に認められる。
後は予算と人員をどれだけ与えられるかだ。
私の夢がもうすぐで叶う。
地球の人々に対して何を持っていこうか。
地球の人と友達になれるだろうか。
これからが楽しみで仕方がない。