宇宙帝国の令嬢は日本に興味があるようです 作:性転換大好き
時は遡りカアニア大公国が2週間後に天の川銀河へやってくると決まった日。
〜とある報道番組〜
「緊急速報です。只今、内閣府より宇宙文明の存在が公表されました。」
「その名はカアニア大公国。2週間後に地球へと来訪する予定とのことです。」
突如として公表されたこのニュースが世間に広まると、様々な反応があった。
世間でどのような動きがあったのかみてみよう。
〜とあるニュースバライティ〜
「さあはじまりましたニュース8。本日は内閣府のカアニア対策本部部長の川越さん、東北大学で天文学を専攻されている西津教授のお2人に来ていただきました。どうぞよろしくお願いします。」
「「よろしくお願いします」」
「まずは経緯についてお伺いさせて下さい。」
「はい。改めまして、カアニア対策本部の川越と申します。ことの経緯はカアニア大公国のクルシュ・カアニア外務大臣からお電話いただいたところからはじまります。」
スタジオ内にざわめきが広がる。
「電話で連絡が入ったのですか?」
「はい。もちろん電話番号の登録はありませんので、通信に介入するいわゆるハッキングでお電話をされたようです。」
「そして、カアニア本国からモールス信号が送られてくると聞きまして、実際に天文台と確認した結果『ワレラ カアニア キコク トノ ユウコウ ヲ モトム』
という内容でした。」
川越の緊張感が伝わるように、周囲の人のざわめきが静寂に変わる。
「モールス信号とはおしゃれなことをしてくるもんですね。カアニアはこちらの事情にも精通しているんですか?」
「そこまでは会話の内容から判断できませんでした。しかしハッキング技術があることから、こちらの情報はインターネットを介して伝わっていると考えられます。」
キャスターが現実味のない話を聞く態度になっていくが、慌てて笑顔を作り直した。
「確かにハッキングできるならいくらでも情報を得られるでしょうね。」
「あとは内閣府から公表があった通り、2週間後に地球へ来訪されるとのことです。」
「一連の経緯の説明ありがとうございました。」
まるで夢を見ているかのような話に周囲は呆然としているようだ。
「では、西津教授にこの件に関して詳しくお伺いします。」
「そうですね。今、天文学者の間でもカアニア大公国は注目の的になっていて、カアニアとはどのような国なのかを天文学の視点からお伝えします。」
「よろしくお願いします。」
「まず、例のモールス信号から正確な距離を測定することは不可能でした。しかし、そのモールス信号が光よりも速く届くとなると、150億光年以上離れていても不思議ではありません。」
教授の悔しそうな表情がにじむ。
「今の技術ではカアニア大公国を観測できないということでしょうか?」
「そういう認識で間違いありません。」
「では、より詳しい情報はカアニアの来訪を待ってからとういうことになりますかね?」
「そうなります。」
スタジオ内に未知に対する興味と恐怖の声が広がる。
「質問の時間といきたいのですが、あなた方の答えられる範囲で構いません。分からないときははっきりとおっしゃって下さい。」
「「分かりました。」」
「大臣の名前はクルシュ・カアニアということで、カアニア大公国における王族かそれに類するものだと考えられますが、いいがでしょうか?」
「王族かそれに類するものだという認識でもそう遠くはないはずです。というのも電話で話してみて、とても高貴な方の口調に近いものを感じましたから。あと、女性の声でしたね。」
川越の返答にキャスターは驚きの表情を見せる。
「では、今回の外交はカアニアにとっても重要なことになりますよね?」
「恐らくはそうなるのだと考えます。」
「私は1キャスターなので深くは関知できませんが、日本国を代表するタフな交渉ができることを期待しています。」
「ありがとうございます。」
「次で最後の質問にしましょう。あなた方はカアニア大公国に対してどのような印象を抱いていますか?」
「私は天文学という宇宙の規模と怖さを身近に感じる事を専門にしています。その観点から言うとあまりにもスケール感が違いすぎて恐怖を感じるというのが正直なところです。」
納得の声がこぼれる。
「JAXAに身を置く者として、その技術を一端でも理解したいと考えています。しかし、宇宙関連技術の早急な大衆化が行われると既存の産業が破綻する可能性があります。その両立を最適な形に誘導するのがこれからの仕事かと思うと頭が痛いです。」
少しの笑いと同情の声が聞こえる。
「お二方、本日はありがとうございました。」
「「ありがとうございました」」」
「視聴者の皆様、またニュース8でお会いしましょう。」
番組終了
〜とある家庭における反応〜
ニュース8を見た後
「何も分からんじゃないか!」
「そうみたい。」
「これってすごいことなの?」
この家庭には父、母、娘の3人が暮らしている。
どうやら父はニュースの内容の無さにご立腹らしい。
「すごいも何もない。今の日本にはこれを理解するだけの技術がないんだ。」
「でも、女の人が来るんでしょ?可愛い人なのかなー?」
「そうだといいね。」
一般の家庭では、そんなありきたりの話題の一つとして終わったようだ。
〜とある配信サービス〜
「皆さんこんばんはにゃー!」
◯こんばんにゃー
◯こんにゃー
私はVtuberの猫咲 志登。
登録者は10万人ほどだよ。
普段は雑談配信してるから、今回は宇宙人が来るって話題をみんなと話してみようかな?
「今日はいま話題の宇宙人について話すよー!」
◯あの話題?
◯それってまだ何もわかんなくない?
◯この話題はもって5分ってとこかな
「みんなネガティヴすぎない?!」
◯そんなことないよ(メソラシー
◯今日もニャンシーは可愛いなあ
◯おじさん見てるから頑張ってね!
「ニャン友のみんなも興味を持っていこ!」
◯わかったわかった
◯はじめてごらん
「そうだね!で、みんなはどう思う?」
◯さっそく丸投げで草
◯うんそんな気はしてた
◯草
「もー!私もあんまり分かってないんだからしょうがないじゃん!」
◯しょーがないなー
◯特別だよ?w
◯いっぱい教えてあげる❤️
「教えてー!」
◯クルシュって人は女の子らしい
◯めっちゃ遠い国から来るってよ
◯モールス信号知ってる
◯ハッキングが得意
◯王女だって
「急にコメント早くなったねー!みんな興味あるじゃん。」
◯それほどでも?
◯ニャンシーよりは知ってる
「ニャンシーよりは知ってるー?そんなわけないじゃん笑」
◯まーたこの子猫は
◯マウント合戦開始か?
「まあ知らないんだけどね!」
◯お約束w
◯草
◯結局知らないんかい!
「そんなことより王女様が来るの?!」
◯やっぱそれかw
◯王族好きだもんねー
「王族は最後に押し倒されるのがいいんだよ!」
◯性欲剥き出しで草
◯何を食べたらそうなるのか
「何を食べたらそうなるか聞きたい?」
◯けっこうです
◯猫はずっと発情期だったっけ
「冷たくない?!もっと興味もってー!」
◯話が脱線しすぎw
◯もう宇宙人のこと飽きちゃった?
◯あともう少しで5分だぞー
「宇宙人はもういいかなー」
◯草
◯草
◯やっぱ興味ないじゃんか!
「次はー
考察系YouTuberでもなければこんなものじゃないかな?
視聴者もけっこう置いてきぼりにされてるしね。
またビックニュースが入ったら話題にしてみようかな?
〜とある短文系SNS〜
トレンド(日本国内)
1,ヘンテコオムライス 116,980件の投稿
2,推しの誕生日 53,965件の投稿
3,宇宙人 49,125件の投稿
4,サラリーマンの休日 4,236件の投稿
5,宇宙人オムライス 5,628件の投稿
6,王女 6,369件の投稿
コメント抜粋
仏の座@nanakusamaster
#宇宙人 #宇宙人オムライス
宇宙人ってほんとにいたんだ
七草チキンライスを作ってその上に薄い卵をのせてみました
【一見オムライスにしか見えない画像】
ノブナガン@nyotaikabanzai
#王女 #宇宙人
やっぱこんな感じの人なのかな
【聖杯系ゲームの女剣士キャラの画像】
トレンドから見ても分かるように、カアニアについては一部の界隈で盛り上がった程度に思える。
宇宙人やUFOの本場である米国だったらもっと盛り上がっただろう。
〜とあるネット掲示板〜
【悲報】宇宙人が全く話題になってない【どうして】
1:宇宙人◆haKy1RpU
なんで全く話題になってないのかしら?
2:宇宙人◆KnhY4gYu
そりゃでかい宇宙船も何もないですしおすし
3:宇宙人◆makO0omx
もっとインパクトがないとsfで目が肥えた人も話題にしないだろ
4: 宇宙人◆haKy1RpU
それなら巨大な宇宙船で乗り込めばみんな驚くのかしら?
5:宇宙人◆kamJ9Jnq
普通に考えたらそうだろ
今のまんまだと普段の政治と何も変わらん
6:宇宙人◆zbVBj7a1
まじでいま世間で期待されてるのって王女が可愛いかどうかくらいじゃね?
7: 宇宙人◆haKy1RpU
私は可愛いから安心していいわ
8: 宇宙人◆makO0omx
誰もお前が可愛いかとか気にしてねえよw
写真うp
9: 宇宙人◆kamJ9Jnq
>>8 欲望に忠実すぎだろwww
>>7 うp
10: 宇宙人◆KnhY4gYu
様式美
この事がきっかけで、予定を変更して長距離船で地球まで行くお嬢様がいたとか。
〜とある重鎮の動き〜
「今日は非公式の会談に来ていただきありがとうございます。」
「今回の件は下手すると我々の経営基盤を揺るがす可能性がある。」
「その通り。大公国がどう出るか未知数な段階でできることは限られている。」
重厚な扉の向こう、緊張感が張り詰めた会議室には3人の重鎮が集まっていた。自民党幹事長、経団連会長、そして電通の会長。それぞれの表情には、異星文明との歴史的な会談に臨む覚悟と不安が混じっている。
「カアニア大公国の来訪は、日本にとって千載一遇のチャンスだ。だが、慎重に対応しなければ、国内外の信頼を損なう恐れがある。」
自民党幹事長の言葉だ。
「確かに、しかし我々にとっても経済的なチャンスは計り知れない。異星文明との貿易や技術協力を商業的に活用すれば、日本の企業は飛躍的な成長を遂げるだろう。」
経団連会長は腕を組んだまま考え込んでいたが、そう意見を述べた。
「その通りです。しかし、何より重要なのは国民の心理をどう操作するか。我々が巧みに情報を発信しなければ、不安や混乱を招きかねません。友好的なムードを作り出し、歓迎の意を示すことが必要です。」
電通の会長はそう言うと軽くうなずき、にやりと笑った。
「国民の支持を得るためには、感情を煽るのではなく、冷静かつ建設的な情報を伝える必要がある。日本全体が一丸となって、友好的な姿勢を示さねばならない。」
自民党幹事長が厳しい目で電通の会長を見つめている。
「それならば、こうしてはどうか。まず、電通が積極的な情報キャンペーンを展開し、国民に希望と興奮を伝える。一方で、我々経済界は、異星文明の技術を導入するプロジェクトを計画し、日本の未来に明るい展望を示す。」
経団連会長が机を軽く叩きながらそう意見をまとめた。
「加えて、SNSを通じて若者たちの興味を引きつけましょう。クルシュ外務大臣の来訪が単なる外交ではなく、日本文化と宇宙文明の新たな交流の一歩だと印象付ければ、自然と友好的なムードが広がります。」
電通の会長が提案を補足した。
3人は互いに視線を交わし、うなずいた。それぞれが自分の分野で日本を支える役割を果たす覚悟を決めたようだ。異星文明との出会いを前向きな未来へとつなげるため、3人は一丸となって動き出す準備を整えるのだった。
〜国政の動き〜
内閣において、最高意思決定機関である国家安全保障会議が開催している。
重厚な会議室に張り詰めた空気が漂う中、カアニア大公国についての政策が協議されるようだ。
「会議を始める。」
貫禄のある歴戦の見た目をした総理大臣がそう切り出した。
「みなに問う。今回の件について意見はあるか。」
「では僭越ながら私から。」
そう言って一番に反応したのは政治家として脂の乗った内務大臣である。
「日本を重視していると聞き及んでいますので、文化を前面に出した歓迎が喜ばれるのではないでしょうか?」
「それはありきたりやな〜。」
口を挟んだのは美魔女の名にふさわしい妖艶で狡猾な財務大臣だ。
「もっとお金をかけた歓迎をするべきでしょうに。盛大なパレードほどこちらの歓迎の意が明確に伝わる方法はないんじゃない?」
「それもいいですが、もっとシンプルに日本の技術力を見せる事に注力すべきかと。」
ここで意見を出したのはエリートの見た目をした経済産業大臣だ。
「技術力の格差は承知の上で、こちらができることを最大限に見せるのが誠意だと思います。」
「もっと視野を広げて考えたらどうか。」
そう切り出したのは皇族出身のダンディな防衛大臣である。
「今回来られる方はどうやら貴族か王族と言われてるそうじゃないか。それなのに陛下を前面に出さなくてどうするのかな?」
「みな気が緩んでいる。最大限の畏怖と敬意を忘れるな。」
意見が飛び交う中、少し楽しい話題に偏ってしまったようだ。
そこを総理大臣が厳しい顔で諌めている。
「歓迎方法は今出た4案を混ぜてよかろう。問題は来訪が視覚化した時の世論だ。」
「特例で自衛隊を動員して、世間の来訪に対する過激な行動を抑えるようにしようか。」
防衛大臣が真剣な顔でちょびヒゲをいじりながら答えた。
「当たり前だ。向こうに失礼が無いように国民を制御しろ。」
「了解。」
少し不機嫌そうに見える総理大臣に防衛大臣は答えた。
「では、報道関係はどうしましょうか?」
「世論をカアニアに対して好意的にするのがいいんじゃない?」
「その通りだ。」
迷った顔の内務大臣に自信有りげに財務大臣が答えた。
それに対し総理大臣は満足げに答えた。
「内務大臣は会議後、各報道機関に厳命を言い渡すように。」
「承知しました。」
総理大臣の言に内務大臣は深々と返事をした。
「天皇陛下についてはオレと防衛大臣で対応する。」
「了解。」
防衛大臣が大変だなあというふうに反応した。
「午前中はこれで終わる。午後からは詳細を詰める。」
「「承知しました。」」
「「了解。」」
会議は深まっていった。
そうしてついにその日を迎えることとなる。
巨大な宇宙船が東京上空に現れ、街は騒然としていた。
誰もがカアニア大公国使節団のことを注視する中、クルシュが登場する。
次話はクルシュ来訪です!