アビドスの地下労働者 作:bishop
『……あークソ。マジでクソ。FuckFuck』
目が覚める。それだけで碌な目に会ってない事が解るんだからこの体って便利だよな。
睡眠出来ねぇ癖に気絶は出来るだなんて素晴らしい体だなぁ、クソが!!
どうせ夜に疑似睡眠時間を作らず無理に動いてたらこうやって気絶しちまうんだから大人しく睡眠させろってのクソビッチ。俺は気絶じゃなくて睡眠がしたいんだよ。
『はぁ……で、夢じゃねぇんだよなアレは』
《ええ、夢ではありませんとも》
脳内に響く声に思わず顔を覆って空……いや、天井を仰ぐ。いやぁ、脳内同居人が世界を滅ぼす魔王様の側近だなんてこの世界は最高だなぁ、おい。Johnの野郎の脳内彼氏の100倍はマシだね。
さて、情報整理だ。昨晩の転移の時に俺はクラッキングを受けた、それもやけに性能の良いAIからな。幸いにも即座に再転移で倉庫に戻れたのとAIがコピーを俺の脳内チップに直接送り込む形でクラッキングしようとしたこと。
そして何よりも俺の脳内チップの性能がカス過ぎてAIが何も出来なくなっちまったおかげで俺は無事だったんだがな。ありがとな神様愛してるぜ。
その上、ちょっとばかしの約束でそのAIを手懐けられたってんだから収支はプラスってもんだろう。今ならベガスで億稼げる気がする。
『まぁ、あれだ。よろしく頼むぜ、同居人なんだからな』
《は? 嫌ですが》
『ハハッ……クソガキが』
《どの口が言ってるんですか?》
『無論この口だよ』
銃2丁を手に取りバイオトラッカーを握る。C-FOAMグレとトリップマインも忘れない。さっきからずぅっと銃声鳴り響いててうるせぇからなぁ……寝起きの機嫌は悪い方なんだ俺は。
『んじゃ、パーティーを開くとするか』
ドアを蹴り開ける。いつぞやと同じように校庭にはヘルメット団の連中がワラワラと……ああクソ、ウザってぇ。トラップマイン1つを起爆可能状態にして握りしめ――
『うるせぇんだよクソ■■がァッ!!』
――リリースッ!!
殺意を込めてぶん投げたトラップマインは狙った通り空中でしっかりと起爆し、破片と爆風でヘルメット団連中が吹き飛ぶ。これで死なねぇってんだから良いよな、気が楽だ。
「うわぁ!?」
「出たぞ! マスク野郎だ!!」
『ダッセェ呼び名だなぁ? オイ!』
スナイパーライフルを取り出し、構える。照準が合ったら即座に発砲を二度繰り返してキッチリ2人無力化。そんだらブルパップライフルを構える。
《遮蔽に、撃って来ますよ》
『大丈夫だ聞こえてる』
姿勢をズラして初弾を躱しながら引き金を引く。こっちの銃弾が向こうのレシーバーを破壊したのを音で確認しつつ倒れつつある姿勢を利用して超前傾姿勢でのダッシュで肉薄。
「ど、どうして撃てな――うぎゃッ!?」
『銃が無ければただの女だな……』
頭にナイフを叩き込んで意識を奪う。その体をしっかりと持って盾にしつつ校舎の中に走り込む。いやぁ、即席の盾が優秀で助かる助かる。
校舎の中に入る直前で盾を投げ捨てる。あとはあの2人に合流しにまた走る。どうせ正面入り口に2人とも居るだろうしな。
『おはようガキ共。朝から大変だな』
「あ、おはようスメラギ君!」
「呑気に挨拶している場合ですか!?」
何事にもアイサツは重要なんだぜ知らねぇのか?
『んで、もうやっちまってるが……アイツら全員ぶちのめしても良い奴なんだな?』
「う――
『んじゃあ行ってくるッ!!』
――ん……もうちょっと話聞いた方が良いかもって、思うなぁ……」
「言ってる場合ですか! 私達も行きますよユメ先輩!」
「分かったよホシノちゃん!!」
バイオトラッカーで敵の位置をマーキング。リロードを済ませたブルパップライフルで撃てる奴を撃ちつつ盾を調達し遮蔽に飛び込む。
『気分はまるでデッドプールってな。まぁ文字通りの
盾のヘルメットと服をナイフを使って剝ぎ取る。結構な防弾性能がある割に防刃性能は低いからこういう時に便利なんだよな。
《……》
なにやら脳内AIちゃんが不満そうな顔をしている気がする(本当に気がしているだけ)が気にしなーい。襲ってきた奴が悪いんだ裸晒されるのも自己責任だよ。うーん貧相な体! もうちょっと肉付きが良い方が好みだな俺は(隙自語)。んなこた無いけど(手の平ドリル)。
裸のヘルメット団を空中に投げ上げ、即座に遮蔽から飛び出す。狙い通り視線誘導は成功してるな、やりやすくて助かる。
「は? ん――ぐぎぃゅ!?」
盾から剥ぎ取った衣服で適当な奴の首を締め上げてそのままギュッと結ぶ。そいつのヘルメットをはぎ取って近くの奴の顔面に叩きつけ、ついでにさっきの盾から剥ぎ取ったヘルメットも叩き付ける。
こんだけ音を出してれば当然気付かれるのでブルパップライフルで牽制しつつ首を絞めた方を引き摺りながら遮蔽に飛び込む。お、チビガキもちょうど同じ遮蔽に飛び込んできた。
『調子良さそうだなぁチビガキ』
「そっちも絶好調じゃないですか。あとでお説教です」
『は?????????????????????????????』
「当たり前でしょう!! 前にヘルメット団とは言え裸にするのはダメだと言ったじゃないですか!!」
『俺は裸にして晒すのがダメとしか聞いてねぇよ!!!!!!!!!!!!!』
「同じじゃないですか!!!!!!!!!!!!!」
『全然ちげぇよ!!!!』
《同じでは……??》
全然ちげぇってのに女連中はよぉ……腹が立つので顔が真っ青になってる酸欠のコイツの口にトリップマインをぶち込んでからぶん投げる。お、今度は着弾してから爆発した。
「うわっ……こう、もうちょっと手心とか……人の心とか無いんですか?」
『地下で落としてきた』
「可及的速やかに拾って来てくださいね……それじゃあ、また後で!!」
人体爆弾で混乱しているヘルメット団へとチビガキが突っ込んでいく。躊躇の無さは流石輪っか付きだ。
「私の事も忘れて貰っちゃ困る……なっ!!」
デカガキの方も負けじと盾でヘルメットを砕いてノックアウトしている。お前ら銃必要ないんじゃないか……? 輪っか付きってやぱりフィジカル化け物過ぎて怖いわ。
《その化け物を一撃でノックアウトした挙句投げ飛ばしてる貴方も十分化け物では?》
『俺のは肉体改造の成果だから良いんだよ』
スナイパーライフルとブルパップライフルのリロードを済ませる。スナイパーライフルが2発装填なのどうにかならんかな……ならねぇな(弾薬とマガジンの巨大さを見つつ)。
「見つけた――このぉ!!」
《ッ後ろです!》
『聞こえてるっての!!』
スナイパーライフルの銃身で後ろに迫っていたヘルメット団の持つ銃を跳ね上げる。それと同時にヘルメットを蹴り上げて外し、無防備な顔面――いや、口にそのまま銃口を突っ込む。
『
引き金を引く。放たれた銃弾が口内で相当暴れたようで吹っ飛ばされたヘルメット団は痙攣しながらゲロを吐いている。これ苦しんでるのがしっかりと確認出来て無力化を確認しやすいから良いな、次はブルパップライフルも口の中に撃ってみよ。
《うわ……》
なんか脳内AIちゃんにまで引かれている気がするが気にしない。死んだフリみたいなことされたら分からねぇから仕方が無いだろ!! こっちは死んだフリされて不意を突かれて一発でも喰らえば致命傷なんだからさ!!
その点、こうして痙攣したりゲロ吐いたりしてくれてればあからさまに演技じゃないと分かるからとても良い。スリーパー相手だと生死をバイオトラッカーのマーキングの有無で確認できたから楽だったんだがなぁ。
「っ逃げろ!!」
「ちゃんと気絶した奴も回収しろー! あの鬼畜マスクに捕まったら何されるかわからないからな!!」
お、撤退するの――おい待て誰が鬼畜マスクだ。ブチ転がしてやろうかなマジで。
「ちょ、ストップストップスメラギ君!!」
『ッチ……デカガキの慈悲に感謝するんだなクソ■■■が』
構えていたスナイパーライフルを下ろし、無防備な背中に罵倒を投げつける。
マジで甘いと思うんだがなぁこの処置。全員逃さず裸で晒すくらいした方が絶対に良いと思う。まぁ、ここが学校って事でそんなことしてたら入学者が減るとか言われると納得はするんだがな。
「いやぁ、ありがとねスメラギ君。それじゃあお説教の時間だよ」
『は?????? ってコノ!? 離せチビガキ!!!!』
「離すわけがないでしょう……ほら、校舎の中に行きますよ」
ああクソ!! 化け物共が!! 俺にパワーで勝てる奴が生命体であってたまるか!! クソの輪っか付きが!! 光るアソコみてぇなの頭に乗っけやがって!!
『クソがよ!!!!』
「ユメ先輩あれ使いましょうあれ。膝の上に石乗っけるヤツ」
「それはちょっと……次スメラギ君が約束破ったらかな」
拷問の予告までされたんだが……? ああクソ、釈然としねぇぜ。
結局輪っか付き2人に力で勝てるわけもなく、無様に引きずられながら俺は心の中で神に中指を立てた。善行は報われるべきだろうがクソ。
囚人の睡眠:自発的な入眠が出来ないようになっており、眠気を感じることも基本は出来ないようになっている。特殊薬剤による入眠や、疲れ又は損傷による気絶でのみ睡眠することが可能である。