1/2(ふたつ)に割れない恋ゴコロ   作:c.m.

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 本稿は登場人物の設定や裏話を、おふざけを交えつつ赤裸々に語って行くコーナーとなります。
 本作だけでなく『鬼哭街』『らんま1/2』のネタバレ等を含む上、読了後である事を前提として記述しておりますので、予めご了承願います。

※2024/10/19誤字修正。
 タイガージョーさま、ご報告ありがとうございます!


登場人物紹介、或いはこぼれ話

※登場人物は五十音順で記載しています。

 

ガイド

 

 本名不詳。中国青海(チンハイ)省のバヤンカラ山脈、拳精山(チュアンチンシャン)の奥地に存在する呪われた修行場、『呪泉郷(じゅせんきょう)』の案内人。

 わざわざ青海省という中国奥地から、遥か西の交易都市である上海までらんま達を送り届けた訳だが、この物語の終盤で語った通り、(レイ)寨主からの依頼で、スグナリと同郷の人間であるらんまを会わせる為に、わざわざ戴天流にまでらんまを寄越した計画犯。

 因みに報酬は運送費用やら諸々込みで、マジでホックホクであったそうな。

 

 但し、即座にスグナリを日本人と見抜いたのは、事前に知らされていたからじゃなくて、言われなくてもすぐに分かったから。

 要はそれぐらいスグナリ君は中国人になり切れなかったし、だからこそ浮いちゃってたということである。まぁ、そうじゃなくても顔立ちとか色々違和感感じるしね。

 西欧人ならともかく、日本と中国じゃやっぱり気付く人はすぐ気付くのよ。こういうの。

 

     ◇

 

早乙女(さおとめ)らんま

 

 原作『らんま1/2』の主人公にして、この物語のメインヒロイン。

 呪われた修行場の泉、呪泉郷の『娘溺泉(ニャンニーチュアン)』で溺れた(落ちた)結果、水を被れば女になり、お湯を被ると男に戻るという特異体質になってしまった一六歳の()()

 

 そう……! 元の性別は男であり、元祖TSアニメキャラと言っても差し支えない、皆の性癖を取り返しがつかなくなるまで歪めまくったTS信者達の輝ける一等星である!(超早口)

 

 無差別格闘早乙女流の二代目として、父、玄馬と中国に武者修行に赴き(なお旧アニメ版では泳いで海を渡ったので、ガッツリ密入国である)、先述した呪いの泉『呪泉郷』に落ちる所までは同じなのだが、そこから先はわざわざ上海に戻ったため、女傑(じょけつ)族の村には行っていなかったりする。

 つまりは中国での武者修行中にシャンプーとは出会ってないし、当然『死の接吻』も受けていない訳なのだが、関係性はどうあろうと、原作きってのトラブルメーカーである八宝斎(はっぽうさい)がらみの事件で、何だかんだ遠くない未来でシャンプー達と出会うことになると思われる。

 ちな、良牙(りょうが)に関してはギリギリアウトで仔豚(Pちゃん)化してしまった模様。

 まま、好きな子のベッドに潜り込めるんやし、後々豚好きの女の子にも出会えるんやから、えやろ別に(適当)

 

 門弟とはいえ、『鬼哭街』で主人公とラスボスが猛威を振るった戴天流の使い手を鎧袖一触するほどの強さを見せつけたが、これは「そもそもにして常時人間離れした動きをする少年漫画の主人公が弱い訳ないよね?」という理屈からの強さ設定。

「けどまぁ、流石に銃火器とかの知識は皆無だろうし、殺し殺されの鉄火場での活躍は無理があるよね」ということで、本作ではこれぐらいの位置に落ち着いた。

 

 スグナリと試合形式に戦った場合だが、現段階だと刀抜きのスグナリ相手に完封敗けする。

 猫拳解禁した状態で戦ったら刀有り(殺人技は封印)でも勝てはするものの、猫状態になると好感度MAXじゃなくても、善玉のスグナリには甘えモードになってしまうので、そもそも戦闘にはならない。

 原作終盤の強さでも本気の殺し合いならスグナリが勝ってしまうが、殺人技を封印した試合形式なら『海千拳』習得後(原作28巻)ぐらいの地力になれば、刀有りのスグナリにも勝てるようになる。

 時間かかり過ぎじゃね? って思うかもだけど、作中時間一年経過せずに、殺し殺されのシリアス時空に居た天才相手にこれだから、むしろらんまの方が圧倒的に化け物(原作でも見ただけですぐ相手の技盗むし)

 

 ただし勝率自体は五分五分で常時快勝は無理。

 スグナリも八宝斎がらみで普通に強くなるし、らんまちゃんに守られるんじゃなくて護りたいのがスグナリ君だから、らんまに一敗でもしようもんなら血の滲む修練を重ねて実力を上げてくる。

 何なららんまをガードする時だけは、八宝斎をも超えるのがスグナリ君である(らんまちゃん絶対護るマン)

 

 なお、皆さん気になるベッドの上での強さは、猫嫌いの筈のらんまが、終始猫っぽい感じでニャーニャー言ってるでおじゃる(ゲス顔)

 コスプレする時も真っ先にスグナリに見せてくるでおじゃる(●REC)

 

 姓名不詳のガイドの案内で上海に赴き、戴天流の門を叩いた結果、そこで出会った少年剣士ことスグナリによってメス堕ちの刑に処された訳だが、実は告白してから割と早い段階で本当の性別やら体質やらを打ち明け、その上で「本気で付き合いたいのか?」と問うたが、スグナリの方はと言えば。

「好きなのは本気だし」「らんまは女の子として生きてくれてるし」「もしらんまが一生男のままで居るとしても、自分が呪泉郷行って女になれば問題ないよね」という感覚だったので、全く問題視してなかったりする(無敵かよ)

 

 なお、この世界線のらんまが望んで止まないであろう止水桶(チースイトン)(女状態を固定化するアイテム)についてはラブコメ特有のドタバタ劇の運命のせいで入手には至らず、祝言の日に使用させて貰って、真エンディングを迎えるといった流れである。

 

 え? 祝言の後? らんまちゃんがスグナリ君と一緒にお風呂入って、コンシューマ版だとカットされちゃう大人なCGイベントが始まるよ。

 ……。カチカチ……カチカチ。(無言のマウスクリックによる、肌色シーン前のセーブ中)

 

     ◇

 

(ズー)

 

 (スン)の死を好機と見て、青雲幇(チンワンパン)縄張り(シマ)を奪って(実際はただの無断使用だが)仕事を始めた黒幇(ヘイパン)の香主(幹部)。

 

 他所のシマに勝手に踏み込みこんだ挙句仕事するとか、普通にそれだけで戦争案件なのだが、そこは(スン)の情報操作によって上手いこと黒幇(ヘイパン)を転がしたのと、何だかんだ黒幇(ヘイパン)の方もそこそこ名の知れた結社だったので、「まぁ(スン)さえ死んだんなら、うちの兵隊でもなんとかなるやろ」ぐらいの感覚だったらしい。

 当然そんな楽観論が修羅勢の青雲幇(チンワンパン)に通る筈もなく、一夜で呆気なく壊滅した。

 

 肝心の(ズー)についてだが、実は黒幇(ヘイパン)における最高戦力で、青雲幇(チンワンパン)の武侠連中でも「コイツ相手は下手したら返り討ちに遭う」ってレベルで武林の世界じゃ名の知れた侠客で、内家拳である武壇八極拳と、外家拳である洪家(こうか)拳双方の極意を修めたハイブリット拳法家。

 

 ある意味(この作品内での)無差別格闘早乙女流と同じく、内家・外家に拘泥しない強さ重視のスタイルだった訳だが、実のところ現実世界だと内家の拳法家が外家の流派に修行しに行ったり、逆に外家が内家の拳法習得して、自流派の短所を補うというのは割と普通のことだったりする。

 ……まぁ、全身義体化してサイボーグ拳法家になれないこの世界だと、どう足掻いても外家は内家の技を習得するしかないので、そういう意味じゃ外家拳士は内家の技術習得は必須案件でしょ? って言われたら、それはそう。

 

 だからこそ「(スン)の姐御を殺ったのはコイツに違いねぇ!」ってことで、真っ先に青雲幇(チンワンパン)のリーサル・ウェポンであるスグナリが仕掛けに行った(最高戦力には最高戦力をぶつけんだよ!)

 

 スグナリ相手に為す術もなく殺されたものの、武侠としての誇りは最後まで捨てずに潔く散った。

 侠客らしい最期であったし、(スン)姉ちゃんの件は冤罪だったものの、それはそれとして普通に悪いこと散々してきた外道ではあったので、こいつの死そのものは因果応報以外の何物でもなかったりする。

 

     ◇

 

スグナリ

 

 この物語の主人公。若干一六にして戴天流の免許皆伝へと至った内家剣士にして、その正体は上海に本拠を置く秘密結社、青雲幇(チンワンパン)陪堂(ばいどう)(仕置き人)兼、凶手(殺し屋)。

 

 命知らずにも上海に手を伸ばした日本のヤクザが現地の女を孕ませ、挙句に棄てられた孤児だったが、戴天流老師の(ワン)が引き取ったことで、剣の才能を発揮する機会を(良くも悪くも)得てしまった少年。

 その才覚は凄まじく、物心ついてすぐに内功の基礎をマスターし、八歳で門下の誰よりも強くなり、一〇歳になるまでに(パン)で第一線を張る師兄達すら打ち負かし、一二歳で青雲幇(チンワンパン)の殺し屋デビューを飾った文字通りの天才剣士。

 いっそ人殺しの快感とか、修羅の世界に生き甲斐を見出せれば人生楽だったと思うのだが、マキシム善人な育ての親である(ワン)の心温まる教育の結果、武徳に篤く、六徳を忘れず、常に他者を思い行動する善人になっちゃったのが、こいつにとっての最大の不幸であった。

 

 本作を本格的に執筆する以前の脳内プロットでは、その圧倒的才能でもって『鬼哭街』の過去に当たる上海で蠢く、劣化サイボーグ達をちぎっては投げ、ちぎっては投げする予定だったのだが……。

 

「これ唯の俺TUEEだし面白くねーなー、原作者が我らが邪神・虚淵玄なんだから、もっとそれっぽくしてーなー。

 ていうかニトロ要素が足りねーよ、ニトロ要素が。こう、救いがない感じに追い込むんだよそれがニトロだろ、こういう才能溢れる良い子ちゃんほど追い込むんだよ徹底的になぁ……!」

 

 という、作者の中で邪神のニトロな啓示が聞こえた結果(※間違いなく幻聴です)大幅に路線を変更。

 

「おう、有り余る才能持ってんだし、どうせ最後はらんまちゃんとハッピーエンドなんだから、それまではどんな不幸でもええやろぉ……?(ニチャァ)」

 

 などと宣って来た邪神を崇拝する邪悪な邪教徒(作者)の手によって、らんまがやってくるまで孤独の苦痛を味わい、ようやくメインヒロインと心穏やかな時間を過ごせたと思った矢先に、心底慕っていたお姉ちゃんをその手でぶった斬るという地獄を経験する羽目になった模様。

 

「救いはらんまちゃんが与えてくれるからね、それまで頑張って苦しんでね♡」

 

 って応援しながら書いてた作者は、一度地獄に墜ちた方が良いと思う(自虐)

 

 そんなスグナリにとっての人生のターニングポイントになったらんまであるが、スグナリが一目惚れだったと語った通り、あらゆる意味で好みのどストライクだった訳で、上海での街中デートでは特に張り切り、もうウッキウキでらんまに買い食いさせたり高い鈴環プレゼントしたりしちゃったのだが……これ、明らかに金で交際する駄目男の図である。

 

 本人も初デートの後に冷静になり、その辺りの自覚は芽生えたようだが、何だかんだらんまには甘く、エピローグ後でも結構買い食いは許している模様。

 但し、らんまの方は女としての自覚が芽生えたので、プロポーション維持には割と気を遣っている。

 天道家の交渉で全財産の半分を持ってくるなど、割と金銭を交渉の手段として考えているのは、やはりヤクザな世界に身を置いていた弊害であり、そこがこの基本善人な少年にとっての最大の短所と言える。

 

 エピローグ後の流れとしては、らんまと一緒に風林館高校に編入し、そこで一緒にトラブルに巻き込まれたり、らんまにセクハラ仕掛ける九能(くのう)や八宝斎を全力で止めつつ立ち回る良識的なポジション。

 ……なのだが、コメディ時空だと結構らんまと悪乗りしたり、(ヤクザ)時代のブラックジョークも披露するので、そういう意味では時折暴走タイプ化してしまう模様。

 

 原作最強格の八宝斎には、やはり年季の差もあって苦戦を強いられるが、それでもらんまの為に更なる修練を重ねてパワーアップを果たしたことで、八宝斎が悪だくみする時のストッパー役として機能するようになる。

 本編だと組織の命令でカチコミの狼煙として正面から突っ込んで行ったことや、その後のらんまのカバー役だったり、ラスボスとの因縁から一騎打ちした点から誤解されてしまうだろうが、実のところスグナリ君本来のバトル・スタイルは奇襲・闇討ち上等なアサシンタイプの戦闘員(殺し屋)なので、そういう意味ではコソコソ動く八宝斎からしたら、非常に相性が悪いタイプだったりするんだな、これが。

 

 逆にスグナリ君にとって相性が悪いのは、正面から戦いつつも状況次第で撤退を選べるコロンで、この婆さんには、ことあるごとに問題を起こす八宝斎案件に対応できるよう、弟子入りを真剣に考えている。

 のだが……その都度実力を見込まれたスグナリ君と、曾孫のシャンプーと手合わせをさせようとしてくるので『自分を負かした男を婿にする』という女傑族の掟を知ってたスグナリ君は、コロンと距離を置く(逃亡する)しかなかったりする(本当に相性悪いな)

 

 元々骨接ぎや(はり)治療、ツボ押しがお手の物だったこともあり、将来的には風林館高校を卒業後、本格的に医学を修めて東風(とうふう)先生の助手として診療所で働きつつ、天道道場もきちんと運営するスパダリとなって活躍。

 しっかり養育費を稼ぎまくって、らんまと子沢山になっちゃうのでありましたとさ。

 

 ……なお、らんまちゃんとの夜の手合わせは、天道家に来る前に初戦を済ませていた模様。

 具体的にはらんまちゃんが自分の元の性別を暴露した日の晩で、スグナリ君らんまちゃんの項で語った通りは当然受け入れたものの、関係性を固定化したいらんまが誘い受けした結果、そういうことになった。

 ただ、らんまちゃんが一方的に大胆になったからというより、スグナリ君が若さ溢れる一〇代だったので、勢い余って米一粒残さず据え膳を平らげちゃったのが大きかったりする。

 

 コンシューマ版も存在するとはいえ、スグナリ君は原作がエロゲ側の住人だからね。当然だね。

 ……え? 鬼哭街の主人公にして、Fate/Zeroの総括対談では「僕らのダメ兄貴タオロー」「当人の気持ちを考えず愛に生きた駄目男」って何処ぞの菌糸類と原作者にボロカスに酷評された(コン)濤羅(タオロー)兄貴は、エロゲ主人公なのにそういうシーンは全くと言っていい程無かっただろって?(一応ガイノイド化したロリ妹からキスはされたけど)

 

 ……。そ、そこはほら。スグナリ君はちゃんと当人の気持ち考えずに愛に生きてたダメ兄貴じゃなかったから。ちゃんとらんまちゃんの気持ちも汲んだ上での夜の手合わせだったから。

(言い訳の名を借りた、タオロー兄貴への容赦ない追い打ち)

 

 名前の漢字表記については全く考えておらず、溢れる才能で「直ぐに成った(大成した)」男だからスグナリだったり、らんまとの出会いで人生を「やり直す者也」という意味だったり、色々考えたけど、結局どれも当て嵌められるようにカタカナ表記にしてみました。

 

     ◇

 

(スン)

 

 この物語のラスボスにしてサブヒロイン。

 年齢は二六歳で、ナイスバディというよりはスレンダーなモデル系プロポーションの美女。

 しかしてその実態はクレイジーサイコヤンデレカニバリストという、最高にぶっ飛んだ属性盛り盛りヒロインでもあった。

 

 他の中国人キャラが名字だけなのに対し、『孫玥(スン・ユエ)』というフルネームを唯一設定していたキャラだったりしたのだが、残念ながら使いどころがなく、他キャラ同様に名字だけの使用になってしまったという悲しき裏設定が有ったりする。

 

 武徳を重んじ、常に侠客としての誇りを忘れず、常に弱者に対して手を差し伸べてきたという絵に描いたような武人であると同時に、女としての包容力と慈愛を有するという、これ以上ない程の善性の持ち主だったのだが、反面、己の美学にそぐわない輩は絶対に許せないという一面も持っており、その美学を貫いた結果が中編(第二話)でのアレである。

 

「美しいものよ汚れてくれるな。永遠に清く居ておくれ。それができねーなら死ね」

 

 というのは中々に凄まじい価値観だが、そもそもにして彼女が凶行に走った原因はスグナリを腫れ物扱いした青雲幇(チンワンパン)に幻滅したからで、仮にスグナリ君が居なければ、青雲幇(チンワンパン)に生涯忠義を貫くことが出来ていたかと言われたら……、まぁ否である。

 何しろ青雲幇(チンワンパン)自体が排他的な側面持ってたのは事実だし、作中で語った通り、将来的にどっかで現世利益優先した青雲幇(チンワンパン)が腐るのも見通していただろうから、遅かれ早かれの話であった。

 そうなったらスグナリが居ない以上、青雲幇(チンワンパン)が崩壊して上海が滅茶苦茶になったのは間違いないし、(スン)青雲幇(チンワンパン)を潰した後は、ケジメとして自分が利用した黒幇(ヘイパン)も潰すぐらいはするだろうが、その後は本編で明言した通りさっさと自決する。

 

 上海の一般市民はどうでも良いのかよ!? 自己中極まりねーな!?

 

 って言いたいところだが、日本の武士が割と頻繁に切腹したがってたように、武侠も伝統的に自決することは結構あった。

 それこそトップが死んだことで集団自決したり、世の中を儚んだ結果だったりと、割と「死にたくなったら死ぬ」っていうのは珍しくなかったらしいので、それを考えると「やることやったし、私も一緒に死んどくわ」って感じの(スン)姉ちゃんの自主退場は、割とスタンダードな理由だったりする。

 いやまぁ、上海の一般市民からしたらマジで迷惑ってレベルじゃない訳だが。

 

 スグナリの母であり姉であり、同時に女としてスグナリを愛していたのだが、何処で恋愛感情が芽生えたかというと、スグナリが一二歳の時に凶手としての初仕事を終えつつも、殺しの快楽に目覚めたり、汚れ仕事そのものに存在意義を求めたりせずに、弱者と青雲幇(チンワンパン)の為に戦うという、侠客の信念を曲げなかった姿に心底惚れ込んだ訳で……おいこの女ショタコンだぞ!? 更に属性追加すんのか!?

 

 やめろよ流石にこれ以上は手に負えねーよ!? 

 

 という作者の叫びはさておき、本編でスグナリを物理的にムシャムシャするって言ったのは、カニバリズム的な異常性癖だったという訳ではなく、惚れた男も喰う悪鬼に成り果てることで、自分の中にある迷いを殺し、青雲幇(チンワンパン)を潰すという不退転の覚悟を持つためだったりする。

 ……のだが、まぁそれがなくても惚れた男に対して「今が一番美しいお前だからこそ、一番美しい姿の時に殺す」宣言した時点でヤベー女であることに変わりはないし、当たり前だがこんな性格と性癖で家庭を持つなんてのは不可能である(因みにメシマズの欠点持ち)

 

 この時代の青雲幇(チンワンパン)内にあって唯一スグナリと互角以上に戦える武術家であり、スグナリとの一騎打ち以外では一度として本気を見せて来なかったというラスボスに相応しい実力者。

 原作『鬼哭街』では

(うなじ)に接続プラグ一つ移植しただけで、勁穴が四つも麻痺して内功は三割にも満たない状態に置かれた」

 と原作『鬼哭街』のラスボスにして、ブラコン婚約者に人生を狂わされた最大の被害者枠たる(リュウ)豪軍(ホージュン)が語っていた通り、機械の手足や人体の欠損は内家拳士にとっては致命傷ってレベルじゃないのだが(こう書くと『スター・ウォーズ』のフォース感応者みたいだな内家拳士って。あいつらも義手義足になると性能落ちるし)

 

「足りなくなったんなら自分で新しく気穴を調整すりゃあ良いんだよ! ついでに氣のコントロールで義腕の動きも自由自在さ!」

 

 と、かなり強引な手法で義腕を装着しつつも、逆に内家拳士としてはパワーアップするという反則技を行使した、マジもんの化け物。

 

 ただ、スグナリもそうだが「こういうことが出来るんなら、鬼哭街で天才って持ち上げられてたホージュンより(スン)姉ちゃんが上だよね?」っていう強さ議論は当てにならない。

 というのもこの作品の世界(時代)は文化大革命以降と言えど、割と先人の文献が残ってたり、失伝してない技術も沢山ある訳で、(スン)姉ちゃん然りスグナリ君然り、割と武術家としては恵まれた時代に居るからこその強さだからである。

 

 仮に同時代・同年齢でよーいドン! した場合、(スン)豪軍(ホージュン)は互角か、豪軍(ホージュン)が若干上といった塩梅であろう。

 タオロー兄貴については、復讐鬼としてのブースター入って、物語後半にようやく『六塵散魂無縫剣』会得という状況なので、怨みなしで純粋に腕を磨く分にはスグナリにも劣ってしまうが、そもそもにして復讐鬼になんかならない方が、タオロー兄貴の人生としては絶対に良いのは間違いないし、スグナリにしたって天賦の才は有るにせよ、それをここまで伸ばしたのは「自分の居場所を作る為」っていう割と後ろ向きな事情もあったから、どちらも純粋に腕を競う環境に置かれた場合、(スン)にも豪軍(ホージュン)にも勝てなくなる模様。

 

     ◇

 

()

 

 戴天流の内家剣士にして、青雲幇(チンワンパン)の武侠。

 スグナリにとっての師兄(兄弟子)に当たる太極刀の使い手だが、八歳のスグナリ相手にボロ負けしたという過去を持つ。

 ていうか大体の兄弟子達は、一桁歳のスグナリに敗けてる模様。そりゃどんだけスグナリ君が人格者でも、兄弟子達から敬遠されるわな。

 

 銃弾喰らって死亡したので、実は(スン)姉ちゃんの手にかかって死んだのか? と深読みされた読者様も居られたかもしれないが、実際の所、普通に遠隔操作されたチェーン・ガン喰らって死亡しただけである。

 現代兵器に後れを取るとか、武侠小説キャラの面汚しが過ぎる(死体蹴り)

 

 

     ◇

 

(チャン)

 

 戴天流道場の門弟にして、柳葉刀(りゅうようとう)の申し子と(ワン)から太鼓判を押された若き才人。

 ……なのだが、流石に少年漫画の主人公相手にはどうにもならず、秒殺KOで試合終了した訳だが、これに関しては相手が悪過ぎたという他ない。

 

 実は圧倒的実力差で自分を下したらんまに惚れ込み、片思いまでしちゃったのだが、肝心のらんまは終始「弱い奴にゃ興味はない」という態度であったし、スグナリがらんまに熱視線だし、らんまも実力が上のスグナリの方に構うしで、「こりゃ目がないな」と早々に身を引いた(判断が早い)

 

 将来的には青雲幇(チンワンパン)の武侠として活躍するのでなく、清い警官になる道を選ぶことで、少しでも多くの不正を取り締まる正義のお巡りさんになったそうな。

 

     ◇

 

天道(てんどう)あかね

 

 原作『らんま1/2』のメインヒロインにして、この物語の聞き役。

 天道道場の三姉妹で唯一格闘技を真面目に嗜み、原作ではらんまの許嫁になるのだが、この物語ではらんまがメス堕ちの刑に処されたので当然メインヒロインにはならず、初恋の相手である東風先生も目がないので失恋するのは間違いないのだが、良牙や九能に加え、劇場版のラスボス達にもモテてるので、男に困ることは生涯ないと思われる。

(なお変態だったり、仔豚になって好きな子のベッドに潜り込む気持ち悪い男だったりするような、男共の質については考えないものとする……いやまぁ、劇場版のラスボスはどっちも良い男だが)

 

 エピローグ後のらんまとの関係性だが、早々にらんまの体質が判明して困惑するものの、らんま自身の「おれはもう女として生きてるし、自分が男だなんて思っちゃいねー」という発言と、スグナリも全く気にしていない様子だったので、当惑しつつも受け入れた。

 

 ただ、流石に男の状態でも女の時みたいな距離感でらんまがスグナリと接するのは精神衛生上宜しくないので「女になってからやんなさい!」と顔を赤らめつつ豪快に水をぶっかけたりして、男状態の乱馬にツッコミを入れる良識ポジションになった模様。

 この辺りのらんまのノリは原作『らんま1/2』23巻の『恋のつり竿』回のやり取りそのまんまなのに加え、良牙と違ってスグナリはコメディ時空だとらんまと一緒に悪乗りするので、この世界線だと割と気苦労が多くなりそうな、あかねちゃんであった。

 

     ◇

 

天道(てんどう)早雲(そううん)

 

 天道道場の主にして、天道家当主。自分の娘である三姉妹のいずれかを許嫁にして、早乙女らんまを家に迎えようとしたのだが、親友の息子がまさかのメス堕ちの刑に処された挙句、お相手の男が家に迎えてくれと申し出てくるというダブルパンチを受けた。

 

 天道道場が経営難というのは旧アニメの設定で、原作ではちゃんと門下生が居ることを高橋留美子先生が明言しているのだが、この作品は旧アニメ版の設定を取り込んだので、大金を受け取ってホックホックであるし、道場自体もドチャクソハイレベルな婿養子が来てくれたので安泰間違いなしである。

 なお受け取った大金は今後、ことあるごとにトラブルメーカー共によって破壊される自宅の修繕費用に充てられる模様。

 

     ◇

 

パンダ(早乙女(さおとめ)玄馬(げんま)

 

 パンダの癖に笹じゃなくて肉食ってるぞ!?

 いやパンダは結構何でも食うから、別に……いや待て何で箸使って飯食って汁呑んでんだパンダ!?

 箒使って道場掃除してるぞパンダ!?

 マジで何なんだあのパンダ!?

 

 ……と。戴天流道場に逗留中、終始戴天流一門((ワン)老師含む)を驚かせ続けた芸達者なパンダであったが、その正体は呪泉郷の『熊猫溺泉(ションマオニーチュアン)』に落ちてパンダになった、無差別格闘早乙女流先代当主にして、らんまの父親である早乙女(さおとめ)玄馬(げんま)その人。

 らんま同様、お湯さえ被ればいつでも元の姿に戻れるのだが、戴天流一門のノリの良さと反応が面白過ぎてパンダのままで居た結果、戻る機会を失って終始パンダ状態となってしまったパンダ。

 自業自得だぞパンダ。そんなだからここでも姓名じゃなくてパンダ表記が優先されるんだぞパンダ。

 

 でも飯が豪勢になって餌付けで色々貰えるから役得だし、別にこのままで良いや……とか思っていたら、まさかの息子がメス堕ちの刑に処されたとか聞いてない。

 マジで聞いてないから男に戻れ! 戻ってくれと終始必死だったのだが、誠に残念ながら息子さんは身も心も娘さんに成り申した。

 

 当然納得行かねぇので、急いでらんまに「お前には許嫁が居る!(一人とは言ってない)」と告げて日本に連れ帰ろうとしたものの、肝心のらんまの方は「じゃあ駆け落ちするわ」と、とっとと荷物を纏めて逃亡を図ろうとした。息子さんは大変アグレッシブな娘さんになりましたね。

 このような形で、あわや逃亡からの大恋愛にして大事件に発展しかけたものの、家族思いのスグナリ君から「流石にそれは不味いし、先方にも事情を説明して、どうしても駄目だったら色々考えよう」と説得された結果、何だかんだ序盤の状況になった。

 

 一体どうしてこんないい男捕まえた娘さんが不満なんですか?(不満しかない)

 こんないい男が婿に来て何が不満なんですかお義父さん!?(不満しかねぇっつってんだろ!)

 

 ちな、この物語の序盤でらんまにボコボコにされてたのは、原作同様問答無用で気絶させた後、湯をかけて男にしてから天道家に引き渡す予定だったのを、逆にらんまにボコられた結果だったりする。恋する乙女のパワーは偉大、はっきり分かんだね。

 

 エピローグ後は終始らんまとスグナリのイチャイチャを見せつけられる羽目になった結果、急激に老け込んで縁側で茶をすするパンダになった、この物語最大の被害者枠。

 

 え? もう一人の幼馴染の許嫁(うっちゃん)の方はどうなったんだって?

 (玄馬が)初恋の相手は実は女の子だったって誤魔化して諦めさせたよ?

 なお結局即バレしてブチ切れられたので、事情を知ったスグナリ君が慰謝料払って誠心誠意謝罪してから、うっちゃんとらんまちゃんを仲直りさせた模様……お義父さん、いい加減らんまちゃんとの婚約を認めて上げて、どうぞ(誰がお義父さんか!)

 誰が今後お義父さんの尻拭いを続けて行くんですか? お義父さん(……。)

 

     ◇

 

(リョ)

 

 ()と同じく戴天流の内家拳士にして、青雲幇(チンワンパン)の武侠。

 得物は鶏爪鉞(えんおうえつ)で、乱戦を特に得意とする……のだが、(スン)という規格外を前に手も足も出ず敗退した。

 これでも青雲幇(チンワンパン)内では一〇指に入る戦鬼ではあったし、何なら五指でも良いんじゃね? ぐらいの実力ではあったのだが、スグナリと(スン)の二人は他の武侠からしたら超えられない壁扱いだったので、エンカウントした時点で誰が相手でも死亡確定だった模様。

 因みにスグナリ君を除く武侠トップ一〇は(スン)姉ちゃんが全員殺しちゃったので、割と青雲幇(チンワンパン)内での精鋭不足が深刻だったりする。

(それでも十分層は厚いけど)

 

     ◇

 

(レイ)

 

 魔都上海に拠点として黒社会に武名轟かす秘密結社、青雲幇(チンワンパン)寨主(さいしゅ)(ゴッド・ファーザー)。

 黒社会においてその名を知らぬものはないという、齢八〇越えても元気な爺ちゃん。

 らんま世界とクロスオーバーしてるこの世界だと義体化なんかしなくても平気で三〇〇歳ぐらい生きそう。コロンも旧アニメだと三〇〇ぐらい生きてるしね(原作だと一一六~一一八歳)。

 ただ、流石に鬼哭街で豪軍(ラスボス)に殺された(レイ)寨主とは別人で、こちらは遠いご先祖である。

 鬼哭街の方の(レイ)寨主は機械嫌いだから、義体化による延命措置とか絶対しないしね。

 

 青雲幇(チンワンパン)という結社を単に纏め上げるだけでなく、時代が近代合理主義の荒波や文化大革命による伝統の排斥に躍起になる中でも、義侠の精神を断固として護り通し、後ろ暗い商いもせずに組織を拡大させて構成員もしっかり教育させるという超すげーゴッド・ファーザー。

 そりゃ(スン)姉ちゃんもこいつと(ワン)老師は例外って言うわな。

 

 ただ、そんな超スゲー爺ちゃんでもやっぱり限界はあったようで、異人でも実力と功績、人格面から正式に義兄弟に加えたスグナリを完全に組織になじませることだけは出来ず、その点だけが唯一この爺ちゃんが人生で悔いるしこりとなった。

(そもそも構成員に仲良くするよう無理強いしたって、絶対全員が心からスグナリを慕えるかっていうと蟠りは残るし、却って針の筵になるよねって話である)

 

 当人の性格に関しても(ワン)と同じくマキシム善人で、悪党には容赦しないけど、絶対に恩に報いて義を貫く正義の人。

 らんまみたいな小娘相手でも誠心誠意尽くして頭を下げるし、堅気を巻き込むなんてのは言語道断。万が一巻き込まれたら、ちゃんとケジメとって面倒見る超絶出来た御仁。

 ……なんだけども、流石にスグナリからしたら、自分が告白するより先に恋心暴露するのは、幾らゴッド・ファーザーでも勘弁してくだしあ……! 案件だった模様(そりゃそうだ)

 

 (レイ)自身はラストで原作『鬼哭街』ルートを暗に仄めかすような青雲幇(チンワンパン)の滅びを語っていたが、これは盛者必衰の理に沿ってたというだけで、この物語の行き先が『鬼哭街』ルートになり得るかと問われたら実は否で、イベント的には既に分岐している。

 そのイベント分岐の際たるものがらんまとスグナリの出会いで、次点がスグナリと(スン)の一騎打ち。

 

 正史たる原作『鬼哭街』ルートは、当たり前だが『らんま1/2』の主人公であるらんまとスグナリがロマンスなんかやる筈もなく、そうなると鈴環をプレゼントして好感度上げたりするイベントとか、スグナリのピンチに応援してくれたヒロインも居ない。

 そうなると当然、ヒロインブーストによって最後に愛は勝つ法則から外れたスグナリは、(スン)との一騎打ちで相打ちとなってバッド・エンド(鬼哭街的には、愛の形はどうあれ、慕い合った二人が互いを抱きしめて終わるのでトゥルー・エンド扱いで良いかもだけど)。

 

 若く義侠心に溢れた男女が、己の正しさを貫かんとした為に死んでしまったという事実に消沈した(レイ)(ワン)は隠居し、経験値もカリスマも(レイ)に及ばない副寨主は、組織の縮小より利益を優先して、(レイ)や本来の青雲幇(チンワンパン)が絶対やらなかった売春などの商いに徐々に手を染め、それが常態化して普通のヤクザ稼業に青雲幇(チンワンパン)が落ちての原作『鬼哭街』ルートという流れであった。

 

 まぁ、この物語ではそんなバッド・エンドには突入せず、最後にはハッピーエンドになってくれたのだが、結局のところ遥か先の未来で青雲幇(チンワンパン)が命脈を保てるかどうかは、『鬼哭街』の元凶たる魔性のクレイジーサイコブラコンこと(コン)瑞麗(ルイリー)がやらかすか否かにかかっているので、割とマジにどんだけ過去の人が頑張ってもどうしよーもねーのであった。

 ルイリーちゃんマジ魔性の女。

 

 ただ、僕らのダメ兄貴タオローがサイコブラコン瑞麗(ルイリー)に買ってあげた鈴環はスグナリ君が横取りしてらんまに上げちゃった訳で、そうなると当然プレゼントは別のもんになる。

 いっそ何かの手違いでタオロー兄貴が指輪とか贈っちゃって、勘違いしたサイコブラコンな妹が兄貴にカミングアウトしつつも結ばれたりとかしたら、割と未来も平和なんじゃなかろうかと信じていたい。

 ほら。この世界って鬼哭街だけじゃなくて、らんま1/2の世界でもある訳だから、何だかんだでラブコメってからのハッピーエンド到達も夢じゃないと思うんだ。

 

     ◇

 

(ワン)

 

 戴天流道場の主。名だたる侠客を輩出して青雲幇(チンワンパン)に貢献した香主であると共に、スグナリを引き取った育ての親にして老師(師匠)。

 

 実はスグナリを捨てたヤクザの実父をぶっ殺した張本人であり、青雲幇(チンワンパン)が支援している上海の施設にスグナリを預けるべきかと悩みはしていたが、流産と共に死別した妻のことが脳裏を過ぎった結果、スグナリを育てることを選択したという裏設定が存在する。

 

 スグナリが日本人であることや、異人を本能的に避けてしまう武侠社会がスグナリを不幸にしてしまうことは承知していたのだが、それでもやはり自分の手で育てたいという私欲と情が綯い交ぜとなり、しかもスグナリ自身は内家剣士としての天賦の才を有した上で、理想的な人格者に成長してしまったことは、(ワン)にとっての理想の息子が出来た喜びと共に、そんな息子に孤独な道を歩かせた罪悪感を感じる要因となった。

 

 ……(ワン)老師はね、悪くなかったんだ。単に(パン)のしがらみやら伝統やらが悪かったんだよ……。

 と言いたいが、まぁ、それにしたって義息の剣の才能に惚れ込んだ結果、絶対幸せになれない組織の一員に加えちゃったのは間違いなくギルティだし、そこは作中で語った通りガッツリ自覚があった模様。

 

 青雲幇(チンワンパン)と道場双方の縁をスグナリが切ったエピローグ以降、(ワン)の側から便りを送ることは決してしなかったが、スグナリは自分がいま幸せであることや、(ワン)(レイ)の身体を気遣う便りをその都度送って来るので、涙腺が緩くなってきているらしい。

 ちな、スグナリとらんまの結婚式には参加こそしなかったが、(レイ)と一緒に匿名でしこたまご祝儀を贈った模様。当たり前だがすぐバレた。

 

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