死神と呼ばれた転生者 (全10話 ティターンズルート) 作:masakoba(正博)
何故こうなった・・・・・・。
俺はこの手で人を直接殺した。
仕方が無かった、やらなければ俺がやられていた。
俺は戦場にいた。
それもMSザクⅡが動く、機動戦士ガンダムの世界の戦場に。
俺は平凡な大学生だったが、神様のミスとやらで死んでしまった。
神様はテンプレ通りお詫びに好きな世界に、転生させてやると言った。
俺は好きだった『機動戦士ガンダム・連邦軍』の世界を選んだ。
転生特典は1つだけ。
俺は『UC0093のアムロ並みのMSの操縦』を選んだ。
馬鹿だった。
今あの時の俺を殴り飛ばしたい。
何故俺がこんなに焦っているかと言うと、今日はUC0079年1月3日。
ジオン公国の連邦への宣戦布告の日。
つまりモビルスーツ何て連邦軍が予想をもしいない日だった。
転生特典は役に立たない。
俺は結局、歩兵部隊へ回された。
UC0079年3月1日
今日はオデッサにジオンが第1次地球降下作戦を実施する日。
今俺は配属先がオデッサ第4方面軍第4中隊第4歩兵小隊。
小隊内で先任順が俺が4番目。
隊長がふざけて4が4つだから『死神』と、嬉しくないコードネームを付けた。
俺はリュウイチ・シバタだ、『死神』じゃない。
で冒頭に戻るがジオン兵との遭遇戦と言う、最悪な形で人生初の対人戦闘に突入した。
出会い頭の為ライフルを準備する暇がない。
俺は防弾ジャケットのナイフを抜くと、ジオン兵に飛び掛かった。
相手も同様にナイフで応戦してきた。
俺は死にたくない一心で必死に相手にナイフを繰り出し、気が付いた時には相手に跨りナイフを突き刺しまくっていた。
体中に相手の返り血を、むせかえる程大量に浴びていた。
俺は突然胃の中から逆流する物を感じ吐いた。
吐き続けていると急に左肩が焼ける様に熱いものを感じた。
見ると左肩から赤い血が流れだしていた、撃たれたのだ。
俺は急いで木の陰に隠れ、支給されたライフルを準備した。
止血している暇はない、俺を殺そうとするジオン兵がいるのだ。
必死に初弾を装填、目標も分からずトリガーを引いた。
だがトリガーは動かなかった、故障かと焦った。
そしてセイフティを、掛けたままなのに気が付いた。
訓練であれだけやらされた、初歩的操作を忘れていたのだ。
だがセイフティを外す暇を、敵は与えてくれなかった。
俺の近くに転がって来た物があった、手榴弾だと思った時には反射的に伏せていた。
鼓膜が破れるかと思う程の音、熱を持った爆風と腕等に沢山の痛みが走った。
だが生きている、そのままの状態でセイフティを外す。
ようやく視認できたジオン兵に、銃撃を開始した。
俺の死を確認しようと近づいていたジオン兵が、銃撃を受け吹き飛んだ。
それからは敵味方双方、激しい銃撃戦になった。
だが戦況は巨大な足音で一変した。
一つ目の機械巨人、ザクⅡの登場である。
俺は逃げた、仲間に声を掛けずに逃げ出した。
120mmのザクマシンガンを生身で食らえば、近くを掠めただけで死ぬだろう。
その日の戦闘でうちの第4中隊は、俺と後2人生き残った。
だがその2人は手や足を失っており、五体満足に帰り着いたのは俺だけだった。
『死神』は今迄笑いの種だったが、今では俺といると死ぬと言う意味に変わった。
別の部隊に転属となったが、その部隊も俺を除き全滅した。
俺はどこからの部隊も、引き受けてくれる所が無くなった。
オデッサからの撤退時、キャリフォルニアベースへと転属になった。
UC0079年3月11日
キャリフォルニアベースにもジオン軍が侵攻してきた。
2日間の激しい抵抗をし、大勢の仲間達が死んでいった。
13日基地の放棄が決定、おれはまた『死神』となった。
俺の噂はそこら中に広がり、ジャブローで武器の整備・管理が仕事になった。
だがそこもすぐに転属させられた。
理由は俺が武器管理し出してから、武器の暴発、戦闘時の故障様々な苦情が上がって来た。
『死神』が俺達を殺そうとしているとさえ言われた。
上官も庇いきれずに俺は、試作武器のテスト要因に転属になった。
UC0079年7月
俺にもようやく運が向いて来たと思った。
やっと連邦軍初の量産型モビルスーツが完成したのだ。
そして念願のMS、RX―79ジム先行量産機のパイロットになれたのだ。
だが喜んだのも束の間であった。
初期モデルの量産機が0093時のアムロの操縦に付いてこられる筈が無かった。
0093時のワンオフ物のガンダムと、やっと作られたジムである比べる方がおかしい。
MSを壊しまくる俺は、MSパイロットから降ろされた。
そんな時に俺に声をかけて来た奴等がいた。
V作戦とは違うMSを作っており、テストパイロットをして欲しいと言われた。
行く場所の無かった俺は、引き受けるのを了解した。
横たわるMSを見て俺は驚いた。
どう見てもRX―79BD―1なのである。
そう蒼い死神『ブルーディスティニー1号機』である。
ただブルーの象徴とも言える装備、エグザムは積んでいなかった。
クルスト博士の亡命には、まだ早いのに何故。
そして気が付いたこいつらは、俺と同じ転生者だと。
『死神』が蒼い死神に乗る、俺は薄ら笑いを浮かべた。
その時から俺は本当に『死神』となったかもしれない。
ブルーはまだ俺の本気の操縦についてこられないが、量産型ジムよりかなりましだ。
それからの俺はジオン軍にとって、本当の『死神』となった。