俺はドラゴンボールに憧れた。拳で大地を割り、空を飛び、気功波を放ち、数々の強敵を打ち破っていく彼らにとてつもなく憧れた。彼らのように本気でなりたいと思った。拳で大地を割りたい、空を飛びたい、気功波を放ちたい、数々の強敵を打ち破りたい。
故に俺は努力した、身体を極限以上まで鍛え人間の限界以上に挑み、気功波や舞空術を習得するために気の鍛錬をし、格闘技の試合に立ち様々な選手と戦った。
俺は努力した。様々な人達がドン引きしようとも、医者やトレーナー
止められようとも限界を超えるために肉体をいじめ抜いた。格闘技の世界では数年足らずで世界に立ち様々な強敵を打ち破ってきた。気の鍛錬も続けた。
俺は努力した。身体は様々な世界記録を塗り替える身体能力を手に入れ、格闘技では世界の頂点に立った。
俺は努力した…だが、いつまでたっても気は芽吹かなかった。様々なことを試した、実際にあるという気の鍛錬法を続け、気を使う武術道場にも通ってみた(全部インチキだった)
だが、一向に俺に宿っている気を感じることは出来なかった。そんな事を続けて30年近くはたった。ある日、ドラゴンボールを生み出した偉大な方が逝去した。俺は40過ぎにもなって年甲斐もなく咽び泣いた。かの御方のサイン色紙を片手に普段飲まない酒を浴びるように飲み干した。明日はタイトルマッチが控えているがどうでもいい、今は酒が飲みたかった。そして、俺は先生へ感謝の言葉を叫びながら意識を失った。
チュンチュンと雀がなく音で目が覚めた。目覚めてすぐ特有の目の乾きが俺の目を刺激する。
「くっ…昨日は飲み過ぎたか…頭が…」
当たりを見渡すと見覚えのないようなあるような妙な感覚を覚える部屋にいた。
「酔いすぎて隣の家に忍び込んだのか…? 俺も立派な老害だな…ん? 声が…高い?」
飲みすぎて喉がやられたか? そう思いながら目覚めた部屋を出て妙に覚えのある室内を歩き家主を探す。立った時に気づいたが身長も低かった。そしてても小さくまるで子供になったかのような感覚を覚えた。
「まさか…」
嫌な予感がした俺は洗面所を探し、たどり着き鏡をのぞきこんだ先には子供が映っていた。黒髪黒目で少しタレ目気味の長髪の10歳前後の子供だ。その時、脳裏に蘇ったのは様々な記憶。
「俺の名前は
なるほど、俺は転生というものをしたらしい。前世の死因は酒の飲みすぎでなんやかんやと言ったところだろう。地上最強の男、リアル範馬○次郎と揶揄された俺がなんと情けない死因か、俺に挑んでくる数々のライバルたちには申し訳が立たないな。
先程目覚めた自室に戻り、時計を見て学校まではまだ時間があることを確認する。
「よし、トレーニングするか」
転生しても俺の目的は変わらない。俺はドラゴンボールのヒーロー達に憧れたのだから。
少し身体を動かしたことで分かった。この体は凄まじいポテンシャルを秘めていた。10キロほど疾走しているはずなのに未だに疲れを感じず、その速度も時速30キロほどのスピードである。しかもまだまだギアをあげられる。ジャンプ力にしてもそうだ。軽く垂直跳びをして10mを飛んだ時は目を向いた。前世の俺とて垂直にとんでも3m程度だったというのに
「い、いけるかもしれない…この体なら気を使える…!」
前世で文字通り死ぬほど鍛えた体では無いことは果てしなく複雑な気持ちになったが、しかし夢を目前にした今においては些細なことだ。ランニングの過程で近所の山に参入した俺は早速ドラゴンボール式の気を感じる修行に取り組む。まずはリラックス出来る姿勢をとり、まずは己にやどる力を感じるところからだ。
「で…できた…」
俺の手のひらにはバスケットボールサイズの黄色い球体が浮かび上がっている。これは俺の体から出てきた気弾だ。
「は…はは…できてしまったなぁ…」
俺は気弾をしまい込んで近くの気に背を預けながら座り込んでしまう。前世から30年近く求めていた力が手に入った達成感とそれがすぐに手に入ってしまったやるせない気持ちがごちゃごちゃになって涙が溢れてくる。
「フッ…歳をとると涙もろくてかなわん。いや、今は12歳だったか。」
それにしてもこの体は一体どのようなトレーニングを詰んだのだろうか? だが、記憶にある限りではトレーニングをした記憶は無い。まさか生まれつきでもあるまいし…まさか、サイヤ人? いや、ドラゴンボールの世界ではなく街並みは少し昔の現代日本といった街並みだしそんなわけないか。
まぁ、気になることは沢山あるがとりあえずそろそろ帰るか。
転生して1週間程たった。ほぼ30年ぶりの小学生生活に慣れてきたがもうすぐ卒業である。
「武露はどこに進学するんだ?」
「駒王中学校だ」
「やっぱりお前もそこだよな! なんてたって女の子が」
「家から近いからだ」
俺に話しかけてきたこいつは幼馴染の兵藤一誠。自他ともに認めるマセガキだ。マセガキの部分以外は基本良い奴だ。他にも紫藤イリナという子がいたが少し前に海外に引っ越したらしい。
「なぁ、放課後勉強教えてくんね?」
「良いが、前もそう言って途中からエロ本鑑賞会になったじゃないか。それに付き合った俺も悪いが」
「まぁ、いいじゃないか。今度は頑張るからさ!」
「はぁ…そうだといいが」
ちなみに結局エロ本を見る事になった。さて、それも終わって家に帰ると運動着に着替えて家から10キロほど走ったところにある裏山に入って体を鍛える。まだ第二次性徴の途中だろうから軽めだ(前世基準)
それをこなした後にお楽しみの気の特訓だ。既に舞空術をマスターしたので後はみんなお待ちかねのかめはめ波の時間だ。
「ふはははは、この瞬間をどれほど待ち望んだか…!」
ドラゴンボールを見た子供はまず最初にかめはめ波の練習をすることが掟だ。例に漏れず俺もそうだ、というか大人になってもやっていた。1日100回のかめはめ波の練習は無駄ではなかった。今このときを持ってその努力は報われるのだ!
「さぁ、行くぞ!」
俺はすぐさま舞空術で上空へと上がって行く。地上でやればどれほどの被害が出るか分からないからな。このためにまずは舞空術をマスターしたのだ。そして、雲をつきぬけた辺りで止まる。
「流石に寒いな…さて…ハァァアアアッ!!」
俺は思いっきり気を開放する。ああ、気持ちいい。まるで凄まじく我慢した小便を解放したかのような気持ちよさ。さぁ、行くか。夕焼けに向かって!
「か…め…」
掌を上下に合わせそれを腰に持ってくる。
「は…め…」
その掌に気を集め極限までに気を研ぎ澄ませ集中する、そして
波ァアアアアッ!!
一気に開放する。俺の掌から放たれた気は極太い波となって地平線へと落ちていく太陽に向かって突き進んで消えていった。
「はぁ…はぁ…」
気を一気に消費して上がった息を整える。念願の夢だったかめはめ波を撃てた感動と達成感が押し寄せてくるがそれより疑問が生じる。俺が撃ったのは果たしてかめはめ波なのか…だって気功波の色…緑だったし…
ランクマパーティは旧ブロリー、ケール、超ブロリーの伝説の超三銃士です。対戦よろしくお願いします