膣○射精したらデバフを回復させるチートを貰った転生者のお話 作:一般紳士
「さて、白川光。お前は『魔法とは何か?』と言う問いを投げ掛けられたらどう答える?」
「えっと……魔力を使って色々な現象を起こすもの、って感じがする」
白川光を瞬達が救出した翌日。海藤邸に備え付けられた会議室にて、光と湊、そして彩葉が集まっていた。
「概ね正解だ。6点をくれてやる」
「おお、合格点」
「990点満点中な」
「バリバリ赤点じゃんかっ!?T○EICかよ!?」
「何を言う、T○EICの最低点数は10点、点数も5点刻みだ。6点など、どう足掻いても取れんぞ」
「オレは、最高点数について言及したのであって、そんな初歩的なことを言ってないッ!あ、でも最低点数が10点なのは初めて知った」
「ふっ、早速1つ学びを得たな、良かったじゃないか白川光」
会議室に設置されたホワイトボードの脇に立つ彩葉と、オフィスチェアに座って彩葉へと視線を向ける光。そして、外へ通じる扉の脇に立つ湊。
彩葉は、アイスブレイクだと言わんばかりに、白川光のことを軽くからかい、十分な反応を得られたからか笑みを浮かべながら本題の話を始める。
「では、魔法とは何であるかを、6点の白川光でも分かりやすいように説明してやろう。話す内容は大まかに、魔法とは何なのか?魔力とは何なのか?属性とは何か?属性の遺伝について、などなど。まぁ、色々と話す予定だ。不明点等あれば都度質問をするように」
「分かりました!お願いします、先生!」
光の返事に彩葉はうなずくと、虚空から教鞭を取り出し、コンコンとホワイトボードを叩く。ホワイトボードを叩くと同時に彩葉の魔力に反応してホワイトボードは自動的にさらさらと文字が浮かび上がる。
「まずは最初に提起した問い『魔法とは何か?』について話をしよう。白川光の答えである『魔力を用いて起こす現象』こんなのは、基本中の基本。数学で言うところの数字の1だ」
「足し算とかじゃないんだ……」
光が小さく呟くようにそう言った。
「足し算は数字を理解しないと使えない高度な技術だぞ。私が今した話は、3歳の幼稚園児であれば分かるが、足し算は5歳になってようやっとある程度使いこなせるようになるとされている。比較的高度な技術だ。
話が逸れたな、話を戻そう。魔法の発動には確かに魔力を消費する。だが、しかし、魔力は魔法の一要素に過ぎない。他にも、数多くの魔法の発動に影響を与える要素がある。例えば、『動作』に『詠唱』。これはお前たち魔法少女もやっているだろう?お前で言えば、『
「オレ、そんな馬鹿みたいに媚びた声出してないよ……。――多分」
彩葉の無駄に巧い声真似に光はジト目になる。しかし、光は自分の仲間達が矢鱈とかわいいかわいい連呼していたことを思いだし、羞恥で頬を染めながら視線を逸らす。
「お前の男へと媚びた声についてはどうでもいい。他にも、『魔法陣』であったり、『祭壇』であったりと、本当に様々な要素によって魔法は構成されている。この、様々な要素を足すことによって魔法が発動する。そして、魔法の発動には必ず魔力を消費しないといけない。後は技量もだな。式にするとしたらこうだ」
式:(1+要素a+要素b+……)×魔力×
一度彩葉がホワイトボードを教鞭で叩くと、このような計算式がサラサラと写し出される。
「とまぁ、こんな具合に複雑な発動手順を踏むごとに魔法の規模はより大きく強大なものへと変わっていく。式を見て貰えば分かる通り、魔法は魔力さえ用意できれば発動する。とは言え、同量の魔力と何らかの動作を加えて行う魔法と比較した場合、当然だが発動規模は小さい。魔法の発動方法は大きく分けて4つある。実際に使いながら1つずつ解説していこう。まず、魔法名を唱える《詠唱》、腕の振りやフィンガースナップ、足で床をタップするなどの《動作》、そして《魔力》。この3つセットで発動する魔法が《詠唱魔法》と呼ばれ、最も使用率が高い魔法の発動方法となる」
彩葉は、そこで区切ると壁の方へと身体を向け、左手を前に突きだし、人差し指と親指を伸ばして拳銃の形を取る。そして、彩葉は艶のある唇をゆっくりと開き、呟く。
「《
彩葉の詠唱に呼応するように人差し指からパチパチと黄色いスパークか迸り、弾丸を形作り一直線に壁へと放たれる。着弾と同時に眩い電光が散らばり、壁に真っ黒な焦げ目を付けた。
「特徴としては、消費魔力量と効果、発動速度のどれもがそこそこ優れているのが特徴だな。無個性とも言う」
「オレの魔法って無個性だったのか……」
「『
「やめてくれっ!掘り起こさないでっ!!」
「さて、お遊びはここら辺にして……いちいち実演するのも面倒だな、もう後は口頭でいいだろう。2つ目、《詠唱》と《動作》のどちらかと《魔力》、この2つの組み合わせを《詠唱省略魔法》と呼び、主に強者に分類されるものが好んで使う。発動速度はやや速く、威力はやや弱い。故に、技量の高い強者が使うってわけだ。
3つ目、《詠唱魔法》の3種――厳密には2種だが……それよりも多くの要素を用いた魔法の発動方法を《過剰詠唱魔法》と呼ぶ。これは、彼我の戦力差が大きく離れた際に打つ逆転の一手であったり、人智を超越する文字通りの奇跡を引き起こそうとする際によく使われる魔法の発動方法だ。これは、基本的に使われることはないから別に覚えておく必要はない。
そして最後、《魔力》のみで魔法を発動させる《完全無詠唱魔法》。通常の《詠唱魔法》と同等の規模の魔法を使用するには《詠唱魔法》のおよそ5倍の魔力が必要だが、その代わり発動時間が実質ゼロであるため手数に大きく優れ、使い勝手が途徹もなく良い。近距離戦闘での手数を増やせ、中遠距離戦闘での牽制にも使える、非常時の緊急離脱の転移魔法と防御魔法の同時展開などにも使え、かなり実践戦闘向きの発動方法だ。まぁ、魔法についてはこんなところか。ここまでで質問は?ここは概要を何となく覚えていればそれでいいから、多少話がそれるような質問でもいいぞ」
彩葉は一息に大量の情報を光へと浴びせたのにも関わらず、素知らぬ顔で質問を求める。
「えっと、あー……じゃあ、話の本筋から逸れてると思うんだけど、オレは転移魔法って戦闘中に使わないようにセンパイから教わったんだけど、転移魔法が実戦で使えるってどういうことなの?」
光はいきなり聞かれたことで困惑しながらも、何とか質問を捻り出す。その質問は、彩葉にとっても良いものだったからか、彩葉は口元に笑みを浮かべて一つ頷いてから話を始める。
「ふむ、いい質問だ白川光。だが、その問いは次に話す魔力についての話で大きく関わる。よって、先に魔力についての話をしよう。まず魔力とは、人間の体内で生成される魔法の素となるエネルギーのことの総称だ。
魔力の生成方法についてだが、まず大気中に存在する魔素を呼吸で取り込む。そして、酸素とともに血液の循環によって、肺から心臓、心臓から魔力器官と呼ばれる丹田の近くにある臓器へと運ばれる。そして、この魔力器官の中で魔素はその人物の魔力へと姿を変え、そのまま魔力器官に蓄えられることになる。つまり、基本的に魔力器官の最大容量がそのまま個人の最大魔力量となるわけだ。例外は、魔法少女への変身などが上げられる。
魔力は、個人個人で色や波長が大きく異なる。故に、生体認証であったり、魔法を利用した犯罪の捜査・裁判の証拠なんかにも使用される人類において非常に重要な要素である」
「ん?魔法を使った犯罪の捜査って、どうやって調べるんだ?」
相変わらずの長い彩葉の説明に、光は集中して耳を澄ますことで聞き逃さないように意識する。そして、パッと脳裏に浮かんだ疑問をそのまま口にした。
「ほう?お前、案外勘がいいな。これはお前の疑問点である転移魔法の戦闘利用にも関わる話だ。簡単に言うと、魔法を使用する前後には術者の魔力が必ず痕跡として残る。例えば、火球を生成して放つ魔法であれば、まず魔法発動時に火球が発生する場所で魔力が刻まれる。そして、火球を生成し放たれた後は、放たれた火球の軌跡に術者の魔力と魔法術式――まぁ、簡単に言えばどのような魔法を使用したものか分かるモノが刻まれる。
で、この魔法を使用した痕跡さえ分かれば、魔力探査衛星――これは人工衛星の一種だな。コイツから痕跡を元に検索を掛けることで術者の所在地が地球であれば地上であろうと地下であろうと何処にいてもリアルタイムでの居場所がバレる。例えば、滅多に起こらないが攻撃魔法を使用した直接的な殺人であれば、被害者の遺体にも魔力と魔法術式の痕跡が残る。
だから、魔法を使用した犯罪の捜査――主に犯人の捜索、犯行手段の証拠として使用できる、と言うわけだ。因みに、この魔力の痕跡が残る時間は、魔法の使用時に籠めた魔力の量に比例し、どのような強者でも一部の特異的な例外を除いて魔法を使用すれば必ず痕跡が残る。まぁ、今しがた提起された疑問の答えとしてはこれで十分だろう」
そこまで言うと、彩葉は虚空から水が入ったペットボトルを取り出して一口飲んで喉を潤す。そして、そのまま一息吐くと再び虚空へとペットボトルを仕舞う。
「さて、ここまでヒントを出せばある程度の推測が立つと思われる。さぁ、白川光。何故、転移魔法を戦闘時に使用するには大きなリスクを抱えるのか、分かったか?」
「……えっと、そうだな……転移魔法を使うと魔法が発動する前に転移する移動先がバレるから……とかか?移動先に魔力の痕跡ができるからそれを辿られるとか?」
彩葉が光へ答えを促すと、光は少し考えたのちに自分の考えを彩葉へと伝える。彩葉は、光が出した答えに一瞬驚いた表情をすると、満足そうに頷いた。
「お前、本当に優秀だな。80点だ。正確には、移動先が割れることと、転移する際に世界から姿を消すことで感覚がなくなり転移後に須臾の隙を晒すことだな。相手には此方の移動先が割れているから魔法を先んじて展開されて、そのまま転移後に被弾と言う流れとなる。強者同士の戦闘は、1分もあれば戦闘が終わると言われるほどで、文字通り刹那の差で勝負が決まる世界だからな、安易に転移魔法なんぞ使おうものなら転移後に気付いたら屍になって地べたに転がっていた、なんてこともザラではない。
そして、遠く離れた場所に転移したところで、
だから、先ほども言ったが、戦闘時に転移魔法を使用する時は、防御魔法と併用することでリスクをできる限り下げてから使用することが重要だ」
「なるほど。よく分かったよ」
「ふっ、そうか。……今日はここまでにしておくか、少し私の方に用事ができた」
「?……分かった、今日はありがとうございました彩葉さん」
「あぁ、また来週にでも続きの講義をしてやろう」
彩葉の解説で、光は疑問に対する答えを理解することができた。彩葉は軽く笑ってから講義を終わらせた。湊の案内のもと光が部屋を出ていくのを尻目に思考を回す。
(それにしても、さっき白川光はセンパイとやらに教わったと言っていたな。魔法少女が戦う敵は、基本的に私たちが相手する必要のない雑魚ばかり。むしろ、転移魔法での遠隔地への離脱は効果的な筈だ。件のセンパイとやらも魔法少女統括協会の影に関わっている?いや、協会のプロパガンダに踊らされたと言う可能性の方があり得るか。……となると、協会上層部の目的は何だ?魔法少女の逃走を縛ることで得られる利益はあるのか?怪人組織との密約だったとして、我々が相手するような輩とは違い、知性のない低俗な怪人共が律儀に約束を守るとは思えない。……つまり、関わっているのは更に高位の怪人……もしくは国か。……となると、なるほどな。奴らの考えが見えてきた。……全く、元から面倒だとは思っていたが、まだまだ想定を越えてくるか。嫌になってくるな、これは。さて、どう動こうか。まずは――)
彩葉は深い思考の海に沈みながら部屋を出た。研究室に向かい、計画のブラッシュアップを行うために。
「やァやぁヤぁ、ぼくをオ呼びかイ?クライアントサマ」
「遅いッ、何をしていたんだ
日本国第一首都・東京都、都内某所にある魔法少女統括協会の本部。60もの階層からなる巨大ビルの最上階の一室に、2つの影があった。
今しがた虚空から脈絡もなく突如現れたのは、全身が黒い靄のようなモノに覆われた《
「いやー、ごめンねぇ。ぼくってバ、全世界から依頼が来チゃう人気者だカらさー。もッと早く来テ欲シいならそれ相応ノ報酬が欲しいなぁっテ」
「ふざけるなっ!既に貴様の為に億は払っているんだぞッ!それなのに、更に金を要求すると言うのかッ!?」
男は、《運び屋》の言葉に激昂し、机を思いっきり叩いて怒鳴り付ける。しかし、《運び屋》は暖簾に腕押しとばかりに、男の威圧的な態度を意に介さず飄々と答える。
「ウーん、そう言ワれてもねェ。こっチも商売でヤってルんだからサ、全ク困っちゃウよォ。そモソも、魔法少女ピュアホワイトの捕獲・輸送依頼はモう達成シた筈だヨ?こうしテ、顔を合わセに来てルダけあリがたいと思って欲しいトころダよネ」
「そのピュアホワイトが、憎き《民意の三巨頭》に奪われたんだッ!今すぐ取り返してこい、《運び屋》ッ!」
「えェ、そンなこト知りマせんよぉ」
「さっきから顔も見せず、上から……俺を何だと思ってッ!」
余りにも、男のことを舐め腐った態度に、短気な男は堪忍袋の緒が切れ魔法を放とうとする。男の身体から噴き上がるように魔力が立ち上ったその瞬間に、男の視界から《運び屋》が消える。
「恐いナァ、カルシウム足りてないんじゃないデすか?これでもミテ、落ち着イて下さいヨォ」
(この俺が動きを全く見えなかった。もしや、これが《運び屋》の転移魔法……?本当に
男の背後に立ち、首筋へ銀色のナイフを沿えていた。男は、いきなりのことに身体が硬直しながらも、首筋に沿えられたナイフを見る。薄く首の皮に食い込み、じんわりと血が滲んできたのを見て徐々に冷静さを取り戻す。
「ワー、落ち着けて偉いデスね~。よしヨ~し、誉めて上げますよォ」
「…………」
男が落ち着いたのを見届けた《運び屋》は、男のキッチリとオールバックに整えられた黒髪をまるで飼い犬を撫でるかのように乱雑に撫で回す。男の額に青筋が何本も浮かぶが、残念なことに命を握られている現状では男に抵抗する選択肢はなかった。
「マぁ、やってもイイデスよ?特別サービスで再度ピュアホワイトの捕獲を」
「……何?」
「タだ、魔法少女ピュアホワイトのお仲間、全員ぼくに下さいナ?」
先ほどまで渋っていた《運び屋》の突然な変わりように、男は眉間にシワを寄せる。疑念の籠った視線を《運び屋》へ投げるが、やはり《運び屋》に応えた様子は見られない。
「イえいエ、そろそろおクニの方が煩くてでスねぇ、イイ具合に優秀な彼女タチを提供しヨウかと」
「……ふん、仲間思いな奴らは今頃、ピュアホワイトの失踪現場で調査をしているだろう。好きにしろ。ただし――」
「えぇ、ピュアホワイトはアナタ――『魔法少女統括協会理事長』楠本 悦司サマにお譲りしますよ」
二人の間で取り引きが成立したからか、場を包んでいた緊張感が幾分か和らぐ。《運び屋》が男――悦司へ向けて口を開く。
「イヤー、ロリコン趣味……それも性転換者限定とハ……モうここまで欲望に忠実ナら寧ロ清々しイでスねぇ」
「ふん、そう言う貴様はどうなんだ」
「ぼくですか?ぼくは多少ノコレクションで満足シテますヨ。そう言うアナタは、以前ニぼくがお送リした魔法少女サン達をどうなされたのデ?」
「未だに我が家で飼い慣らしているとも。俺は物は大事に扱うタイプだからな」
悦司と《運び屋》の度し難い会話は続く。《運び屋》はノイズ混じりの笑い声を上げながら話を切り上げる為に言葉を吐く。
「アっはッはー、そレはそれハ結構デ。……ふム、そろそろ他のクライアントサマとの待ち合ワせがあるので、ぼくはココで失礼シます。商品は、コの《運び屋》の名ニ懸けて必ズ連れて来ますので、少々オ待ちを」
「あぁ、待っていよう」
《運び屋》の言葉に悦司は頷く。それを見た《運び屋》は更に言葉を続ける。それは、毎度彼のクライアントへ向けて放つ警戒を促す言葉だった。
「くれぐれも、電化製品にはお気ヲつけを。人前で襤褸ヲ出すノも厳禁デ。海藤ノ目は常に我々ニ向いていますカラ」
「分かっているとも、この部屋以外では一切話もしていない。電化製品も通信機器含めてここには用意していないさ」
「ナラ良かった」
《運び屋》の警告に同意した悦司を見て満足そうに頷いた《運び屋》は、魔力の痕跡すら残さずに、まるで最初からこの場にいなかったかのように虚空へ溶けて消えたのだった。
《運び屋》くんは本作品のラスボス予定なキャラでした。
魔法に関しての設定で分からないところとかは感想で教えてくれたら彩葉先生が答えてくれます。属性とかは、またの機会に語ろうかな、と。