ガヤガヤ
「ここがブラックマーケット...」
セリカはブラックマーケットを行きかう人だかりを見て、思ってたのと違うみたいな顔をする。
「なんだ、想像以上に賑わってるじゃないか」
「あ、見ろよあそこ!美味そうな屋台が出てるぞー!」
「後でにしろ、守」
「えー、しゃーねーの、へいへーい」
「全く...」
そして自衛隊の面々はセリカと同じ風景を見てそんなやり取りをする。ここで、今回ブラックマーケットの調査に来たメンバーを紹介しよう。まず、ホシノ、ノノミ、シロコ、セリカの対策委員会のいつもの。そして自衛隊からは、隊員四人から構成される“334隊”、別称“
「違法な市場って聞いたけど、大きいんですね...」
人混みが苦手な射智は、虎隊のメンバーに隠れながらそう言う。
「うん、小さい市場を想像していたけど、街一つぐらいの規模なんて」
「連邦生徒会だったか?それの手が及ばないエリアがこれほどとはな」
「おい、見てみろよー!あそこに美味しそうなお菓子が売ってるぞー!」
「うへ、あれ、生産中止になったお菓子じゃん、懐かしー。帰りに買っていこうかー」
守がお菓子を売っている売店を見つける、どうやらすでに生産中止になっているお菓子が売っているようで、それを見たホシノは懐かしさを感じる。
「...ホシノはここに来たことあるのか?」
「いんやー、私も初めてだねー」
「その割には慣れてるような気がするんだが」
「いやー、他の学区にはへんちくりんな場所がたくさんあるらしくてさー、たまに調べたりするんだよね」
「そうなのか」
「ちょーでっかい水族館とか知ってる?アクアリウムって言うの!今度行ってみたいなー...うへ、魚...お刺身...」
「何かアクアリウムってそういう場所じゃないような気がするが」
『皆さん、お話をするのは良いですが油断しないでください。そこは違法な武器や兵器が取引されている場所です。何が起こるかわからないですよ』
調査中だというのに雑談に花を咲かせる一同にアヤネは少し注意をする。
『何かあったらわたしが...きゃあっ!?』
その時、銃声がブラックマーケットに響き渡る。
タタタタタタタタタ!!
「銃声だ」
それを聞いてシロコはそう言う。
「だな」
「おそらくサブマシンガンの類...だと思います」
そして、虎隊の者達は聞こえた音から、何となくの方向と武器の種類を特定する。少しすると、一人の制服を着た少女と、それを追いかけるチンピラが見えてくる。
「待て!!」
「う、うわああ!まずっ、まずいですー!!つ、ついてこないでくださいー!!」
「そうはいくか!!」
制服を着た少女は必死に逃げている様子で、対策委員会と自衛隊のメンバーのもとへ走ってくる。
『あれ..あの制服は...』
制服のデザインを見たアヤネは何か思い当たる節でもあるのかそう言いかける。その間にも少女はこちらに接近をしており、ついに中岡と衝突寸前まで行く。
「わわわっ、そこどいてくださいー!!」
ボスッ!
少女が言うも虚しく、中岡に勢いそのまま突っ込む。しかし、その衝撃を受け流すように中岡は少女を受け止める。
「...えっ?えっ?えっ?」
ぶつかったと思ったらいきなり抱かれる形になった少女、相当混乱しているようだが、そんなことは気にも留めず中岡は指示を出す。
「総員、構え」
カチャ
「あ?なんだお前ら。いきなり銃構えやがっ」
「撃て」
ダダダダダダダダ!!
そして台詞を言う間をすら与えず射撃を命令する。
「ぐわあぁぁぁ!!」
ダダダダダダダダ!!
「や、やめてくれっ」
ダダダダダダダダ!!
「ゆ、ゆるしt」
ダダダダダダダダ!!
「...」
「...射撃止め」
チンピラ達が気絶するまで銃弾を叩き込んだ虎隊の皆さん。対策委員会のメンバーはその様子に若干引き気味である。
「うへ~、容赦ないねー」
「悪人は懲らしめないとですけど、喋らせる暇も与えないなんて恐ろしいです!」
「敵が可哀そうね」
「素早くて良い判断だと思う」
対策委員会のメンバーが各々に感想を述べるが、そんなことは気にせず中岡は抱えていた少女を離して、話を聞こうとする。
「さて、敵は片付いたから。安心しな嬢ちゃん」
「...」
「...嬢ちゃん?」
「ありゃ、強い刺激でも感じたのかなー?気絶しちゃってる」
「ええ?そんなことある?」
ーーーーーーーーーーー
「あ、ありがとうございます!!皆さんが居なかったら、学園に迷惑かけちゃうところでした...」
あれから三分ほどが経って、意識を戻した少女。どうやら名前はヒフミと言い、トリニティ総合学園から来たことを知る。
「それに、こっそり学園を抜け出してきたので、何か問題を起こしたら...ああ...うう...想像しただけでも...」
バレた時のことを考えて頭を抱えるヒフミ。そこで、中岡は気になっていたことを質問する。
「えっと、ヒフミちゃんだっけ?それにしても、トリニティのお嬢ちゃんが何でこんな危ない場所に?」
その言葉に、後ろにいる対策委員会と自衛隊のメンツも首を縦に振って、自分もそれが気になっていたと同意を示す。
「あ、あはは...それはですね...実は、探し物がありまして...」
「探し物?」
「はい。もう販売されていないので買うこともできない物なのですが、ブラックマーケットでは密かに取引されているらしくて...」
そうするとシロコは鋭い目をしてヒフミにこう言った。
「もしかして...戦車?」
それに続いてホシノとノノミも言う。
「もしくは違法な火器?」
「科学武器とかですか?」
流れに乗らないとと思ったのか、ナチュラルに言ったのかは分からないが、守、攻也、射智の三人も続ける。
「いや、美味しいお菓子とか?」
「戦隊モノの限定グッズとか?」
「スナイパーのアタッチメント...?」
だが、それら全ての予想は外れていたようで、ヒフミは否定をする。
「えっ!?い、いいえ...全部違いま...いえ、限定グッズはそうですね...えっと、探し物と言うのは、ぺロロ様の限定グッズなんです」
「「「「限定グッズ?」」」」
そう言ってヒフミはバッグからアイスがぶっ刺さった?いや、アイスが付いた?...まあいいや、とりあえずアイスがぶっ刺さった鳥のような何かのぬいぐるみを取り出す。
「はい!これです。ぺロロ様とアイス屋さんがコラボした、限定のぬいぐるみ!限定生産で100体しか作られていないグッズなんですよ。ね?可愛いでしょう?」
取り出した鳥のような何か...ぺロロ様と言うらしい、そのぬいぐるみを見せて「可愛いでしょう?」と問うヒフミ。少なくとも可愛いようには...いや、よく見たら可愛い...可愛いのか?ダメだ、ナレーターである俺まで分からなくなってきた。ま、まあとにかく、そう一同に言ってくるヒフミ。
「...」
「...」
話題がわからなくて困惑するシロコや中岡だが、一人だけ話についていける人がいた。
「わあ☆モモフレンズですね!私も大好きです!ぺロロちゃん可愛いですよねえ!私はミスター・ニコライが好きなんです」
それはノノミであった。
「分かります!ニコライさんも哲学的なところがカッコ良くて。最近出たニコライさんの本“善悪の彼方”も買いましたよ!それも初版で!」
ノノミがモモフレンズを知っていることを知ったヒフミは、熱くモモフレンズについて語る。
「...いやぁー何の話だか、おじさんにはさっぱりだなー」
「うん、俺もだ」
「攻也はついていけないのか?」
「俺は戦隊モノしか分からん。そっちのファンシー系はさっぱりだ。先生はどうなんだ?」
「私もロボット系の奴しかわかりません」
「ふむ、最近の若い奴らにはついていけん」
「何言ってるのホシノ先輩...年の差、ほぼないじゃん...」
「というわけで、グッズを買いに来たのですが、先ほどの人達に絡まれて...皆さんが居なかったら今頃どうなっていたことやら」
バッグにぬいぐるみを戻しながらヒフミはそう言う。
「...ところで、アビドスのみなさんは、なぜこちらへ?」
「私たちも似たようなもんだよ。探し物があるんだー」
「そうだな。今では生産が中止になってる物なんだが、ここにあるって話を聞いて」
「そうなんですか、似たような感じなんですね」
「ま、どこで売ってるか見当もついてないんだけどな」
「ははは、そうなんですね」
ヒフミはここにいる理由を聞いて、自分と大体同じということを知って何だか親近感が湧く。...と、そのタイミングで、アヤネから通信が入る。
『皆さん、大変です!四方から武装した人たちが向かってきています!』
「何っ!?」
「おいおい、マジかよ」
ーーーーーーーーー
「あいつらだ!!」
「よくも仲間をやってくれたな!痛い目にあわせてやるぜ!」
ーーーーーーーーー
『先ほど虎隊の皆さんが撃退したチンピラの仲間のようです!完全に敵対モードです!』
「はあ、またあいつら来るの?」
「やっぱり、さっきの時に拘束しといたほうが良かったんじゃなーい?」
「ま、返り討ちにするだけだろ?リーダー?」
「こ、後方支援頑張ります!」
「私たちも、今回は参加するよ」
「まったく、何でこんなのばっかり絡んでくるんだろうね?私たち、何か悪いことした?」
「ま、お前ら愚痴は後にして...応戦するぞ!」
「「「「了解!!」」」」
全員が威勢よく返事をする。
「...え?これ私もですか?」
「後方支援で良いからよろしくね」
「...はい」
☆部隊解説のコーナー☆
334隊:別称“虎隊”。四人で構成されており、主な任務は、試作武器・兵器を使用してテロリスト・立てこもり犯などを鎮圧すること。その特性上、奇想天外な発想や、試作武器・兵器の正しい使用法などを覚えたりする知力・器用さが必要なため、優秀だけど変な人が集まっている。同系列の部隊で、32隊、643隊が存在し、それぞれ“