第一実験旅団inキヴォトス   作:シベリアのハスキー

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づがれだ...次回は戦闘シーンだよ...チーン(作者死亡)








出動!覆面水着団&虎隊(その1)

「もう数時間は歩きましたよね...」

「こんなに歩いたのは久しぶりだな」

「はあ...しんど...よくそんな平然としてられるわね」

「訓練はしてるからな」

 

中岡は、歩き疲れているセリカに本職の力を見せつけ、ついでに「それに大人だし」と付け加える。...その隣に「はあ...はあ...」と息切れを起こしながらついてきている大人(先生)がいるのだが。

 

「...大人なのにしんどそうな人が一人いるんだけど?」

「それは訓練をしてないからだ」

 

満身創痍の先生は二人の会話を気にする余裕もなく、(普段から少しくらい運動をしておけば良かった)と後悔をしていた。

 

「うへ、さすがにおじさんも参ったなー。腰も膝も悲鳴を上げてるよー」

「えっ...ホシノさんはおいくつなのですか?」

「ヒフミと同年代だろ、俺らの方がよっぽどおじさんだ」

「そ、そうですよね...ちなみに虎隊の皆さんはおいくつで?」

「守が25、攻也も25、射智が21、俺が32だ」

「わあ、本当に大人の方達なんですね...」

 

会話の流れでさらっと年齢を明かされる虎隊のメンバーたち、まあ若いから別にダメージなどはないが。

そんな会話をしていると、ノノミがたい焼きの屋台を見つける。

 

「あら!あんなところにたい焼き屋さんが!」

「あれ、ホントだー。こんなところに屋台があるなんてね」

「あそこでちょっと一休みしましょうか?たい焼き、私がご馳走します!」

 

皆を元気づけるように笑顔で言うノノミ。

 

「えー?本当にー?ありがとー!」

「えっ!?ノノミ先輩、またカード使うの!?」

「先生の「大人のカード」もあるよ~」

「良いのかノノミ?別に俺が払ってもいいんだが...」

 

それに対して、お金の心配をする一同(心配してない人も一部)。

 

「ううん、私が食べたいからいいんですよ☆みんなで食べましょう、ねっ?」

 

だがそう返されては無理に断るのも良くないので、一同は甘えることにした。

 

「じゃあ、たい焼き買って来ますから☆ここで待っててくださいね!」

 

ーーーーーーーーーーー

「たい焼き10個、1600円です!」

「はい!どうぞー!」

 

たい焼き10個をの金額を支払うノノミ。

 

「まいどー!」

「ありがとうございます!」

 

出来立てのたい焼きが入った袋二つを、ノノミが両手に持って皆のところに戻ろうとした時、中岡がやってくる。

 

「どうしたんですか?中岡さん。待っていてくれれば良かったのに...」

「いや、袋が熱くて持てなかったらと思って」

「大丈夫ですよ☆二袋とも、ちゃんと持てます!」

「...一応、片方持つよ。落としたら大変だしな」

「...そうですか。なら、片方頼みます!」

 

そうして、中岡に片方の袋を渡す。袋を持つと、袋の隙間から上がる蒸気が鼻に到達し、たい焼きの良い匂いが嗅覚を刺激する。

 

「美味しそうだな」

「ですよね☆買ってよかったです!」

「...何個買ったんだ?」

「10個買いました!」

「10個...ね、分かった」

「?」

「いや、何でもない。早く戻ろう、たい焼きが冷めちまう」

 

ーーーーーーーーーーー

もぐもぐ

 

「おいしい!」

「ホントだー!こりゃ美味いね!」

「いやぁ、ちょうど甘い物が欲しかったところだったんだー」

 

たい焼きを食して味を絶賛するセリカと守。ホシノは糖分補給が出来て嬉しそうだ。

 

ガサッ

 

「あはは...いただきます」

 

ヒフミは遠慮がちに頂く。

 

ぱくっ

 

「ほら...先生も」

 

そして、シロコは先生にたい焼きを手渡す。

 

「ありがとうシロコ。いただきます」

 

受け取った先生もたい焼きを食べて、思わず笑みをこぼしてしまう。

 

「うん、本当においしいね」

「アヤネちゃんには、戻ったらちゃんとご馳走しますね。私達だけでごめんなさい...」

『あはは。大丈夫ですよ、ノノミ先輩。私はここでお菓子とかつまんでますし...』

 

申し訳なさそうにノノミがアヤネに言う。アヤネは、ノノミの事を気遣って自分は大丈夫と伝える。そのタイミングで、中岡が一袋たい焼きを抱えて場に現れる。

 

「あー、それなら大丈夫大丈夫。ここにアヤネの分もあるから」

「えっ?中岡さん、いいんですか?」

『べ、別に良かったのですが...ありがとうございます』

「いいのいいの」

「じゃ、しばしブレイクタイムだねー」

...あと、これ。はい、ノノミ

...このお金は?

たい焼き代

...あのー、流石にここまでしてもらっては...いえ、中岡さんがいいのなら、貰いましょうか。ありがとうございます!」

「ま、自衛隊は校舎を借りてる恩があるからな。これくらい当然だ。なら、俺もたい焼きをいただくとするか」

 

ぱくっ もぐもぐ

 

「...んー、美味い!」

 

そうしてブレイクタイムがしばらく続く...

 

ーーーーーーーーーー

~しばらくした後~

 

ブレイクタイムが終わり、一同は真面目ムードで探し物探しを再開する。

 

「ここまで情報がないなんてありえません...妙ですね。お探しの戦車の情報...絶対にどこかにあるはずなのに、探しても探しても出てきませんね...販売ルート、保管記録...すべて何者かが意図的に隠しているような、そんな気がします」

「それは大掛かりな話だな」

「でも、いくらここを牛耳っている企業でも、ここまで徹底してブラックマーケットを統制することは不可能なはず...」

「そんなに異常な事なの?」

「以上というよりかは...普通ここまでやりますか?という感じですね...」

「そういうのってー、隠すのが普通じゃないのか?」

「いえ、ここに集まっている企業と言うのは、ある意味開き直って悪さをしていますから、逆に変に隠したりしないんですよ。例えば、あそこのビル」

「ん?あのクソデカいビルか?」

 

攻也はヒフミの視線の先に見えるビルを指さす。

 

「はい、あれはブラックマーケットに名を馳せる闇銀行です」

「あれが?」

「闇銀行?」

「ブラックマーケットで最も大きな銀行の一つです。キヴォトス内の盗品の実に20%があそこで取引されていると聞きました。横領、強盗、誘拐などなど、様々な犯罪によって獲得した財貨が、違法な武器や兵器に変えられてまた他犯罪に使われる...」

「それって悪循環...ですよね」

「...そんなの、銀行が犯罪を煽っているようなものじゃないですか」

「その通りです。まさに銀行も犯罪組織なのです...」

「全く、連邦生徒会とやらは何やってんだか」

 

連邦生徒会の機能のしなさに、中岡は呆れるように言った。

 

「理由はいろいろあるんだろうけどねー、どこもそれなりの事情があるだろうからさ」

「現実は、思った以上に汚れているんだね」

「今までアビドスの話しか聞いてこなかったけどー、この世界にもこういうことってあるもんなんだなー」

 

守は前に居た世界で経験してきた、いろんなクソみたいな事件を思い出し、(どこの世界も汚い所は同じだな)と思う。

 

『お取込み中失礼します!そちらに武装した集団が接近中!』

 

と、そんな話をしていたところに、アヤネが敵性勢力と思わしきものの接近を告げる。

 

「「「「!!」」」」

『気づかれた様子はありませんが...まずは身を潜めた方が良いかと...』

「ヒフミ」

「は、はいっ!?」

「これを」

「は、はい...?」

 

中岡はとりあえずヒフミに双眼鏡を渡す。ヒフミも理解をしたのか、それを受け取って武装集団の方を見る。

 

「う、うわあっ!?あれは、マーケットガードです!」

「マーケットガード?」

「先ほどお話した、ここの治安機関の中でも最上位の組織です!急ぎましょう!」

「あーあ、フラグ回収しちゃったな」

「数時間か?まあまあ耐えた方だろー」

 

とりあえず武装集団から隠れる対策委員会と虎隊。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

「...パトロール?」

「いや、なにかを護衛中みたいだぞ」

 

ブロロロロ...

 

「トラックを護送してる...現金輸送車だね」

「シロコ先輩?襲っちゃダメだよ?」

「うん、大丈夫」

「あれ...あっちは...」

 

ブロロロロ...

 

「闇銀行に入りましたね?」

 

ーーーーーーーーーー

キキッー ガチャ

 

現金輸送車から銀行員らしき人物が出てくる。

 

「今月の集金です」

「ご苦労様、早かったな。では、こちらの集金確認書類にサインを」

 

闇銀行の行員が書類を差し出すと、銀行員は手際よくサインをする。

 

「いいでしょう」

「では、失礼します」

 

ーーーーーーーーーー

「見てください...あの人...」

「あれ...?な、何で!?あいつは毎月うちに来て利息を受け取っているあの銀行員...?」

「あれ、ホントだ」

「えっ!?ええっ...?」

「そうなのか?」

『ほ、本当ですね!車もカイザーローンのものです!』

「俺たち知らなーい」

「峯井二等陸佐なら知ってるんじゃないですか...?」

「生憎いないんだよなあ...」

 

対策委員会の皆は、銀行員や車を見て驚いているが、虎隊とヒフミは何のことか分かっていない様子。

 

「アヤネ?カイザーローンってなんだ」

『私たちが借金をしている企業です。そして、あの車は午前中に利息を支払った時の車と同じようですが...なぜそれがブラックマーケットに?』

「ちょ、ちょっと待ってください!今、カイザーローンって言いましたか!?」

 

“カイザーローン”、その名を聞いてヒフミの顔色が少し悪くなる。

 

「ヒフミちゃん、知ってるの?」

「カイザーローンと言えば...かの有名なカイザーコンポレーションが運営する高利金融業者です...」

「有名なところなのか」

「もしかして、マズいところなの?」

「あ、いえ...カイザーグループ自体は犯罪を起こしてはいません...しかし合法と違法の間のグレーゾーンで上手く振舞っている多角化企業で...カイザーは私たちトリニティの区域にもかなり進出しているのですが、生徒たちへの悪影響を考慮し、“ティーパーティー”でも目を光らせています」

「ティーパーティー?」

「“ティーパーティー”、トリニティの生徒会だよ...それが、ね」

「ところでみなさんの借金はもしかして...カイザーローンから融資を...?」

「借りたのは私達じゃないんですけどね...」

「話すと長くなるんだよねー、だからその話はまた今度に...。アヤネちゃん、さっき入っていった現金輸送車の走行ルート、調べられる?」

『少々お待ちください』

 

アヤネが現金輸送車の情報を軽く調べてみる。

 

『...ダメですね。全てのデータをオフラインで管理しているようです。全然ヒットしません』

「だろうねー」

「自衛隊の方にも聞いてみたらどうだ?アヤネ」

『そうですね、ちょっと聞いてみます』

 

中岡の進言通りに、アヤネは現在基地にいる峯井の元へ電話をかける。

 

ーーーーーーーーー

『え?現金輸送車の走行ルート?』

「そうです、調べることって出来ませんか?」

『うーん...とりあえず2分待ってくれ』

「はい、ありがとうございます」

 

ツーツーツー

 

一旦電話を切るアヤネ。

 

プルルルルルル

 

そして、言ったっとおり2分が経過したぐらいで峯井から電話がかかってくる。

 

ピッ

 

「もしもし、何かわかりましたか?」

『あー、こっちの情報部*1ってところに調べてもらったんだが、該当する情報は一切なかったと言ってた、力になれなくてすまんな』

「いえ!別に大丈夫ですよ!それよりも協力してくれてありがとうございます!」

『ははは、本当にすまんな。仕事が終わったら俺はすぐにアビドスに戻るから、それじゃ』

 

ツーツーツー

 

ーーーーーーーーー

『ダメでした...自衛隊の方でも分からないと...』

「そうか...」

「まあー、データをオフラインで管理してるってんなら無理だろうなー」

「...そういえば、いつも返済は現金だけでしたよね。それはつまり...」

「私たちが支払った現金が、ブラックマーケットの闇銀行に流れていた...?」

「じゃあ何?私たちはブラックマーケットに、犯罪資金を提供してたってこと!?」

「...残念ながら...そうなるのではないでしょうか...?」

「...」

「...」

 

自分たちが必死こいて払っていた利息が、まさかの用途で使われているかもしれないことに対策委員会の皆は黙り込んでしまう。

 

『ま、まだそうハッキリとは...証拠も足りませんし。あの輸送車の動線を把握するまでは...』

「ちくしょー、証拠さえあれば今すぐにでも暴れてやるのに...」

 

輸送車の動線を把握するまでは動けない事に、困り果てる対策委員会と虎隊。そこでヒフミがある提案をする。

 

「...あ!さっきサインしてた集金確認の書類...。それを見れば証拠になりませんか?」

「...確かにそうだな」

「さすが」

「はは!ナイスアイデア―!」「おお、ナイスアイデアだねー、ヒフミちゃん」

 

ヒフミのアイデアに全員が賛成の意見になる。

 

「あはは...でも考えてみたら、書類はもう銀行の中ですし...無理ですね。ブラックマーケットでも最も強固なセキュリティを誇る銀行の中となると...。それにあれだけの数のマーケットガードが目を光らせてますし...。それ以外に輸送車の集金ルートを確認する方法は...」

 

ヒフミがそう悩んでいた時、守がまず口を開いた。

 

「そんな難しく考えずにさー、銀行襲えばよくねー?」

「えっ?」

 

守の無茶苦茶な発言にヒフミは困惑した顔になる。

 

「うん、他に方法はないよ」

「し、シロコさんまで、一体何を言って...」

「うへ、現金輸送車じゃなくて銀行を襲うことになるとはねー」

「そうですね、その方法なら!」

「...まあいいわ、どうせ私一人じゃもう止められないだろうし」

「え、えっ?皆さんまさか本当に...」

 

そこでシロコがカバンからいろんな色の覆面を取り出す。

 

スッ

 

「大丈夫、顔ならバレる心配はない」

「おお、準備万端だねー」

「シロコ先輩そんなものまで用意して...本当にやる気だったのね。まあ、私もここまで来たらとことんやるしかないわ!」

「はいっ!?本当に襲う気ですか!?」

「はい!準備は万端ですよ!」

 

対策委員会の皆はそれぞれ覆面を被り、さながら銀行強盗のような姿に様変わりする。

 

「俺たちは専用のマスクとかがあるからいいが...ヒフミはどうするか」

「ええっ!?これ私もですか!?」

「うん、強制」

「えええっ!?!?」

 

自分も強制参加であると告げられてそう言うしかないヒフミ。

 

「ごめん、ヒフミ。あなたの分の覆面は準備が無い」

「うへー、ってことは、バレたら全部トリニティのせいだっていうしかないねー」

「そ、そんな...覆面...なんで...えっと、だから...あ、あう...」

「それは可哀そうすぎます」

「まあ、なんだ。とりあえずたい焼きの袋でも被っときな」

「おお!それなら大丈夫そう―!」

「あの、ちょ、ちょっと待ってくださ」

 

ガサッ

 

「...あううっ」

 

紙袋を被ったヒフミが情けない声をあげる。

 

「ん、完璧」

「番号も振っておきましょうか。額のところにこうして...」

 

かきかき

 

「はいっ!ヒフミちゃんは5番です☆」

「ははっ!見た目はラスボス級だな!リーダーって感じだ!」

「ほ、本当に、わ、私もご一緒するんですか?闇銀行の襲撃に...?」

「さっき約束したじゃーん?ヒフミちゃん、今日は私たちと一緒に行動するって」

「う、うああ...わ、私、もう生徒会の人達に合わせる顔がありません...」

「問題ないよ!私らは悪くないし!悪いのはあっち!だから襲うの!」

「大丈夫大丈夫、自衛隊の方で情報操作も必要だったらしておくから」

 

皆でヒフミを説得して、何とか同行させることに成功?する。

 

「それじゃあ先生、例のセリフを」

「リーダーも頼むぜ!」

 

そうして出動の準備が整ったところで、シロコと守が先生と中岡にそう言う。

 

「わかった」

「...はいはい」

 

 

 

 

 

「...銀行を襲って!」

「書類をぶんどるぞ!」

 

 

 

 

 

「はいっ!出発です☆」

「よっしゃー!ぶっ潰してやるぞー!」

「守、なんか目的が違うような気が...」

「あ、あうう...」

『ふう...では、名前は何にしましょうか』

「覆面団とか、どうかな?」

「水着団はどうでしょう?」

『...では、間を取って覆面水着団...』

 

 

 

 

 

『出撃しましょうか!』

 

 

 

 

 

*1
通信情報解析部:6名で構成されたハッカー集団が、勝手にそう名乗ってるだけ。隊員は全員第一試験通信隊の所属。

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