~銀行内~
そこには、便利屋68のメンバーたちが融資を受けにやってきていた。
「お待たせいたしました、お客様」
「なにが「お待たせいたしました」よ!本当に待ったわよ!6時間も!ここで!!融資の審査に何で半日もかかるわけ!別にうちより先にーーーー!!」
出てきた銀行審査官に対して怒るアル。そりゃ6時間も待たされたらそうなるのも仕方ない。他のメンバーたちは疲れ果てたのか眠ってしまっているし...さあ一方その頃、覆面水着団と虎隊の皆さんはと言うと...
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『銀行の電力を落とす用意は出来ました』
「ありがとうアヤネ。それじゃあ、作戦を確認するぞ。銀行の電源を落として、突入して、制圧して、書類をぶんどって、逃げる、わかったか?」
大雑把すぎる作戦を皆に確認する中岡、作戦とは?
「ん、了解」
「作戦ってほどじゃない気もするけど...」
「虎隊はー、あんまり作戦立ててー、とかはしないからしょうがないねー」
「それは...どうなの?」
「上手くいってるしいいんじゃなーい」
「お前ら、そろそろ私語は控えろよ」
「はーい」「わかったわ」
「...先生、覆面水着団の指揮は頼んだぞ」
「頼まれたよ」
「よし」
そして突入数秒前、銀行の電源をアヤネが落とす。
『電源!落としました!』
「全員!突撃開始!」
ドガシャーン!!
入り口のドアを蹴破り、銀行へとダイナミックに入店する。それと同時に、ホシノやシロコ、暗視ゴーグルをつけている虎隊などが暗闇の中マーケットガードを片付ける。
ダダダダダダダダダダ!
「うわっ!うわあああ!」
「きゅ、急になん、ぐはっ!」
「ぎゃあああ!」
銃声とマーケットガードの悲鳴が銀行内に響き渡る。が、それらは長く続くことはなく、程なくして明かりが戻る。
「全員その場に伏せなさい!持っている武器は捨てて!」
「言うこと聞かねえとー、頭に弾丸ぶち込むぞー?」
「あ、あはは...ケガしちゃいけないので...伏せてくださいね...」
シロコがまるで何回もやっているかのような動きで、その場にいる全員に伏せるように指示をする。
「ぎ、銀行強盗!?」
アルは突然のことに驚くが、シロコと守の気迫に押されて指示通りに体が動いてしまう。
「非常事態発生!非常事態発生!」
「うへ~無駄無駄―」
「外部への警報システムは電源ごと落としたからな、だから無駄な抵抗はするんじゃない」
「ひ、ひいっ!」
中岡に銃口を突き付けられて、銀行審査官は情けない声を出す。
「ほら、そこ!伏せな!こっちも無駄に犠牲者は出したくないんだ」
「皆さん、お願いだからじっとしててください...あうう...」
セリカや攻也、射智、ヒフミなどは銀行内にいる一般客(便利屋68)も含めた全員に指示に従うようにさせる。
「よし、ここまでは計画通りだ。次の段階に入るぞ」
「リーダーのファウストさん!指示を願う!」
「え!?えっ!?ファウストって、わ、私ですか?わ、私がリーダーですか?私が!?」
ヒフミは慌てふためく。
「あれ?事前に言ってなかったか?ヒフ...ファウストさんよ。あんたが覆面水着団と俺たちを率いるんだぜ?」
「い、いや!!先生に任せるとか言ってませんでした!?それに虎隊の皆さんの指揮は中岡さんじゃないんですか!?」
「おかしいなー、先生に任せるなんて言ってなかったし、俺は指揮権をヒフ...ファウストにちゃんと委任したぞ」
「じ、事実が捻じ曲げられてます!!」
「そうだよな!先生?(圧)」
「...そ、そうだねー...あはは」
中岡の圧に押されてそう言う先生。心の中で(ごめん、ヒフミ)と謝罪をするのだった。
「とりあえずそういうことだから、指揮宜しくな!ヒフ...ファウストさん!!」
「さっきからヒフミって言いかけてるのはなんなんですか!?」
「そんなことは今気にすることじゃない!それよりも先に指示を頼む!」
「そうですよ!ファウストさん!何をすればいいですか!」
「うへ、ファウストさんの指示にはなんでも従うよー」
「あ、あうう...リーダーになっちゃいました...これじゃあ、ティーパーティーの名に泥を塗る羽目に...」
そうヒフミが自身の置かれている立場に絶望していた時、便利屋68のメンバーたちはひそひそと話をしていた。
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「ねえ...あいつら...」
「あ...アビドス...」
「だよね、アビドスの子たちじゃん。知らない顔も数人いるけど...もしかして、男の人達の方は自衛隊かな?」
「自衛隊の人?...たしかに、あの感じは自衛隊っぽいね」
「...でも、ここで何やってんだろ?アビドスの子達は覆面なんか被っちゃって」
「ね、狙いは私達でしょうか!?それなら返り討ちにしましょうか!?」
「いや、ターゲットは私達じゃないみたい...あの子たち、どういうつもり?まさか、ここを...?」
「もー、アルちゃんは何してるのさ」
ムツキがアルの方を向いて様子を伺う。
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「監視カメラの死角、警備員の動線、銀行内の構造、すべて頭に入ってる。無駄な抵抗はしないこと」
「シロコ...前々から計画してたのか?いくら何でも詳しすぎだろ」
「ん、一種の趣味みたいなものだから」
「趣味って...ま、いいか。とりあえずそこのお前」
「は、はいぃ!!」
シロコの趣味?に圧倒されながらも、中岡は目的を果たすために銀行審査官にバッグを渡す。
「このバッグに少し前に到着した現金輸送車の...」
「わっ、わかりました!何でも差し上げます!現金でも、債券でも、金塊でも、いくらでも持ってってください!!」
銀行審査官は、中岡が言い終わる前に現金やら債券やらなんやらを手あたり次第バッグに詰め始める。
「...そうじゃなくてだな、現金の集金記録の紙を...」
「どっ、どうぞ!!これでもかと詰めました!だ、だからどうか命だけは!!」
「...どうしたものか」
「う、うーん...とりあえず、持っていけばいいと思う...」
「そうするか...」
手際よく銀行審査官から集金記録と現金など(集金記録以外は不本意)をぶんどった中岡とシロコ、それを一人目を輝かせてみている人物がいた。
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「...」
そう、陸八魔アルであった。
(や、ヤバーい!!この人たち何なの!?ブラックマーケットの銀行を襲うなんて!どう逃げるつもりかしら?いや、それ以前に、こんな大胆な計画を立てちゃうアウトローが、未だに存在するなんて!!)
感動のあまり涙が出てきそうなアル。
(めちゃくちゃ手際良いし、超プロフェッショナル。まるでこのためだけに生まれてきたみたい。ものの5分でやってのけたわ!かっ、カッコいい...!!シビれるっ!!これぞまさに真のアウトロー!!うわあ...!!)
そんなアルを心配そうな目で見る便利屋の面々。
「全然気付いてないみたいだけど...」
「むしろ目なんか輝かせちゃって」
「わ、私たちはここで待機でしょうか?」
「...うん、とりあえず隠れていよう」
「は、はい...」
アルのことは一旦置いて、隠れられそうな場所に身を隠すのだった。
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「あの、シロ...い、いや、ブルー先輩!ブツは手に入った?」
「あ、う、うん。確保した」
「なんか余計なものまで沢山もらっちゃったがな...」
バッグの中身にある大量の現金その他etcを見て中岡はそう言う。
「それじゃ逃げるよー!全員撤収!」
「お前ら分かったか!」
「「「了解!!」」」
「アディオ~ス☆」
「け、ケガ人はいないようですし...すみませんでした、さよならっ!!」
そうして荒らすだけ荒らしてって一同は銀行から素早く撤収する。
「や、やつらを捕らえろ!!道路を封鎖!マーケットガードに通報だ!」
とたんに生きが良くなった銀行審査官が叫ぶ。
「一人も逃すな!!」