第一実験旅団inキヴォトス   作:シベリアのハスキー

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本文中の『』については通信機or電話の向こうからの音だと思って貰えれば大丈夫です。
とくに前置きで書くこともないですし、それでは本編へどうぞ。







セリカ救出作戦

 

 

 

 

 

 

 

ピンポーン

 

 

 

 

 

 

 

夜、セリカの部屋のインターホンをアヤネが鳴らす。

 

「セリカちゃん?セリカちゃん、いる?」

 

ピンポンピンポーン

 

「セリカちゃーん?どうしたんだろう、電話にも出ないし...」

 

いくらインターホンを鳴らしても出てこないセリカに、アヤネは部屋のスペアキーを使い、部屋に入ってみる。

 

ガチャ

 

だが、部屋の中は電気もついておらず、セリカの姿はない。

 

「セリカちゃん...?まだ帰ってないのかな?...こんなこと、一度もなかったのに...ま、まさか...!!」

 

ーーーーーーーーー

~アビドス対策委員会部室~

 

「電話はしてみました?」

「はい。でも数時間前から、電源が入ってないみたいで...」

「バイト先では定時に店を出たみたい。その後、家に帰ってないってことかな」

「こんな遅くまで帰らないなんてこと、これまでなかったですよね...?」

「まさか...ヘルメット団の連中?」

「えっ!?ヘルメット団がセリカちゃんを...!?」

 

部室内では、セリカの行方についての話が行われいる。そこへ、一人の男が扉を開ける。

 

「えーと、話をしているところ悪いが、そのヘルメット団ってやつの情報が入ってきた」

「み、峯井さん?い、いつから...!?」

「「電話はしてみました?」のところから?。まあいいや、とりあえず情報だけ伝える」

「ありがとう、助かる」

「うちの部隊が偵察任務でヘリコプターから上空写真を撮っていたんだが、任務中にFlak41を含む多数の車両で構成されたヘルメット団と思わしき軍団を発見したとの報告が入った。セリカと関係がある話かは分からないが、とりあえずそういう情報だ」

「なるほど...場所は分かりますか?」

 

アヤネが軍団の場所を尋ねると、峯井は片手に持っていた地図を机に広げ、一点を指さす。

 

「現在の場所はここだ」

「ここは...砂漠化が進んでいる市街地の端の方ですね?」

「住民もいないし、廃墟になったエリア...治安が維持できなくて、チンピラばかりが集まっている場所だね」

「ここ...以前危険度要素の分析をした際にカタカタヘルメット団の主力が集まっていると確認できた場所です」

 

ガチャ

 

そのタイミングで、ホシノと先生が部室に入ってくる。

 

「みんな、お待たせ―。って、峯井くんもいるじゃん」

「ホシノ先輩!先生!」

「ただいま」

「どうだった、先輩?」

「先生が持っている権限を使って、連邦生徒会が管理するセントラルネットワークにアクセスできた」

「セントラルネットワークに...先生、そんな権限までお持ちなのですね...」

(へえ、連邦生徒会ってこの世界の国連みたいなもんじゃないのか?シャーレ...というか先生ってやっぱエグイ権限持ってるんだな...)

 

改めてシャーレもとい先生の権限のヤバさを再確認する峯井。

 

「うへ~もちろんこっそりだけどね。バレたら始末書だよー?」

「ええ...?大丈夫なのか先生?」

 

だが始末書案件だということを知った峯井は先生を心配する。

 

「バレなきゃオッケーだよ」

「...覚悟は決まってるってわけか」

「先生...」

「それで、連絡が途絶える直前のセリカちゃんの端末の場所、ここだったよー」

「ここは...さっき峯井さんが言ってた場所じゃないですか?」

「確かに、さっき地図で指した場所とあってる」

「ということは...やはりカタカタヘルメット団の仕業...!!」

「なるほどねー、帰宅途中のセリカちゃんを拉致して、自分たちのアジトに連れて行ったってことかー」

「学校を襲うくらいじゃ物足りなくて、人質を取って脅迫しようってことかな」

「ったく、汚い手段を取るじゃねえか」

「考えていても仕方ありません!急いでセリカちゃんを助けに行きましょう!」

「うん、もちろん。峯井...いや自衛隊はどうするの?」

「今回の件、自衛隊としても見過ごしてはおけない。協力させてもらう」

「よっしゃー、そんじゃ行ってみよー!」

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

ガタンガタン

 

 

 

 

 

 

 

「う、うーん...へ?」

 

意識を取り戻したセリカが、暗闇の中で起き上がる。

 

「こ、ここは!?私、さらわれた!?...あ、う...頭が...」

 

頭が痛く、手を頭に当てるセリカ。

 

「ここ...トラックの荷台...?ヘルメット団め...私をどこに連れていくつもりなの...?...暗い...けど、隙間から少し光が漏れてる。...外...見えるかな」

 

隙間からわずかに漏れる光を見つけ、そこから外の様子を伺う。

 

「...砂漠...線路!?線路がある場所って...ま、まさかここ、アビドス郊外の砂漠!?...そ、そんな。ここからじゃ、どこにも連絡が取れない!もし脱出できたとしても、対策委員会のみんなにどうやって知らせれば...」

 

自分の現在位置を知って、絶望するセリカ。

 

「どうしよう、みんな心配しているだろうな...」

 

頭の中には、対策委員会のみんなが自分の事を心配してくれている光景が浮かぶ。

 

「...このままどこかに埋められちゃうのかな。誰にも気づかれないように...。連絡も途絶えて...私も他の子たちみたいに、街を去ったって思われるんだろうな...。裏切ったって思われるかな...」

 

そんな中、ヘリコプターの音が遠くから聞こえてくる。でも、今のセリカの耳には入ってこなかった。

 

「誤解されたまま、みんなに会えないまま死ぬなんて...。そんなの...ヤダよ...う...うぐぅ...う、ううっ...!」

 

ドガーーーーン!!!

 

「う、うわあああっ!?」

 

その時、爆発がセリカの乗るトラックを襲う。

 

「カハッ、ケホッ...ケホッ...。な、何っ?爆発!?トラックが爆発した!?...砲弾にでも当たったのかな...一体どこから?」

 

ブロロロロロ!!

 

「ヘ、ヘリコプター...?も、もしかして...!!」

 

ーーーーーーーー

~ヘリコプター機内~

 

『こちら三番機、セリカちゃんの生存を確認!...あらら、泣いちゃってるぞ』

「分かった。三番機は護衛として輸送ヘリにそのままついてきてくれ...よし。パイロット、対策委員会の皆をその場所に降ろしてくれ」

「了解しました!」

 

ーーーーーーーー

「あ、ヘリコプターが降りてくる...」

 

爆発の後から色々と頭が混乱しているセリカの元へ、最初見たのとは違うもう一機のヘリが着陸してくる。そして、ヘリコプターの後ろの方が開いたかと思うと、中から対策委員会のみんなが降りてくる。

 

「セリカちゃん!」

「!?」

「うちの可愛いセリカちゃんが泣いていたって聞いたから!助けに来たよー!」

「う、うわああ!?う、うるさいっ!!な、泣いてなんか!!」

「嘘!自衛隊の見つけた人が言ってたし、この目でもしっかり見た!」

「泣かないでください、セリカちゃん!私たちが、その涙を拭いて差し上げますから!」

「あーもう、うるさいってば!!違うったら違うのっ!!黙れーっ!!」

「安心した、元気そうだね」

「ああ、いつも通りじゃねえか」

「な、何で先生に峯井まで!?どうやってここまで来たの!?」

「ダテにストーカーじゃないよ」

「...先生、あんた何やってんだよ」

「ふ、ふざけないでよ!この変態教師!!」

「うへ、元気そうじゃーん?じゃ、無事確保完了ー」

「とりあえずヘリに乗りな、気になる話はあるだろうがそれは後だ」

「自衛隊の人達の協力で、周辺のヘルメット団は片づけてもらってる。でも、ここはあくまで敵の本拠地。だから早く離脱した方が良い」

「う、ううっ...!!ま、まあそうね...」

「よし、じゃあ早く乗りな」

 

こうしてセリカを無事奪還した対策委員会のみんなと峯井は、輸送ヘリに乗り込む。輸送ヘリは後部のハッチを閉めながら離陸し、颯爽と戦場を後にした。一方そのころ、セリカがいた場所以外では...

 

ーーーーーーーー

ドガーーーーン!!!

 

「うわあぁ!!」

「な、何なんだよこれ!!敵にヘリコプターがいるなんて聞いてない!!」

 

第一試験飛行隊の攻撃ヘリによってカタカタヘルメット団の掃討作戦が行われていた。

 

「Flak41改を持ってこい!!さっさとあいつを撃ち落とせ!!」

「今やってます!!」

 

Flak41改を使って、ヘリコプターを撃墜しようと狙いを定める。

 

「...!!右からもう一機のヘリ!!此方を狙っています!!」

「な、なんだっ」

 

ドカーーーーン!!!

 

だが、その試みはもう一機のヘリによって粉々に粉砕される。

 

「敵対空砲、沈黙」

『よし、次は歩兵の掃討をするぞ』

「了解!しかし、人に機関銃を打つ感覚は慣れませんね...」

『しょうがない、こっちの世界ではこのくらいしないといけないらしいからな』

「ですね...敵捕捉、発射」

 

ダダダダダダダ!!

 

「うわああっ!!」

「か、隠れろ!!遮蔽物に隠れろ!!」

「隠れても無駄だ!!向こうの威力が大きすぎて遮蔽物ごと吹っ飛ばされるぞ!!」

「お、俺たちは誰に喧嘩売ったんだ!?アビドスに喧嘩売ったんじゃないのか!?」

「お前ら!!そんな事言って暇があったら応戦しr」

 

ダダダダダダダ!!

 

「ぐはあっ!!」

「た、隊長!!」

「た、退却だ!!退却するしかねえ!!」

 

劣勢を極めた状況で、一人がそう言った。すると、それを聞いていたもう一人が、「退却するぞ!!」といい、それを聞いたもう一人が「退却命令が出たぞ!!退却しろ!!」と言って、ヘルメット団は自分たちの本拠地からバラバラの方向に逃げる。

 

『...逃走を始めたな』

「追いますか?」

『いや、追わなくてもいいだろう。それにセリカちゃんの奪還はもう済んでいる、必要以上に暴れることはない』

「了解しました」

『それじゃ、基地へ帰還しよう』

「ですね」

 

そうして、散々カタカタヘルメット団の本拠地を荒らしたヘリコプターは去っていく。この日はカタカタヘルメット団からしたら悪夢の様であり、たった三十分で拠点に居た構成員の8割が被害を受けた。

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