河城先進技術工業が日本民族解放戦線航空戦略軍が運用していたB-52ストラトフォートレスを基に開発した新型戦略爆撃機。
Z機と呼ばれることが多い本気だが、実際にはこのZ機という呼び名はただの開発コードであった。しかし、現場では『正式愛称の『富嶽』よりもかっこいい』という理由で開発コードの『Z機』が使用されているとかいないとか‥‥。
新規開発された特殊塗料によって、完全ステルスを疑似的に再現した。
全長70メートル、全幅60メートルと基となったB-52ストラトフォートレスよりも大きい。
それだけでも規格外だが、通常の爆撃機型と敵迎撃機を返り討ちにするための掃射機という機種も存在している。
・富嶽 空中掃射機型
自動追尾システムを持つ20mmバルカン砲を機体下部に複数装備している型。
敵迎撃機や空中戦用のKMFをも容易に撃墜可能としており、航続距離の問題から護衛戦闘機が来れない戦場でも爆撃機隊の護衛を担当するべく開発された。
日本皇国の成立から数日後、
ブリタニアで異変があった。
「はい?ブリタニアの皇帝が変わった???」
ゆかりは情報部の士官にそう聞き返した。
「はい。先日の神根島にてシャルルはどうも死亡していたようで‥‥」
日本皇国になった際に三大レジスタンス連合の各情報部は情報省に再編され、各国への諜報活動を積極的に行っていた。
その過程で、皇帝崩御が確実であることと、次の皇帝が決まったこともいち早く掴んだのだ。
「で?誰ですか??」
「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアです」
ハワイ諸島 真珠湾内
「はぁ?ルルーシュ??」
紲星あかり大将は座上していたキーロフ級重原子力ミサイル巡洋艦『スヴェルドロフ』の艦橋にてその報告を受けた。
現在、日本皇国海軍はハワイ真珠湾を臨時拠点とし、ブリタニア本土への直接攻撃を計画していた。
北方からは欧州連合軍(EU軍)と共同でアリューシャン列島からウラナスカ島のダッチハーバーへ。
ハワイからは神聖ブリタニア帝国本土西海岸一帯へ艦隊と爆撃機を併用しての攻撃。
南方からは台湾や東南アジア諸国各国の独立派支援もかねて資源地域への独立を後押しする形での侵攻&ブリタニア帝国軍の殲滅・ブリタニアのエリアとなっているオーストラリアへの足掛かり。
要はブリタニアによるエリア支配にさらなる影響を与え、ゆかりの前世にて大日本帝国が構想していた大東亜共栄圏構想を現実にしようと考えていたのだ。
まぁ大東亜共栄圏構想に関してはゆかりも含めて日本皇国上層部も『可能なら…』という感じで積極的というわけではないのだが、一応こういった構想をぶち上げておかないと色々と厄介なのだ。
兵士の士気高揚も勿論だが、‥‥すでに金がないのだ。
国内は復興政策&欧州連合と合同で行っている宇宙開発・宇宙軍再編で軽いバブル状態だが、十年近くにも及ぶ独立戦争で初期はブリタニア貴族から分捕った資産を売り払ってごまかしていたが、国家として樹立した後は復興予算にかなり金をとられて軍事予算が削減。国債を擦りまくって欧州連合と国内の資産家や銀行に買ってもらったが、それも国内復興や三大レジスタンス連合の各派閥が分裂していた際に建設しまくった要塞や施設・兵器の維持費・スポンサー企業から貰っていた支援への見返り等でカツカツ。
結構、限界なのだ。
実を言うと、欧州連合もライン絶対防衛線要塞で粘っているが、ただの消耗戦に近いので大分余裕がない。その為、一撃で戦争を終わらせるか、ブリタニアの支配階級である貴族・市民に戦争の恐怖と悲惨さを身をもって思い知らせるという方法しかない。
前者は軍の作戦継続の意思を削ぐだけであるが、後者の場合は侵略戦争で国が豊かになり、神聖ブリタニア帝国が世界を支配することで世界平和になるという幻想に染まったブリタニア帝国市民を夢から覚ませ、現実を見せることによって講和会議の場に引きずり込むという戦略であった。
※ん?神聖ミスルギ皇国??あんな国は後回しでいいでしょ?
その計画の第一段階としてハワイの真珠湾にキーロフ級重原子力ミサイル巡洋艦や天照型戦艦を主力とした艦隊とTu-95ベア・Tu-160ブラックジャック・B-52ストラトフォートレス・B-1ランサー・B-2スピリット・B-21レイダー ・Tu-70KD 大型戦略重攻撃機・An-71MD 大型戦略重爆撃機を集結させたのだ。
さらに大和解放軍のスポンサー企業に近い立ち位置であった河城先進技術工業によってB-52を参考に開発された新型戦略爆撃機『富嶽』をも多数持ち込んだのだ。
その作戦準備が大体終わった頃にこんな報告が来ると言うのはさすがのあかりも頭を傾げる。
なんせ、この準備の他に宇宙軍でも新型兵器を軌道上に百機単位で準備していると言うのにブリタニアで政変が起きたから作戦を中断とするなんて命令だから‥‥。
ゆかりから頼られて部隊の指揮を取っていたあかりはさすがに問い合わせる為に大本営に暗号文を打った。
『先の命令、事実なりか?』
『事実なり。攻勢計画は一時中断とす』
電文で事実確認が出来たが、とりあえず様子を見ることになった。
この事実は各方面の戦略を転換せざるを得なくなった。
シュナイゼル派の動向は未だつかめていなかった。
しかし、相手は帝国体制な上に王政だ。
皇帝によって政策が変わるのは世の常だ。
下手に攻撃を行うわけにはいかなかった。
実際、神聖ブリタニア帝国第99代唯一皇帝“ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア”として彼は即位後、次々と改革を行っていたからだ。
貴族制度の廃止、歴代皇帝陵の破壊、財閥解体、各エリアの開放など歴代皇帝が行ってきたのと全く正反対の政治を行うと宣言し、一部は既に実行している。
これには欧州連合のアドルフ・ゲッペルス総統も注目しており、欧州方面のブリタニア軍も行動を停止していたので、反抗作戦の準備は行わせつつも静観していた。
ルルーシュ皇帝はさらに欧州連合と日本皇国を正式に国家承認する旨を公表。
講和会議の為に、日本の東京にて会談を行いたいと申し出てきた。
これには流石のゆかりやゲッペルスも驚いたが、良いことでもある。
ヘラクレスの再編問題に関しても意見をもらえるだろうし、改革を推し進める彼が皇帝であるならばシャルル時代よりも話しやすいと踏んだのだ。
誰だって民間人を巻き込む戦略を好き好んで行いたいわけではない。
互いに正式な政府であると承認し合えば、行方が分からないシュナイゼル派とナナリー総督は支持基盤を失う可能性がある。
そうなれば労せずして旧体制派の戦意を削ぐことにもつながるのだ。
そうした利害の一致から、東京にて和平交渉が行われることとなった。
ちなみに、ルルーシュ皇帝を支持しないシャルル皇帝派の貴族や市民が神聖ブリタニア帝国本土の北部(アラスカ及びカナダとカナダ近郊の地域)に集結しているらしいので爆撃機隊は未だハワイ諸島のオアフ島に即応体制で待機しているのはここだけの話‥‥。
次回 東京和平交渉・ヘラクレスとの協議
もう少しでゴジラとか出てきますよ~♪