スーパーロボット大戦 未知なる宇宙ヘ   作:島田愛里寿

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復興ととある軍人の話です!


・ ハンナ・ウルリーケ・ルーデル

かの有名なハンス・ウルリッヒ・ルーデルの性格・素質が転生したような少女。欧州連合軍が日本皇国軍より購入した『15式戦術歩行攻撃機『屠龍』』を改良し、両肩部のガトリング砲を37㎜高初速機関砲に換装した『TYPE16戦術歩行攻撃機『スツーカ』』を駆るエースオブエース。


欧州連合軍内では才能アリとされつつも強靭な戦闘意欲から問題児扱いされており、基本的に後方で練度向上の名目で隔離されていた。

しかし、神聖ブリタニア帝国軍によるノルマンディー上陸を受け、ライン要塞防衛戦に参戦。

旧式化し始めたスツーカにて参戦したが、初陣でKMF15機、戦車9両、火砲21門、上陸用舟艇28台を破壊した。


その戦果からすぐに鉄十字勲章を与えられたが、そんなことを気にせずに無断出撃を繰り返し、パリ奪還と一時停戦に至る約半年の間に総計でKMF189機、戦車397両、火砲298門、車両1776台を破壊し、神聖ブリタニア帝国軍、ユーロ・ブリタニア軍を恐怖に陥れた。


※上司に近い位置にいる欧州連合軍元帥であるヘルムート・ゲーリングからは「彼女は戦いそのものを楽しんでいるようにしか思えない。化け物にしか見えなくなってきた」とまで言わしめた。


第百九話

停戦協定締結後、日本皇国では復興計画が再度制定されていた。

 

 

「なるほど…ではこのように」

 

 

「分かった。ところで、旋風寺コンツェルンにも仕事を回すんだね?」

 

 

「仕方ないでしょう?ただでさえ、東北財閥やら河城先進技術工業にかなり仕事を回しているんです。独占禁止法なんかで騒がれては面倒ですし、両社とも鉄道関係強くないでしょ?」

 

 

「‥‥あ~。確かに」

 

 

日本皇国の大本営では、ゆかりがマキに愚痴っていた。

 

 

東京を中心とした新しい復興計画である『バビロンプロジェクト』が停戦条約締結後に再始動したのはよいのだが、当初は東京や大阪と言った地方中心都市を建設・復興させることを目的としていたにもかかわらず改定で、日本全土の復興計画に拡大されたせいで、各業種で人手不足が深刻化したのだ。

 

 

一応レイバーや旋風寺コンツェルンの城下町で活躍していたロボットを多用して代用することになったが、レイバーやロボットの犯罪が急増することが容易に想像できたので、東京都内に専用の建物を新規で建設して特車二課を丸ごと移動させることとなった。

 

※ちなみにこの決定に二課の面々は泣いて喜んだとかなんとか‥‥。

 

 

 

施設建設はともかく、鉄道に関しては東北財閥や河城先進技術工業でも専門外であるので、一部の者達はいい気はしなかったが旋風寺コンツェルンに日本全土の線路の復旧と一般用の鉄道車両製造を依頼することとなった。

 

 

なんせ、神聖ブリタニア帝国が租界や各地に整備していた観光地を繋ぐ装甲列車鉄道用の路線以外は、現地のレジスタンスが補強していた物以外はすべて荒廃してしまったのだ。

 

 

その為に、鉄道を直さないと各地の復興やら人員移動に支障が出るのだが、前述のとおり東北財閥の傘下企業も河城先進技術工業も鉄道に関してはさっぱりなので、旋風寺コンツェルンにいい気はしないが仕事を任せることとなったのだ。

 

 

「まったく…。そう言えばGGGはどうすんのさ、ゆかりん?」

 

 

「そこは悩ましいんですよねぇ…。今でもゾンダー騒動が起きてますから対応組織を残しておいてゾンダー問題に限定して活動を許可するという方針で行こうかなと」

 

 

「いいんじゃない?勇者特急隊だってあのロボット軍団案件に限定して今は残しておいてあげようよ。恩赦って形で」

 

 

GGGや勇者特急隊に関しては戦時には解体を求める方針であった日本皇国であったが、ヘラクレス側との関係性回復や、軍事予算の節約のためにも『デンジャラスゴールド同盟』やらゾンダーへの対応に気を回したくないという裏事情もあり、彼らに『日本国民からの信を取り戻すまで汗水流して働け』と言い放って戦前と同じ待遇と思わせつつも冷遇する形を取ったのだ。

 

 

 

 

「さてさて、次は東京湾の復興計画と湾内に箱舟をもう一つ用意して復興と開拓を行う案件についての書類の処理をしないと…」

 

 

「ゆかりん。いい加減に休め」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、欧州連合も一時的とはいえ平和を享受するべく復興にいそしんでいた。

 

 

フランス戦線はパリを奪還したものの、スペイン・ポルトガルの奪還はかなっていなかった。

 

 

その為、南フランスに再び防衛戦を構築しつつも復興を急いだわけだ。

 

 

そんな中、ノルウェーのとある基地にて‥‥

 

 

 

「ううううううう‥‥!!」

 

 

「だ、大隊長?どうされました!?」

 

 

戦術歩行攻撃機のみで編成された第二戦術襲撃戦闘団第一大隊大隊長用の部屋のベットの上で部屋の主であるハンナ・ウルリーケ・ルーデル大尉が泣きながら何かを言っていたので、部下のフレデリカ・ベッカー少尉が心配して声をかけた。

 

 

「し……たい‥‥‥‥‥‥!!」

 

 

 

「え?」

 

 

 

「出撃…したい…!!」

 

 

 

「‥‥」唖然

 

 

「友軍機が出撃する音がする‥‥!どこかで友軍がブリタニア帝国の蛆虫どもを攻撃するべく向かったのだろう…!何故、何故この私が出撃してはいかんのだ…!!

 

 

ハンナ・ルーデル。彼女のその戦闘精神は並々ならぬものであった。

 

 

実際問題、彼女がいる基地からついさっき彼女も乗っている欧州連合軍が日本皇国軍より購入した『15式戦術歩行攻撃機『屠龍』』を改良し、両肩部のガトリング砲を37㎜高初速機関砲に換装した『TYPE16戦術歩行攻撃機『スツーカ』』が確かに出撃したが、あくまで警戒飛行を兼ねた訓練である。

 

 

「クソ!こんな怪我…。こんな怪我が何だ!!アーデルハイト!アーデルハイトはどこだ!!私も出撃する!!」

 

 

「ちょ!大隊長!落ち着いてください!!!」」

 

 

ルーデルは副官のアーデルハイトを呼びながら布団からずれ落ちながら衛士強化装備*1を着ようと手を伸ばしたので、ベッカー少尉は慌てて止めた。

 

 

 

というか彼女が何でベットの上にいるのか?原因は、停戦一週間前に行われたアイスランド攻防戦にて彼女の乗機がノルウェー沿岸から十数キロの地点、要は北海の洋上にて撃墜されたにも関わらず、全身傷だらけ骨折していないだけましな重傷という体で極寒の北海の海をノルウェー沿岸まで機体の残骸を浮き輪代わりにして泳ぎ切り、彼女と彼女の部隊が根拠地にしているノルウェー領内の航空基地まで重傷の体で沿岸部から雪原を数キロ歩いて戻って来たことが原因だ。

 

 

軍医からも「なんで生きてんだ‥‥?」と頭を傾げて精密検査を十回繰り返したレベルであり、その上で医師も頭を抱えながら全治三か月を言い渡されたのだ。

 

※『訳が分からない』と十人中十人の医師が言ったと言う。

 

 

とはいえ、一週間で「アーデルハイト!出撃するぞ!」と言い出して出撃しようとしだしたので、彼女の部下たちや同僚たちが交代制で監視しているのが現状だ。

 

 

 

 

というか、既に停戦条約が一応締結されたので下手に攻撃を行わせたら復興が進まずに戦時体制に逆戻りである。

 

 

 

その為、上層部はもとより現場の同僚たちも何とか三か月はしっかりと安静にさせ、その後は訓練を行わせて練度と技量を向上させるように言い含めることを内々に協力することになっていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

欧州では各地で都市の復興と一部の戦意旺盛な兵士を抑えつつも『平和は次の戦争への準備期間』と言わんばかりに爪を研ぎ始めていた。

*1
シュヴァルツェスマーケンの西ドイツ仕様




次回 東南アジアの現状
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