さて、レイバーやロボットの暴走が多発している現状に関してはレイバーやロボットを製造している各社でも把握しており、東北財閥では幹部会議が開かれていた。
「それで一体どういうことですの?ここのところレイバーやロボットの暴走事案が後を絶たないのは」
財閥トップの東北イタコからの問いに各社の社長やレイバーやロボットの開発部門責任者は青い顔をしながら報告を行う。
「は、はい。警察からの連絡を受けてシステム系の調査を行いましたが別に違法改造を行った形跡もありません」
「ふむ…」
イタコは頭を抱えた。
このままでは日本皇国政府の肝いり(実態は三大レジスタンス連合)で進められているバビロンプロジェクトが遅々として進まなくなってしまう。
「あ、あの~」
そんな時、ある技術者が手を挙げた。
「どうしましたか?」
「じ、実は関係ないかな~。と思って報告書には記載しなかったんですけど、暴走機体が全部『第四方舟』で整備されていたんですよ」
「っ!?それは本当ですの!?」
「はっはい!暴走した機体はすべて一時期沿岸部で稼働していたみたいなんですが、その際に第四方舟で整備を行っていた模様で…ただ、他にも整備されていた機体は今でも沿岸部で稼働していますけど暴走したという報告はないんですよね‥‥」
イタコはその部下からの報告で嫌な予感がした。
「少し政府上層部と軍部と話してきますわ。重要案件な気がしますから」
札幌 皇居 御前会議
昨今のレイバーやロボットの暴走多発は陛下も不安視していたのか、御前会議が開催された。
「では不知火少将、報告をお願いします」
「はい、陛下。昨今、レイバーやロボットの暴走事案は先月の約十倍に跳ね上がっています。今のところは操縦士を暴走容疑で拘束させていますが、動機もないですし供述も一貫している上に共通していることから不起訴で処理しています」
「共通している?」
「はい。機体が突然動き出した…と」
煌武院悠陽もこれには頭を傾げた。
「また、先日特車二課第二小隊が対応した事案では一度完全停止させたはずの『菱井インダストリー製重作業用レイバー タイラント2000』が操縦者もいない状況で勝手に再起動、暴走を継続したので37㎜リボルバーカノンで制圧したとのことです」
「なんやそれ!?」
琴葉茜もこれには驚愕した。一度停止させた上に報告では操縦者をコックピットごとひっぺがしていたのに再起動したと言うのだから普通はあり得ない。
「軍部からも」
「結月元帥?」
そこに最近はしっかりと週休二日を取っているおかげで顔色が良くなってきているゆかりが報告を上げた。
「試験運用中で第四方舟での点検後、横須賀基地で自立運用試験中であったHAL-X10が廃ビル群での活動中に操作を受け付けなくなって暴走しています。これに対しては大洗レイバー大隊によって鎮圧しましたが、機体自体は異常はなかったそうです。どうも第四方舟に何かあるのではと軍部もにらんでいます」
この話には御前会議出席者全員が第四方舟を怪しむに十分な物であった。
「東北純子中将、東北イタコ氏、確か第四方舟では…」
「はい。東北財閥傘下の篠原重工出身の天才プログラマーの帆場暎一が作成したHOSの試験運用を行っています」
「その関係で我々東北財閥でも第四方舟に注視するようになったのですわ」
これはもはや黒としか言えない。
「不知火カヤ少将、警察に命じ帆場暎一氏の拘束をお願いします。また、HOSの解析と共に第四方舟に関しても監視をお願いします。最悪の場合はヘラクレスに協力を要請してください」
「「「「「は!!!」」」」」」
次回 篠原重工八王子工場