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第十九話
東京の件で大揉めになった休戦会議から一週間がたったある日。
日本民族解放戦線は国土復興に邁進していた。
各地で瓦礫の山となっていた街の復興を行い、インフラの整備を進める。
さらには国後島の日本民族解放戦線航空戦略軍管轄の国後宇宙基地から『再突入型駆逐艦(HSST=Hyper Surface Shuttle Transporter)』こと『装甲駆逐艦』が電磁カタパルトやロケットで打ち上げられ、衛星軌道上に監視衛星網の増設やEU(欧州連合)との物資運搬等を行って必ず再開するであろう対神聖ブリタニア帝国戦に着々と備えていった。
エナストリア皇国を筆頭とする中立国や『ヘラクレス』もこの動きには気づいていたが、下手にあれこれ言うこともできなかった。
なんせ内政干渉だと言われて国際社会から干されるわけにもいかなかったからだ。
『ヘラクレス』にも新たに参加する異世界人も増えてきたことや信頼回復のために日本民族解放戦線にたてつくわけにもいかなかった。
そんな時期‥‥
衛星軌道上 日本民族解放戦線軌道エレベーター
『オーライ!オーライ!!』
日本民族解放戦線の所有している軌道エレベーターの軌道上の低軌道拠点ではアークバードへの補給・補修作業の真っ最中であった。
日本民族解放戦線の有する軌道エレベーターは半永久的に太陽光発電を行うことが可能な拠点であるが、低軌道や静止軌道に人工衛星を投入したり、『大気機動宇宙機』の異名を有するアークバードの補給・修理拠点としても機能するのだ。
そのほかにも装甲駆逐艦等の宇宙機動部隊の拠点としても重宝されている。
※一応、単段式宇宙輸送機(SSTO)等も日本民族解放戦線航空戦略軍は有しているが地上への軌道爆撃を行う可能性やSSTOを欧州へ派遣するとしても帰還の際や降下中にブリタニア軍に捕捉されて捕縛される可能性を考慮すると装甲駆逐艦を多用したほうがいいのだ。
『おーい!!三番から十七番までの外装に異常は認められない!!』
『了解した!!おい!!二十三番から五十番までの外装はどうなってる!!』
『誰かレーザー砲の予備を持ってきてくれ!!船体下部の第五砲門が損傷してる!!』
…ここ最近、アークバードは結構酷使されていたため、整備は一苦労なようだ。
結局、整備に一晩が費やされアークバードは再び軌道上に舞い戻ることになるせ。
ところが‥‥
軌道エレベーター 低軌道拠点 管制室
「ん?」
「どうしたの??」
管制官の一人の発言に管制室の女性室長は疑問を投げかける。
「いえ、なんか空間にゆがみを確認しまして…現在照合中です」
「そう‥‥。一応装甲駆逐艦やアークバードに注意を促してね?」
「了解」
そうして管制官は各艦に注意を促しつつ、分析を行うが事態は分析が終わるよりも早く動いた。
「っ!?空間の歪みが急速に増大中!!これは‥‥パンドラゲートです!!」
「はぁ!?ここは宇宙だぞ!!パンドラゲートは大気圏内でしか起こらないんじゃないのか!!」
副管制室長は驚愕し、管制官に怒鳴るがそうもいっていられない。
「そんなことを言っている場合じゃないでしょ!!日本民族解放戦線総司令部に緊急電!作業中の各艦艇に現在位置からの移動を命令!!ゲート開通予想ポイントは!?」
「は!予測座標〇×△〇‥‥この低軌道港近郊です!というか‥‥ついさっき出航したアークバードの間近です!!」
「っ!?アークバード機長を呼び出しなさい!」
・アークバード コックピット
「やれやれ、また長い飛行の始まりですねぇ」
「ぼやかないの。私たちの業務はとても重要なことなんだから」
副パイロットのぼやきを制したのはアークバード機長の『リーナ・テルヴォ』である。
まぁ彼女自身、『さっさと地上に降りて美味しいものを食べたいな~』なんてささやかな欲望があったが昨今の政情不安やブリタニア本土を静止軌道から監視する監視衛星を敷設する装甲駆逐艦の数が足りず、根こそぎ動員した結果、即応可能な機動攻撃隊がいなくなってしまいアークバードを動員することになったのだ。
「ま、衛星敷設が終われば私達にも交代要員が軌道エレベーター経由で来て休暇が貰えるから頑張りましょ?」
「「「「「「「はーい」」」」」」」」
彼女の言葉に副パイロットや砲座要員・管制員・監視員たちは不満げながらも返事をする。
そんな時…
ビー!ビー!ビー!
「あら?低軌道港管制室から通信?はい、こちらアークバード。管制室、どうかされましたか?」
『こちら低軌道拠点港管制室!!アークバード!!周辺警戒!貴機の周囲にパンドラゲート発生の反応が出た!!』
「っ!?急速変針!」
「了解!!」
警告を受けたアークバードは急ぎ高度を一時下げ、大気圏上層に降下し軌道面を大きく変更する大気利用軌道変更を行った。
そして同高度に再度上昇した矢先‥‥
「機長!前方にパンドラゲート発生!!」
なんと目前でパンドラゲートが発生したのだ。
幸い真正面ではなく、目の前で横向きに発生したのでアークバードが突っ込むことはなかった。
そしてパンドラゲートは巨大な物体を放り出して再び消滅した。
「あれは‥‥?」
その物体は巨大な宇宙ステーションであった。
同時刻 札幌 日本民族解放戦線総司令部
「それは事実ですか!?」
「間違いありません!!廃墟が突然出現しました!!」
日本民族解放戦線総司令部はパニック状態であった。
なんせ数十分前にアークバードから低軌道上にパンドラゲートが発生して謎の宇宙ステーションが出現したと報告を受けた直後に地図にも都市なんか載っていない長野の森林地帯に都市廃墟群が出現したというのだ。
おまけに調査のために突入を図った部隊が謎のアンドロイドの自爆攻撃を食らって装甲車数台がオシャカになったというのだから頭を抱えずにはいられない。
「とりあえず篠ノ之博士を軌道エレベーターで件の宇宙ステーションに向かわせてください。一応『ヘルダイバーズ』を護衛に」
「了解!」
「廃墟群には歩行戦車と機械化歩兵を投入してください。対話可能な存在がいれば交渉をするように」
「は!」
ゆかりは司令部要員達に指示を出した後、頭を抱えた。
「お疲れ様、ゆかりん」
そこにマキが麦茶を持って現れた。
「ああ、マキさん。まったく憂鬱ですよ‥‥。ブリタニアの屑共との交渉にケリがついてようやく復興に進めると思えば新たな来訪者ときたもんですから‥‥」
「カヤちゃんも自分の指揮下の部隊が被害に遭ってストレス過多になった挙句にぶっ倒れたしねぇ…」
そう、パンドラゲートから得られる異世界の技術や人員は非常に有益なのだが、その前後に発生するトラブルは日本民族解放戦線上層部の悩みの種なのだ。
「まぁとりあえず戦勝記念?のパレードは明日予定通りに開催します。アリウス連隊への勲章授与に関しては陛下御自ら行われるそうです」
「いや、それ大丈夫かな?サオリちゃん緊張でぶっ倒れないよね??」
マキとしては部下が栄誉ある勲章を頂くことは誇らしかったが陛下自ら授与するとなるとアリウス連隊連隊長の『錠前サオリ』の性格から栄誉と恥ずかしさで式典中にぶっ倒れないか心配であった。
「まぁ大丈夫でしょう。とはいえ今回の式典は国内外の要人を呼ぶんです。『不幸な事故』も今回は起こせませんから準備は万全を期してくださいね?」
「りょーかい。はぁ…、エナストリア皇国の皇女様やEUの総統閣下たちはともかくなんだってブリタニアの連中や『ヘラクレス』の面々を呼ばなきゃいけないんだか‥‥」
「まぁおかげで宇宙に対する注意をそらせますから良しとしましょうよ」
次回 式典
式典後に新たな来訪者との会話やさらなる来訪者が‥‥??
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