ブルーアーカイブ…キヴォトス側の時系列としては『あまねく奇跡の始発点編』と『百花繚乱編』あたりになり、カヤが脱走した件も矯正局側の隠蔽でプレナパテス決戦後に先生がFOX小隊と面会した際にカヤを心配していたユキノからようやく知らされたという感じになります。
あと、アリウス分校についてはパンドラゲートでエデン条約よりも前に転移してきたので『エデン条約編』には出てきていませんし、ベアトリーチェは転移の際に置き去りにされた為に何もできず、地団駄を踏んでいたことは言うまでもありません。
追記:今回結構長いです。( ̄▽ ̄;)
第三十四話
さて、エナストリア皇国とミスルギ皇国で大騒動に巻き込まれつつもようやく帰って来た日本民族解放戦線司令部であったが、留守番組として本土にいた琴葉姉妹から緊急の報告が入り頭を悩ませることとなった。
そう。
予算不足である。
軍隊と言うのはどこまで行っても金食い虫であり、おまけに日本民族解放戦線は軍事政権とはいえ日本民族のために国土奪還をお題目に軍事独裁政権を維持している関係上、国民からの信頼や支持がなくなることは何よりも避けねばならない。
それなのに軍事費が足りないからという理由で増税だのしようものなら国民からの信頼がた落ち、どこぞの無能汚職政治家ではない日本民族解放戦線としてはそれだけは絶対に避けたいのだ。
そこでゆかりは幹部会議を開いてとある決定を下した。
『しばらく戦術機・歩行戦車の開発及び増産を中断します』
読者の皆様は驚かれるであろう。
『日本民族解放戦線の主力たる戦術機と歩行戦車の生産を停止するの!?』と、
理由は簡単である。
コストパフォーマンスが悪いのだ。
なにせ戦術機はこの世界では日本民族解放戦線と欧州連合軍しか配備していないし、跳躍ユニットに使用する燃料はこの世界では珍しく化石燃料なのだ。
石油産出国は中東であるが、そこから海路で運搬するのは土台無理な話だ。海上封鎖をブリタニア軍にやられたら干上がってしまう。
かといって欧州連合経由で陸路で運搬しようにも道中で山賊やゲリラに襲われるかもしれない。そもそも陸路でタンクローリーを百台以上走らせようもんならその分の燃料問題も発生する。
空輸は論外中の論外。
しかたないので一時期は液状サクラダイトをブリタニアからパクって運用していたが、いざ撃震の跳躍ユニットに給油すると出力が上がりすぎて慣れた衛士でないと壁やら地面やらに機体を叩きつけてしまう事態に陥るという始末に‥‥。
なので樺太油田を開発して戦術機運用を開始した欧州連合と共同でどうにかしていたのだが、そこを差っ引いても機体サイズが16m~20mと、5m行くか行かないかというナイトメアフレームに比べてデカすぎて製造コストも正直馬鹿にならないし、整備・保守・点検コストや整備人員の確保がままならないという切実な問題が発生していたのだ。
これまでは軍事費に物を言わせて志願兵希望者をなるべく整備員増員や工場員増員に回していたが、形式上とはいえ停戦となった今、志願兵は予備役という扱いにしてでも一旦は家に帰してやらないといかんし、復興や防衛線構築にも金を回さないといけない。
それなのに金のかかる戦術機を全部隊に配備させるのは不可能という判断に至ったのだった。
おまけに歩行戦車も最新技術を詰め込みすぎた結果、諸々のコストが戦術機と変わらないので同じ結論に至ってしまい、戦術機共々製造予算に回せる今年度予算のみならず補正予算分さえも底を尽きかけた為に、追加製造を一時中断するということにあいなったのだった。
とはいえ戦力低下は見逃せない大問題である。なので代案として先日の生物兵器実験島戦にカヤが持ち込んだ『レイバー』が再注目され、東北財閥傘下の『篠原重工』『菱井インダストリー』『四菱重工(旧三菱重工)』『川崎重工』『富士重工』に対して軍用レイバーの開発指示が下されることとなった。
さて、それから数日後。
ミスルギ皇国にていまだ活動中だったヘラクレスはパルナメイル第一中隊と共に一旦日本のGGGに立ち寄ってから各々の世界に帰れる方法を探索するための探査にでるという話をホットラインで聞き、領域内に立ち入る場合は一報を必ず入れるようにとゆかりは釘を刺して電話を終えた。
そして、ゆかりが久々に落ち着いて執務室でお茶を飲もうとした時‥‥。
「ゆかりさん!!緊急事態です!!!!」
「はぁ‥‥」
葵が慌てて駆け込んできた。
どうやらゆかりに落ち着く暇はないようである。
その後、同席していたあかりとともに慌てふためいて何を言っているのかわからない葵を一旦落ち着かせて報告させると衝撃の内容であった。
なんと‶人為的にパンドラゲートを開くことに成功した″と言うのだ。
慌てて詳細を聞き出すと、原因は先日の騒動の際に捕縛した小型種ドラゴンであった。
そのドラゴンは最初は威嚇しまくって手に負えなかったが、研究員一同が親身になって触れ合ううちに何とか餌も食べてくれるようにまでなったらしく、身体検査をそのすきに行っていたのだと言う。
※餌が何でか研究員たち同様の調理済みの料理だった件については純子以下研究員一同頭を傾げたそうな。
その際に体内から検出されていた謎のエネルギーをドラゴンを傷つけないようにしつつ何とか摘出。
エネルギー増幅装置をレイが用意してメカゴジラシティで起動させてみたそうな。
そしたらパンドラゲートが開いてしまったというのだからあわてるのも無理はない。
ゆかりは直ちに厳戒態勢を取らせつつ現地に向かった。
・メカゴジラシティ
バババババババババババババ!!!!
「状況は?」
「結月元帥閣下!!」ビシィ!!
MV-22オスプレイでやって来たゆかりに現地の警備兵らは即座に敬礼をした。
それにゆかりは敬礼を返しつつ、ずん子に詳細を問う。
「はい。先ほど無人ドローンを数機突入させましたが、一機も戻って来ません。やむなく自立型のドローンを今しがた突入させ帰還を舞っている次第です」
なんでも現実世界にある市販の飛行ドローンモドキを突入させてみたものの電波が帰ってこず、向こう側がどうなっているのかわからない上にこっちの電波さえも届いていないのか戻ってこないのでやむを得ず、『MQ-9 リーパー』によく似た自立思考型ドローンを投入して様子を見ているのだと言う。
ゆかりはその説明を聞きながら件のパンドラゲートを見る。
大きさとしては高さ十m前後、横幅は二十メートル弱と言った所でこれまで自然発生したパンドラゲートとは異なり長方形のような形であるので、まさに門のような見た目であった。
※これまで自然発生したタイプは円形であった。
電波が途絶える前の無人機から送られてきたデータによると向こうから来る大気はこちら側と相違点が一切なく、我々でも普通に生活できるレベルだと言うので病原菌の心配を除けば一安心というべきかとゆかりは判断に悩んでいた。
そんな時、なんと自立思考型ドローンが帰還してきた。
「おお!帰って来たぞ!!」
「着陸次第すぐにデータ分析だ!急げ!!」
その後、回収したデータを確認した際に遅れてやって来たカヤが驚愕する事態に陥った。
その映像データに移されていた風景がカヤにとってなじみ深く、因縁のある街であったのだ。
「これは…キヴォトス、それもD.U.‥‥!?」
そう。かつてカヤが所属し、クーデターを起こしてでも権威や威信を取り戻そうとしていた連邦生徒会の管轄地域である「D.U.(District of Utnapishtim)」であったのだ。
錠前サオリ以下アリウス連隊の面々はD.U.をなぜか知らなかったが、理由としてはキヴォトス時代は地下生活ばかりで地上には任務で出る程度だった為、まったく情報が無かったのだ。
動揺するカヤを落ち着かせつつ、一番キヴォトス側の情勢に詳しいカヤにデータの確認や裏付けを行わせると‥‥。
「これは…私が矯正局から脱走した日から一か月前後も経過しているようですね。‥‥いや、キヴォトスの時間経過が短すぎません!?私はもう五年前後はこの世界でお世話になっているんですけど!?」
という事態が判明した。
とはいえドローンに搭載されていた電子時計は記録上は異常はないのでゲートが開いたキヴォトス側の時系列がカヤが脱走した日よりも後になってしまったのだと想定された。
その後、キヴォトスの治安や軍事力をカヤから聞くとゆかりは頭を抱えるしかなかった。
各自治区の自治に任せるという方針はある程度理解はできるが、連邦生徒会の無能ぶりにゆかりはあきれたのだ。
何においても連邦生徒会長がいないと決断ができない上にその生徒会長が失踪したとたんに機能不全に陥る。
おまけに政府のような存在でありながらシステムが生徒会長がいないと起動できないという有様。
挙句の果てに生徒会長捜索にリソースを割いている事もあり、学園間の紛争への介入・仲裁には非常に消極的、学園や生徒らを対象とする個別の支援についてはそのほとんどを生徒会長が失踪前に設置したシャーレという組織の代表ともいうべき先生という一個人に一任しているという体たらく。
懐刀だったSRTを持て余した末に閉鎖・解体した為になにもできなくなるなど、はっきり言って組織の存在意義を疑うレベルであった。
「改革などを考えなかったのですか?」
「私がクーデターを起こす前はリン代行は書類に埋もれて連日徹夜、おまけに過労が原因でしょうけど会見の際に失言の連発する精神状態でして‥‥、生徒会会議で防衛室総出で立案した治安維持のための改革案を提案しようものなら『そんな余裕はありません』と代行と財務室長に一蹴されましたね」
「~~~~~!!」
ゆかりはカヤに生徒会長がいなくなった後に組織を運用しやすくするように改革をしたのかと質問したが、代行の過労ぶりに一旦同情したが、出会った当初は官僚気質であったカヤは官僚気質かつ野心家であり、クーデターを起こされた代行は官僚としては優秀だが指導者というタイプではなかったのか?と予測し、『指導者としては向いていない人物がおかれた結果がカヤちゃんのクーデターかな?』と内心考えた。
キヴォトスの治安に関しては聞いて最悪という言葉以外に見つからない有様だが、治安維持に予算を回さない財務室にも責任があるのではないか?と考えた。
なんでもカヤが所属していた防衛室も先々代よりも前から汚職にまみれていたそうだが、カヤは汚職で得た金をヴァルキューレ警察学校という警察モドキに支給する弾薬代に回していたそうで、癒着していた企業である『カイザーコーポレーション』にも様々なことを融通したり、見逃す代わりに弾薬や武器の支給を要請していたという。
というか懐刀であるSRT特殊学園をつぶせばどうなるか少し考えれば分かるであろうにそれを強行したことが理解不能であった。
とはいえ開いてしまったゲートをどうするかという問題があるので、ゆかりはメカゴジラシティにて幹部会議を行い、意見を募った。
「突入して様々な物資や人員を確保するべきだ!ゲートを開くためのデータや座標設定データもあるのだから戦争が完全に終結したら帰せばいい!!」
そう主張するのは琴葉茜・琴葉葵・桜乃そら・弦巻マキ・不知火カヤ・東北ずん子らであったが、
「一旦閉鎖しておいた方がいい。これまで自然発生したケースとはわけが違うのだから‥‥」
反対にこう主張するのは水奈瀬コウ・京町セイカ・伊織弓鶴・鈴木つづみ・佐藤ささらであった。
両者の意見は理解できるし、危険性も理解できるゆかりは決断を迫られた。
結果‥‥‥‥‥‥…
「それでは行ってまいります!」
「分かりました。それではもう一度確認しますね?不知火カヤ少将、貴方にとって里帰りに近い今回の任務ですが内容はなんですか??」
「はい、現在キヴォトスにてヴァルキューレに馴染めなかった元SRTメンバーや引き込めそうな不良生徒をスカウトするとともに入手できそうな技術を回収してくることです」
「結構、何度も言いますがあなた方はすでに我が日本民族解放戦線の一員であり同胞でもあります。生きて帰って来なさい!!」
「「「「「「「「「「「「了解!!!!!」」」」」」」」」」」」」」
翌日、ゲート前にて出兵式が開かれていた。
結局、ゲートの向こうに不知火カヤとアリウス連隊の派遣が決定したのだ。
一回は帰郷させておきたいというゆかりの心遣いもあったが、キヴォトスにしかない技術やキヴォトス人の戦闘能力を軍部が以前より欲していたということもあって決定されたのだった。
ゆかりからの訓示と生きて帰ってくるようにとの言葉にカヤやアリウス連隊の面々はうれしさからか多少涙ぐんでいたが、すぐに姿勢を正して今回の任務の為の装備や機材の点検を行い始めた。
アリウス連隊の服装は普段はブルーアーカイブ原作のアリウス分校の服であるが、今回は故郷への軍事作戦であるので、バレるような恰好は避けるようにと教官であり、上官でもある桜乃そらから命令を受け戦闘服を今回だけ変更したのだ。
今回、彼女たちが纏う戦闘服は桜乃そらから支給された現実の警視庁警備部機動隊が着る出動服(藍色)とバイザー付ヘルメットと防弾用大盾であり、そのほかに各個人が携行する個人銃器を持っていくという感じである。
‥‥逆に目立つと思ったゆかりからアリウスの服を持っていくことを内々で許可されたのでアリウス連隊の面々は作戦時以外ではアリウスの服を着るつもりなのだが、それは言わないでおこう。
さらにレイバーも複数持っていくことになっており、日本民族解放戦線技術開発部が開発した砲弾の直撃にも耐えられる特殊カーボン*1加工を施したり等結構予算を掛けたことがうかがえる。
「では出撃します!!」
こうしてカヤやサオリらアリウスにとって予想にしなかった帰郷が始まった。
次回 帰郷
次回から少しの間はカヤちゃんが主人公枠ですよ~♪
アーム・スレイブ(AS)とレイバーが戦うシーンを今後書く予定なのですが、M9ガーンズバックや傭兵のASと善戦するレイバーはどれがいいでしょうか?
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99式空挺レイバー ヘルダイバー
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HAL-X10
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AV-0 ピースメーカー
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AV-X0 零式
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クラブマン・ハイレッグ