第一話
北海道 旭川市 日本民族解放戦線 最高総司令部
「埼玉解放戦は成功ですか‥‥」
日本民族解放戦線最高総司令部の作戦室にて紫色の髪をし、武装親衛隊のような雰囲気をした黒色の軍服を着た少女はそう言った。
彼女の名は結月ゆかり。日本民族解放戦線の最高総司令官である。
「成功って言っていいのかな?虎の子の
そう返すのは金色の長髪をして同じ黒色の軍服を着て軍服の上着を羽織った長身の少女、弦巻マキである。
「マキさん、ここは大局を見て判断しましょう。確かに
そう返したゆかりは手元のモニターに目を移した。
そこには埼玉解放戦にて救助された日本人たちが笑顔で喜んでいる映像であった。
日本民族解放戦線は北海道で結成されて以降、各地で勝利を重ねつつ民衆の支持を得てきた。
最近は黒の騎士団とかいう面々が表に出てきてはいるが、日本解放戦線を取り込んだ日本民族解放戦線は依然として日本のレジスタンスの中ではトップの勢力を誇っている。
なんせすでに北海道全土と東北一帯、新潟、佐渡島、群馬、栃木、茨城を解放しているのだ。
そこに今回埼玉が加わることとなる。
実績においては他者に負けないと自他ともに自負する実績の高さだ。
なによりも解放した地域の復興を率先して行い、様々な政策を行っていることが日本人達からの評価が高いことであろう。
「まぁ、そういうことでいっか…。ところでゆかりん、また〔パンドラゲート〕が開いたって報告が来たよ。今度は洋上だね」
「またですか!?はぁ…いやほんと、この世界はどうなってんでしょうかねぇ‥‥?」
〔パンドラゲート〕近年増加している空間に突如として出現する謎の穴だ。
大抵はただ一定期間、穴が開くだけで特に害はない。
しかし、ここ最近は穴から何かしらが落ちてくるか、出現するという事態が増加しており、日本民族解放戦線は頭を抱えていた。
一応それ関連の被害者は収容し、本人が要望すれば日本民族解放戦線隊員として共に戦ってもらい、嫌がれば一市民として元の世界への帰還手段確立まで待っていてもらうという方針を取ってるが、ブリタニア側に回収された人物がいることも確認されているので、異世界の技術がブリタニアに渡ると非常に困るのだ。
「今回はブリタニアの飛空艦以上の巨艦が出現したってさ。一応監視していたらしいんだけどエナストリア領海内に進んでいったから監視をあきらめたって」
「ま、まぁエナストリア皇国ならよき計らいをしてくださるでしょうから一旦おいておきましょう。で、白兜のパイロットの情報ですが…」
マキからの報告にゆかりは頭を抱えつつ、一旦置いておいた。エナストリア皇国は現状数少ない日本民族解放戦線と友好的な関係を持ってくれている国家だ。
そんなところに監視目的で潜水艦を侵入させでもしたら国際問題になりかねない。
なので監視をあきらめたのはいい判断であったからだ。
そしてゆかりは現状、日本民族解放戦線現場部隊最大の脅威となっている白兜ことランスロットのパイロットについての報告を求めた。
「‥‥ゆかりんの予想していた通りだったよ。白兜のパイロットは『枢木スザク』。売国奴首相の息子にして日本陥落の要因を作った男だよ」
「ちっ!総督暗殺の容疑者であったのでブリタニア軍が自前で処理してくれると一旦は放置していましたが、まさかこんな形で現場復帰をしているとは!!」
マキは苦々しく報告し、ゆかりも忌々しいと言わんばかりに報告書を受け取った。
日本民族解放戦線情報部では日本敗戦の事実をかなり正確につかんでおり、枢木ゲンブは売国行為を働いていた国賊として扱い、枢木スザクはそのたくらみを阻止した形であるが、本土決戦の最中に殺害に及んだ挙句、日本降伏に導いた男であると評価していた。
本土決戦で日本民族が滅ぶ可能性があったのである意味では正しい行為をしたという評価もなくはないが、彼の行いでブリタニア軍との海戦や防衛線で散っていった戦友や同胞らの無念をないがしろにしたのは事実であるので日本民族解放戦線では第一級処理対象と定めていた。
しかし、彼はエースパイロットでもあるのが質が悪い。
一時、戦術機一個中隊を投入したがすべて返り討ちにあってしまったために処理が面倒になったのだ。
現在は賞金首扱いにした挙句に暗殺も視野に入れ始めているのだから本気なのがうかがえる。
「…まぁ、その件も今はおいておきましょう。とにかく現状は」
「埼玉解放戦は一部に甚大な被害が出つつも完遂。しかし、パンドラゲートの影響でブリタニア軍側に強力な戦力がすでにわたっている可能性も否定できない。‥‥ってところかな?」
「分かりました。では私は現状を陛下にお伝えしてきます」
「りょーかい」
北海道 函館 五稜郭要塞内 臨時皇居
ここは函館にある五稜郭要塞の内部に古来よりの手法で建設された臨時の皇居である。
「陛下、ご報告に参りました」
「結月総司令官、ご苦労様です。現状はどうなっていますか?」
ゆかりが頭を下げながら報告を行っている相手は現天皇の
ゆかりは日本民族解放戦線の最高総司令官であるが、あくまでも軍事や政治のトップを
「は!ご報告を申し上げます。埼玉解放は成功、されども現場部隊の一部に損害が出ました」
「損害…それはいかほどのものでしょうか?」
ゆかりからの報告に彼女は眉をひそめながらも報告を促した。
「は、
「‥‥それは何よりですが戦死した者たちを数で数えて報告する行為は関心しません。あなたが人を数で計算すると言った人物でないのは分かっていますがそこは正しなさい」
「し、失礼しました!」
ゆかりの報告の姿勢を正すように悠陽は諭すとともに
「‥‥それで件の穴はどうなっていますか?」
「は、再び出現し巨大な艦が出現しました。今回はエナストリア皇国方面に移動を確認しましたので最終確認は出来ておりませんが…」
それからもゆかりは悠陽の質問に丁寧に答えていった。
しかし、この日を境にゆかりの知っている世界の物語は狂いだし、渦を作り、日本民族解放戦線も飲まれていくこととなるのはこの時は誰も知らなかった。
次回 スーパーロボット部隊結成
明日は午前八時に更新します。
アーム・スレイブ(AS)とレイバーが戦うシーンを今後書く予定なのですが、M9ガーンズバックや傭兵のASと善戦するレイバーはどれがいいでしょうか?
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99式空挺レイバー ヘルダイバー
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