それと先生の外見は皆さんのイメージにお任せしますが、男先生です。
矯正局が爆破された翌日。
先生は連邦生徒会会議に呼ばれていた。
「では、連邦生徒会会議を始めます。まずは先生、ご足労いただきありがとうございます」
‶大丈夫だよ、生徒に頼まれたら答えるのが先生の義務だからね″
「…ありがとうございます。では尾刃局長、報告を」
連邦生徒会長代行を現在務めている首席行政官の七神リンは、シャーレの先生にまず呼び出したことを謝するとともにカンナに報告を求めた。
「は。先日の矯正局爆破事件についての調査結果についてですが、まだ正確につかめていないので明確な答えは出せません。そこは大丈夫でしょうか?」
「構いません」
「分かりました」
とはいえ公安局の狂犬とまで言われている尾刃カンナといえどもすぐに犯人を特定できるかと言われたら無理なのでとりあえず未確認であると断ってから報告を始めた。
「重傷を負って入院したものの、意識ははっきりしていた矯正局員らの証言等をまとめると、事件の発生は昨日‥‥いえ、正確には本日午前二時頃と思われます。フードの付いた白いコートを着た謎の生徒複数名が矯正局内に突如侵入。警報装置等を破壊されたと思われます」
‶え?えっと話を遮っちゃう感じだけど、ちょっといいかな?カンナ″
「なんでしょうか先生」
‶そう言った警報装置って簡単に分かる物じゃないと思うんだけど…″
「…そう、襲撃犯たちの不可解さはまさにそこなんです。最後にまとめて言いますのでとりあえず話を続けますね?」
‶ああ、そうだね。ごめんね?遮っちゃって″
先生はカンナからの報告に疑問を抱き、話を遮ってしまったがカンナから最後にまとめて説明すると言われたので引き下がった。
「続けます。警報装置の類を破壊した襲撃犯らはその後、警備室に侵入して監視カメラや警備システムのログやデータをすべて削除した上で爆薬を設置。そして矯正局内で監視業務についていた局員ら全員を気絶させた後、何人かの囚人を強奪した護送車に乗せて護衛車両とともに逃亡。さらには仕掛けていた爆薬を起爆させて矯正局を破壊しました」
カンナの報告に連邦生徒会役員たちは動揺する。
あまりにも鮮やかな手際だからだ。
こんなことが出来るのはキヴォトス内でも元SRTかミレニアムのC&Cくらいである。
「爆発を受けて周囲に展開していた公安局局員らが非常線を敷きましたが、強引に突破され追撃に出たパトカーすべてが破壊されました。とはいえ追撃を続行したものの、犯人たちはD.U.内にて廃棄・放置されていた立体駐車場に重武装ヘリを待機させていたようで、囚人とともにヘリに乗り逃亡。証拠が残っていたはずの護送車や護衛車両も立体駐車場内に仕掛けられていたであろう爆薬ですべてが木端微塵になってしまい、証拠が何も残っていません‥‥」
カンナの現状報告は悲惨そのものであった。
なんせ、先生がキヴォトスに来た時以来の大不祥事。おまけに矯正局爆破によって脱走した囚人らが事件を繰り返し起こしているのでヴァルキューレも休む暇がない。
「この事件の不可解な点は、あまりにも襲撃犯たちが手練れすぎることです。多少腑抜けていたとしても矯正局を三十分と経たずに、しかも警報さえも鳴らさせずに制圧して囚人を奪取し、逃走しています。更には機密事項である警備室や監視カメラの配置、矯正局車両の鍵の場所、さらには目的と思われる囚人が収監されていた牢に迷うことなく進んでいます。明らかに異常です」
「ねえ~?囚人名簿とかで奪取された囚人の名前とか分かんないの~?」
会議中にもかかわらず、ポテチを食いながらそう言うのは、連邦生徒会交通室室長の『由良木モモカ』である。
「…その囚人名簿なのですが、爆破に巻き込まれたようで予備を含めてすべてが焼失しております」
「うえ~」
モモカはカンナからの報告に『うへぇ~』とした顔を見せた。
「…それにしても妙ですね?そう言った類の書類の場所は無論機密扱いのはず、何故襲撃犯たちは知っていたのでしょう?」
「この資料によると、警備室や事務室・局長室といったあらゆる机の棚がひっぱり出されていたとあるから、根こそぎ探し出して爆発に巻き込んだんじゃないか?」
それに対して連邦生徒会財務室長の『扇喜アオイ』と連邦生徒会体育室長の『ハイネ』はそう話す。
「…にしてもこの速さは異常ですね。情報漏洩を疑うべきでしょう」
そんな話にリンは過労であまり回らない頭をなんとか回して情報漏洩を疑ったが…
「こういった案件は防衛室の責任…なのですが‥‥」
「カヤ室長はリン行政官らが先生と起こした再クーデターで拘束された後に矯正局から失踪、おまけに矯正局側の隠蔽のせいで我々が知ったのは先日先生がFOX小隊経由で報告してきたのは最初という体たらくですからねぇ。まったく、人のことを言えないじゃないですか」
リンが不知火カヤ防衛室長に問いただそうとしたが、そもそもそのカヤがいない上にそのことをど忘れしていたらしくそれについてカヤと仲が良かった人材資源室長が辛口で暗にリン派の室長たちを批判した。
「‥‥人材資源室長、そういった批判はやめてくださいませんか?」
「何を言っているんだ財務室長!元はと言えばお前ら金庫番がヴァルキューレや矯正局の装備拡充や施設復旧・改善のための予算を回さなかったせいで生徒会長が失踪してからSRTが動かせなくなった途端にヴァルキューレの手が回らなくなって治安が悪化!今は先生がいるからいいものの、大して治安も改善していないじゃないか!!おまけに連邦生徒会唯一の戦力だったSRTをお前らが解体したせいでヴァルキューレやシャーレに外注する醜態なんだぞ!!」
「人材資源室長!今その話をしても仕方がないだろう!」
「体育室長!リンの腰巾着でしかない貴様は黙っていろ!!」
「なっ!?」
アオイは人材資源室長に苦言を呈したが、隠れカヤ派でもあった人材資源室長は逆にアオイを痛烈に批判。ハイネはそれを叱ろうとするが、普段からリンと仕事をしているハイネを人材資源室長は腰巾着程度にしか見ておらず、逆に激高させる始末だ。
現在の連邦生徒会は沈没寸前の泥船に近いと言っても過言ではない。
プレナパテスとの戦いで勝利したはいいものの、以降の業務は復興政策ばかり。連邦生徒会全体の負担は高まっていたが、目立って世間から注目を浴びるのはリン派の役員たちばかり。
かつてカヤが起こしたクーデターの際にカヤ派についた室長や役員たちは明らかに冷遇されていたために不満がたまっていたのだ。
それにカヤが施行しようとしていた銃規制等は連邦生徒会の中でも一定の支持を得ており、特に一年生に支持されていたのだ。
にもかかわらず、リン派が先生を抱き込んでカヤを失脚させたので立場を回復させた保守派のリン派とは対照的に改革派でもあったカヤ派は不満がたまっていたのだ。
その為、こういった連邦生徒会の室長会議でも喧嘩が絶えないようになってきていたのだ。
‶み、皆!!一旦落ち着いて!今は矯正局爆破事件の話だよ!!″
「その通りです。二人とも一旦落ち着いてください」
とはいえこのままでは話が進まないので先生が喧嘩を仲裁し、リンが話を進める。
「ともかく、今は犯人グループの特定が最優先です。カンナ局長、可能な限り迅速な捜査をお願いします」
「はっ!!」
そうしてリンは、先生から現在各地で発生している事件の多さについて聞いたものの、何故今の時期に多発しているかはさっぱりな上に撃破したロボットもミレニアムが解析しているが、分析結果はまだ出ていないので結論が出なかった。
そうして会議は終了したが、その翌日に先生はD.U.から遠く離れた学園から救援要請が入り、出かけて行ってしまった。
「カヤ、先生とやらが動いたぞ。罠にかかったようだ」
「了解しました。ふふふ‥‥、これでD.U.一帯はもぬけの殻も同然。ヴァルキューレは多少は要るでしょうが、そもそも各地で発生している暴動対処で手一杯のはず…。作戦開始は先生がどんなに頑張ってもD.U.に戻るのに一日はかかる地点に到達する明日決行します」
「分かった。‥‥そう言えばこちらの天気予報では明日は夜半から季節外れの大雪だそうだぞ?」
「ほうほう…。D.U.では雪などほとんど降りません、そうなるとヴァルキューレの出動も手間取るでしょうからいいタイミングですねぇ‥‥」
これがヤギ眼の少女と死神少女たちの謀略だと気づいた者はこの時、誰もいなかった。
あのアロナでさえも‥‥。
次回 キヴォトスの一番長い日の始まり
アーム・スレイブ(AS)とレイバーが戦うシーンを今後書く予定なのですが、M9ガーンズバックや傭兵のASと善戦するレイバーはどれがいいでしょうか?
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99式空挺レイバー ヘルダイバー
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HAL-X10
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AV-0 ピースメーカー
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AV-X0 零式
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クラブマン・ハイレッグ