Roseliaをたおせ!   作:ダシマ

29 / 31
第29話「夏休みが始まる」

第29話

 

 超能力者であることが千聖にバレてしまった飛鳥ではあったが、特に気にすることはなかった。

 

飛鳥(…まあ、もう白鷺先輩は分かると思ってた)

 

 飛鳥はこのまま超能力を隠し通すよりも、千聖には正直に話しておいた方が良さそうな気もした。というか、上司である古堂和哉が何をするか分かったものではない為、これで良かったのかもしれない。

 

 しかし、Roseliaにはどう説明すべきか。正直千聖よりも彼女達とずっと仲が良い。自分たちが知らなくて千聖が知っているとなれば、面白くないだろう。

 

 だが、嫌われるのを恐れていては仕事が出来ない。しかし、信用を無くしてしまったら仕事にならない。

 

飛鳥(まあ、白鷺先輩の性格を考えたら本当に口外しないから、様子を見るか)

 

*************************

 

 夏休みが本格的に始まった。飛鳥は仕事があるため、東京に常駐していた。

 

飛鳥(まあ、夏休みの宿題も簡単に終わったし…。ちょっと散歩でもするか)

 

 飛鳥はこれを機に今まで行った事のない所に行ってみる事にした。

 

飛鳥「…ん?」

 

 飛鳥はとある店の前に立ち寄った。

 

飛鳥「やまぶきベーカリー…」

 

 Poppin‘Partyのドラム、山吹沙綾の実家が経営しているパン屋である。

 

飛鳥「そういやずっとパン屋行ってなかったなぁ…」

 

 飛鳥はそう呟きながら、かつて隣人でもあったパン屋の事を思い出していた。

 

飛鳥「まあ、折角だからちょっと行ってみるか」

 

 そう言って飛鳥が店の中に入ると、沙綾がいた。

 

沙綾「あ! 飛鳥くん! いらっしゃい!!」

飛鳥「こんにちは…って、ん?」

 

 何か呼び方が変わっている気がしていた飛鳥。

 

飛鳥「前までは苗字でしたよね?」

沙綾「んー…なんて言うのかな。もうちょっと距離を縮めた方がいいかなって。で、うちのパン買いに来たの?」

飛鳥「ええ。この道をあまり通ってなかったっていうのもありまして、折角なので」

沙綾「そうなんだ。ゆっくり選んでってよ」

飛鳥「はい」

 

 そう言って飛鳥はパンを次々とトングで挟んではトレーの上に置いていって、沙綾が驚いていった。

 

沙綾「…結構食べるの?」

飛鳥「ええ。もしかして大食いはお嫌いですか?」

沙綾「う、ううん! ちょっと意外だなって思っただけ…」

 

 そして飛鳥はチョココロネを取ろうとしたが、1個しかなかった。

 

飛鳥「……」

沙綾「あ、まだ沢山あるから取っていいよ。確かにりみやモカあたりが来そうだけど…」

飛鳥「じゃあ遠慮なく」

 

 そう言って飛鳥はチョココロネを取って、レジに並んで沙綾が対応した。

 

沙綾「2880円ね」

飛鳥「3000円で」

沙綾「…もしかしてアルバイトとかしてるの?」

飛鳥「アルバイトではありませんが…。まあ、単発で」

 

 飛鳥が何かを隠しているような言い方をしたので、沙綾はちょっと気になりつつも、会計を進める。

 

沙綾「120円ね!」

飛鳥「ありがとうございます」

沙綾「また来てねー」

飛鳥「あ、はい」

 

 そう言って飛鳥が帰っていくと、沙綾が口角を上げる。そしてその5分後…りみとモカがやってきた。

 

沙綾「ゴメン! チョココロネ今売り切れなんだ…」

りみ「えーーーーーーーー!!!?」

モカ「チョココロネって気分だったのに~」

 

 チョココロネが売り切れてりみとモカが残念そうにしていたが、モカがある事に気付いた。

 

モカ「あれ~? さーや、何か嬉しい事でもあった~?」

沙綾「え!? そ、そう…?」

モカ「さては便秘…」

沙綾「怒るよ!?」

 

******************

 

 そして飛鳥がパンをもって公園で食べていた。

 

飛鳥「あ、結構おいしいな…」

 

 カレーパンを口にほおばって食べていると、

 

「おーい! 飛鳥くーん!!」

飛鳥「?」

 

 私服姿のリサが声をかけてきたので、飛鳥が飲み込んでベンチから立ち上がった。

 

飛鳥「今井先輩」

リサ「ああ、座ってていいよ…って、どうしたの!? その沢山のパン!」

飛鳥「さっき山吹さんのご実家が経営してるパン屋さんの近くを通ったので、色々買ってみました…」

リサ「それにしたって買いすぎでしょ…」

 

 飛鳥の意外な一面を見てリサは驚いていた。

 

飛鳥「あ、おひとついかがです?」

リサ「え、いいの…?」

 

 そしてそのままベンチに座って世間話をしていた。

 

リサ「そういや友希那がまた練習に来てほしいって言ってたよ」

飛鳥「そうですか…」

リサ「まあ、アタシもそっちの方が嬉しいかな。飛鳥くんがきてから何かいい感じに代わったし」

飛鳥「いや、それは…」

 

 リサたちの実力だ。と、飛鳥は言いたかったが。丁度食べていたクリームパンのクリームが溶けて下に落ちそうだったので急いで食べた。

 

リサ「まあ、ライブの練習を見て貰うのもいいけど、飛鳥くんが歌ってる所も見たいな」

飛鳥「またまた…」

 

 飛鳥が苦笑いした。

 

リサ「そういえばこの夏休みはどうするの?」

飛鳥「そうですねー…。折角関東の方に来たので色々探索してみようと思います」

リサ「あ、そっか。広島から来たんだよね。沢山楽しんどいで!!」

飛鳥「ありがとうございます」

 

 飛鳥が口角を上げると、リサが立ち上がった。

 

リサ「さて、アタシバイトがあるから!」

飛鳥「あ、そうでしたか。呼び止めて申し訳ございません」

リサ「ううん。丁度いい時間つぶしが出来たから! じゃ、またね!!」

 

 そう言ってリサは去っていった…。

 

飛鳥「…さて、オレも帰るか」

 

 そう言って飛鳥も片づけてベンチから立ち上がり、自宅へと帰っていくのだった…。

 

 

 

沙綾(…また次あったら感想聞こう)

 

 沙綾はそう思いながら、飛鳥にまた会える日を楽しみにしていたという。

 

 

 

つづく

 

第31話のアンケートです

  • 戸山香澄
  • 花園たえ
  • 牛込りみ
  • 山吹沙綾
  • 市ヶ谷有咲
  • 美竹蘭
  • 青葉モカ
  • 上原ひまり
  • 宇田川巴
  • 羽沢つぐみ
  • 丸山彩
  • 氷川日菜
  • 白鷺千聖
  • 大和麻弥
  • 若宮イヴ
  • 弦巻こころ
  • 瀬田薫
  • 北沢はぐみ
  • 松原花音
  • 奥沢美咲
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。