不敗の魔術師と夜天の主   作:サーフ

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銀河英雄伝説のパチンコが出たらしいんですが…動画を見たんですがね…

なんでシェーンコップが艦隊率いてるんだよ…

ルビンスキーが指パッチンしたら当たりってなんだよ…


魔術師のやり方

   ヤンとシグナムは人混みに紛れながら地下鉄のホームに移動する。

 

「おう、交渉はうまくいったか?」

 

 振り返るとそこにはヴィータとザフィーラがやってきた。

 

「まぁ、及第点ってところかな?」

 

「及第点だと? 一触即発だったじゃないか! 聞いてるこっちはヒヤヒヤしたぞ」

 

「シグナムが取り乱すなんて……一体どんな交渉だったんだよ?」

 

「あっちだって本気で怒っていたわけじゃないだろうさ」

 

「だがあんな挑発じみた事を……もう少し友好的にだな……」

 

「正直私としては時空管理局は好きにはなれないね。はやてと同じくらいの子供を働かせるなんて人道に反しているよ。私はそういう手合いが嫌いでね、だから少し口調が荒くなってしまったが、いいさ。先方もお上品な答弁なんてそんなものは最初から期待してないんじゃないかな?」

 

「だがな……それに私達がやってきた蒐集の被害を地球教がやったかのような説明を……奴等は……信じるのか」

 

「ウ~ン正直、半々と言った所だね。私の話を信じるには情報がなさすぎる、だが完全に嘘だという証拠もないから彼等はどう思うだろうね。まぁ半分でも信じてもらえば上出来さ」

 

「お前というやつは……」

 

 シグナムは大きなため息を吐いた。

 

「それよりよぉ、なんで私が非常ベルを押す役割だったんだ?」

 

「君が一番適任なのさ」

 

「??」

 

 ヴィータはいまいち理解していないようで首をかしげる。

 そうしているうちにやってきた地下鉄に乗り、全員家へと帰還した。

 

 

  家に入ると、シャマルとはやてがリビングで出迎える。

 

「おかえりなさい」

 

「おかえり〜皆一緒に帰ってきたん?」

 

「あぁ。ちょうど帰りが一緒でね」

 

「そうだったんや。そういえばな、今日駅前でちょっとしたイタズラ? みたいなことがあったってニュースなっとたんよ」

 

「イタズラ?」

 

 ヴィータが首を傾げる。

 

「えぇ、なんでも駅前のビルの非常ボタンを小さな子供が押したとか」

 

「まぁ、子供のイタズラならしゃーないってゆうことで大事にはなっとらんらしいんやけどな、ちょうど生放送があったらしくてちょっとしたニュースなっとったんよ」

 

「へーそりゃ大変だ」

 

「おっさん……そういうことかよ」

 

 ヘラヘラと笑うヤンをヴィータは不服そうな表情で睨んでいた。

 

「ん? どうしたん?」

 

「いや、なんでもないさ」

 

「変なの」

 

 はやてはきょとんとした表情で首を傾げた。

 

 

  一方その頃、時空管理局臨時司令部にて

 

「……」

 

 無言のリンディは不服そうにしていた。

 

「何があったの? すごい不機嫌そうなんだけど」

 

「エイミィさん……」

 

「それが……その……」

 

 なのはとフェイトはエイミィに先ほどの出来事を話した。

 

「すごい舌戦だった訳ね」

 

「どちらかと言うと一方的だったけど……それに向こうはお酒を頼んだ上会計も押し付けられたって怒ってる……」

 

「エイミィ」

 

 三人が小声で話していると急にリンディが声を上げた。

 

「は、ハイ!」

 

「さっきの二人、追跡はできてないの?」

 

「は、はい。人混みに紛れられていましたし、魔法による転移も検知できませんでした」

 

「そう。はぁ~携帯も持っていかなかったわね」

 

 リンディはため息を吐くとテーブルに携帯電話を置いた。

 

「なんで、あの人は携帯を用意させたのに持って帰らなかったんでしょう?」

 

「せっかく新品を用意したのに」

 

 なのはが疑問を呟く。

 

「連絡手段として用意させたんでしょうね。発信器を付けておいたのに、持って帰らないなんて。せっかく用意したのに」

 

「発信器なんて付けていたんですか?」

 

「正確にはGPSで本拠地を割り出したかったのよ。相手は相当用心深いのか、それともそれすらお見通しだったのか……どちらにせよ油断できない相手ね」

 

 リンディは再び深いため息を吐いた。

 

「それに……地球教も放っておけない相手だわ……ここ最近の魔法生物の殺害や、時空管理局の魔道士の被害も……地球教の仕業と考えると合点がいくわ」

 

「そうなると、状況は厳しいですね……」

 

「えぇ、時空管理局が知り得なかった地球教という教団……情報が少なすぎるわ……」

 

 エイミィは再びため息を吐いた。

 

「状況を整理しましょう。ここ最近の魔法生物の乱獲や魔道士への加害は地球教によるもの。そしてヤン・ウェンリーを始めとするレジスタンスは地球教から闇の書とその持ち主を拐って(さらって)いる……いいえ、保護している状況ね」

 

「そうですね、その為に狙われているんでしょうか?」

 

「おそらくはね」

 

 エイミィはホワイトボードに簡単な相関図を書き始める。

 

「レジスタンスは地球教に狙われている。規模の程は分からないけど、もしレジスタンスがやられて地球教に闇の書と持ち主が再び手に入れたら……まずい事になるわね……」

 

「そうですね……でもヤンさん達も闇の書の封印には反対しているみたいですよ」

 

「違うわよなのはちゃん。正確に言うと闇の書の持ち主の封印ね。闇の書自体にはそこまで執着しているようではないわ。恐らく彼等の身内か親しい相手と考えればあの反応も理解できるわ。ヤン・ウェンリーは無意識かもしれないけど持ち主を()()()って呼んでいたわ。もしかしたら子供の可能性もあるわね」

 

「なるほど……確かにそれなら彼等が怒る理由も理解もできます……でも……」

 

「そうね……たとえ身内が……子供がそうだとしても、多くの人命の前には……」

 

 リンディは少し俯き思案する。

 

「とにかく今はできることから始めましょう。まずは地球教を調べましょう。並行して闇の書の資料を集めましょう」

 

「資料を集めて……ヤンさん達と協力するんですか?」

 

「残念だけど現状それが最善の手段ね。ヤン・ウェンリー……個人的には協力したくない、いけ好かない皮肉屋な相手だけど状況が状況だから、そうも言っていられないわ。敵の敵は味方って奴ね。上手いこと説得できれば良いんだけど……」

 

 リンディは嫌そうな顔をしながら俯いた。

 

 

 

  1週間後

 ヤンは、隣町の公衆電話にいた。

 手にしたメモを参照しながら電話をかける。

 

 数回のコール音がなった後、電話が通じる。

 

「資料の準備はできましたか?」

 

『ヤン・ウェンリーさんですね。今どちらに……』

 

 電話の向こうでリンディの声が聞こえてくる。

 

「これから受け取り場所と時間をお伝えします」

 

『ちょ、ちょっとま』

 

 慌てるリンディに構わずヤンは、場所と日時を伝える。

 

「では」

 

『待ってください! あなたは今』

 

 リンディの言葉を遮るようにヤンは電話を切った。

 

 

 同日、時空管理局臨時司令部にて

 リンディは携帯電話を片手に立っていた。

 

「……」

 

「駄目です。逆探知できませんでした」

 

 エイミィは目を伏せ首を振る。

 

「やっぱりね。引き延ばそうとしたのだけど駄目だったわね」

 

 リンディはため息を吐きながら椅子に座った。

 

「公衆電話からというあたりも考えて、徹底的に素性を隠しているわね」

 

「それなりに知識のある行動ですね」

 

「完全に後手に回っているわね。油断ならない相手だわ。資料の準備はできてる?」

 

「はい、過去の事件をファイルにまとめて用意してあります」

 

「そう。場所と時間の記録は?」

 

「できてます」

 

「そう。ところで地球教に関しては何か情報はあった?」

 

「そうですね……本部に問い合わせたのですがそういった教団に関する情報は何も……しかし最近も魔法生物の乱獲も続いています」

 

「地球教の実行犯は捕まえられないの?」

 

「報告によると、管理局員が駆け付けたら、たとえ途中であったとしても撤退しているようでして……」

 

「逃げ足が速いのね。何か収穫はないの?」

 

「一応、実行犯の姿はとらえたのですが……」

 

 エイミィが端末を動作すると、1枚の画像が浮かび上がる。

 

「マントに仮面で姿を隠してますし。それ自体に認識阻害魔法がかかっているみたいで……」

 

「なのはちゃん達の報告と一緒ね、コレじゃあ同一犯なのか複数犯なのかわからないわ。まるで雲を掴むような相手ね」

 

 リンディは本日何度目かになるため息を吐いた。

 

 

 

 

  同日、管理外時空にて。

 

 魔法生物を狩って蒐集を終わらせたシグナムとヴィータは一息ついていた。

 二人は、黒いマントと白い仮面を付けていた。

 

「今日は時空管理局の邪魔は入らなかったな」

 

「そうだな。蒐集もある程度進んできたな」

 

 ヴィータは仮面を外すと汗を拭う。

 

「おい、仮面は外すな」

 

「でもよぉ」

 

「今の姿を時空管理局に見られたら終わりだ」

 

「わかってるよ」

 

 ヴィータは渋々仮面を被った。

 

「でもよぉ、なんで私達までこんな格好しなきゃいけないんだ?」

 

「時空管理局の連中に我々が蒐集している事を知られるわけには行かない、その罪は地球教に被ってもらう必要があるからな」

 

「これもおっさんの策略か?」

 

「ペテンの様なものだが……時空管理局からしては真偽の程は分からないからな。時空管理局は存在しない地球教にも気を配らなければならないからな。きっと不愉快だろうな」

 

「はえー、良く分からないが私達ははやてのために頑張るだけだ」

 

「あぁ、そうだな。さて、もうひと頑張りするか」

 

 二人は飛び上がると別の獲物を探し始めた。

 

 

 

  数日後。

 ヤンが資料の受け取りを指定した日になった。

 

「それじゃあ行ってくるぞ」

 

「行ってくるわね」

 

 出かける準備を整えたシグナムとシャマルがリビングにいるはやてとヤンに声を掛ける。

 

「今日は二人で出かけるん?」

 

「えぇ、少し」

 

「夕方までには帰りますね」

 

「うん。わかったで」

 

 はやては微笑むと小さく手を振った。

 

 シグナムとシャマルは手を振り返して家を後にした。

 

 目的地であるヤンの指定した公園に到着する前に、二人は少し離れた喫茶店の前に向かった。

 

「よし。予定通りシャマル、お前は中で待っていろ」

 

「わかったわ。でも私も行かなくて本当にいいのかしら?」

 

「ヤンの話ではお前の存在は極力時空管理局に知られたくはないからな。それにイザという時は私一人のほうが逃げやすい」

 

「えぇ、無理しないでね」

 

「勿論だ」

 

 シグナムはそう言うと目的地へと向かった。

 

 

 指定された公園に着いたシグナムは周囲を見回す。すると、ベンチの一角に紙袋を持ったフェイトとなのはが座っていた。

 

「あっ……」

 

「お前達か」

 

 シグナムは二人に近付き、二人もシグナムを認知した。

 

「コレ、リンディさんがまとめた資料です」

 

「うむ」

 

 シグナムは紙袋を受け取り中を覗くと、1冊のファイルが入っていた。

 

「これで全部か?」

 

「そうです」

 

「そうか」

 

 シグナムは踵を返し歩きだす。

 

「あ、あの!」

 

「なんだ?」

 

 シグナムはなのはに振り返った。

 

「あの……闇の書の持ち主ってヤンさんの家族なんですか⁈」

 

 なのはが声を上げ、重い空気が流れる。

 

「家族……か……そうだな……ヤンの奴が家族だと思ってくれていたら……いいな」

 

「え?」

 

 シグナムは小さく微笑んだ後、公園を後にした。

 

 

 

 公園を離れたシグナムはヤンに念話を繋げた。

 

『資料は回収できたぞ』

 

『そうかい。追跡はされているかい?』

 

 シグナムは周囲を見回す。

 

『いや、それらしいのは感じない』

 

『そうか……でも念の為予定通りに頼むよ』

 

『了解した』

 

 シグナムは駅前まで歩いて行った。駅前に着いたシグナムはコインロッカーに紙袋をしまうと鍵をポケットに仕舞う。

 

 その後、シグナムは再びシャマルが待機している喫茶店に入店する。入店後、シャマルから少し離れた席に座る。

 

 するとシャマルはシグナムのポケットに空間を繋げ鍵を回収する。

 

「……」

 

 鍵を確認したシャマルは喫茶店を出ると駅前へ向かいコインロッカーの鍵を開け中の紙袋を回収した後、ヤンに念話を繋いだ。

 

『ヤンさん。資料回収できました』

 

『了解。何か魔法的なものは掛かっているかい?』

 

『ちょっと待ってください』

 

 シャマルは、紙袋に軽く手を当てる。

 

『探知魔法の類は掛かってないみたいですね』

 

『そうか……予想外だが……まぁいい。このまま図書館へ向かってくれ。私も向かうよ』

 

『分かりました』

 

 シャマルは紙袋を手に図書館へ向かった。

 

 

「さてっと」

 

 ヤンはソファから立ち上がる。

 

「おじさん。どうしたん?」

 

「ちょっと図書館へ行ってくるよ」

 

「んーわかったでー」

 

 ヤンは着替えをして家を出ると、図書館へ向かった。

 

 ヤンが図書館に着くとエントランスホールにシャマルが待っていた。

 

「ヤンさん」

 

「これが資料かい」

 

 ヤンはシャマルから紙袋を受け取ると中から1冊のファイルを取り出した。

 

「これで全部か……ん?」

 

「ヤンさん?」

 

 ヤンは取り出したファイルに付いていた不自然なクリップをマジマジと見る。

 

「コレは?」

 

「恐らく発信器だろう。念には念を入れておいて良かった」

 

「油断ならないですね」

 

 ヤンは小さく笑う。

 

「さて、コレじゃあ持って帰れないな」

 

 ヤンはそう言うと、図書館の一角へ向かった。そこには複合コピー機が置いてあった。

 

「何をするんですか?」

 

「この時間じゃ閉館までに読み終わるのは難しいからね」

 

 ヤンはそう言うと、ファイルをコピーし始める。

 

 ヤンは出てきたコピーを1枚確認する。

 

「コピー対策されていないのはありがたいね」

 

 ヤンはそう言うとファイルの残りをコピーしていった。

 

 十数分後、1冊のファイルをすべてコピーを終えたヤンが、原本のファイルを紙袋にしまった。

 

「コレを近くの公園にでも置いてくるよ。しばらくすれば回収に来るだろう」

 

「私が行きましょうか?」

 

「いや、私が行こう。可能性は低いが先回りされるかもしれない。君の存在は知られたくないからね」

 

 ヤンは紙袋を持つと図書館を後にして、近くの公園に向かった。

 

 公園に着いたヤンは周囲を見回すが、時空管理局員だと思われる人物の姿はなかった。

 

「無事終わりそうだ」

 

 ヤンは紙袋をベンチに置くと公園を後にした。

 

 

  数時間後、時空管理局臨時司令部にて。

 

 リンディは眼の前の紙袋を見ながらため息を吐いた。

 

「これが、別の公園に放置されていました……」

 

「わかってるわ。相当用心深い相手ね。発信器が有るからって油断したわ。どうせなら追跡させるべきだったわ」

 

「移動ルートを確認したら、一度駅のコインロッカーを経由して、図書館に寄っていることはわかったんですが……それ以上のことは……ヤン・ウェンリー……一体何者なんでしょう?」

 

「分からないわ……戸籍も調べたのだけど……それらしいのは見つからなかったわ」

 

「やっぱり、偽名でしょうか?」

 

「さっぱりわからないわ……地球教に闇の書にヤン・ウェンリー……悩みのタネは尽きないわね」

 

 リンディは両手で顔を覆い天を見上げた。

 

「ところで、その、ヤン・ウェンリーから地球教に関する情報はなかったの?」

 

「なのはちゃん達の話では、受け取りに来たのはヤン・ウェンリーではなく、以前同行していた女性魔道士だったようです」

 

「向こうは情報をよこす気はないわけ?」

 

「さ、さぁ……」

 

「はあ~」

 

 リンディは再びため息を吐いた。




作者はコメントを食って生きているので
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